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2007年第1回定例会一般質問みやざき区議

国民健康保険料の減額、高齢者の医療費無料制度の復活を求める
補助29号線計画はやめ、住宅の耐震化こそ急げ
大井町線への急行乗り入れは安全第一の計画に 区は、戸越公園駅の単独立体化を関係機関に働きかけよ
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国民健康保険料の減額、高齢者の医療費無料制度の復活を求める

宮崎区議

日本共産党区議団を代表して一般質問を行います。

はじめは、国民健康保険料の減額、高齢者の医療費無料制度の復活を求める、の質問です。

品川区は、子ども医療費無料制度を今年10月から中学3年生まで拡大します。この話をすると、多くのお年寄りから「子どももいいけど年寄りも大事にしてほしい」という声が跳ね返ってきます。自民・公明の悪政に追い詰められたお年寄りの悲鳴です。特に、高齢者にとっては昨年の定率減税の半減や年金への増税と国保料、介護保険料、医療費の窓口負担と負担がつぎつぎに増え、暮らしが立ち行かなくなったのです。

高齢者だけではありません。品川区でも生活保護受給が1997年1,982世帯から2005年3,204世帯に急増。就学援助受給率も2000年23.4%から2006年28.6%に増加するなど、区民の中でも貧困が拡大しています。昨年10月、豊町で一家4人心中事件も起きました。わが党区議団が実施しているアンケートでも深刻な実態が浮き彫りになっています。

先日、民間の研究機関「日本医療政策機構」が発表した世論調査は、過去1年以内に、具合が悪いのに医者に行かなかった人は、世帯年収300万円未満の低所得層で4割にのぼり、さらに、病気になったときに医療費を払えない不安を持つ人が低所得層で84%にのぼったというものです。この研究機関は「経済力の弱い人には、受診抑制が生じている」と指摘しています。全国では医者にかかれず命を落とすという痛ましい事件も相次ぎました。所得の少ない方が医療を受ける権利が脅かされる事態は放置できません。

そこで、私は二点にわたり質問します。

第一は、国民健康保険料の軽減についてです。

いま、国保料の滞納が増えています。滞納世帯は、2005年度末21,824世帯、加入世帯の26.6%にのぼり、有効期間が短い短期医療証は2006年度末5884世帯、医者にかかるといったん窓口で全額払わなければならない資格証明書は207世帯に発行されています。

国保はもともと自営業や高齢者など収入の少ない方が多く、リストラや倒産などによる失業者の加入も増えています。ところが、保険料は毎年値上げ。しかも均等割りを増やし低所得者ほど負担を重くしたため、「払いたくても払えない」事態に拍車をかけました。

国保料を値上げすると滞納が増え、また値上げする、これでは国民皆保険制度が崩壊しかねません。この悪循環を断ち切るために、保険料値上げを凍結し、加入者が「払える」額へ保険料を段階的に値下げするよう求めるものです。

特に、昨年から相次ぐ増税、負担増が住民に一気に押し寄せました。年収180万円でひとり暮らしの方は、17年度まで住民税は非課税で国保料年9600円、介護保険料年29700円の計3万9000円の負担だったのに、18年度に住民税が年4800円課税されると国保料、介護保険料に連動して値上げ。負担は5万8000円に。さらに、新年度は10万9000円へと負担が3倍近くに跳ね上がるのです。しかも、住民税フラット化により、さらに国保料、介護保険料への連動値上げとなります。

国保料の値上げ凍結と減額のために、国に負担増を求めることは当然ですが、品川区としても一般会計からの財源投入を増やすよう求めるものです。あわせて、低所得者の減免制度の利用拡大をはかっていただきたいと思います。

第二は、医療費の窓口負担の軽減です。老人医療費無料制度の復活のために、品川区が国、都に働きかけていただきたい。あわせて、品川区としても老人医療費無料化を実施するよう提案するものです。

先日、豊町に住む80才の女性が「入院した夫の治療費を払ったら生活ができなくなる」と相談に来られました。この夫婦は年金が月18万円で家賃は9万円です。家賃を払うと生活費は生活保護基準以下ですが、贅沢しなければぎりぎり暮らせるはずでした。それが、あいつぐ増税、負担増でつぎつぎ剥ぎ取られ、結局、夫の入院がきっかけでやり繰りできなくなったのです。この夫婦は「年寄りは早く死ねというのか」と、生活設計を狂わせた政治に怒りをあらわにしています。

ところが、3年間で段階的に引き上げる「激変緩和」措置がとられているため、今年も来年も値上げが続きます。この夫婦にとって、負担増は限界をはるかに超えています。せめて、生活保護と同程度、あるいはそれ以下で暮らしている高齢者には医療費がかからないようにすべきです。そのために、ぜひ「老人医療無料制度」を復活していただきたいと思います。

私は、老人医療費無料制度を品川区として導入した場合の経費を試算してみました。来年は後期高齢者医療制度が導入されますが、仮に70歳以上の高齢者に医療費1割分を助成すると、2割負担となる70歳から74歳の方は1割負担へ軽減、75歳以上は無料にできます。この制度に必要な額は、現在の老人保健医療保険給付から逆算するとおよそ29億円。一方、介護保険の保険料区分で住民税の世帯非課税はおよそ34%ですから、老人医療費助成制度の対象を住民税世帯非課税者とすると、9億8800万円となります。品川区は毎年黒字決算で、基金は15年度62億円、16年度76億円、17年度97億円と毎年数十億から百億円を超える積み立てをしていますので、やり繰りは可能ではないでしょうか。「健全財政」を誇っているのですから、ぜひ、品川区として老人医療無料制度の導入をしていただきたいと思います。

東京都はマル福、老人医療費無料制度をついに今年6月、廃止します。オリンピックのために毎年1000億円を積み立てるのに、300億円で継続できるマル福を廃止するのは許せません。老人医療無料制度は、都民の強い願いで実現したものです。1960年代、老人健診で病気が見つかっても治療費が払えなくて治療を受けられない高齢者が続出。これが医療無料化を求める都民の運動に発展、1969年の革新都政の誕生とともに70歳以上の老人医療費無料化が実現しました。それが日本全国に広がり、国も制度化したのです。しかし、10年後、政府・自民党は老人医療を有料化。ヨーロッパでは医療無料が多数なのに、日本では無料の老人医療費を有料化する。これで先進国と言えるのでしょうか。

千代田区は、今年4月から75歳以上の入院負担軽減へ年10万円の助成制度を実施します。大阪や神戸、京都などでは一部負担の導入はありますが自治体独自の老人医療費助成を継続しています。子ども医療費に続いて、ぜひ高齢者にも暖かい手を差し伸べてください。

そこで質問します。

保険料値上げを凍結し、保険料を加入者が「払える」額に段階的値下げを求めます。そのために、品川区としても一般会計からの財源投入を増やすよう求めます。

低所得者の減免制度の利用拡大をはかっていただきたい。

老人医療費無料制度をぜひ復活していただきたい。そのために、国と都に働きかけるとともに、区としても導入を検討していただきたいと思いますがいかがでしょうか。

補助29号線計画はやめ、住宅の耐震化こそ急げ

宮崎区議

次に、補助29号線計画はやめ、住宅の耐震化こそ急げ、の質問に移ります。

首都直下の大地震は今後30年の間に来る可能性が70%といわれ、地震対策は焦眉の課題です。特に、東京都が02年に発表した「危険度測定調査」では豊町5丁目の火災危険度全都トップをはじめ、二葉、中延など区内各所で高い危険度が指摘されています。

こうしたなか、品川区は地震に強い街づくりへ密集住宅市街地整備をすすめ、旗の台・中延地域に続き、二葉3・4丁目・西大井6丁目地域、豊町4・5・6丁目地域でもまちづくり計画を作成しました。

しかし、この計画には大きな問題があります。区はそれぞれの計画に、都市計画道路補助29号線を盛り込み「東京都に事業化を働きかける」としていることです。防災を口実に29号線計画を強引にすすめることは容認できません。

私は、二点質問します。

一点目は、29号線計画を中心にすえた防災計画の問題です。

区は、29号線を延焼遮断帯と説明しています。広い道路と高いビルで類焼を防ぐ重要性は言うまでもありません。しかし、道路の反対側の火事は防げるが自分のほうの火事に対応できない延焼遮断帯を中心にすえた計画は、はたして現実的でしょうか。

私は、先日、NPO法人「環境・災害対策研究所」副理事長の中村さんの講演を聞く機会がありました。中村さんは阪神淡路大震災の経験から防災を研究している方です。講演では、神戸市は、地震当日の出火は109件だったが、人口300万人の大都市でこの火事を消せなかった原因は住宅の倒壊にあると指摘。倒壊した住宅からの出火は消火が困難だったこと、倒壊住宅が道路を塞いで消火活動を妨げたことが阪神大震災で大災害になった。防災は家を倒さないことが大事だと強調していました。

また、阪神大震災で大きな被害を受けた兵庫区の出火率は1万世帯あたり2・5件だったことを紹介。この出火率を単純に品川区に当てはめると45軒程度、2ないし3町会で1軒の出火という計算になり、住宅が倒壊しなければ住民の力を結集して消火できると強調していました。

阪神大震災の犠牲者は6400人に上りました。耐震化は、住宅倒壊による圧死を防ぐだけでなく火災対策としても決定的に重要です。「災害を未然に防ぐ」立場で住宅の耐震化こそ急ぐよう求めるものです。

二点目は、計画つくりのすすめ方の問題です。

品川区は防災のまちづくりを住民参加ですすめています。しかし、豊町4・5・6丁目の街づくり協議会に参加してきた方は、「協議会で、住民の意見は29号線に反対だったのに区が29号線を盛り込んだ」と指摘しています。また、別の協議会メンバーの方も「計画には住民の意見は反映されていない。なんのための住民参加なのか」と、区の姿勢を厳しく批判しています。一方、二葉のまちづくり計画でも、協議会に参加した方は「住民は29号線に賛成しているという雰囲気ではなかった」とのべています。

もともと29号線計画を住民は受け入れていません。大崎から戸越、豊町、二葉、西大井と住宅街、商店街を分断する29号線計画に対して、品川区議会も3度にわたって反対の請願を全会一致で採択、都知事に計画廃止を求めてきたものです。住民は反対しているのに、なぜ、無理やり通そうとするのでしょうか。区長は、施政方針説明で、区民の期待に応え信頼される区政、区民の意見を反映させる仕組みづくりを強調しています。それなら、29号線の押し付けでなく、住民合意ですすめるべきではないでしょうか。

品川区は新年度、「住宅・建築物耐震改修促進計画」を策定します。しかし、二葉・西大井、豊町地域のまちづくり計画には住宅の耐震化計画はありません。しかも、住民からも区の計画に賛成が得られてないのですから、計画つくりは仕切りなおして、住宅、マンションなど建物の耐震化計画を入れてつくり直すべきです。あわせて、空地の確保、消火体制の整備なども盛り込んだ総合的な計画を求めるものです。

さて、品川区は29号線の目的に「都市交通網の整備」とものべています。こちらが本音ではないでしょうか。

いま、石原都政が「都市再生」とオリンピックを口実に超高層ビル建設と道路計画を加速しています。主なものだけで首都高速中央環状品川線、外環道、圏央道、羽田〜築地間のトンネル道路など道路計画が一気に拡大しました。29号線もその流れではないのでしょうか。

そもそも自動車交通が増大したら、29号線は避難路、延焼遮断帯の役割を果たせません。都の道路政策の区民への押し付けはやめるべきです。

そこで質問します。

住民の反対する補助29号線の押し付けはやめ、29号線中心でない計画にすること。

二葉、西大井、豊町のまちづくり計画は、密集事業だけでなく住宅の耐震化計画なども盛り込んだ総合的な計画に作り直すよう求めます。

まちづくり協議会を仕切りなおし、住民合意のもとですすめていただきたいと思います。

大井町線への急行乗り入れは安全第一の計画に 区は、戸越公園駅の単独立体化を関係機関に働きかけよ

宮崎区議

次は、大井町線への急行乗り入れは安全第一の計画に 区は、戸越公園駅の単独立体化を関係機関に働きかけよ、の質問です。

東急は来年3月から大井町線に急行乗り入れを予定しています。現在、乗車率が195%になっている田園都市線、溝の口―渋谷間の混雑を緩和するため、大井町線に急行を走らせて乗客を大井町線に誘導するのが目的です。

私は、住民の意見を調査するため、昨年8月、アンケートを実施しました。143名から回答をいただきました。その特徴を紹介します。

まず、計画を知らない方が78名、回答者の55%。急行乗り入れ反対85名、59%。急行を乗り入れるなら必要と思うこと、との問いに76名、53%の方が「戸越公園駅と踏み切りの立体化」と回答しています。

記入された意見を紹介します。豊町4丁目の方は「駅の前後に踏切があり危険。高架化できるまで戸越公園駅も急行停車すること」。また、ある匿名の方は、「高架にしてから急行とおすべし、住民の気持ちを考えてほしい、勝手にすすめないで」とのべています。急行通過駅が不便になる不満もありますが、「急行乗り入れは戸越公園駅と踏み切りの立体化が条件」というのが、多くの地域住民の声です。急行は通勤時間帯中心に一日18本、時速70qで走行します。現在は各駅に停車するため減速している電車が70キロのスピードで通過するのですから住民の不安は当然です。

一方、東急は、住民の声を受け、立体化前に急行を乗り入れる代わりに駅前の踏み切りに監視員を配置すると説明しています。しかし、一昨年3月、東武伊勢崎線の竹ノ塚駅付近の踏み切りで4人がはねられた事故は記憶に新しいところです。万が一にも事故があったら取り返しがつきません。東急は収益を高めるために地域住民の利便性、安全を損なうことがあってはなりません。急行を乗り入れるのであれば、戸越公園駅の立体化をすすめるべきです。

さて、大井町線の戸越公園駅および周辺の踏み切りの対策はどうなっているでしょうか。東京都が平成16年に作成した「踏切対策基本方針」では立体化する計画になっていません。

しかし、「基本方針」は、それぞれの計画について「拘束されない」とのべ、「踏み切り対策の新たな取り組み」として、渋滞解消だけでなく、まちづくりの面から立体化を図る制度の創設を国に求めるとしています。つまり、戸越公園駅周辺は都市計画道路補助29号線とは連動しないで、単独立体化の可能性もあるのです。

一方、品川区は戸越公園一帯を広域避難所にする計画です。地震発生で電車が踏み切りを塞いだら避難できません。立体化は不可欠です。

急行乗り入れという「新しい事態」のもとで住民の要望が高まっています。同時に、先ほども指摘しましたが29号線計画を住民は受け入れていません。ぜひ、都・国に戸越公園駅と周辺踏切の単独立体化を働きかけていただきたいと思います。

なお、アンケートでは、さらに下神明第一踏み切りの拡幅、ホームドアの設置などの要望も寄せられています。これらの安全対策、地域住民に理解を得るための説明会の開催についても東急など関係機関に働きかけていただきたいと思います。

そこで質問します。

1、戸越公園駅の単独立体化を関係機関に働きかけること。立体化できるまで戸越公園駅も急行停車させるよう東急に働きかけるよう求めます。

2、下神明第一踏み切りの拡幅、ホームドアの設置などの安全対策および地域住民への説明会の開催について東急など関係機関に働きかけるよう求めます。いかがでしょうか。

以上で一般質問を終わります。

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答弁

区長(漬野健君)

宮崎議員のご質問のうち、補助29号線に関するご質問についてお答えを申し上げます。

補助29号線と耐震化についてでございますが、この29号線は、交通網の整備、そして何よりも防災上の観点から必要な都市計画道路でございます。整備につきましては、他の都市計画同様、地域の皆さんの理解を得ながら実現されるべきことは当然のことでございまして、東京都も同様の考えであると思われます。

なお、既に明らかにしておりますように、区は荏原地域を中心とする木造住宅密集地域などで重点的な耐震支援策を講じる予定でおります。

次に、2つの地区の「防災まちづくり計画」をつくり直すことについてでございますが、二葉・西大井地区の計画におきましては耐震化の促進などが定められておりますし、豊町地区の計画はこれから作成するものでございますので、同じように盛り込む予定でございます。したがいまして、「まちづくり協議会」を初めからやり直す必要はないと考えております。

その他の質問については、各事業部長よりお答えさせていただきます。

区民生活事業部長(山田恵美子君)

私からは、国民健康保険料等のご質問にお答えいたします。

まず、国民健康保険料の値上げの凍結についてのお尋ねですが、国民健康保険は社会保険制度であることから、公費負担と加入者である世帯主の負担により成り立っております。この間、医療費の増加に伴い、公費の負担および保険料の負担もふえている現状でございます。

この保険料の算定につきましては、国民健康保険法等に基づき、保険加入者の人数に応じた均等割保のみの保険料となっており、一定の基準以下の収入の世帯に対しましては均等割保険料の減額措置を6割減額、4割減額の措置を講じております。

特別区におきましては、この減額制度に1割の上乗せ減額を独自施策として実施し、さらに、本来、高額療養費、出産育児一時金、葬祭費などについても国庫負担等を除いた分についてノ保険料の算定基礎にするよう定められているところですが、従前より算定基礎から除き、一般会計からの繰り入れで対応しているところであります。また、18・19年度に税制改正の影響により保険料負担が大きくなる世帯に対しては、激変緩和策として、軽減措置を講じております。

したがいまして、値上げの凍結や一般会計からの繰り入れ増額につきましては、区として独自に実施することは考えておりません。

次に、低所得者の減免制度の利用拡大をとのお尋ねですが、既に低所得者への均等割の減額に1割の上乗せ減額措置を講じていることなどから、改めて減免制度の拡大は考えてございません。

次に、老人医療費無料制度の復活についてのお尋ねですが、現在の東京都の老人医療費助成制度は、昭和44年、高齢者の医療費の無料化を目的に都の単独事業として開始いたしました。しかしながら、平成12年、都の福祉施策の見直しにより、若年世代との負担と給付の公平を図ること、年金制度が充実し高齢者の可処分所得が若年世代と比べ遜色なくなっていることなどの理由により、新条例が公布され、本年6月に制度は終了することとなっております。したがいまして、老人医療費の無料制度の復活を国や都へ働きかけることは考えておりません。

次に、区として同制度を導入することにつきましては、昨年6月に老人保健法が改正され、平成20年4月から新たな高齢者医療制度が創設されることとなりました。これは、超高齢社会を展望し、増大する高齢者の医療費を賄っていくために、現役・高齢者の各世代間の負担が明確で公平となることをねらつた制度であり、この新制度の理念との整合性の観点や所得段階を踏まえた高額医療費の制度などの一定の低所得者対策が予定されていることから、老人医療費無料制度の導入については適当ではないと考えております。

まちづくり事業部長(福田法光君)

大井町線に関してお答えいたします。

交通安全対策上、鉄道の立体化が望ましいことは申し上げるまでもございません。この地域におきましても、この課題への関心が高まってきておりまして、地域の皆さんが立ち上げた勉強会で、この地域の総合的なまちづくりについて、真剣な検討が行われているところでございます。

一方、この大井町線と交差する道路計画を考慮しない単独立体化に関する働きかけでございますが、公的な責任を負う団体が何らかの事業に関して他の団体や機関、企業などに働きかけを行う場合、客観的な状況判断に基づいて、その事業を実現できるとするに足りる現実的な展望を持ってすることが原則と考えられます。

この原則に立って戸越公園駅の単独立体化を見ますと、立体化自体が区と都、国と事業者との密接な連携と多額の税と長い期間とを要する大規模な事業でございますが、単独立体化を前提としてこれを実現しようと真剣に考える場合、現実的な展望のない現在において、単に関係機関に働きかけるというようなことは責任のある対応とは言えないと考えております。

次に、急行の停車を含む安全対策と説明会の開催についてでございますが、区は、地域の皆さんが急行の通過に対する安全上の不安を持っておられることを十分に承知しておりまして、東急電鉄に対して既に万全な安全対策を講じるとともに、地域へ十分な説明を行い、その理解を得るように申し入れをしております。これを受けて東急電鉄は、駅に隣接する踏切をつけかえてホームを延伸する対策を講じるとしておりますが、これは急行の乗り入れわ有無にかかわらない別の次元の方策と考えられますので、区は、今後も地域の皆さんの切実な意見を踏まえまして、東急電鉄に対して必要な要請を行ってまいります。

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再質問

宮崎区議

それぞれ答弁ありがとうございました。自席から何点か再質問させていただきます。

まず、国保の方ですけども、所得の少ない方への措置がとられているということでありますけど、例えば先ほど紹介したような年収108万円の方、17年度から19年度、これだけ見ても、これまで9,600円余りの負担が約5万円近い、5倍近い負担になる。これも負担軽減の措置をとった後でもこれだけになると、こういう実態なんですよね。一方、滞納はどんどんふえてきていると。やっぱりこれでいいのかと。

このままいったら、じやあ、どこに出口が出てくるんだというところを、私はぜひそこの考え方をもう一度聞きたいと思います。どう改善するのかということです。

あと、老人医療のところですけども、一方、施政方針のところでは、子育ての方では安心して産み育てられる条件整備ということで経済支援を打ち出しています。そうすると、じやあ、今、高齢者の方は安心して老後を送れないんですよ。子育ての方は安心してと言うんですけど、お年寄りは安心できない。

ここに、じやあ、子どもたちの方は経済的支援はできるけども、お年寄りの方はできない理由があるのかということを私は聞きたいと思います。

先ほど私の試算を出しました。私はやる気があればできるという確信を持ちました。税金の使い方が今問われていますので、特に所得の少ない人からどんどん取りながら、こういうことはできないよというのであれば、私は政治、行政が何をやっているんだというふうに言われてもしようがないと思います。ぜひここのところは検討していただきたいと思いますけども、答弁をまたお願いしたいと思います。

29号線のところですけども、私は、これは29号線の計画、これは豊町の方ですけども、ここに事業化を働きかけるというふうに書いてあります。でも、これは今まで住民と一緒につくってきたはずなんですよね。住民が賛成していないものを、区の意見をそのまま持ち込むというのは、これは住民参加のやり方としては全く私は間違いだと思うんですよ。少なくとも、例えば東京都、国との関係でいろいろあるとすれば、例えば検討課題だとかというのはあり得ると思うんですけども、事業化を働きかけるというのは一方の方の意見をそのまま盛り込んだだけなので、それはやめるべきだというふうに思います。

あと、戸越公園のところですけども、今、部長さんは立体化はこれは当然なんだというふうなお話だつたんですけども、現実的な展望がないというふうなお話でした。でも、私、先ほど質問でも紹介しましたけども、東京都のつくった、平成16年です。踏切対策基本方針のところでは、確かに戸越公園の周辺は立体化の計画ではないんですけども、しかし、こう書いてあるんですよ。具体的に対策を検討するに当たっては、区間ごと―要するにそれぞれの区間ですね。−一区間ごとに地域特性が異なることなどから、本方針によるこうした検討区間の範囲に拘束されるものではありません。一応、立体化の計画になっていないけども、これにはまだ拘束されないということが1点と、「踏み切り対策の新たな取り組み」というところでは、これまでの立体化というのは、幹線道路、要するに渋滞解消なんかの面からなんだけども、これからは局所的、要するにまちづくりの観点から局所的な立体化も考えていきたい。要するに、こういう制度を国に求めていきたいというふうに言っているんですよ。これは東京都がこういう姿勢だということは、私は全く展望がない請じやないというふうに思うんですよね。ここのところの認識、ちょっとお聞かせいただければと思います。

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再答弁

区民生活事業部長(山田恵美子君)

国保制度に関する再質問にお答えいたします。

ご指摘をいただいたとおり、個人的に見たとなれば保険料等値上げをしていると、これは現状そのままでございます。これにつきまして、いわゆる滞納であるとか、さまざまな点の部分からの検証というお話でございますが、ここ数年の経過を見ますと、滞納世帯も同じような件数が推移をしているということで、大きな変化というふうには私どもはとらえていません。なおかつ、高齢者について、特に低所得である者については、今回、激変緩和策として、ご紹介をさせていただきますが、課税所得200万円以下の方については課税所得から2.5%を引く、また課税所得が200万円から700万円の方については5万円を住民税額から控除するという激変緩和策ということで、これはあえて全国ベースではなく東京都の段階で特別区としてやっていくという激変緩和策をとってございます。そのように配慮するべきところは配慮して対応しているというふうに私どもは認識しているところでございます。

まちづくり事業部長(福田法光君)

まず、29号線でございますけれども、私どもも必ずしも賛成しておられない方がいることは承知をしております。その一方で、やはりあの町についてどのようなセットバックをするべきなのかとか、それから29号線の計画そのものがよく、例えば計画期間とか、そういうことがまだおわかりになっていらっしやらない方がおられます。そのことと、あそこにある都市計画道路としての現実を考えあわせますと、やはりあの29号線について、あの地域の中で詳しく説明をして、そして理解を求めていく。これが私どものとる立場だろうというふうに考えております。

それから、戸越公園の方でありますけれども、現実的な展望のお話が出ました。都の踏切方針にあるから展望があって、ないから展望がないんだというふうには考えません。考えませんが、議員のご指摘になられました区間の範囲の柔軟性でありますけれども、それは立体化によって踏切を解消する。そのことを定められた区間のその中の範囲の柔軟性を言っているのであって、新たに区間を設置する、新たなに路線を設置する、こういうふうに解することはできないだろうと思います。念のために東京都に確認いたしましたらば、そのとおりだということでございました。

それから、3点目でありますが、新たな取り組みでありますけれども、これは私どももこの踏切方針を策定するに当たって東京都から意見を求められた際に、あの大井町線を含む品川区の路線の中で、当初、東京都はたしか3か所だったと思いますが、の踏切の改善を私どもに言ってきました。そのときに区は意見を申し上げて、それを20か所以上にすると、こういうような実績を持っておりますので、踏切の改善に向けてはこれからも引き続き努力をしてまいります。

福祉高齢事業部長(木下徹君)

私からは、老人医療費無料制度に係る再質問にお答えしたいと思います。

高齢者医療の部分につきましては、とりわけ後期高齢者制度というのが現在検討されてございまして、再来年度から正式にスタートすることになってございます。やはり高齢者の方々の疾病状況を踏まえて統一した保険制度で初めて運営していこうということでございますので、私どもといたしましてはこの制度の推移を見守っていきたいというふうに考えてございます。

所得の低い方々に対しましては、高額療養費制度等の仕組みが設けられておりますので、その中で適切に対応すべきものというふうに考えているところでございます。

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再々質問

宮崎区議

すみません、ちょっと再々質問させていただきます。

今、老人医療のところですけど、新しい制度を見守っていきたいというお話でしたけども、私は、今、お年寄りの状況は待ったなしだというふうに思います。私は、なぜ検討しようというふうな答えにならないのか、そこのところを聞きたいんですけども、区の姿勢、そこのところをもう一度、ぜひ検討できないかということを聞きたいと思います。

あと、29号線のところですけども、そもそもこのまちづくり協議会のところでは、こういう延焼遮断帯ということそのものが本当に必要だという議論だったのかどうなのか。仮に例えば延焼遮断帯がこの地域に必要だということであれば、これが道路だったのかどうなのか。空地、例えば広場とか、公園でという話は出なかったのかどうなのか。そこで、要するにどういうところが今合意になっているのかというところをちょっと説明していただきたいと思います。

あと、戸越公園の駅のところですけども、私は急行乗り入れは新しい事態だと思うんですよ。今までの働きかけ、いろいろあったかと思うんです。やっぱり急行乗り入れによって住民のところに新たな不安が広がっていると。こういう新しい事態にやっぱり対応していく必要があるんじやないかというふうに思いますけども、この3点をまたお願いしたいと思います。

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再々答弁

区長(清野健君)

29号線の問題にお答えいたします。

議員、先ほどの質問の冒頭にもありますように、今後30年の間に来る可能性が70%と言われ、地震対策は焦眉の課題だというふうに言われております。この地域、この質問にもありましたように、区内で最も危険度の高い地域だということです。それはなぜかといえば、遮断帯、あるいは避難道路がないというところからのこの危険性ということが言われているわけです。そしてまた、住民の方々にとって一番悩ましいところというのは、問題というふうに思うところは、都市計画道路の線が引かれて、しかし整備されない。このままの状態が続いているということについて懸念しているわけです。財産権が制約されたそのままでこの線が引かれっ放しということについて住民の方々が懸念をされているということです。したがいまして、防災上の観点からも、そしてまた地域の区民の皆様方の思いからしても、このところにこの29号線をきちっと整備していくということが一番必要なことだというふうに考えているところでございます。

福祉高齢事業部長(木下徹君)

後期高齢者医療制度を含めました再々質問にお答え申し上げます。

やはり高齢者の収入状況ということが例えば若年期の収入状況と比較したときにそれほど大きい違いがないという続計もございますけれども、そのことを受けましても、新しい後期高齢者医療制度というのが来年から始まるわけでございます。その中では、一定のご負担をいただきながら、適切な医療が今後とも継続していけるように制度改正をしているところでございますので、私どもといたしましては、後期高齢者医療制度が適正に運営されることについて、適切に進めていきたいというふうに考えているところでございます。

まちづくり事業部長(福田法光君)

急行の乗り入れについてでございますが、ご指摘のように新しい事態だろうと思います。その中で、私ども、先ほど申しましたように、立体化について現実的な展望が持ち得ない現在、東急に対して、だからこそ万全な安全対策を申し出ている、こういうものでございます。

議長(塚本利光君)

以上で、宮崎区議の質問を終わります。

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