前のページへ戻る           日本共産党品川区議団TOPへ

第2回定例会 
一般質問中塚亮区議「教育基本法」「廃プラ焼却」「青年雇用」

子ども達の未来、日本の進路にかかわる教育基本法「改定」を問う>>>
廃プラスチックの焼却を止め 本格的なごみ減量対策を>>>
品川区は青年雇用対策に一層の努力を>>>

答弁>>> 再質問>>> 再答弁>>> 再々質問>>> 再々答弁>>>


子ども達の未来、日本の進路にかかわる教育基本法「改定」を問う

中塚区議

日本共産党品川区議団を代表し一般質問を行ないます。まず始めに「子ども達の未来、日本の進路にかかわる教育基本法「改定」を問う」についてです。

  先の通常国会にて小泉内閣は教育基本法「改定」案を国会に提出しました。教育基本法は前文に「われらはさきに日本国憲法を確定し」「この理想の実現は根本において教育の力にまつべきものである」とうたう、憲法に準じる重みをもった法律です。

しかし、政府は準憲法的な法律の「全面改定」案を提起しながら「なぜ改正がするのか」について、まともな説明をしていません。いったい教育基本法「改定」は何を狙っているのでしょうか。問題点を3点に絞り指摘します。

一点目は『愛国心などの「徳目」を、「教育の目標」として法律に書き込み、その「達成」を学校に義務付けられることは、憲法第19条が掲げる「内心の自由」を侵害する』という問題です。「徳目」それ自体には当然のことのように見えるものもありますが、問題は、新たに徳目が法律に書き込まれれば、時の政府の意思として子ども達に強制となる点です。

この点で、小泉首相は「児童生徒の内心にまで立ち入って強制するものではありません」と弁明しました。日本共産党は、福岡市の小学6年生で使われた通知表を示し「愛国心をABCの3段階評価。こんなやり方は間違いだ」とただし、小泉首相は「率直に言って評価は難しい」と答弁。文科大臣は「ABCをつけるなんてとんでもない」と述べたのであります。この発言は波紋を呼び、全国98校の小学校で愛国心通知表は見直し廃止が進められたのであります。

この問題で重要なことは、これは各学校や教育委員会の自主的な判断ではないという事。きっかけは、文科省による2002年度以降の学習指導要領で小学校6年生社会科の目標に「国を愛する心情を育てるようにする」と明記されたことです。政府の号令で始まったものを、首相は「評価は難しい」といい、号令をかけた文科大臣は「とんでもない」と発言した以上、学習指導要領で愛国心を教育の目標とすること事態を改めるべき。愛国心など「徳目」を法律に「格上げ」する「改正」に道理はありません。

二点目は、一点目とも関連しますが、国家が教育内容とその方法に無制限に介入できるという問題です。

教育基本法第一条「教育の目的」は「人格の完成」を明記。ひとり一人の子ども達の成長の可能性をどこまでも伸ばすことを教育の目的にしました。これを実行する保障が第10条「教育は不当な支配に服することなく、国民全体に対して直接に責任」の条文です。

私たちは「不当な支配」「直接に責任」にこめられた歴史の反省、戦前の「教育勅語」を中心とした、教育への反省を決して忘れてはなりません。

教育勅語には「朕(ちん)惟フ(おもう)ニ 我カ皇祖皇宗(わがこうそこうそう)」からはじまり「一旦緩急アレハ(いったんかんきゅうば)義勇公ニ奉(ぎゆうこうほうじ)シ以テ(もって)天壤無窮(てんじょうむきゅう)ノ皇運(こううん)ヲ扶翼(ふよく)スべシ 」とあります。

つまり子ども達に戦争になったら天皇のために命をささげろと教えたのであります。教育が戦前、戦中、侵略戦争の道具に使われたことへの深い反省から「不当な支配に服することなく」が明記。「直接に責任」も、かつて多くの教師が「戦争に行け」と教え子に説き、戦後、痛恨の思いでわびました。「天皇がいったから」「国が言ったから」では教師としての責任は回避できない。だから教育は、子ども、父母、国民に「直接に責任」としたのであります。

しかし「改定」案は法律の命ともいえる「直接に責任」を削除。国家的介入を抑制する条項をなくしました。これが意図するものは、愛国心の強制とあわせ、あの忌まわしい侵略戦争と結びついた教育勅語の悪夢を呼びかえらせるものではないでしょうか。事実、国会審議の中で、安部晋三官房長官は教育勅語について「大変すばらしい理念が書いてある」と発言したのであります。

教育基本法「改定」のねらいは、ひとり一人の子ども達の成長を願う教育から、国策に従う人間をつくる教育へ180度転換させるもの。それは、憲法9条改正の動きと一体のものであり、憲法9条を変えて「海外で戦争をする国」をつくる、その国に忠誠を誓う人間を育てる。私はここに教育基本法「改正」の狙いがあると思います。

第三点目は「できる子」「できない子」にふるいわける競争教育がいっそう加速する問題です。政府は「愛国心」だけでなく、新たに第17条教育振興基本計画を設け「全国一斉学力テスト」の実施を進めようとしています。

「全国一斉学力テスト」という方法が、子ども達に何をもたらすのか。それは品川区をはじめ、一部の自治体で既に実施されている実態を見れば明らかです。ある自治体ではテストの結果を学校に順位をつけて公表。「僕の学校は第1位」「あの学校は最下位」などとする教育は何をもたらすのでしょうか。品川区のある小学校では、学校HPで区平均正答率よりも自分たちの成績が高いことをアピール。学校を成績で比較、分ける事にどんな意味があるというのでしょうか。教育基本法「改定」を推進してきた一人、三浦朱門元教育課程審議会会長は「できん者はできんままで結構。戦後50年、落ちこぼれの底辺を上げる事にばかり注いできた労力を、できる者を限りなく伸ばすことに振り向ける。百人に一人でいい、やがて彼らが国を引っ張って行きます。限りなくできない非才、無才には、せめて実直な精神だけ養ってもらえばいいんです」と語りました。1%のエリート、99%の「その他」に選別。エリートだけ育てばよい。その他は従順に従えばよい。私は、こうした教育を全国に広げることは許されないと思います。

私は、そもそも「競争が学力向上のエンジンになるのか」という問いに対して、OECD国際学力調査の結果を踏まえ、世界の教育界の流れは、競争教育を排除し、共同・学び合いの教育に向かっていることを繰り返し述べてきました。

国際学力調査で2度にわたりトップクラスとなったフィンランドは、いまや「学力世界一」と目されている国です。フィンランドでは、他人と比較するためのテストは16歳までありません。習熟度別学習も中止されました。1クラスの生徒数はおよそ16人。授業になると四人一組に机をくっつけ学びます。校長先生はその理由を「このほうが、分らない事を教えあう関係が自然に生まれやすい」と話します。フィンランドでは、競い合いの教育を徹底的に排除、「できる子」と「できない子」がどこまでも、いっしょに学びあい教えあい、共同の中で獲得した力によって、学力世界一となったのです。

フィンランドの教育改革のモデルとなった国があります。それが私たちの日本の教育基本法です。世界でもその値打ちが注目される教育基本法を今こそ生かした教育改革こそ力強く進めるべきです。以下質問します。

1、 愛国心などの徳目を「教育の目標」として法律に書き込み、その「達成」を学校に義務付けられる事は、憲法19条が掲げる内心の自由の侵害にあたると思いますがいかがでしょうか。

2、 全国の学校に広がる「国を愛する心」(愛国心)について、小学6年生の通信簿で3段階評価するやり方は間違っていると思いが、いかがでしょうか。

3、 教育基本法第10条「改定」や新しく設けられた政府改正案17条(教育振興基本計画)は、国家が無制限に教育内容へ介入することにつながると思いますがいかがでしょうか。

4、 教育振興基本計画によって政府がはじめる、全国一斉学力テストや習熟度別指導は、学校を序列化し、子ども達を「できる子」「できない子」に分け、競争教育が加速すると思います。区の見解をお聞かせ下さい。

廃プラスチックの焼却を止め 本格的なごみ減量対策を

中塚区議

続いて「廃プラスチックの焼却を止め 本格的なごみ減量対策を」について質問します。

品川区は2000年に一般廃棄物処理計画を策定。「資源循環型都市しながわ」を掲げ、ごみの発生抑制、再利用品の使用拡大、資源回収の充実を掲げていました。2003年度以降の品川区分別収集計画では計画策定の意義について「大量にモノを生産、消費し、大量にモノを廃棄する使い捨て社会となった」「ごみ減量およびリサイクルを推進する資源循環型社会を形成することが21世紀の大きな課題となる」と語り、品川区は、区民、事業者と共に、アルミ缶、ペットボトル、トレイなど10種類におよぶリサイクル活動を進め、消費者展やエコフェステバルなどを開催してきました。

しかし23区区長会はこれまで「不燃ごみ」としてきた廃プラスチックを2008年から「可燃ごみ」とすることを発表。区はこれを受け今年7月からモデル実施を行うとしました。

今まで「混ぜればごみ。わければ資源」と進めてきた「資源循環型都市しながわ」とは、いったいなんだったのでしょうか。各家庭では、少しでもごみ減量、環境改善に協力しようと、台所では「不燃ごみ」「可燃ごみ」の仕分けを一生懸命行なってきました。それが「プラスチックは燃えるごみ」ではこれまでの取り組みの足を引っ張ることになります。

日本共産党は、廃プラスチックを焼却処分するサーマルリサイクルは、ごみ発生抑制や地球環境保全を進めてきたリサイクル運動の逆行でありモデル実施も含め中止すべきだと思います。

以下、反対の理由を3点述べます。

まず第1は廃プラスチックの焼却は有害物質を発生させ地球環境破壊を加速させる点です。ごみ焼却には、様々な有害ガスを発生させ、廃プラスチックに混入している塩化ビニールからは発がん性、催奇形性をもっているダイオキシンなどが発生します。

従来から、日本のごみ処理方法は焼却が柱とされ、深刻な大気汚染を拡大させています。日本には世界の焼却炉の3分の2にあたる1864基の焼却炉があり、ダイオキシンの総排出量は世界的にも格段に多いのが現状です。品川区は品川清掃工場がリニューアルされて高性能の炉になり「充分に法規制値を下回った操業が可能」と説明。しかし、アメリカ環境保護庁はダイオキシンの危険性からダイオキシンの排出量は限りなくゼロに近づけることが望ましいとしています。「何でも燃やせばよいとする」といった焼却主義は改めることこそ必要だと思います。

第2は、ごみ減量に向けた企業責任が不明確という点です。

ドイツでは商品の設計・開発・生産など各段階から、ごみの排出量を減らす対策を法律で義務付けています。消費者と行政中心のリサイクルシステムは、ごみの排出量を抑える事にはおのずと限界があります。本格的なごみ減量には、ごみの総排出量の抑制が必要。その為の、リデュースの確立や繰り返し使えるリターナブル容器の普及には、企業の協力なしには構築できません。品川区はこうした企業の拡大製造者責任を果たさせるために、どのような努力を進めてきたのでしょうか。「プラスチックごみは燃やせばよい」では企業責任が曖昧になります。

第3は、地球温暖化防止のCO2削減計画に逆行する点です。

地球温暖化防止。それは世界規模の課題です。品川区は、廃プラスチィックの焼却によって増加する温室効果ガスは約20・5d万と想定、一方、削減される温室効果ガスは、最終処分場から発生する温室効果ガスと東京電力の温室効果ガスを合わせて20万トン。結果0.5万トンの「微増」と説明します。

しかし、京都議定書で確認したのは6%削減です。なぜCO2を増加させるのでしょうか。CO2削減にこそ自治体が率先して取り組むべきだと思います。

以下質問します。

1、モデル実施とあわせ、品川清掃工場での廃プラスチックの焼却はやめ、燃やして処理する考え方からを克服する事が必要と思いますがいかがでしょうか。

2、品川区は、大気中に放出される有害物質について、十分に法規制を下回った操業が可能と説明し、ダイオキシン発生は今までの100分の1、1000分の1になると答弁します。しかし、大気中の汚染濃度をヨーロッパと比較すると、ヨーロッパは1u中0.3ピコグラムに対して、日本は0.6ピコグラムと2倍です。燃やさないようにすることが大事だと思います。なぜ、廃プラスチックの焼却による有害物質濃度など環境影響の検証を行なわないのでしょうか。お聞かせ下さい。

3、品川区は、ごみの分別・リサイクルが大切だと区民に呼びかけてきましたが、企業責任が不明確のままです。企業責任を明確にした、法制化などの取り組みについてどのように考えているのでしょうか。また、廃プラスチックの発生抑制を重点にすべきと思いますがいかがでしょうか。

4、地球温暖化防止に向けてCO2の削減は急がれています。京都議定書で確認した6%削減に向けて、自治体として率先してCO2削減の先頭に立つべきと思いますがいかがでしょうか。

品川区は青年雇用対策に一層の努力を

中塚区議

最後に「品川区は青年雇用対策に一層の努力を」について質問します。

日本共産党は2001年以降、繰り返し、青年雇用対策の実施を求めてきました。若者の雇用の破壊は、格差社会を拡大させ、「勝ち組」「負け組み」の歪んだ弱肉強食社会を固定化させるもの。多くの若者が、週に一度の休日すら保障されない過酷な正社員か、不安定で生活さえままならない非常勤雇用か、両極端の働かせ方の中で苦しめられています。

私は、若者が社会にでる始めの一歩が奪われ、一人の人間として希望をもって生きる道を踏みにじられている実態を見過ごす事はできません。本人、家族、そして社会全体に対して将来わたり深い傷を残す青年雇用問題の解決が急がれます。

品川区は昨年度から、東京都などの連携を強化し若年を対象にした「パソコン教室」や「合同就職面接会」などを実施。今年の6月からは、中小企業センターに若年労働相談を開設しました。地元で育った若者が、品川で暮らし、働けることは、区内産業と共に地域コミィニティーの活性化に寄与するものです。今後、区が実施する無料職業紹介所「サポート品川」で培った就業相談システムを活用するなど施策の充実に期待します。今回は依然として深刻な青年の実態を踏まえ質問します。

今年5月、厚生労働省は昨年度の全国の労働局に寄せられた労働相談が17万6千件を超え、過去最多に上ることを発表。主な内訳は、最も多い「解雇」をはじめ「賃金カットなどの労働条件の引き下げ」「いじめ・嫌がらせ」です。非常勤雇用の急増を背景に、派遣や契約社員からの相談も急増、この4年間で相談割合は2倍に増加しました。

私は、大手ゲーム会社の下請けで社員として働く26歳の方に話を伺いました。

「面接の時、3ヶ月がんばったら社員にするといわれ、契約社員として入社。手取りは16万円。納期に間に合わせるためにデータ入力が深夜になることあったが、契約社員はどんなに残業しても残業代は0。それでも『社員になるため』と自分を励ましてきた。ところが3ヶ月たったら時、急に上司に呼び出され『明日から来なくてよい』と言われ頭が真っ白に。納得できないと労働基準監督に駆け込み会社と交渉。なんとか解雇は撤回され社員になれた」と話します。そして「僕のように会社と直談判する人はまれ。ほとんどがあきらめている」と話します。

私はこのようなひどい働かせ方の原因を「個人の努力不足」や「自己責任」とするのは間違いです。原因は「もうかれば何でもあり」といった財界・大企業の身勝手さ、働くルールを改悪してきた政治にあるのです。

95年の日経連(当時)は提言「新時代の日本的経営」で雇用流動化を発表。政府はこれにこたえ、96年労働者派遣法で対象拡大、99年派遣原則自由化と合わせ大企業リストラ応援、産業再生法、03年有期労働契約上限延長など次々と規制を取り払い、「派遣」や「契約社員」という形でしか就職先がないという状況を作り出しました。その結果10年間で正社員は395万人減少、非正規社員は593万人増加。若者の2人に1人が非正規雇用に、その8割は年収150万円以下といった、まともな自立した生活などできない若年労働者を作り出されたのであります。

さらに重要な問題は、多くの若者が、職場でも、学校でも、労働基準法をはじめ、労働者としての基本的権利や雇用主としての企業の責任について、何も知らされず“泣き寝入り”の状態であるということです。

若者が経済的に自立しにくい社会は、同時に、親の世代にも大きな負担と不安を引き起こし、少子化社会を加速、社会保障制度の根底を揺るがしかねない問題でもあります。

一刻も早い解決が求めるものです。以下、質問します。

1、 若者の雇用悪化は、未来を生きる希望を奪うと共に、区内産業の技術継承、少子化社会、社会保障制度などあらゆる分野に傷を残します。区の見解をお聞かせ下さい。

2、 区内企業の求人情報や職場の労働実態など、区内若年層の雇用状況の実態調査を行ない、施策に反映すべきと思いますがいかがでしょうか。

3、 ヤングキャリアナビ(若年労働相談)はPRに努め、昨年、実施した合同就職面接会は参加企業の拡大や、多くの若者が気軽に参加できるよう工夫し、区内産業や地域の活性化に結び付けるべきと思いますがいかがでしょうか。

4、 品川区として、東京都と連携し「ポケット労働法」の増刷、普及を進めるべきと思いますがいかがでしょうか。また、事業者に対しては、ポスターや各種セミナーをなどで、雇用主としての会社責任や労働基準法の遵守などをよびかけて頂きたいと思いますがいかがでしょうか。

ページトップへ


答弁

区長

中塚議員のご質問のうち、品川区の青年雇用対策についてお答えいたします。まず若者の雇用関する区の見解とのことでございますが、長く続いた不況によりまして、我が国の雇用環境は若者に限らず厳しい状況が続いてまいりました。回復基調にある経済状況を反映いたしまして、本年は雇用予定数が大幅に増加し、雇用をめぐる環境も好転してきていると認識を持っているところでございます。今後、団塊の世代の大量退職が見込まれる労働市場の中で、若年労働者にとっては雇用情勢は改善されていくものと期待しているところです。

なお、労働条件につきましては、労働基準監督署の所管でございますので、実態については把握してございません。

次に、若者の雇用施策につきましては、国や都が拡充を図っているところでございますので、区内若年層の雇用状況の実態調査につきましても、区として独自に実態調査を実施する考えはございません。

次に、ヤングキャリアナビゲーション、若年労働者相談については、本事業は議員ご指摘のとおり、厚生労働省による事業で、全国47か所のうち、1つとして中小企業センターにおいて本年6月にスタートしたものでございます。急遽決定されたこともございまして、国によるPRが必ずしも十分ではありませんので、今後、区の広報媒体などで周知に努めてまいります。

次に、合同就職面接会につきましては、昨年度、区のキャリア支援塾の一環として、ハローワーーク品川の協力で実施したものでございます。本年はハローワーク品川が実施している「ヤング就職支援セミナー」に品川区が連携して実施することといたしますので、実効性が上がるよう工夫してまいります。

次に、都の産業労働局が発行しております冊子「ポケット労働法」についてのお尋ねでございますが、都内の労働相談情報センターで希望者に配布していると聞いております。また、部数に限りがあることから、その内容は全部都のホームペし一ジで見ることができます。したがいまして、区といたしましては、増刷等の働きかけをする考えはございませんが、労働相談情報センターーや都のホーームページをご案内してまいります。

次に、雇用主としての会社責化等の呼びかけについてでございますが、区は従束から労働相談情報センターーの大崎事務所と同事務所の所管地域である品川区を含めた城南5区と共催で、雇川主向け、被雇用者向けのセミナ一を開催しております。今後とも同センターーと連携を密にして実施してまいります。

教育長

私からは、教育に関するご質問にお答えをいたします。初めに、愛国心などの徳目が内心の自由を侵害するのではとのご指摘でございますが、文部科学省は「我が国を愛する態度の育成は、教育上の目標として規定しているものであり、児童・生徒の内心にまで立ち入って強制しようとする趣旨のものではない」との認識に立っており、本区も同様の立場をとっております。したがいまして、こうした指導が内心の自由を侵害するとは考えておりません。

次に、国を愛する心情や態度などの評価に関してでございますが、学校教育におきまして、指導したことを評価することは大切なことであります。また、その評価のねらいや方法はさまざまでありまして、その際、学校は学習指導要領の趣旨に基づき、適切に判断すべき事項であると考えております。

3点目の教育振興基本計画は国が教育に介入するのではないかというご指摘でございますけれども、国が教育に対する説明責付を果たすために、教育基本法に根拠を置いた教育振興基本計画を総合的、体系的に策定することは国としての責任を明確にすることであり、議員ご指摘の国の教育への介入につながるとは認識しておりません。

最後に、学力テストや習熟度別学習による序列化についてのご指摘でございますが、これにつきましては、例えば習熟度別学習と申しますのは、固定化した学級編成で行うものではなく、子どもの理解状況に応じて柔軟な指導を行う苧習形態の一つであります。また、学力テストは、子どもたちを序列化することをめざしたものではなくて、次の指導に学校が生かすために行っているものでございます。したがいまして、議員ご指摘の序列化や、あるいは競争教育の加速化につながるのではないかとのご指摘でございますが、教育委員会といたしましては、そうしたことはないと考えているところでございます。

環境清掃事業部長

初めに、ヨーロッパで0.3ピコで日本が0.6ピコで、日本は高いというお話があったかと思いますが、これは大気の環境の基準値でありまして、実際の数値はもっとはるかに低くなっているのが現実でございます。0.6ピコの基準値に対しまして、15年度は0.067、16年度は0・077ピコというのが東京都のホームページに載ってございます。

さて、廃プラスチックの分別変更に関する昨年10月の特別区長会決定の趣旨でございますけれども、これは最終処分場を延命するということと資源有効利用の観点から、サーマルリサイクル、熱エネルギーの回収をしようと、埋め立ててはもうだめなんだということを東京都が言っているわけでございますので、それに対応した決定をしたものでございます。

ダイオキシンがふえるというご指摘でございますけれども、サーマルリサイクルを既に先行して実施している他の都市が幾つもございます。そのデータによりましても、環境基準を大きく下回る結果になつております。しかも、その都市の比較をいたしますと、プラスチックの量の割合が多いところが必ずしもダイオキシンが多いということになってございません。23区におきましても、工場の建てかえによりまして、それ以前よりダイオキシンの排出量は大幅に減少しております。導入済みの技術革新を考慮いたしますと、ごみの中に1割程度ございます。廃プラスチックを焼却して熱回収を行ったとしても、ダイオキシンの量が確実にふえるとは限りません。逆にダイオキシン量は、大田第二で現在燃やしているわけでございますけかども、ここから出ている量よりも減る可能性というのは大いにあるんじゃないかと、こういうふうに思っているわけでございまして、これを検証するためにモデルを実施するということでございます。

次に、ごみの削ミ抑制・リサイク′レ推進への取り組みですが、区ではごみの各戸収集による分別意識の向上や資源回収品目の充実を図っておりまして、人口・世帯増の中でもごみ量が減るなど施策の効果があらわれております。今後、区民の減量行動を一層促進する周知啓発の充実を図ってまいりますが、モデル収集地区におきましても、マイバック持参による発生抑制やペットボトルなどの資源回収の一層の徹底を前程にしまして、廃プラスチックの分別変更を周知しているところでございます。ペットボトルの資源回収をやめるわけではございません。これを逆に周知徹底するわけでございます。

また、循環型社会形成推進基本法に拡大生産者責任が規定しておりますが、これをさらに発展させて、家電、パソコン、自動車など事業者によるリサイクルが順次強化されております。これは国の施策でございますが、区として今後事業者が一層適切な役割を果たすよう、全国都市清掃会議等を通じて引き続き要望を行ってまいります。

次に、焼却による温室効果ガスにつきましては、清掃一組のデータでございますが、プラスチック焼却によるCO2増加や未処理の不燃ごみから出ますメタンガスの減少、こういうものは算定いたしましたが、不燃ごみ処理施設までの遠距離輸送が解消することによる影響は算定してございません。また、ご案内のように、品川清掃工場は八潮地区に熱量を供給しておりますこ.これも,CO2の代替、減少という計算ができるわけでございまして、そういうことを考えますと、温室効果ガスの量は現状よりむしろ減るのではないかというような結果が出るものでございます。これらの点を踏まえ、区ではこの7月から7,000世帯のエリアでごみの減量、リサイクル徹底とあわせて、資源以外のプラスチック類を可燃ごみとしてモデル収集し、データ分析や公表を行い、本格実施につなげてまいります。

ページトップへ


再質問

中塚区議

自席より再質問させていただきたいと思います。

まず初めに、それぞれご答弁ありがとうございました。初めに、教育について幾つか伺いたいと思います。教育長は、いわゆる愛国心通信簿の評価について、もちろん指導には評価が大切という、そのとおりだと思います。評価と目標というのは一体のものだと僕も思います。

小泉首相は、実際愛国心がA、B、Cで3段階にされているそのものを見て、「評価は難しい」、大臣は「とんでもない」と発言したわけですね。先ほどの教育長のお話ですと、それぞれが判断すればいいことだという、首相の立場と同じものなのか、それとも学校が判断すればいいことなんだという、「とんでもないという」立場と違うものなのか、そこがよくわかりませんので、ご答弁いただければと思います。

かつて教育長は、愛国心の問題を僕が伺ったときに、日本人として固定した日本人像を何も育てようとしているわけではありません、その点は同じですと答弁されたんですけども、であるならば、徳目を法律に書き込めること、それが教育の目標になること、そうなれば強制することになるじゃないかというのが僕の質問です。ぜひそこにお答えいただきたいと思います。

もう1つ、廃プラスチックのことですけナれども、それぞれの家庭では、台所の周りに燃えるごみだったり、燃えないごみだったり、一生懸命分別をこの間してきました。それは、とにもかくにも、少しでもごみを減らしたい、環境改善に貢献したい、そういう思いからだと思っております。しかし、今回の廃プラスチックを燃やせばという方針は、こうしたリサイクルの取り組みに水を差すものになるんじゃないかと思います。

伺いたいのは、私が大事だと思うことは、廃プラスチックそのものを発生させないこと、そこが大事ではないかと思います。どのように分けるかというのではなく、どうやって出さないかということ。廃プラスチックそのものを出さないことが大事ではないかと思いますけれども、その1点だけお聞かせいただきたいと思います。

最後に、青年の雇用問題のことについてですけども、1点だけ、実態調査、この間もぜひ進めていただきたいと申してきましたが、例えば完全失業率だったり年齢別の推移だったり、そういうデータは東京都、さまざまなデータから読み取ることはできると思うんですね。私がここで申し上げたいのは、今、現に品川区が行っている55歳以上のサボしながわで、区内の中小企業の求人情報やさまざまな仕事の実態、そこをつかんで施策に反映している、ぜひそのことを若年層の雇用の深刻な実態を踏まえて、区内の実態を区が把握し、施策に努めていただきたいと申しているわけであります。

ある区内の社長さんが、技術開発やIT技術、技術の継承、人材確保というのは企業の将来を左右する問題だと、こう話してくれました。まさにこうした区内産業と仕事を求めている若者の手つなぎ、応援、ここを品川区は進めていただきたい。そのための区内の状況をつかむべきではないかということでありますので、もう一度答弁をお願いいたします。以上です。

ページトップへ


再答弁

教育長

中塚議員の再質問にお答えいたします。

まず第1点目でありますが、学校の判断でいいのかというようなことだろうと思います。これにつきましては、先ほどもご答弁しましたけれども、5月16日の衆議院の本会議で保坂文部科学大臣はこのように答弁されていますこ「学習指導要領に既に規定されていることを踏まえて、これまでも児童・生徒の内心の自由にかかわって評価することを求めてはいない」という答弁をしているわけであります。当然こうしたことはそれぞれの各学校が十分に承知をしていることであって、そういったものに基づいて判断するのが当然だろうという趣旨でお答えをしたものでございます。

それから、2出目の、いわゆる今話題になっております愛国心といったようなものを法律に書き込むことは強制につながる、あるいは望ましいことではないんじゃないかといったようなご指摘だろうと思うんですが、さてこれはいかがなものでしょう。例えば現在の教育基本法の中にも正義と真理を愛しとかという心にかかわる目標はうたい込まれております。また、学校教育法においても、いわゆる心のありよう、態度といったようなものに対する教育の目標といったようなものは現在もあるわけであります。したがいまして、今回の教育基本法の改正だけとらえて、こういうものを書き込むことは強制につながるんじゃないか、ふさわしくないのではないかというご指摘は、いかがなものだろうかと、このように考えているところでございます。

環境清掃事業部長

分別のお話ですが、可燃、不燃の分別と資源リサイクルの分別とは全く違うものでございます。よその都市は可燃、不燃という分け方をしないけれども、資源リサイクルにつきましては、いろいろと分別を市民の方にお願いしている。横浜ですと、資源の分け方が非常にきめ細かいとかいろいろとございます。そういうことでございますが、プラスチックを出さないことがということでございますけれども、これは統計集でございますが、樹脂の生産量は平成9年が最大でございまして、1,5207ノトンが平成9年でございます。この表は15年までですが、15年は1,397万9,000トンということで減っているのが現状でございます。それから、ペットボトルの回収率というのは62.3%まで、事業系を含め回収されているということで、極めてリサイクル社会の理想に近い形にペットボトルはなりつつあろということでございます。

区民生活事業部長

青年雇用に関する再質問にお答えさせていただきます。先ほどご答弁申し上げたとおり、国や都の段階でそれぞれの労働実態を把握した後、新しい施策を打ち出ししているというところでございます。今回やります、ヤングキャリアナビゲーション、これは国の施策でございますが、これについても、いわゆる場の提供として中小企業センターの場を捏供し、国の事業を展開していく。また、東京都のハローワークと連携をしながら、ヤング就業支援セミナーという形で、より効果の上がる形でご支援申し上げているところでございますので、区として実態調査をする考えは現在のところございません。

ページトップへ


再々質問

中塚区議

教育の問題について1点に絞り向いたいと思います。

若月教育長は、現行教育基本法の中にも正義だとか書き込まれているじゃないかと逆に質問されましたので、むしろ教育長に何いたいんですけれども、結局、今のじゃ足りないか政府は改正するという、全面改正、教育長は今の教育基本法のどこが足りないから、新たに愛国心だけじゃない、20にもわたる徳目を載せる、教育長自身のお考えがよくわかりません。今の教育基本法に何か問題があるとしたら、どこが問題だと思っているのか。今の品川区の方針には教育基本法の精神にのっとってと書いてありますけれども、現状のどこか問題でもあるのでしょうか。現状の条文に何か足りないものでもあるのでしょうか。私は現状のものをまさに生かした教育を進めること、それが世界の流れであり、学び合いの教育だと思います。その1点についてだけ、ご答弁、お願いいたします。

ページトップへ


再々答弁

教育長

再々質問にお答えいたします。

教育基本法のあり方につきましては、今、国の方で議論をしている真っただ中でございます。その議論を十分に注視していきたいと、このように考えております。

ページトップへ

前のページへ戻る           日本共産党品川区議団TOPへ