2007.10.31 南 恵子 区議
私は、日本共産党品川区議団を代表して、第63号議案「平成19年度品川区一般会計補正予算」に反対の立場で討論をします。
この補正予算は、品川区立小中立学校の統廃合をすすめるための予算であり、認めることはできません。反対です。
新教育システム開発プログラムとは、今年2月2日付けで文科省の委託事業に申請し、3月19日に受託が決定した学校統廃合を進めるための検討経費です。申請した事業実施計画書の「研究タイトル」には、「品川区立小中学校の学校規模の望ましいあり方と再配置のあり方の検討および統廃合の実施に伴う諸課題の検討」と記されています。荏原西一貫校計画に急遽、荏原第2中学校を加えたのはその具体化です。
また、新しい学校づくり推進経費は、八潮地区と平塚地区の中学校を統合するための経費です。
しかも、学事制度審議会を設置し非公開で計画を進めることも大問題です。
今年の2月以降、教育委員会では、学校適正規模・適正配置の検討は認められない旨の厳しい意見が繰り返し出され、4ヶ月もの間、議論が続きましたが、このようなことはかつてありませんでした。
それにもかかわらず区教育委員会事務局は、学事制度審議会を設置して学校統廃合を議論させ、それをもって一気に区立小中学校を統廃合していこうとすすめています。学校選択制の結果、小規模校になっても統廃合は行わないとの方針を覆し、統廃合を進めるための学事制度審議会の設置であり、それを強行することは到底許されません。
しかも、審議会は非公開です。教育委員会事務局は学事制度審議会で決めたこととして逃げていますが、濱野区長が施政方針で述べた「区民の声を聞く。ここに出発点をおき、より開かれた区政運営の道筋をつける」の発言からもおおきな後退です。
第二は、税金で制服を支給する問題です。 新しい学校づくり推進経費は、八潮地区と平塚地区の中学校統合経費として、改築経費、校歌の作曲委託費などを計上し、さらに平塚地区は標準服等更新経費も計上しています。
この予算計上は、標準服を税金で買い与えて反対の声を押さえ込むものです。荏原第2中学校を一貫校計画に加えるために、まず、平塚中学校と荏原第2中学校を統合する計画を推し進めるため、前代未聞の「ばら撒き」までするのは、公費のあり方からも、他の学校との公平性でも大問題です。
統廃合を押し進めるためには何をしてもいいというのではなく、将来に大きな禍根を残します。
一度つくった計画は何が何でも進めるという強引な区政運営ではなく、区民の声を真摯に受け止め、学校という地域の文化を守る立場にこそ立つべきです。また、子どもの出生数が増えはじめているのに統廃合計画は逆行することも指摘します。
改めて、教育委員会の乱暴な進め方は中止し、小規模校には少人数教育の実施を強く求め、反対討論とします。