日本共産党は第2回定例会にて、子育て支援充実とし「保育料を9%値上げ以前の保育料に引き下げる」「第2子半額、第3子無料」を提案しました。
これは、定率減税廃止など増税で困難な子育て世帯の経済的負担を軽減するものです。以下、本会議での条例提案を紹介します。
2006年6月23日 飯沼雅子
議員提出第4号議案、品川区保育の実施等に関する条例の一部を改正する条例について、提案者を代表して説明を行います。本案は、以下2点にわたり提案するものです。
1点目は、2004年10月から平均9%値上げした保育料を9月以前の保育料に戻すものです。
2点目は、生計を一にする世帯から2人以上児童が入所している場合における第2子以上の児童の保育料減額変更です。所得制限をなくし第2子を半額に、第3子以上を無料とするものです。本条例の施行日は、平成19年1月1日です。
改正理由は、子育て世代の経済的負担を軽減するためのものです。
2005年の人口動態統計で、女性が一生に産む子どもの平均数に当たる「合計特殊出生率」が過去最低の1.25であることが明らかになりました。少子化の進行は、将来の労働力や社会保障にも大きな影響を与える重大問題です。内閣府発行の「平成17年度版少子化社会白書」では、少子化の要因として、若者の不安定雇用と低賃金、子育て世代の長時間労働、経済的負担の増大をあげ対策を求めています。ところが小泉「構造改革」は労働法制の規制緩和による働くルールの破壊、子育て世代の増税や負担増、保育料の値上げや保育サービスの後退など、子育てに障害をつくりだす政治を推し進め、貧困と社会的格差を広げ、少子化を加速させてきました。
出生率低下は“先進国共通の現象で、高い出生率は期待できない”とあきらめる声もあります。しかしヨーロッパの国々では、落ち込んだ出生率引き上げに成功しています。出生率1.6台から1.94に回復したフランスでは、出産後も働く女性が多く、男女共に労働時間が短く、手厚くきめ細かな家族手当があります。予算を見ると違いが明らかです。少子化対策の支出対GDP比でフランスは日本の4.6倍です。日本もヨーロッパの国々に学び、予算を十分確保し経済的支援を実施し、また男女共に働きながら子育てができる社会に改善すべきです。財源は大型開発への税金投入、米軍への思いやり予算などの無駄遣いを改めれば十分確保できます。
国が進まない中「少子化対策待ったなし」と、様々な経済的支援策を実施する自治体が増えています。品川区も乳幼児医療費助成の所得制限をはずし小学6年生まで拡大したことは高く評価されます。日本共産党品川区議団は、この間乳幼児医療費の無料化を始め、妊婦無料検診の拡大、認証保育園の保育料の負担軽減、出産祝い金条例など経済的支援策を提案してきました。今回は保育園保育料一点にしぼりましたが、自治体として実施可能な施策を様々工夫すること、自治体が競いあい住民を呼び込むのではなく、連携をして子育て支援を充実させ、国を動かすうねりを作ることを求めます。
保育料値上げは、区政の柱である「子育て支援」に逆行するものです。品川区は2004年10月保育料を平均9%値上げしました。最多世帯D10階層、3歳未満児では月29,200円が31,900円と改定され年間32,400円の負担増となりました。延長・夜間保育を利用すれば更に負担が膨らみます。長時間労働を強いられているお母さんは「働いても働いても負担が増えるばかり。とても2人目を生む気持ちにはなれない」と訴えます。女性が安心して子どもを生み育てる社会を作る鍵の一つが、保育所の整備充実であることは言うまでもありません。保育園は今後在宅の子育てを支える拠点としての利用拡大が期待されます。保育料設定は受益者負担の考え方ではなく、でき得る限り負担を軽減する料金設定に改善すべきと提案します。必要な予算は、年間ベースで総額1億円、今年度は2500万円です。未来を担う子ども達のための予算として十分生かされる予算と考えます。慎重に検討いただき、ご決定いただきますようお願いし、説明を終わります。