前のページへ戻る           日本共産党品川区議団TOPへ

2009年度予算委員会で日本共産党南恵子品川区議団長が行った意見表明(要旨)を紹介します

2009.3.26 南 恵子 区議

日本共産党品川区議団を代表して、2009年度各会計予算に対する意見表明をします。

平成21年度品川区一般会計予算、同国民健康保険事業会計予算、同後期高齢者医療特別会計予算、同介護保険特別会計予算には反対、平成21年度品川区老人医療特別会計予算には賛成です。以下、その理由を述べます。

第一に、深刻な不況下、自治体は区民生活を守ることに徹するべきです。

アメリカ発の経済危機は日本に深刻な影響をもたらしました。年度末には製造業を中心に非正規と正規のリストラが大規模に行われ、数十万人もの人が家も預金もないまま放り出されようとしています。品川区民も例外ではないでしょう。このようなときに自治体はどうあるべきかが厳しく問われます。区は、緊急経済総合対策を作ったことは評価するが、区内業者の仕事確保はまだ不十分です。住宅の耐震化など生活密着型公共事業を思い切って拡大するよう求めます。また、公共サービスを低賃金不安定雇用の派遣や委託で保育園オアシスルーム、すまいるスクール、給食調理などに取り入れているため官製ワーキングプアを区が作り出しています。また、下神明駅と戸越公園駅周辺の駐輪場を有料化し定期利用をなくす問題、高齢者食事サービスの料金を年間5000円も負担増した問題、緊急通報システムの低所得者への配慮がない問題などさまざまな場面で負担増を強いる一方で、区は莫大な基金を溜め込んでいますが異常です。

国民健康保険事業会計は、均等割り額を引きあげたために低所得者負担が増え、格差がいっそう広がります。認められません。

介護保険特別会計は、保険料を据え置いたといいますが、基金残高の14億円は高齢者一人当たり2万円余であり23区一番です。引き下げて高齢者に還元すべきです。保険料最高段階を300万円は23区で最低。多くの区が1000万円から2000万円に設定しています。所得に応じたきめ細かな段階設定とすることで基準額を引き下げることが可能です。65歳以上の保険料でおこなう市町村特別給付は3年間で2億400万円。他区に例がありません。中でも都南病院跡のケアホームの利用料減額は、低所得者も含む保険料をつかって高額所得者しか入れない施設の利用料を軽減するもので認められません。

後期高齢者医療特別会計について、保険料滞納者は4171件、資格証明書の発行をしないと明言しませんでしたが命に直結する問題であり発行すべきではありません。所得の申告をしないために減額制度を受けていない人に対しては積極的に対応すべきです。

第二に、中小企業の街・品川の地域経済を守る立場に徹するべきです。

商店街支援として装飾灯電気代補助の倍化は切実な要望だっただけに評価します。5年の返済期間のうち3年間無利子にした中小企業事業資金融資斡旋はようやく予算化されました。従来の緊急融資制度に申請しても金融機関で否決されてしまうケースがあることがわかりその解決は緊急に求められます。きめ細かく相談に応じるというなら早急に実態調査をして対策をとり、中小企業の経営を守ることに徹するべきです。

地球温暖化対策のCO2削減目標は1990年比で掲げるのは当然ですが、地域推進協議会にゆだねるという姿勢ではなく自治体として積極的にリードこそするべきです。また、大気汚染のPM2.5の国基準設定に向けては国待ちではなく早急につくれと強く要請するべきです。

第三は、開発に巨額の補助金投入はやめるべきです。
大崎駅周辺地区再開発は58億4000万円、大井町駅周辺地区再開発は5億3000万円、都市再生総合整備事業は8億1000万円など新年度予算だけでも巨額の税金が投入されます。

北品川5丁目第一地区は、総事業費が950億円から1324億円、1.4倍に増え、補助金は130億円から264億円、2倍にも増えます。資材高騰しているときに区民が切実に求めている公共住宅や特養ホーム、保育園建設は後回しして、開発に巨額の税金投入はやめるべきです。また、最大の地権者である品川区が開発に邪魔だとして御殿山小学校を移転させることは断じて認められません。

第四は教育問題です。

小中一貫校の行事の問題ですが、一つは運動会です。発達段階の差を無視して1年生から9年生まで一緒に開催するのは無理であるため種目もリレーが中心にならざるを得なく、楽しく参加できなくなりました。卒業式も9年生重視に変わり6年生には区と教育委員会のメッセージすらなくなりました。成長を喜び、新たな目標を持たせて送り出す教育的視点を失っているだけでなく、公教育の均質化に反します。

また、各学校の状況に応じて定員制を導入しましたが、これは学校選択制の破綻です。学校統廃合計画は、将来の児童生徒数を予測して減ることを前提に進めるもので認められません。30人学級実現の方向にこそ向かうべきです。

第五は、長期基本計画の問題です。

10年間の区政運営の基本方針にもかかわらず、相変わらず大規模開発優先を続ける一方で、区営住宅建設は撤退、ケアホームは13地域に作るとして特養ホームの具体的計画は示さない。認可保育園についても395人も入所したくてもできないのに、企業立の認証保育園や幼保一体施設の計画しか示しません。ここに区民の願いを受け止める姿勢は見えません。また、この長計に対して区民意見を聞く姿勢があまりにも弱く、広報しながわに骨子を掲載したものの理解できなくてもいいと言っているようなもので、区民参加を自ら否定するものです。あらためて説明会の開催を求めます。また、広報しながわを全戸配布してすべての区民に伝える努力を惜しまないでほしいものです。

最後に、わが党提案の「高齢者医療入院時負担軽減支援金」条例に対応する予算修正に賛成します。

以上で、日本共産党品川区議団の意見表明とします。

以上

ページトップへ

前のページへ戻る           日本共産党品川区議団TOPへ