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安藤たい作区議 08年第2回定例会 請願第9号「後期高齢者医療制度の廃止をもとめる意見書の提出に関する請願」に対する賛成討論

2008.07.03 安藤たい作 区議

第2回定例会08年7月3日本会議 安藤たい作区議が「後期高齢者医療制度の廃止をもとめる意見書の提出に関する請願」に対する賛成討論を行いました。

「後期高齢者医療制度の廃止をもとめる意見書の提出に関する請願」に対する賛成討論

日本共産党品川区議団を代表して、平成20年請願第9号「後期高齢者医療制度の廃止をもとめる意見書の提出に関する請願」に賛成する立場で討論を行います。ただいまの委員長報告には反対します。

本請願は、4月1日から実施された後期高齢者医療制度の廃止を求める意見書を政府に提出することを求める内容です。「高齢者は早く死ねというのか」―多くの区民の怒りの声を受け、区内の診療所など医療機関のほか、女性団体、業者団体、建設4組合など22団体が提出したものであり、重く受け止めるべきです。

批判の声は全国に広がり、とどまるところを知りません。制度への異議を唱える地方自治体の意見書の可決数は全自治体の3割を超える610議会に達し、署名も600万筆を超えました。35の都府県医師会が、制度そのものに反対、または慎重対応、見直しなどの態度表明を行っています。また、堀内自民党元総務会長が「『姥捨て山』以外の何ものでもない」、中曽根元首相が「至急、元に戻して考え直す姿勢をはっきりしめす」と述べるなど、自民党幹部からも反対の声があがっています。野党4党が共同で提出した廃止法案は参院で可決され、衆院で継続審議となっています。政府は多少の手直しでごまかそうとしていますが、「廃止せよ」これが国民・区民の声であり、この声に応えるべきです。

私は、厚生委員会の審査の際に出された意見について触れながら、廃止すべき理由について述べます。

1点目は、「後期高齢者医療制度になっても医療サービスはなんら変わりない」「公的な財政負担を確保して、きめの細かいサービスを提供する」という説明です。

制度導入の目的について、制度設計に関わった厚労省の担当官が「将来60兆円にもなる医療費を抑制するため」と明言。「医療費が際限なく上がっていく痛みを、後期高齢者が自ら自分の感覚で感じ取っていただくことにした」と述べていました。また政府自らが、2025年度の8兆円のうち5兆円を後期高齢者分で削減するとする、医療給付費削減目標を立てています。税と保険料負担を減らすため社会保障費を切り詰めよとせまってきた大企業・財界は、高齢者医療を現役世代から分離することを要求してきました。そうして生まれた、医療費の削減を目的とする後期高齢者医療制度で、医療水準がこれまでより良くなるなどと、どうして言えるのでしょうか。

現実にも、今回の制度の導入を機に75歳以上の診療報酬は別立てにされ、「包括払い」の導入で保険医療には上限がつけられ、健診は実施義務から外されました。過去一年に医療機関にかかった人を健診の対象から外した徳島県では、健診対象者は75歳以上のわずか3.5%になった、こんな事態も起こっています。75歳を超えたというだけで病気の予防から、外来、入院、「終末期」まで、あらゆる場面で差別医療が持ち込まれ、将来さらにその拡大が狙われているのです。

2点目は、「国民皆保険制度を維持し、医療制度を持続可能なものにするために必要」との主張です。

そもそも日本の医療費はGDP比で8.2%と、OECD加盟30カ国中で21番目の最低水準になっています。ただでさえ低い医療費を削減してきたことが、「医療崩壊」ともいうべき状態を作り出してきました。日本の人口千人当たりの医師数は2.1人で、OECD平均の3.1名を大きく下回り、医師不足は深刻。療養病棟の閉鎖が相次ぎ、救急車に乗っても受け入れ先がなく、お産ができる病院も02年から06年の4年間で全国で半分以下に減りました。安上がりの「後期高齢者医療制度」など、これ以上の医療費の削減は、医療崩壊を加速させ、引いては国民皆保険制度も掘り崩すもの。世界的にも異常な医療費抑制政策は転換こそ必要です。本来、医療にはもっとお金を使うべきではないでしょうか。

医療を支える財源は、応能負担の原則を貫くことです。高すぎる国保料や税金の取立てなど、社会的弱者に過重な負担をおわせるやり方はやめるべきです。欧州諸国の6〜7割に過ぎない日本の企業の税・保険料負担を引き上げること。また、法人税の大幅軽減、所得税の最高税率の引き下げ、株取引への優遇税制など、大企業・大資産家減税をやめて10年前の水準に戻すだけで、7兆円の財源が生まれます。軍事費やムダな道路整備などの浪費にメスを入れれば、さらなる財源も生みだせます。政治の姿勢さえ変えれば、消費税に頼らなくても、安心できる医療を支える財源をつくることはできるのです。

日本共産党は後期高齢者医療制度は「廃止しかない」という立場であり、本請願に全面的に賛成です。目黒区議会でもつい先日の1日、後期高齢者医療制度の早期廃止を求める意見書が可決されました。品川でも本請願を採択し、廃止せよの声をあげるべきです。世論と運動と共同して、次の国会で必ず廃止法案を成立させるために全力をあげる決意を述べて、本請願への賛成討論といたします。

本会議での採決で日本共産党7人、生活者ネット2人、民主品川3人が賛成、賛成少数で否決されました。

 

以上

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