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いいぬま雅子区議 08年第1回定例会「CO2削減」「ワーキングプア」「認可保育園増設」

2008.02.22 いいぬま 雅子 区議

一般質問項目

  1. 区はCO2削減目標を持ち対策を 温暖化を加速するサーマルリサイクルは中止を
  2. 全てのワーキングプア解消のために、品川区自らが改善を
  3. 保育園不足は深刻 待機児解消は、国と自治体が責任を持つ認可保育園増設で

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一般質問

日本共産党を代表して一般質問を行います。


区はCO2削減目標を持ち対策を 温暖化を加速するサーマルリサイクルは中止を

はじめに「区はCO2削減目標を持ち対策を 温暖化を加速するサーマルリサイクルは中止を」の質問です。

「いま行動しなければ重大な危機に直面する」「2050年までにCO2などの温室効果ガスの排出量を全世界で半減させる必要がある」など科学者の警告を受け、温暖化防止に向け世界が動いています。ドイツはすでに18%削減し、2050年までに80%削減を決定しています。ところが日本政府は大変恥ずかしい態度を取っています。昨年12月、バリ島で開かれた国連気候変動枠組み条約第13回締結会議で、2020年までの削減目標30%を書き込むことができませんでしたが、アメリカ、日本、カナダ3国が妨害したためです。もう1つは、京都議定書で掲げた6%削減を達成できないばかりか、逆に6.4%増加させ温暖化を加速させています。日本経団連の「自主行動計画」まかせが原因です。日本の2006年度のCO2総排出量は12億7500万トン、そのうちの80%は産業・公共部門であり、中でも火力発電所のCO2排出は10数年の間に3.4倍年間2億500万トンにも増加しています。国に対し財界言いなり政治からの転換を求めると共に、区に本気の取り組みを期待し5点提案します。

1点目は温暖化防止条例の制定です。

千代田区は「地球温暖化対策条例」を制定し、2012年までに京都議定書目標を達成、2020年までに区内のCO2を25%削減の目標を掲げています。品川区は、2003年環境計画を作成しましたが、温暖化防止の記述はほんの一部で不十分です。

質問…区民、事業者、区が協働で温暖化対策にとりくむために「地球温暖化対策条例」の制定が必要と考えますがいかがでしょうか。

2点目はCO2削減目標と計画策定です。

昨年第三回定例会で、区全体のCO2削減の数値目標と計画を求めましたが、答弁は、「国、都、区の役割分担を踏まえ、区民の啓発活動を積極的に展開する」と啓発活動に偏っていました。区は、都市再生路線のもと、超高層ビル建設、中央環状品川線など道路計画を進めています。区内には、火力発電所が2箇所、清掃工場は1箇所、民間の廃棄物処理施設もあります。

質問…区にCO2の排出量の定期的公表と、区が責任を持ち区内CO2削減目標と具体的計画の策定を求めます。開発地域における建物から排出されるCO2削減を図るためには、区独自規制の検討が必要と考えます。いかがでしょうか。

3点目は自然エネルギーの普及・促進です。

日本のCO2排出量増加の原因は、石油、石炭など化石燃料による火力発電を重視し、自然エネルギーを軽視してきた政策にあり、総発電量の1%しか目標にしていません。EUは21%を目標にして取り組んでいるところです。公共施設への太陽光発電設置の促進、特に保育園、幼稚園、学校などへの設置は環境教育促進のためにも有効です。

質問…太陽光発電など自然エネルギーを公共施設に積極的に導入、区民意識啓発に勤めること。一般家庭への促進のため、助成制度を拡充すること。一定規模以上の建物への義務付けの検討を求めます。

4点目は緑を増やす計画です。

質問…長期計画の中に公園増設、緑と樹木を大幅に増やす計画を求めます。

5点目は、サーマルリサイクルの問題です。

廃プラスチックを燃やし、電力に変えるサーマルリサイクルはCO2を増やし温暖化を加速します。石油を原料とするプラスチックの焼却はダイオキシンや重金属類、化学物質等の有害物質の発生源になります。また近い将来石油資源が枯渇すると言われていますが、プラスチックの大量消費、大量燃焼は、環境保全、資源保護の立場からとうてい許されません。

質問…プラスチックを燃やせばCO2は必ず増加します。世界的に削減を検討している最中「石油製品は燃やさない」決断をすべきです。サーマルリサイクルは中止し、区民との対話を重ね、区民参加の廃プラスチック資源回収を促進すべきと考えます。いかがでしょうか。


全てのワーキングプア解消のために品川区自らが改善を」

続いて「全てのワーキングプア解消のために品川区自らが改善を」の質問です。

パートや派遣社員などの非正規雇用は、いまや労働者全体の3人に1人、青年や女性の2人に1人にまで広がっています。本来雇用は直接雇用が原則であり、派遣労働は原則違法でした。ところが、非正規雇用を増大させてきた財界の雇用戦略があり、労働者派遣法の規制緩和が進み、1999年原則自由化の改悪に自民、公明、民主が賛成、2003年には製造業にも解禁。派遣労働者は8年間で3倍の321万人になり、半数は年収200万円以下。しかも、派遣労働者の賃金はこの1年間だけでも約8%〜11%低下している一方で、派遣会社の売上高は対前年度比で41%増。ワーキングプア解消のための対策が急がれます。

しかし品川区は自ら率先して非正規労働を拡大してきました。区長は施政方針で08年度も学校給食調理業務代行の拡大等で職員定数を35名削減と述べ「10年間の削減は912人」と胸を張っていますが誇れることなのでしょうか。「効果的、効率的な行財政運営」の名のもと労働者の権利、生活、未来が奪われているのです。

07年4月1日現在、品川区職員のうち、「非常勤職員」825人。「人材派遣職員」94人。「臨時職員」41人。「常勤職員」2671人に対し、非正規雇用者はあわせて960名になり、4人に1人は非正規です。さらに、給食調理などは派遣会社に丸ごと委託の事業も多く、住民サービスは膨大な数の非正規労働者によって担われています。

臨時職員の最低時給は850円。都平均943円を大きく下回っています。20日勤務で月136,000円まさにワーキングプアです。

ここで派遣の問題点を2点指摘します。

1点目は派遣労働の原則が守られていない点です。

保育園のオアシス、延長夜間保育は、常に存在する仕事であり「臨時的、一時的な場合に限る」ことが原則の派遣労働の対象には当たりません。派遣期限は最長で3年と定められ、期間を超えた労働者には派遣先が直接雇用の申し出を行う義務が課されています。しかし区はそれを避けるため、契約期間を1年間に限っての更新を繰り返したり、オアシスルームの実施保育園を3年ごとに変更するなどしてきました。

2月8日、衆議院予算委員会で、日本共産党志位和夫委員長が雇用問題を取り上げましたが、キャノンなどで行われている、人をモノのように使い捨てにする派遣労働の深刻な実態を告発。「現行の派遣法を労働者保護法へと抜本改正すべき」と提案。質疑の中で注目すべきは、福田首相の答弁です「労働者派遣は、臨時的一時的なものに限る。常用雇用の代替であってはならない」と認識を示しました。政府見解に照らしてもオアシス、夜間保育など常態化した事業への派遣は「脱法」行為であり、正規雇用に変えるべきです。

2点目は「ピンはね」の問題です。

17時から22時までの夜間保育園に派遣されている保育士Aさんの時給は1800円です。1日5時間20日働いて月18万円。手元に残るのは14万円程度でしょうか。部屋代を払うと食べていけないので週3日事務の仕事とのダブルワークで生計を立てています。区がAさんの派遣先に支払う契約単価は、1時間2600円です。時給単価の3割800円1日4,000円月8万円が、派遣会社のマージンとなります。直接雇用になり、この8万円がAさんに渡ればダブルワークは避けられます。税金は労働者の生活を守るために使うべきです。なぜなら行政には、公共性が問われ、労働者保護、雇用の安定の視点が求められています。

質問

  1. ?臨時的・一時的でなく常態化している業務たとえばオアシスルーム、延長夜間保育は、派遣でなく、正規職員の増員で対応すべきと考えますがいかがか。
  2. 「住民サービスの質の向上」とサービスを担う労働者の労働環境の質は切り離せないものです。区は、少なくとも派遣先労働者の賃金水準を調査し把握すべきと考えますがいかがでしょうか。その上で、地域の賃金水準を引き上げるため、区が直接雇用する臨時職員はもちろん、委託先派遣社員を含め公共サービスに携わる公務労働者全てに最低でも時給千円を保障すべきと考えますが、いかがか。
  3. 派遣会社のマージン、いわゆる「ピンハネ」を把握しているのでしょうか。区の税金が派遣会社の利益拡大のために使われ、ワーキングプアを産む根源になっています。規制が必要と考えますが見解をお聞かせ下さい。

保育園不足は深刻 待機児解消は、国と自治体が責任を持つ認可保育園増設で

最後に「保育園不足は深刻 待機児解消は、国と自治体が責任を持つ認可保育園増設で」の質問です。

2008年度予算案に、盛り込まれました妊婦健診無料化14回までの拡大、認証保育園への保育料助成制度、保育園保育料2子5割、3子1割への軽減は、わが党が、区民の声を紹介しながら提案を続けてきた内容であり大歓迎です。今後も出産費用負担の軽減など子育てに特別な費用がかからない社会めざし提案をしてまいります。

保育園不足は、深刻です。毎年4月、認可保育園を申し込んでも入れないお子さんは、200人近くになります。区内10箇所の認証保育園も10月頃には満杯、ベビーホテルに預けるしかないのです。

認証保育園にお子さんを預けているおかあさんは「預かってもらえるだけでありがたいと思っていたが、離乳食を始めてほしいと話をしたら、やっと重湯が始まった。公立ではわが子より月齢の小さい子が2回食に進んでいると聞き、栄養士からの説明も無く、このままで大丈夫なのか」と心配していました。都が04年に行なった認証保育所の実態調査では、6割以上の利用者が「認可保育所に入れるなら入りたい」と希望しています。

ベビーホテルのお母さんは「アレルギーがあり、給食が食べれず、毎日お弁当とおやつを持っていっている。それなのに保育料は月84,000円にもなり、給料の半分以上が消えてしまう。貯金はゼロ。公立に入りたい」と訴えます。

児童福祉法第には「保育に欠ける子」への国と自治体の責任が明記されています。

品川区内では、今年7月時点で耐震診断補助の利用は160件。そのうち改修は7件にとどまりました。改修がすすまないネックの一つが費用です。

品川区は、認可保育園はつくらず定数拡大と、認証保育園、幼保一元化施設、認定子ども園など様々な手法で待機児解消を図っています。しかし多くの子育て世代が求めているのは認可保育園であり認可保育園の増設なくして、待機児解消はありません。親の願いと区の施策の間に大きなギャップがあります。なぜなのでしょうか。背景には国民の保育要求に背を向ける「福祉構造改革」の流れがあります。2006年3月閣議決定された「規制改革・民間開放推進3カ年計画」では、公立保育所の民間委託と公立保育制度解体が掲げられています。その第一歩として創設されたのが「認定こども園」です。幼稚園と保育園の一体化を強調している「認定こども園」ですが、規制緩和を更に進め、保護者と施設の直接契約、保育料の自由化、最低基準引き下げなど企業が参入しやすい土台をつくることをねらいとしています。この流れを突き進むと介護保険のように保育もお金で買うサービスに変質してしまいます。国や自治体が責任を放棄し、子どもの命と健康を守り、成長、発達を保障する保育を企業の儲けの対象にするようなことは許されません。

少子化を回復したフランスやスウェーデンでは、GDPに対する家族対策費の比率は日本の4倍から5倍。認可保育園の利用は2倍、育休は普及し、労働時間は日本より年間200時間も少なく、パート労働への均等待遇など子育てしやすい環境が整っています。子育て先進国を見習えば2人目3人目が産める日本になるのです。求められているのは「子どもを、親を、労働者を大切にする政治」です。

税金の集め方、使い方を変えれば財源は確保できます。税金をしっかり投入し、現行保育制度の拡充こそ国と自治体の責務です。

質問

  1. 区は待機児ゼロを目指すべきと考えます。保育要求の実態をつかみ、待機児解消のため認可保育園大幅増設計画を求めます。
  2. 荏原西地区小中一貫校での幼保一体化施設計画が中止となりましたが、同地域に代替の認可保育園を早急に建設すべきと考えます。いかがでしょうか。
  3. 2006年閣議決定された「規制改革・民間開放推進3カ年計画」には、公立保育所民間委託と公立保育制度解体が掲げられています。この内容は、自治体の責任放棄であり、保育園を儲けの場とする到底受け入れられない方針です。見解を伺います。
  4. 認可保育園、認可幼稚園、幼保一元化施設、認証保育園、認定こども園、ベビーホテルなど子ども施設が多様化しています。どの施設においても子どもの個性が尊重され最善の保育、教育が保障されるべきと考えます。また保護者の経済的負担が認可施設と同等になるよう支援することは、国と自治体の責任であると考えます。いかがでしょうか。
  5. 認可外施設である認証保育園、ベビーホテルの実態をつかんでいるのでしょうか。調査と改善を求めます。

以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。


答弁

区長(濱野健君)

私からは、地球温暖化の問題についてお答えをいたします。

議員お尋ねの地域推進計画につきましては、自動車、船舶などの区別データが把握できず、数値化に困難な面がございます。今後、地域推進計画の計画化を検討し、その中で区民との協働の取り組みも考えていくことが課題と考えております。

また、大規模事業所の規制についてですが、東京都では平成17年環境確保条例を改正し、これまでの地球温暖化対策計画書制度の強化を図りました。この制度は、燃料、熱および電気の使用量を原油換算した量が、年間1,500キロリットル以上の事業者に対して、削減計画を義務づけ、結果を公表するものでございます。さらに都は、使用エネルギーの規制について検討中ですが、これ以上これらの事業所の使用エネルギーを削減することは、技術的に困難だとも聞いており、現時点では区独自の規制や条例による規制については考えておりません。

次に、太陽光発電についてですが、区では現在13施設での発電のほか、公園の太陽電池時計や街路灯など200基以上に設置をしております。引き続き設置可能な施設等については設置を進めてまいります。

また、一般家庭への助成についてですが、環境共生住宅助成事業では、平成14年度から5年間で4件の実績にとどまっておりましたが、本年度は町会のふれあい掲示板、回覧板で事業を紹介したところ、11件の申請がございました。国の助成制度は平成17年度に終了しており、これが申請増加につながっている側面もございますので、今後の申請実績を踏まえ、助成制度の拡充を検討させていただきますが、一定規模以上の建物への義務づけについては考えておりません。その他のご質問につきましては、担当の事業部長等よりお答えをさせていただきます。

次に、区内公園増設と緑、樹木の増加計画については、品川区では既に第3次長期基本計画の中でも緑ゆたかなまちづくりの先導的な役割を果たすことや、緑地の一層の拡充のための公園新設に努めるとしており、議案としております基本構想でも、次代につなぐ環境都市として、区が率先して緑化や省エネルギー対策を推進する考えを示しているものでございます。また、検討を進めている新しい長期基本計画の中でも、当然ながらこうした考えをもとに、計画的に事業を展開する考えでございます。

最後に、米粒、油などで汚れているプラスチックについてリサイクルをとのご主張ですが、現状ではそのような汚れたプラスチックを、容器包装リサイクル協会は受け入れてもらえません。通常の再生利用は不可能ですので、せめてプラスチックに含まれているエネルギーだけでも回収しようとしているものでございます。予定どおり本年10月より実施する考えでおります。

その他の質問につきましては、担当部長等よりお答えをさせていただきます。

総務部長(田中清朗君)

私からは、自治体における人材活用に関するご質問にお答えいたします。

保育園では、子どもを持つ家庭が今、必要とするさまざまな子育て支援策を実施しております。基本保育のほか、オアシスルームや延長夜間保育等の特別保育、地域の子育て支援事業等、常勤の保育士を核として、地域の子育てに関心のある区民の方々の協力を得るなど、非常勤職員や派遣職員を含め、多様な雇用形態を活用して、効果的に運営をしております。

次に、人材派遣の委託契約につきましては、年度当初に一般競争入札により時間単価を参加企業が入札するものでございまして、公平性、競争性が確保されているものと考えております。人材派遣社員の賃金水準を調査する考えはございません。

また、臨時職員や非常勤職員の賃金につきましても、その職の内容や勤務時間等を総合的に勘案し、時間単価を決めてございます。保育園の非常勤職員を例にとりますと、無資格の非常勤1,200円に対し、資格ある正規職員の初任給の時間単価は1,027円でございまして、非常勤職員が正規職員を上回っている状況でございますので、賃金の引き上げは予定しておりません。

3点目の人材派遣会社の派遣コストについてでございますが、社員を雇用し派遣する上で、雇用主である会社に一定の費用がかかるのは当然のことであり、区が契約するに当たっては、一般競争入札という公正な手続を経ていますので、改めて把握するつもりはありません。

なお、人材派遣の規制についてでございますが、社会情勢の変化に応じて、雇用形態の多様化に関する法制度の整備、改正が国において進められておりますので、区は人材派遣を規制する立場にはございません。

児童保健事業部長(古川良則君)

私からは、保育園に関するご質問にお答えをいたします。

品川区では、過去5年間で認可保育園4園の増設を含め、400人を超える定員増を図り、入園希望者への対応に努めてまいりました。来年度は私立の認定子ども園や認可保育園の開設、既存保育園の定員増や弾力化等によって、200人程度の新規受け入れ枠を確保するほか、認証保育所の誘致など、多様な方策により、待機されている方々の対応に努めてまいります。

また、荏原西地区への対応といたしましては、地元のご期待や今後の保育需要等を真筆に受けとめ、今後の施設計画に生かしてまいります。

次に、閣議決定による規制改革・民間開放推進3カ年計画についての見解をとのことでございますが、この計画は各分野別に規制緩和の基本方針を定めたものと認識をしております。

次に、乳幼児施設の多様化についてですが、就労環境やライフスタイルの多様化が顕著な都市部では、乳幼児の状況に応じて選択できる子育て環境が望ましいと考えております。保護者が多様な選択肢の中から、みずからの責任において施設や制度を選択できるよう、区としても可能な範囲で支援をしてまいります。

なお、認可外施設につきましては、指導権限は東京都にあります。都の立入調査の際は区も同行するなど連携をして、認可外施設の実態把握に努めております。

再質問

飯沼雅子君

自席から再質問をさせていただきます。

まず、初めの地球温暖化の対策ですけれども、私はご答弁がとてものんきであるなと感じてしまいました。なぜならきょう質問させていただいたのは、もう昨年からことし、今やらなければ取り返しがつかない、こういった地球温暖化の防止が急がれている中、具体的に前に進むような印象を全く受けることができませんでした。ぜひ自治体としてできることを直ちにやっていただきたいと思います。区民との協働というのは当たり前であると思います。区民は環境のことをとても関心を持っていますので、ぜひその辺は進めていただきたいんですが、今回特に求めたのは、事業所、企業との関係なんですよね。

その辺で、千代田区の例を出させていただきましたが、千代田区は事業者が最初条例をつくるのに大変反発をした。でも、話し合いを重ねるうちで、一緒に協議をしていこう、こういったことで条例ができたと聞いております。ぜひいま一歩進める姿勢を示していただきたいと思います。

あと、廃プラのところなんですけれども、なんか私の聞いたことと違うことを答えてくださった。米粒とかそんな話をしているんではなく、石油製品を燃やさない。この危険性をしっかりとらえてほしい。方向転換をしてほしい。こういった質問でしたので、この点はもうー回お答えをいただきたいと思います。千代田区の例もありましたけれども、数値目標をちやんと示しているんです。現状をしっかり把握をしなければ、どう削減するかが出ないと思います。品川区が現状把握できないはずはありません。ぜひ前に進めていただきたいと思います。

あと、ワーキングプアの問題ですが、「人材活用の質問について」という、そのタイトルはおかしいと思います。私はワーキングプアを解消してほしいという立場で質問をしましたので、そこはちょっととらえ方が違うなと思っています。

1点目なんですけれども、ちやんとお答えになっていないと思います。私は、保育園で行われていますオアシスルーム、そして延長夜間保育、これは常態化をしている仕事である。臨時的、一時的の仕事ではないので、派遣ではない。該当しない。これを派遣でやっているのは脱法行為ではないか。こういう質問でしたので、ここに明確に答えていただきたい。そして、なぜオアシスが3年で、地域で喜ばれていて利用がふえているオアシスを、どうして保育園を変えて行わなければいけないのか。この3年で施設を変えるという、私はこの辺が法の網をくぐり抜ける手だてであったと思っていますが、この点を答えていただきたいと思います。だから、ここは再質問というよりも、答弁漏れである、こう受けとめていただきたいと思います。

あと、区の姿勢を、財政効率を求めてワーキングプア、低所得者をふやしている、こういった批判を含めて質問をさせていただいたわけですけれども、区は公共の施設であるといったところで、区民の税金を使って運営をしているというところでは、私は労働者の生活を悪くするほうに、派遣会社のマージンにお金を回すというのは、これは間違いであると思っています。改善のためには正社員化、直接の雇用をしていく。また、パートの人においても均等待遇の方向を示さなければ、これは改正しないと思います。この点をお答えいただきたいと思います。

3点目の保育園なんですけれども、今の福祉の構造改革、これに対する見解がご答弁なかったんです。
ぜひ区の考えをお聞かせいただきたいと思います。私は今のこの保育の困難、子育ての困難は、国の政策が親に寄り添っていない。そういった中で、身近な自治体がその国の政策とともに一体となってやっていくのか。いや、それと反対の方向で区民の生活を守るか。私はこの点をこの質問の中に込めさせていただいたので、この点をお答えいただきたいと思います。


再答弁

区長(濱野健君)

私から、廃プラスチックのことについてお答えを申し上げます。

ご案内のように、廃棄物をどうするかということにつきましては、リユースあるいはリサイクル、これが最も適切な処理の仕方でございます。しかし、一方で、東京都の場合につきましては、最終処分場に限界があるという特殊な問題がございます。そういった中でいかにこのプラスチックを回収していくかということが大きな問題でございまして、もちろんこのリユースの、あるいはリサイクルの品目拡大ということが1つの大きな課題でありますから、品川区はそれについて前向きに取り組んできたところでございます。

そして、それでも回収し得ない、あるいはリユース、リサイクルできないものについては、燃やすことによって、このリサイクルを熱のリサイクルとして使っていこうという考え方でございます。この間、この燃やす燃やし方につきましても、大幅に改善をしてきたところでございます。清掃工場の改修、改築を重ねまして、この燃やし方についても大幅に改善をされてきた。そういう中での廃プラスチックの熱の回収ということでご理解をいただきたいと思います。。

総務部長(田中清朗君)

人材活用に対する再質問にお答えいたします。

私どもは保育園等につきましても、夜間保育等、特別な時間帯の短い時間のものについての派遣等を行っております。これが脱法と言われるいわれはないというふうに考えてございますし、それから区民の税金を正規職員化と同じように人件費に投入すべきというお話かと思いますけれども、区民の税金であるからこそ、私どもは最小の経費で最大の効果を生むべく、それで区民サービスを展開すべく、さまざまな考え方を活用させていただいているということでございます。

児童保健事業部長(古川良則君)

それでは、私のほうからは保育園に関する部分について、何点かご質問いただきましたので、お答えいたしますが。

先ほど総務部長からお答えしたとおりでございますけれども、加えてオアシスのことについてのお尋ねがございました。オアシスは平成16年からさまざまな工夫をしながら、在宅子育て支援という形で進めてございます。その中での人的な活用についてはさまざまな方法がございまして、すべての保育園が3年置きに変わっているわけではございませんし、すべての保育園で派遣というふうにも考えてございません。先ほどご答弁申し上げましたとおり、正規職員が中核となりながら、非常勤の職員の方々あるいは派遣、さらには委託もあろうかと思いますが、さまざまな手法を駆使しながら、最終的には区民が利用できるような保育サービスをやっていきたいと、このように考えてございます。

2点目でございますけれども、国の規制改革何とか会議、これは内閣の議決ということで、2006年−その前に2004年にこれはあったというふうにと思っておりますけれども――国がどのような方針を持つか、それは国が決めることだろうと思ってございまして、品川区はあくまでも品川区民からのさまざまな要望を受けながら、区民サービスを今までも実施してまいりました。したがいまして、保育施策におきましても、さまざまな区民要望、これは必ずしもフルタイムではなくて、パートの方々もいらっしやいますし、あるいは在宅で1年2年育児をしたいという、さまざまなご要望がございます。そういうさまざまなご要望に対しまして、区が持っている資源を活用しながら、今後とも実施していきたいと、このように考えてございます。


再々質問

飯沼雅子君

まず、区長に温暖化をご答弁いただいたので、ぜひ今やなければということで、やれることはたくさんあります。地方には本当に自然エネルギー日本一、岩手県の葛巻町が先日新聞に載っていました。ドイツでも自動車の規制をするとか、自治体が横の連携をとって力を合わせれば、できることがたくさんある。私はこんなにしなくていいんだろうか、そういう思いでいっぱいです。ぜひぜひ先頭に立って、この地球温暖化防止の対策を、区から大きく出して、国を動かしていただきたい。この思いできょうは質問をしましたので、もう一回区長にご答弁をぜひお願いをしたいと思います。

サーマルリサイクルは必ずCO2がふえるんです。削減の方向に持っていっているのに、なぜプラスのことをしなくちやいけないのか。これはだれにも考えられないことであると思います。この点もお願いします。
 あと、ワーキングプア。また人材活用なんて、部長、間違っています、私の質問のとらえ方が。ぜひ心を改めて、お返事をいただきたいんですが、3割もピンはねをされていること、このことに対して、まず受けとめているのかどうかということと、区民の税金がこういうことに使われている。直接雇用で本人に行けば、もっと生かされるというところで、私はぜひ反省をしていただきたいなと思うのと、あとこのところキヤノンでは正規雇用、直接雇用の拡大がされています。違法偽装請負などで告発をされた中で、正規雇用、直接雇用の拡大がされています。ここのところパート労働法の改正でも、短時間の人にとっても均等待遇の内容が示されて、行き過ぎた雇用の破壊にブレーキをかける。また改善をしていかなくちやいけない。直接雇用が当たり前である。こういった原則に少しでも立ち戻っていく動きが今あります。ぜひ品川区にも、雇用のところにおいては、今のこの法にかなっているからいいんだという、こういう立場ではなく、ぜひ反省に立って、正社員化、均等待遇など、また1000円の時給引き上げなど、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。

あと、保育のところなんですが、部長、たびたびですが、私は「見解を伺います」と、わざわざここに質問に書かせていただきました。そんなことは関係ないというようなご答弁でした。なぜ心配しているのか。品川区の保育がいろいろな方策をとっているのは重々承知の上の質問です。国の方向に行くのか。それとも区民の願いに反する、今の児童福祉法に基づいた公的な保育制度を崩す方向に行くのか。その辺を大変心配をしての質問なんです。ぜひその辺では、国の構造改革ではなく、区が自治体として、地方分権として、区民を守る立場に立つ。このことをしっかりと表明をしていただきたいと思います。


再々答弁

区長(演野健君)

先ほど飯沼議員の再質問の中では、温暖化対策については要望ということでございました。そこでお答えを申し上げなかったわけですが、今、質問ということでありますので、お答えを申し上げたいと思います。

ぜひ品川区がどんな温暖化対策をやっているのか、十分に調べていただいて、ご評価いただきたいと思います。これから委員会等も始まろうかと思います。その中でも十分にご説明を申し上げますので、どうぞお聞き届けいただければというふうに思っております。

以上です。

総務部長(田中清朗君)

派遣会社員におけるピンはね等というご質問等がございました。私どもは派遣会社がいわゆる労働者派遣法に基づきまして、会社と雇用者がきちんと契約をなされた上で、法にのっとった形でのいろんなこういうことを活用させていただいているものでございます。さまざまな改善等は国のほうでもいろんな動きがございます。ただそういう中で私どもは、先ほども申し上げましたが、区は最小の経費で最大の効果を上げる区民サービスを提供するという意味でございますので、派遣会社についてすべてそういうような形を関与するという考えはございません。

児童保健事業部長(古川良則君)

それでは、再々質問にお答えいたします。

私のほうでは、先ほど議員からのご質問については、2006年閣議決定された規制改革・民間開放推進3カ年計画に関する見解をというふうにお尋ねになったというふうに理解してございまして、最初のご答弁で申し上げましたとおり、この計画は各分野別に規制緩和の基本方針を国が定めたものと、こういうふうに認識しております。加えて、品川区の立場も先ほどお答えいたしました。国の方針は方針として、区は区の、区民の立場、そして区民の要望をとらえながら、区としてできることを最大限やってまいりますと、このようにお答えしたつもりでおります。

議長(伊藤昌宏君)

以上で飯沼雅子君の質問を終わります。

以上

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