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2007年度予算特別委員会総括質問菊地貞二区議

菊地委員

日本共産党品川区議団を代表して、総括質問を行ってまいります。

1点目は、特別養護老人ホームなど高齢者施設にかかわる問題について、2点目には、再開発、そして都市再生など、まちづくりにかかわる問題、3点目に情報の公開にかかわる問題についてお聞かせを願います。

まず、特別養護老人ホームなどの高齢者施設にかかわる問題についてお聞きしてまいります。今私ども区議団でもアンケートをいただいておりまして、この中で特別養護老人ホームなど、高齢者施設、これらにかかわる問題についても多くの要望やあるいはそれぞれの生活にかかわる記載が行われています。返信くださった方の77.5%に及ぷ皆さんが、今品川区が進めているケアホームには入所は不可能だ、支払いは不可能だ、このようにお答えになられています。

記載をされた文章の一つをまず紹介したいと思います。「私は、母親を自宅で介護していましたが、24時間目を放すことができません。特養へは入所基準に合わないということで、やむなく地方の施設に入れました。高額な施設は、自分の生活もあり、今の収入では不可能です。品川区内で収入に合った施設をつくってほしいと思います」。このような記載がありました。私は地方自治体の本来の役割は、住民の福祉と暮らしを守る、このことにあるというふうに思います。品川区は特養の基盤整備はできているので、ケアホーム、多様なニーズにこたえてケアホームを整備する、このように言っていますけれども、暮らしに因っている人を暮らしていけるように助けていく、こういう役割をどう考えているのか、まずお聞かせを願いたいというふうに思います。

それからもう−点、昨年の4月から今年の1月までの10カ月間で、区内の特養に94名の方が入所されたそうですけれども、この皆さんの年齢と介護度の構成をお聞かせ願いたいと思います。

木下福祉高齢事業部長

特別養護老人ホームに関するお尋ねでございますけれども、私どもといたしましては、やはり高齢者施策、サービスを必要とする高齢者の方々に対しまして、適切なケアマネジメントのもと、在宅サービスあるいは在宅が難しくなれば施設サービスにつなぐという形で対応させていただいているところでございます。

今お話がございました昨年4月からこの1月までの10カ月の間で、区内の特養に入った方94名でございますけれども、その要介護度ということについてお答えをいたしますと、要介護3の万が一番多くて37名、次いで要介護4の方が27名、要介護5が22名、要介護1・2で8名という数字になっております。年齢的には、80代の方が−番多うございまして、その次に70代というような形になっているところでございます。

菊地委員

今の年齢構成、それから介護度を聞く限り、よほどの事情がない限りは相当高齢になっていかない限りなかなか特養には入所できないというのがよくわかる数字になっていると思います。

もう一点お聞きしたいのは、今お知らせをいただいたこの94名の方で、在宅から入所された、こういう方が何名いるのか、このことも教えていただきたいと思います。

それから、もう一点ですけれども、9月の入所調整に450名の方が申し込みをされたそうですけれども、この皆さんが在宅なのか、それとも病院あるいは老人保健施設、こういった申し込みをされた際の生活基盤がどこにあったのか、このことについてもお聞かせを願います。

木下福祉高齢事業部長

特別養護老人ホーム、区内の施設に94名の方が入られましたけれども、その方々の入所前の居所ということで、在宅の方が65人、約70%弱でございます。それから、申し込みをされた方ということでございますけど、約450名の申請がある中で、在宅の方は約150名という数字になっているところでございます。

菊地委員

94名の方で在宅から入所された方が65名ということですね。そうすると、今の入所基準で見ますと、病院や老人保健施設に入っている方、かなり在宅介護の状況そのものが現実的にはないわけですから、介護の困難性、こういったものも今の入所基準で見ますとないことになりますけれども、こういう状態だと、入所というのはよほどの事情がない限りは、永久に不可能になるというふうに考えますけれども、ちょっとその辺をお聞かせ願いたいのと、在宅の入所希望者、今要介護とそれから年齢、在宅の介護の状況、それから介護の困難性、こういう4項目で点数がつけられていますけれども、病院や老人保健施設に入っている方の年齢構成が90歳で20点、介護度が5で30点、年齢と介護度だけであると、この病院や老人保健施設に入っている方は最高でも50点ということになりますから、あとは在宅で介護を受けていたときの期間だけに点数としてはなっていくんだと思いますけれども、区のほうは半年間で70人から80人程度が入所できると言っていますけれども、半年後には大体同じぐらいの在宅からの方が入所を申し込むわけですから、最初から病院やあるいは施設におられる方、こういう皆さんは入所が不可能なのかというところをまずお聞かせを願えますでしょうか。

木下福祉高齢事業部長

施設に入っている方につきましても、入所調整基準の中では要介護度の年齢、それから在宅介護の状況というのは、例えば施設に入る前の在宅介護の状況というのは、当然加味されております。そういう点では、基本的には入所基準というのはそのような形で適用されているということでありまして、施設に入っている方が大きく基準上差がついているということでは必ずしも言えないというふうに思っているところでございます。あわせまして、私どもの基本的な考え方をちょっと申し上げますと、やはり、品川区のほうの介護保険事業計画の中でも明示しておりますけれども、基本的には公助、そして共助、自助というようなことで、さまぎまなサービスを使いながら、在宅生活が困難になったときに、介護入所の見通しが立つという、見通しが立つことが、やはり在宅介護を進める方の中で非常に重要なことだというふうに考えております。そういうことで、この入所基準の考え方も組み立てられているということであります。

それからあと、いわゆる入所、既に病院等に入っている方については、最近胃療とか、それから鼻腔栄養、経管栄養というような医療行為が必要な方が非常に増えてきているというのも、やはり入院されている方が特養へという部分ではなかなか難しい側面もあるということが最近の状況の中ではあわせ出ているということを補足させていただきたいと思います。

菊地委員

大きく差がついているわけではないというふうにおっしゃいましたけれども、四つの項目で100点を基準にして何点になるかということで入所されるわけですよね。老人保健施設なんかに入っておられる皆さんにとってみれば、最初からいわゆる最高基準でもその時点では80点という基準のところから審査がされるということになると思うんですけれども、病院や老人保健施設に入っていらっしゃる方は、実際に今の私が申し上げているこの四つの項目の中で、2項目で審査をされるのか、それとも3項目で審査をされるのか、それとも4項目で審査をされるのか、その辺をちょっともう少し明確に教えていただければと思います。

木下福祉高齢事業部長

入所調整基準は大きく四つの柱があるわけでありますけれども、いわゆる老人保健施設等に入所されている方については先の三つの項目、この部分で評価をしているところでございます。

菊地委員

三つの項目だということであれば、在宅の方は100点を基準にして点数がつけられていくと。老人保健施設に入っていれば、最大でもその3項目によって審査をされるということになりますけれども、私これまで基盤整備が済んでいるというふうに区のほうはお話をしてきましたけれども、これで基盤整備が済んでいるとはとても思えないんですね。病院や老人保健施設に入っている方というのは、別に生活に余裕があって入っているわけではありませんから、むしろ、介護してあげたくても、実際に介護をやっていたのでは介護者の体がもたないだとか、あるいは、多くは収入を得ることができないので生活ができずにやむを得ずという方がたぶんほとんどなのではないかというふうに思います。

鈴木ひろ子議員が以前に本会議の一般質問で紹介をしていましたけれども、介護を要する父親と、3人のお子さんを抱えて、介護者が乳がんになって、特養に入所ができずにやむなく老人保健施設に入院させましたけれども、結局は半年ごとに転々とせざるを得ない。そのたびに感染症の検査があるそうですけれども、こういう生活をしながら、今7年目だそうですけれども、この方は毎回特養の申し込みをしているそうですけれども、今の基準で考えれば、入所できるわけがないんだというふうに思います。昨年10月の入所の調整、これは病院や老人保健施設にいる方が300名ちょっとぐらいになりますけれども、この306名は本当によほどのことがない限り入所が不可能という状況にあると思うんですね。これでどうして基盤整備が済んでいるのか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。

それと、小さなお子さんを抱えて、なかなか父親の介護ができずに、今事例を紹介しましたけれども、こういう事例の方をどのように考えるのか、この辺もお聞かせ願いたいと思います。

木下福祉高齢事業部長

先ほども申し上げましたけれども、私どもの基本的な考え方は、やはりまず在宅で頑張っていただきながら、それが非常に苦しくなってきたときに、施設入所の見通しが立つということがやはり在宅介護を続けていく上ですごく必要なことだと感じております。そういう点で申し上げますと、今入所、特に在宅の方々につきましては、ほとんど半年の間に一定の入所につながっているという状況があります。これが私どものほうでまず介護の基本的な考え方としてとっているということがございます。それからあと、基盤整備の部分で、老人保健施設あるいは療養型病床のほうにお入りになっている方がなかなか苦しいではないかという部分でのお尋ねでございますけれども、やはり基盤整備という点で、特別養護老人ホームについては7カ所、572床あります。それから、三多摩を含めますと、今980人の方が特養に入っておられるような状況の中で、私どもはやはり多様な選択肢を用意するという考え方で、この間ケアホームも進めてまいりました。これは有料老人ホームとは性格が私は違うというふうに思っております。少しでも負担が少なくなるように、いろいろな制度の組み合わせを使うことによって、なるべく低減化できるようにしているところでありまして、そういう点では、多様な組み合わせの中で基盤整備を進めてきている、今後もそういう考え方でいきたいというふうに考えているところでございます。

菊地委員

今最後にお話があった基盤整備という問題ですけれども、品川区が今お話をされていたケアホーム、この建設を進めている中で、特別養護老人ホーム、最新の他区め状況ですと、6,905床がこの7年余りで計画を含めて増加をしています。これまで私ども2006年9月の調査の中で、5,515床と言ってきましたけれども、今回はこれを一気に1,390床、新しく増加をしている、こういう状況にあります。ですから、品川区の整備率で言えば、高齢者人口の比率で、東京23区でこれまで18番目というふうに話をしてきましたけれども、これがさらに低くなって、20番目になっています。区内で572床、それから三多摩も含めて980床というお話がありましたけれども、逆にいうと、400名ぐらいの皆さんが住みなれた品川を離れて、他の自治体にある特養にお世話になっているというふうになりますよね。約4割ぐらいですか。むしろ基盤整備をしたんではなくて、他の自治体に、ちょっと言葉は悪いですけれども、他の自治体へ放り投げた感じになっているんじゃないでしょうか。そこをぜひお聞かせを願いたいと思います。

木下福祉高齢事業部長

特養の整備率のお話がございましたけれども、特養はどちらかというど、かなり広域的な施設だというふうに私思っておりまして、そういう点では、三多摩のほうも確かに時間的には多少かかりますけれども、適切なケアをしている施設、そういう部分については紹介をさせていただいて、こういうような形になってきているということでありまして、特別養護老人ホームについては、そういう意味では区内の施設を基本にしつつも、その他の施設についても利用されたいという方のご要望を踏まえながら適切につないでいるという状況にあるということでございます。

菊地委員

今広域的な施設というふうに話されましたけれども、広域的な施設だということであれば、例えば品川区内にある572床ですか、ここには他区からの皆さんを受け入れておられるということなんでしょうか。そこを1点お聞きしたい。

それから、先ほどのグループホームの話ですけれども、区長はグループホームですとか、ケアホームに力を入れていくんだという方針をお持ちのようですけれども、厚生委員会の議事録を見ましたら、他の23区で、区が関与しているケアホームをつくっている、このことは聞き及んでいない。こういう答弁がありましたけれども、品川区だけが行政として20万円から30万円ぐらいかかる、こういうケアホームを建設しているんだということになると思うんですね。区民のニーズだとか、それからいいサービスを提供するんだと言っていますけれども、資金的に余裕がなくても、補助制度などでケアホームに入所ができるような施設なのかどうか、この点もお聞かせを願いたいというふうに思います。

木下福祉高齢事業部長

区内7カ所の特養で、他区の人が入っているかどうかという点では、極めて少数ですけれども、一けたかと思いますが、もともと法人でつくられた施設については、若干そういう方もおられる可能性がございますが、ほとんどの方は区内の方であります。

それから、ケアホームについての考え方でありますけれども、私ども特養の基盤整備は平成12年まで、これも23区の中では非常に早かったわけですけれども」基盤整備をしてまいりました。今後、やはりいわゆるユニットケア、個室というような部分については、団塊世代のお詰もいろいろありましたけれども、今後の一つの方向というふうに考えております。この間は、特別養護老人ホームで個室はつくれなかったわけでありまして、その中でいろいろ私どもとしては知恵を使い、工夫をしてこのようないわゆるケアハウス制度に特定施設というものを乗せる、ケアハウス制度を使うことによって、交付金等も入るわけでありますので、なるべく安価にできるということで、この方式をとってきたところであります。現在、新型特養で個室型も認められておりますけれども、厚生委員も新型特養を視察されたと思いますけれども、昼間のあの状況の中で、いわゆる共益の居間のところに高齢者とかスタッフがどのぐらいおられたかを思い出していただきますと、やはり、新型特養の道営というのは非常に難しいということを私どもは感じております。それは、きちんとしたサービスを提供するという考え方に立ったときに、非常に制度の制約が大きい、介護報酬上厳しいものがあるということだというふうに思っております。そういう点で、原小学校のほうで、今度特優賃という新しいものを導入して、より工夫をしていきたいというふうに考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。

菊地委員

今、原小学校なんかは特優賃を使ってということですけれども、私がお聞きしたのは、資金的に余裕がなくても、今のケアホーム、特優賃を使って安くなるものについても、資金的に余裕がなくても、入所ができるのかどうか、この点をお聞きしたので、ちょっとその辺は明確にお答えいただきたいんです。特別養護老人ホームはある程度、7万円、今の状況で7万円ぐらいあれば入所ができるという施設ですけれども、ケアホームについて言えば、特優賃を使って安くなったにしても、20万円からかかるというふうに聞いていますので、何らかの制度を使って特養にしか入るような収入がない、こういう皆さんが入所できるのかどうか、そこのところを先ほどお聞きしたので、その辺を明確にお答え願えますか。

木下福祉高齢事業部長

確かに特別養護老人ホームのいわゆる多床室ですと、数万円ぐらいの負担ということもありますから、やはり経済的な状況の中では、ケアホームというのは厳しい方も当然おられると思います。私ども、やはり特別養護老人ホームあるいはケアホーム、グループホーム、それぞれのご家族の方の収入の状況あるいは身体状況、それらを踏まえまして適切な施設のほうにつないでいくという考え方に立っているということでございます。

菊地委員

収入に応じて施設のほうにつないでいく。いろんな今言い方をされていますけれども、今の答弁というのは、私非常に冷たい答弁なんだろうなというふうに思いますよね。介護保険制度そのもの、保険という以上は、本来すべての待機者が解消できるだけの施設を用意する、これは当然のことだと思うんですね。制度ができたときに、品川区自体も介護保険はサービスが選択できる、こういう制度である、このように宣伝をしてきました。それができないのに保険料をとっているわけですから、私は今のご答弁というのは、区民の信頼をやはり大もとから高齢者施策に関しては、区民の信頼を大もとから崩すものだというふうに思います。お金がないんだから、お金がないんだったら、在宅でぎりぎりまで我慢をしろと。お金のある人には先ほどのサービス、いいサービスというお話がありましたけれども、いいサービスを提供しますよ、こういうふうに言っているのと私は同じに聞こえてきます。お金のあるなしで高齢者福祉に、介護の提供に差がつくのは当たり前だという考え方なのかどうかをお聞かせ願います。

木下福祉高齢事業部長

私どもは、やはり基本的な在宅介護、この部分に?いてケアマネジメントの中で応援をしていく、介護保険制度をうまく使っていただく。そして、それが難しくなったときに、適切な施設のほうにつないでいくと、これが私どものほうの高齢者介護に関する基本的な考え方であります。同時に、やはり介護保険制度を健全に道営するということもーつのご要望としてあるわけでありまして、保険料がどんどん高くなっても構わないんでしたら、これは当然施設のほうもどんどん充実させていくこともできるでしょうけれども、やはり、そういうような部分というのもあわせて保険者としては考えていく必要があるということであります。その辺のバランスを見ながら、すべての方にご満足いただけるような介護保険制度の運営について、これからも私どもは努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。

菊地委員

私、住民の皆さんと一緒に都南病院跡地に特別養護老人ホームをつくってほしい、こういう運動を進めてきましたけれども、この運動の中で、成人式の日に振り袖姿の新成人がたくさん署名してくださったことがあります。非常に感動的に見ましたけれども、話をしてみると、それぞれに祖父母やあるいは両親の収入がある程度までわかっているようでした。若い皆さんが自分の問題としてこの特別養護老人ホームの整備を願っている、このことに品川区がこたえるのか、それとも拒否を続けるのか、今問われているんだというふうに思います。懸命に生き抜いて介護を受けなくては暮らせなくなった皆さんが、収入が低くても入所が可能な特別養護老人ホームの増設あるいはグループホームへの家賃助成など、ぜひお願いをしておきたいというふうに思います。

再開発や都市再生、それからまちづくりについてお聞きをします。

品川区で再開発が始まって、約690億円が補助金やあるいは開発種地、そして、調査費などで投入をされてきました。これからの事業として、北品川五丁目第一地区が128億円という款別での答弁がありましたけれども、これで800億円を超えたことになります。それでお聞きしたいんですが、北品川以外に690億円に含まれていない新しい補助金などがありましたら、お聞かせを願いたいというふうに思います。

それからあわせて、都市再生事業の累計金額と、それから都市再生緊急整備地域内で建設をされたマンション、事業が予定をされている総戸数、これらについてもお聞かせを願います。

福田まちづくり事業部長

これからの再開発に関する補助でございますが、これは北品川の128億円を除きますと、164億円でございます。それから、住宅でございますが、これは品川区が関与している再開発でございまして、現在竣工済みのものが4,700戸、それから、これから竣工または計画中のものが4,600戸、合計で9300戸でございます。

菊地委員

品川全体で非常に多くのマンションが開発地域の中で供給がされていく。こういう状況の中で、品川区内、人口は増加をしていますけれども、全体的に見ると今少子化、高齢化の中で人口が減少する、こういう時期を迎えていますけれども、東京でも当然十数年後には今品川はマンションの供給なんかで人口が増えていますけれども、十数年後には人口が減少して、現在以上に産業活動も減少する、こういう時代を迎えることになると思います。区長は再開発が都市にとって必然の事業だというふうに述べましたけれども、こういう時代の中で今ご答弁を願った税金を再開発に投入して、土地の高度利用、これを推し進めなければならない、この理由をお聞かせ願いたいと思います。

それからもう一点ですけれども、開発事業者が行政が行うべき公共設備を行ってくれるというのが補助金投入の最大の理由となっていますけれども、公共整備は確かに重要な課題です。ただ、開発と不況で区内経済を支えてきた工場群というのは、大崎駅周辺の再開発の中で移転ですとか、あるいは廃業、それに伴って雇用もこの地域の中では消失をしてきたというふうになります。さらに中地区で見られるように、弱小権利者とか、あるいは土地や家屋の権利を持っていない、こういう住民は追い出されていくという状況下にあると思います。北品川五丁目の第一地区でも先日の答弁で、300名からの居住者がいるということですけれども、住民がいなくなっていくまちの中で、公共施設整備を理由に膨大な補助金が投入をされる、こういう開発を続けることは、私は数十年先を全く見ていないのではないか、このように思いますけれども、この点についても考えをお聞かせ願えればと思います。

福田まちづくり事業部長

補助金を交付して行われる再開発にどういう意味と理由があるのかというお尋ねかと思います。まず、私ども再開発の実績を振り返ってみますと、非常に概数でありますけれども、現在この再開発事業によって新設または拡幅した道路が大体3,700mぐらいございます。それから、緑道と歩行者通路が2,800m、公園は2万4,500平米、歩道上空地は、長さで言いますと2,580m、累積換算では1万1,800m、こういうような公共事業が整備をされてまいりました。これはいずれも都市基盤でございまして、この都市基盤は次の世代に譲られていくべきものだというふうに考えております。したがいまして、少子化というお話が出ましたけれども、少子化が進もうと進むまいと、この大切な都市基盤につきましては、良好な維持管理をしながら、次の世代に財産として引き継いでいきたいというふうに思っておりますし、それから単なるメートルですとか平米の問題ではなくて、例えば東五反田地区におきましては、防災船着場の機能を持った親水公園が整備されたり、それから、北品川第一地区におきましては、下水道のシステムを改善して目黒川をきれいにしよう、こういう構想もございます。それから、目には見えないかもしれませんが、乱開発からまちを守ることができた、こういう大きな財産も隠されているというふうに考えております。

菊地委員

品川区は、開発が行われてきた地域へ、やっぱりもっともっと品川全域も含めてですけれども、もっときちんと目を向けるべきではないかなというふうに思っています。今、規模の小さなオフィスなんかでは、空き部屋が目立っていますし、商店街では款別でも述べたように厳しい状況、これがさらに悪化をしている。商店も、それから工業の事業所も減少の一途をたどっている。作業が減少している時期に民間主導の大型再開発を進めて、地域全体の活性化にはつながっていない、このことは現状が物語っているんではないかというふうに思いますが、この点をぜひお聞かせください。

それからもう一点、国土交通省の資料によると、緊急整備地域については、周辺地域も含めた都市の再生の拠点となる地域、このように説明をしています。区の言う再開発の予定の中で、住民が自発的な意思によって、民間によって再開発が進められるんだというふうに思いますけれども、民間デベロッパーが入り込んで企業収益を上げていることは確かだろうと思いますけれども、周辺地域に新しい需要が生まれているというふうには私全然言えないんだというふうに思います。都市再生特別措置法の目的の一つが、国際競争力のある都市をつくるということと、もう−つが民間投資を都市部に集中させるために、基盤整備を重点的に進めるこういうことだそうですけれども、緊急整備地域の場合は二つ目の民間投資を都市部に集中させるために、基盤整備を重点的に進めることを具体的にするために指定をされたんだというふうに思いますけれども、緊急整備地域の指定というのは、区民にとって、それじゃあこれがどのように役立っているのか、この点をお聞かせください。

福田まちづくり事業部長

活性化の問題と、それから周辺地域の活性化、それから、緊急整備地域の区民全体にとっての意味と、こういうご質問だと思います。1点目と2点目はほぼ同じようなご質問だと思いますので一括してお答えさせていただきますが、例えば、大井町の駅を例に挙げますと、あれはそもそも大井町駅周辺再開発基本構想だったんですが、そのような報告書がございまして、その中で、当時あの地域にはこういう声がありました。「東西がなかなかよく結ばれていない」。それから、「地域の皆さんがコミュニケートできるような広場もない」、こういうような調査結果が残っております。こういう声を受けまして、あの地域を再開発いたしました。デパートにも入っていただいたというような記載がございます。あの地域は、まだ未整備のところもございますが、いつかも申し上げましたけれども、そのことによりまして、大井町駅周辺全体がご覧のように当時と比べて大きくにぎわっている、これは疑いようのない事実だろうと思います。その地域だけではなくて、周辺地城にも好影響を与えているという現実があるというふうに思います。

それから、緊急整備地域でございますが、これは大崎、五反田、あの辺に限られた地域ではありますけれども、品川区といたしましては、あの指定を受けまして、大井町駅との都市軸の形成に努めていきたいというふうに思っておりますし、それ以外にも、あの地域において発生する雇用や消費、そうしたこと、それから先ほど申し上げました都市基盤整備、とりわけ歩行者ネットワークですとか、そういうものの整備につきましては、区民全体の利益だというふうに考えております。

菊地委員

款別の質疑のときにも申し上げましたけれども、今部長は大井町周辺のことについて例に挙げておっしゃいましたけれども、にぎわっているということと、それによって区内の商店街、個店が支えられているという問題とは全く私は違うんだというふうに思います。先ほどの東口の第三地区で建設をされたマンションはほぼ販売が終わったようですけれども、最高価格が1億1,000万円、最多価格帯が5,500万円、数日前9,000万円台の2部屋が残っていましたけれども、ここに124億円の補助金が投入をされてきたわけです。こういう開発地区のマンションが全部売れたにしても、それによって地域全体に需要が伸びるわけではないというのは、この間の開発地域の中に建てられたマンションの状況を見ても、私は明確に出ているんではないかというふうに思っています。もちろん開発そのものが、デベロッパーが大きく利潤を、もうけを確保していく、こういうことはあるでしょうけれども、これだと行政が施策として開発を進めていくということにはならないというふうに思っています。このことは意見として述べておきます。

合意形成の問題についてお聞きしますけれども、私はこうした開発に対して合意形成のシステムをきちんとつくるべきなんだというふうに思っています。政府資料によると、再開発事業単体の場合、素案から都市計画決定まで平均で約2年、それから決定後の事業認可に8カ月を要するということだそうです。2年8カ月あっても、近隣住民にとってみれば、なかなかその中身もわからずに意見を上げられないということが多いと思いますけれども、都市再生緊急整備地域の場合は、都市計画決定から事業認可が同時に進められてわずか6カ月で済むというのが実態だと思います。開発行為に素人の住民が専門家を交えて検討し、あるいは意見を述べる、こういう時間がないに等しいんじゃないかというふうに思いますけれども、この辺の考え方をお聞きしたいと思います。

それから、西口の中地区の再開発、これが本格化をしたときに、住民の皆さんから多くの意見をいただきました。現状の生活に満足している人たちだとか、地面に接した暮らしをしたい、こういう人たちが多かったように思いますけれども、今北品川でも同じことが起こっているというふうに思います。こういう意見を吸い上げる仕組みというのが区の言う法に準じて意見を聴取しているとよく言いますけれども、こういうことだけでは何の解決策にもならないんじゃないかというふうに考えますが、その辺もお聞かせを願います。

福田まちづくり事業部長

合意形成でございますけれども、法律、ご案内のとおりでありますけれども、都市計画法上、公告縦覧、意見書の提出、その意見書の概要を私どもがまとめまして、学識経験者などもメンバーに入っていただいております都市計画審議会で十分にご議論いただいていると、これが一つの大きな柱でございます。そのほかには、例えば準備組合等が主催する住民説明会がございますし、その前後におきましては、個別の紹介ですとか、相談にそれぞれ事業者側が当たっていると、こういう現状がございます。この現状を通しまして、周辺の方たちの意見は吸い上げられていると、このように認識しております。

菊地委員

実際に住民の意見が吸い上げられているということであれば、今の開発が進められる中で中地区のようにあらゆる不安と反対の意見というのは、私は上がってこないんじゃないかというふうに思うんです。要は、そのシステムがないから、結局は住民が追い出されるという感覚り中で生活をせざるを得ないんじゃないかというふうに思います。

時間がありませんので意見だけ言わせてもらえれば、私どもの今の進めているアンケート調査の中で、絶対高さ制限を望む、こういう方は32.7%になっています。要は自分の権利を縮小してでも、住みよい地域であってほしい、こういう願いが込められているんだというふうに思いますけれども、区民の皆さんの真のニーズにこたえた本来のまちづくりを進める、こういう意味で言えば、民間のビジネスになるような再開発事業の進め方ではなくて、区民がまちの将来を論議し合える、こういうシステムづくりをぜひ進めていただきたいというふうに思います。

最後に、情報の公開にかかわる問題についてお聞きをしますけれども、今回の質問に当たって、私特別養護老人ホームの入所調整基準をいただきたい、このように所管にお願いをしましたけれども、情報公開制度を利用しなければ提供はできない、このように拒否をされました。他の区を見ますと、こういった資料をホームページに掲載されている区もかなりの区がありましたし、それから、お願いをするとすぐファクスで送ってくださる、こういう区もありました。品川区の場合、この情報公開制度を活用しなければならない情執こどうしてなっているのか、この点をお聞かせ願いたいと思います。

それからもう一点ですけれども、平塚中学校の小中一貰校計画に荏原第二中学校を加えるという問題についてですけれども、平成20年度に両中学校を統合するということですけれども、突然の方向転換そのものはPTAにも相談をされずに、議会への報告もなく、こういう結果のみを押しつけるという形になっています。しかも、先日の答弁ですと、予算の編成過程でこれが決められたということですから、思いつきの政策以外の何物でもないような気がします。情報公開制度を持つこの品川区にとって、ガラス張りの中で行政の仕事をするということを意味していると思うんですけれども、今度の統合を立案過程から関係者が公開をして、同じ情報を持って時間をかけて論議・・・・

林(宏)委員長

じゃあ、最初の質問に答えてください。

木下福祉高齢事業部長

入所基準の関係でありますけれども、この間全面的な公開はしていませんでした。全面的というのは、主要な柱、4項目の柱については公開をしていたわけでありますが、要は審査会の運営の中でその辺の配点等は変動していく要素がある、試行錯誤しながらまとめてきたと、そういう経過があって、現段階ではかなり安定はしてきているということでありまして、それからもう−つ、やはり私どものほうの入所調整基準の考え方というのがありますから、その辺も含めてコメントすることが本来だろうということで、情報公開制度によってくださいということでお願いをしたところでございます。

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