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沢田区議
日本共産党品川区議団の2006年度予算に対する意見表明

2006年3月20日 沢田英次

沢田区議

日本共産党を代表し2006年度各予算案に対する意見表明をおこないます。

日本共産党品川区議団は2006年度、一般会計、国民健康保険、介護保険予算案には反対、老人保健医療会計には賛成します。

小泉内閣の「構造改革」規制緩和万能論により格差、貧困が広がっているもとで予算編成に当たっては格差社会のもとで困難に直面する低所得者、年金暮らし、障害者、フリーターなどのいのちと暮らしを守る立場こそ求められました。

しかし、当区の予算案は小泉内閣に迎合、格差拡大を容認するばかりか、その先導役を買って出たもの、といわなければなりません。以下、各予算案の問題点、反対の理由を述べます。

第 1 は、小泉内閣の強いている問題です。

00人も生れます。また、第5と第6の境界額を250万円から200万円に引き下げることで、5000人が月額1725円の値上げになります。23区中20区が高額所得者への負担を求める7〜10段階の多段階区分を採用し、低所得者の負担を抑えるよう配慮していますが、品川区は6段階にとどめ、200万円の所得の人も1000万円の人も2000万円人も同額という、所得が少ない人ほど負担が重い格差拡大の設定としました。

税制改定で新たに住民税課税となる人は、国保料でも、最高で9630円から41672円、4.3倍という大幅値上げです。国保料は均等割りを1200円負担増しますが連続負担増により26.6%もの世帯が滞納となっているのであります。

障害者自立支援法が4月から始まり、障害者のサービス利用が原則1割負担となります。施設入所者は1割の利用料に加えて食費や水光熱費の全額自己負担となりますが、品川区は、さらに追い討ちをかけるように月3000円の施設入所者の福祉手当を廃止しました。在宅サービス利用者への減額制度は一定評価するものの、廃止した福祉手当の半額程度の予算であり、減額制度の拡大を求めるものです。

第2は、区のサービスを民間企業に丸投げする点でも際立っている点です。

予算案では、学校給食の民間委託を3校から13校に拡大、土木事務所の全廃を盛り込みました。一方、財界と小泉内閣が進める、市場化テストを前倒しで進める予算が盛られました。

昨今、社会を揺るがす大事件が相次いでいますがその多くが官から民への政策の下で生じているものです。

姉歯設計事務所に端を発するには構造計算偽装事件は、98年の建築確認を民間に丸投げ、規制緩和の中で生じたもの。107人の犠牲者を出したJR福知山線の脱線事故は、民営化により収益を上げるためスピードを競った結果でした。ライブドア粉飾事件も小泉内閣は、『貯蓄から投資へ』と個人投資家を市場に誘導の方針のもとで起きたものであります。「官から民へ」の方針は、日米の財界及び政府が「ビジネスチャンス拡大」を求めてきたものであり、大企業の利益のために、国民の安全、社会保障、環境など欠かせない規制を取り払うものであります。

第 3 の問題は、「都市再生」、大規模開発を新たに拡大、大企業中心の街づくりを進めている点です。

大崎駅周辺開発の開発補助金などに 114 億円、長期不況に苦しむ中小企業のための予算は 9 億 6 千万円と比べても区民のくらしより開発優先の姿勢は明らかです。

予算案では 1981 年以前の木造住宅に対し、補強のための助成を新設、上限で 75 万円が盛り込まれました。「個人財産に財政投入することは問題」との立場を変えたことは評価しますがその予算枠はわずか五件。いつ起きてもおかしくないといわれる、直下型地震の前に旧耐震の木造住宅23000棟、マンション1000棟に住む区民の命が危機にさらされていることと比べるなら、あまりに少なすぎます。大林組、住友不動産が進める大崎駅東口第3地区に投入される税金124億円を耐震支援に回せば区民数万人のいのちを救うことが可能です。大規模開発計画を見直し、木造住宅・マンションンの耐震補強支援に振り向けるよう強く求めるものであります。

第 4 は、小中一貫校を2校から6校へ、加えて小中一貫教育を全小中学校で進める、競争主義的教育のいっそうの推進であります。

学校選択自由化、学力テストの実施と公開、学校評価制度に加えて小中一貫教育でさらに競争をあおる、 子どもたちは一体どうなるのでしょうか。競争主義的教育、能力別教育は学力の点でも、 人格形成の点でも少人数学級をベースにした小グループの、平等、学びあいの協同教育の方が、優れているというのは世界の教育研究で決着済み。2回のOECDの国際学力テストでダントツトップとなったフィンランドは協同の学びあいを取り入れた成果であります。ヨーロッパでもアジアでも競争主義的教育をとっているのは少数派、何ゆえ、競争主義的教育を取り入れるのでしょうか。

なお、伊藤中、原小の小中一貫校の研究報告書で、中学校1年生と小学校5、6年生のステップアップ学習をおこなう写真を表紙に載せています。学力下位の中学生と学力上位の小学生を同時に学ばせる異学年の学習を一貫教育の売りとしていますが、中学生のつらい気持ちを区教委はなぜ分からないのでしょうか。しかもマスコミを入れその中学生にマイクを向ける無神経さには驚きを禁じえません。

この事態は小中一貫教育が子どもたちに何をもたらすか象徴的に示すものといわなければなりません。「子どもの権利条約」に明白に違反しており、関係者への謝罪、是正措置をとるよう求めるものであります。

第5は、住民の声に耳を貸さない、強権的な区政運営の問題です。

高橋区政は小中一貫校、学童保育クラブの廃止、学校給食の民間委託に当たり関係者、区民に意見を聞くことなく上意下達で進めてきました。

都市再生や武蔵小山の「しゃれ街」など街づくりに当たっても、ディベロッパーや、地権者には意見を聞きながら、借家、賃貸の業者には意見も聞かず情報も明らかにしていません。我が党にはいきなり立ち退き要求を受けた、との相談が、あとを絶ちません。この背景には、反対運動が起これば事業が遅れる、開発を急ぐディベロッパーの強い要求があることは明らかです。街づくりの主人公はディベロッパーではなくそこに住む区民のはずです。計画段階からすべての住民の情報を公開し住民参加ですすめるよう求めるものであります。

最後に1億円余の損害が確定したアルゼンチン債購入問題を述べます。これまで高橋区長は、アルゼンチン債問題について、広報などで経過について区民に明かにしていません。

区長は区民や職員に対し「自己責任」を口にしますが自ら区政にとって大損害を与えたアルゼンチン債問題をこの基準で厳正に処すべきです。

 あらためて区民への経過説明と謝罪、損害の賠償を求めるものであります。

なお、我が党は第5号議案一般会計予算の修正案を提出していますが、皆さんの賛同を心からお願いを申し上げまして、日本共産党区議団の意見表明といたします。
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