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中塚区議
障害者自立支援法に関する反対討論

2006年3月28日 中塚 亮

中塚区議

日本共産党品川区議団を代表して、第24号議案品川区立心身障害者福祉会館条例、第 25 号議案品川区立知的障害者生活ホーム条例、第 26 号議案品川区立知的障害者援護施設条例、第 27 号議案品川区心身障害者福祉手当条例について、一括して反対討論を行ないます。

 第24、25、26号議案は、利用者に新たに1割の定率負担を求める障害者自立支援法の制定により、心身障害者福祉会館、知的障害者生活ホームのうち西大井つばさの家、知的障害者援護施設かがやき園、西大井福祉園において実施する事業および利用者負担に関わる規定を変更するものです。 27 号議案は、心身障害者福祉手当第 2 種手当てのうち施設入所者への手当てを廃止するものです。

以下反対理由を述べます。

 障害者自立支援法は、障害者が人として当たり前の生活をするための支援を「益」とみなして、利用料を応能負担から応益負担に変え、利用者に1割の定率負担を導入しました。これは、障害の重い人ほど負担が重くなる制度であり、負担に耐えられずサービスを受けられない事態を引き起こすのではと心配です。憲法や福祉の理念に反するものです。

身体・知的・精神の三障害に対する福祉サービスの一元化など一部関係者の声を反映した部分もありますが、しかし改善を打ち消して、あまりある改悪と言わざるを得ません。だからこそ、障害者・家族の反対運動が空前の規模で全国に広がっています。

授産施設に通い、国民年金のお母さんと 2 人暮らしをしているAさんの場合。月 66000 円の障害年金と 9 時から午後 4 時まで働いて得る工賃が月約 7000 円、福祉手当を含めても 2 人で月 15 万円程度の収入。そこに襲い掛かる4月からの 1 割の定率負担。さらに通所更正では、品川区の通所サービスへの3000円の減額制度を適用しても、住民税課税の方は2万5000円、非課税の方は約1万円の新たな負担となります。先週、利用料についての通知が届き、家族は「今まで無料だったのにあまりの負担でみんな悩んでいる。家でも食べさせなければならないし、生活をしていかなければならない。親を泣かせないでほしい」「親も国民年金しかなくて、どうやって生活をしていけというのか」「とることばかりで親子で死ななくちゃいけない」と切実な声がたくさん寄せられています。

厚生委員会で課長は、現在の応能負担で利用料を負担しているのはホームヘルプサービスと通所サービス利用者の 3 〜 5 %と述べました。それほど障害者とその家族がおかれている状態が厳しいことの証明でもあります。品川区として、国に対して「応益負担」を撤回するよう求めるべきと考えます。 

国によって障害者への過酷な負担が強いられるときだからこそ、住民の福祉を担う自治体の役割が求められています。しかし品川区は逆に、これに追い討ちをかけるように、施設入所者への心身障害者福祉手当月額 3000 円の廃止を打ち出しました。区は廃止の理由のひとつに「在宅の方に比べて手厚いサービスが支給されているため必要性が少ない」と述べています。しかし、自立支援法により新たに1割の利用料と食費・部屋代の全額自己負担で大きな負担が課せられるという今、なぜ追い討ちをかけるように手当てまで廃止するのでしょうか。在宅の方と施設の方を対立させ低い方に合わせていくやり方は、小泉構造改革の常套手段です。在宅と比べて施設が手厚いというのであれば、 23 区で品川区が最低の額となっている在宅の障害 2 種手当ての 4500 円こそ引き上げるべきではないでしょうか。また、 3000 円の手当てが収入認定され負担にはね返ることも廃止の理由に挙げています。しかし、手当てや工賃を収入認定するかどうかは自治体が判断できることであると厚生労働省が答弁し、すでに他の自治体では工賃まで収入認定していないところも出ています。品川区も工賃や手当ての収入認定を行うべきでないと考えます。

 今回、品川区は独自に都の住民税非課税世帯へのホームヘルプ 3 %への減額に上乗せし、住民税均等割りまで 3 %に、通所サービスの自己負担の 3000 円減額制度をつくるとしています。このことは一定評価するものですが、今回区が廃止を発表した施設入所者への福祉手当削減で減額する 1800 万円〜 2000 万円の半額程度の小額予算であり、今回の過酷な自己負担に対してあまりにも少ないと指摘せざるを得ません。すでに 23 区中 15 区が独自策を出しており、たとえば荒川区では在宅の全サービスの利用者負担を 3 %に軽減、国が対象外とした住民税課税世帯の障害者の通所施設での食事代半額、サービス利用量が多い重度障害者の月額負担上限額を半額にするなど、思い切った軽減策をとっています。品川区も、国に対して制度改善を求めると共に、障害者・家族の実態を把握し、切実な声に応えて減額制度の拡大など、障害者の真の自立への支援を行なうよう求めます。

以上、反対討論とします。
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