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なかつか亮区議 09年第2回定例会一般質問「核兵器廃絶」「認可保育園増設」「生活保護の周知徹底」「奨学金制度」

2009.6.19 なかつか 亮 区議

一般質問項目

  1. オバマ米大統領の核廃絶の呼びかけに応え、品川区も核保有国に核廃絶を求めよ。
  2. 申し込み者の3人に1人が入れない緊急事態。認可保育園の増設は待ったなし。
  3. 生活保護の役割はますます重要。制度の周知と総合相談窓口の設置を。
  4. お金の心配なく学べる給付型奨学金制度の導入を。

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一般質問

日本共産党を代表し、一般質問を行います。


オバマ米大統領の核廃絶の呼びかけに応え、品川区も核保有国に核廃絶を求めよ

初めは「オバマ米大統領の核廃絶の呼びかけに応え、品川区も核保有国に核廃絶を求めよ」です。

今年4月、オバマ米大統領は、プラハにて核兵器のない世界にむけ一緒に平和と進歩の声を高めようと呼びかけました。核兵器を使用した唯一の核保有国であるアメリカが、核廃絶へ行動すべき道義的責任があることを認め、核兵器のない平和で安全な世界を追求していくことを国の目標にしたことは初めて。

日本共産党はこの点を心から歓迎します。このプラハ演説は、来年のNPT核不拡散条約の再検討会議に核兵器廃絶にむけた議題が盛り込まれるなど、人類の悲願である核廃絶に前向きな変化を起しています。

しかし、一方で、北朝鮮による度重なる核実験の強行と、核廃絶の流れに背く危険な挑発もおきています。だからこそ、核廃絶に向け、力を合わせることが必要です。非核平和都市品川宣言をしている品川区に具体的行動を求めます。

オバマ米大統領の核兵器廃絶の呼び掛けに応え、品川区も核廃絶に向けて行動を共にすべきだと思います。この演説をどのように評価するのか、ご見解を伺います。
そして、全ての核兵器保有国に対して、核廃絶を求める声明を品川区として、送るべきと思いますが、いかがでしょうか。

私は、同時に、この間の品川区の姿勢も質し(ただ)たいと思います。それはアメリカなどの臨界前核実験に品川区が抗議しない問題です。

かつて品川区は非核宣言自治体協議会に参加。しかし、アメリカの臨界前核実験の禁止を求める決議の採択を機に団体を離脱。以来、アメリカなどの臨界前核実験に対する抗議を行っていません。

これは、核兵器の独占や保有、開発を容認し、非核平和都市品川宣言に反する行動です。

臨界前核実験の容認は、地下核実験を認めた部分的核実験停止条約で地下核実験に歯止めがかからなかった事と同様に、結果的に核軍拡競争を招き、核の脅威を世界中に広げてきた事実を忘れてはいけません。

品川区は、今まで、アメリカなど臨界前核実験に抗議をしてきませんでした。なぜなのでしょうか。これでは、核兵器の保有、開発を容認し、非核平和都市品川宣言に反します。非核平和都市品川宣言は「いかなる国であれ、いかなる理由であれ……即時に核兵器を捨てよと」を述べています。世界が動き出している今こそ、この宣言にのっとり、臨界前核実験を含め、あらゆる国、あらゆる核兵器開発につながる核実験、核開発行動に抗議すべきだと思いますが、いかがでしょうか。


申し込み者の3人に1人が入れない緊急事態。認可保育園の増設は待ったなし

次に、「申し込み者の3人に1人が入れない緊急事態。認可保育園の増設は待ったなし」です。

今年4月、品川区の認可保育園を希望した方は1589人。入れたのは1101人。およそ3人に1人に当たる488人の子どもが入れませんでした。

その数は年々増加。認可保育園に希望しながらも、認証保育園など認可外保育園にも入れない、つまりは行き場がない子どもが123人。まさに緊急事態です。

背景には生活状況の悪化から、就労を希望する方が増えたこと、品川区が進める再開発事業によるマンション急増があります。

この事態に、品川区の対応はどうでしょうか。保育園の定員以上に子どもを受け入れる「つめこみ」保育。幼稚園に保育園機能を付け定員を増やす幼保一体化施設の整備。民間の認証保育園の誘致でしのぐ考えです。

保育園に入れない子どもは減るどころが、増えているではありませんか。

つめこみ保育はもう限界。いつ来るかわからない民間の誘致待ちでは間に会いません。認可保育園の増設は待ったなしです。

2歳と0歳の子ども二人が認可保育園に入れず「これでは生活できない」と話すお母さんを紹介します。「1人目は3年待っても認可保育園に入れなかった。今年は、0歳の二男とあわせ2人とも入れなかった。保育課では『認可に入るには、認証に預けて、長時間働かないと』と言われ、2人とも認証保育園に預けて、職場に戻るが、2人分の保育料の方が、私の給料より高いから、生活はもっと苦しくなる。毎日、深夜まで働いている夫に、これ以上、働かせたら過労死しそう。もう、どうしたらいいのですか。働きながら、子育てすること事が、どうしてできないのですか」と話します。

また、認証保育園について「保育料が高くて預けられない」「預けようにも、4月時点でどこも定員一杯状態」との声もたくさん聞きます。

他区では、既に対策が始まっています。墨田、新宿、文京、板橋、目黒、足立区では、相次いで区有地などに公立保育園や分園方式で開設。港区は今後6年間で3つの認可保育園を増設する計画がありましたが、事態にあわせ、緊急に220人分の保育園を前倒しする計画を発表しました。東京都も定員拡充に取り組む自治体の負担軽減を発表しました。品川区はどうして緊急対策を実施しないのでしょうか。

保育園に入れず困っている方への対策は、まったなしです。区有地の活用や、学校空き教室などを使った分園方式などの緊急開設を求めます。いかがでしょうか。

区は、現状の対策で、増加する待機児を解消できると考えているのでしょうか。伺います。

また、保育需要にみあった保育園整備は、品川区による認可保育園の整備が不可欠です。改めて、幼保一体化施設に限らない、認可保育園の大幅な増設計画を求めます。いかがでしょうか。

もう一つの問題は、品川区が多額な税金を投入して進める再開発マンション建設に保育園設置を義務づけていない問題です。区は大崎駅周辺など、次々と高層マンションを建てました。その数は、今までに1579戸を建設。対して認可保育園は111人分のみ。今後は3年間で北品川などの再開発により5千戸を超えるマンションが建設される予定です。これは八潮団地に相当する規模。保育園不足が一段と深刻になることは明らかです。

品川区は、今後の保育需要をどのように見通しているのでしょうか。お聞かせ下さい。

再開発には、認可保育園設置を事業主へ義務付けるべきです。いかがでしょうか。また、その保育園計画は、周辺のまち全体の需要を含めたものにすべきです。いかがでしょうか。

区が最大地権者である北品川五丁目第1地区再開発には、周辺の保育園不足を解消する規模の認可保育園を、区の責任で増設すべきだと思いますが、いかがでしょうか。


生活保護の役割はますます重要。制度の周知と総合相談窓口の設置を

次は「生活保護の役割はますます重要。制度の周知と総合相談窓口の設置を」です。

年末年始の年越し派遣村は社会の中で埋もれていた貧困の実態を浮き彫りにしました。仕事を失うと、とたんに路上生活へ。新たな貧困の拡大は、自民・公明政権による、雇用や社会保障の破壊、相次ぐ増税が原因。政治の責任で解決すべき事態です。

今年5月の憲法記念日。新聞各社は生存権に注目し、東京新聞社説は「誰でも働いてさえいれば、食べていける状態が崩れ、最近は働く場さえ次々になくなっています。仕事を失えば住まいもなくなって路上に放りだされ、たちまち生命の危機に瀕します」と、憲法第13条、第25条の再確認を記しました。国民が健康で文化的な生活を営むのに必要な、最低限度の生活を保障する日本国憲法第25条の生存権。この生存権に基づく制度が生活保護。その役割はますます重要です。

濱野区長は、「ネットカフェ」生活が続き、生活再建の糸口をつかめずに長期化している実態をご存知でしょうか。生活再建、生存権の保障に向け、品川区は何をするのか、あわせてご説明ください。

4月、65 歳のAさんから「派遣切りで収入がなくなり生活できない」と電話がありました。日雇い派遣を切られ、夜はマクドナルドやインターネットカフェ生活。手持ちは1500円。「食事をするだけで、やっとの生活だと、明日に希望が見えず、生きる気持ちも折れてしまう」と話します。私は急いでAさんと品川区へ生活保護を申請。2週間後にはアパート契約を済ませ、貧困から一歩抜け出すことができました。

私は「生活保護は考えなかったのですか」と聞くと、「公の仕組みだから住民票がない私はダメだと思っていた」「日雇い派遣の仲間の中では、働ける人は申請できないとの噂があった」と話します。また、Aさんは今年2月に社会保険庁で年金相談。受給資格は見つかったが「住所がないと年金は渡せません」と対応されました。今度は住宅を求め都営住宅の窓口に相談。申込用紙はくれたが、住民票がないため入居資格はありません。行政窓口でも生活保護の説明を受けることはありませんでした。

私は、生活保護が必要なところに知らされていないと改めて実感します。担当窓口が異なっても、生活保護を説明するのは自治体の役割です。また、若い世代では「相談先に区役所の存在がない」との話をよく聞きます。くらし全般の申請をワンストップで行う総合相談窓口の設置を求めます。

昨年2月定例会、共産党は総合相談窓口の設置を求めましたが、品川区は「生活福祉課を区の生活総合相談窓口と位置づけている」と新たな窓口設置を拒みました。しかし、区民にその存在が知られていなければ、その役割は発揮できません。

生活に困った時は区役所に相談してくださいなど、区役所の役割や生活を支える手掛かりが区役所にあることを、区民にわかりやすく知らせ、生活全般に係る相談、申請をワンストップでつなぐ、総合相談窓口の設置を改めて求めます。いかがでしょうか。

区役所や他の行政窓口などで、現に住居を失っている方、現状では失う可能性が高い方には、生活保護を丁寧に説明し、生活保護課との連携体制を整えるべきです。いかがでしょうか。

生活保護制度は国からの「施し」ではなく、憲法に規定された生存権を保障する制度。しかし多くの誤解から申請に結び付いていません。生活保護の「しおり」を配り、理解も広げ、要保護者を生活保護に結び付ける、掘り起こしが必要です。また、しおりの内容も誤解が多い事項について、例えば住民票がなくとも、現在地が品川区ならば、品川区福祉事務所で生活保護が受けられることなど改善が必要です。

今年2月定例会、共産党は生活保護の周知を求めましたが、区は「生活保護制度のみを周知するということはかえって不親切」と拒みました。しかし、生活保護制度の実施機関として、品川区には必要なところに、必要な情報を説明する責任があります。何よりも、相談者の不安な気持ちに寄り沿う、あたたかい姿勢が大切です。改めて、生活保護の受給条件を解りやすく記したパンフレットに改善し、これらをマクドナルドやインターネットカフェなど民間事業所と連携、配布すること。また、品川区役所内でも、生活福祉課に限らず、生活にお困りの方が多く相談する各窓口に置くこと。


お金の心配なく学べる給付型奨学金制度の導入を

親の病気、失業、倒産を機に、お金が払えず、進学をあきらめる、学業が続けられないなど、子どもの未来が奪われています。親から子への貧困の連鎖は社会が克服しなければいけない問題です。

昨年4月に早稲田大学に入学したBさん。学費は親の退職金と奨学金、そして週4日アルバイト。しかし、昨年秋に父親が、がんで入院。急な出費にBさんの母親は「ひとり娘の将来の就職もあるし、大学卒業まではと思っていたが、お父さんの入院費がかさみ、私のパート代では生活が厳しく、まさか娘に生活費を求めることもできません。卒業まであと2年間。食費を削るしかありません」と話します。子どもが大学を卒業するまでにかかる教育費は1000万円を優に超え、国立大学の授業料は1970年は年間1万2千円が、現在は53万円に。貧しくても進学できた時代から低所得者が事実上排除されるのが現状です。

昨年、ノーベル物理学賞を受賞した益川敏秀さんは「日本は教育費が高すぎます。その教育費が、親が丸抱えせざる得ないため、親にそれなりの収入がないと、子どもはきちっとした教育を受けられない」「親がたまた貧しかったから子どもも貧しくなるというのではなく、社会的な保障が必要」と話します。

教育とは、子どもが人間として成長、発達する、子どもの可能性を開花させる上で不可欠な営み。人間の生存に欠かせない基本的人権です。世界人権宣言にあるように、とりわけ「ひとしく教育を受ける権利」「経済的地位によって差別されない」という教育の原則は社会発展の基礎となります。だから、世界では無償教育が当たり前。高校と大学の学費を段階的に無償化する国際人権規約に批准していない国は、国連加盟国約160カ国中、日本とマダガスカルの2カ国のみ。日本の高学費は世界から見ても異常です。

親から子どもへ貧困の連鎖が起きる社会に、どうして、子ども達の明るい未来が描けるのでしょうか。

5月15日朝日新聞に「文部科学省は返済義務がない奨学金や学用品費の支援制度、幼稚園、保育園の無料化などを議論することを決めた」「困窮の中で、返済の重さを考え、申請をためらう家庭も多い。返済義務がない給付型の奨学金制度の導入を議論する」と報道がありました。

25日には「教育安心社会の実現に関する懇談会」が発足。文部科学大臣は「今回の経済状況の中で、高校・大学に進学できないなどの現実がある。授業料減免や高学費の軽減など教育費のあり方を根本的に議論したい」と挨拶しました。

品川区は子育て世代の経済的負担軽減とし、無料妊婦健診や子どもの医療費無料制度など行ってきましたが、金額的にも一番負担が大きい高校・大学の学費軽減策が見えてきません。今こそ、ここに力を注ぐべきです。

昨年の6月定例会。私は高い学費で学ぶ機会が奪われている大学生を紹介。

濱野区長は「大学への進学率が高まっていることは、それだけ教育を受ける機会が増えていること」と答弁しました。これは、あまりにも区民生活を理解していません。

濱野区長は、将来、多額の借金となる奨学金で、進学をためらう学生の気持ち、この不景気の中、身を削って学費を工面している親の気持ちが、なぜ、わからないのでしょうか。改めて、伺います。

お金がなくて進学をあきらめる、続けられない。こうした実態が広がっていることをご存じですか。また、家庭における教育費への負担、子どもの貧困について、実態調査を実施すべき。いかがでしょうか。

国の議論も始まりました。高すぎる高校・大学の学費軽減へ、子育ての教育費負担の軽減として、まずは、せめて、今の品川区奨学金の対象を大学生まで拡大を急ぐべきです。また、急な親の失業や倒産にも対応できる、給付型の奨学金導入を検討すべき。いかがでしょうか。

そもそも高校、大学の学費は無償であるべきだと思うが、品川区の見解を。


答弁

区長(濱野健君)

核実験の事柄に関するご質問にお答えを申し上げます。

オバマ大統領がチェコの首都プラハで核廃絶に向けた演説をしたことは、大きな意義があると考えております。品川区といたしましても、昭和60年に全会一致で制定いたしました「非核平和都市品川宣言」を全世界に送付し、核兵器廃絶と恒久平和確立を訴えており、それ以降も明確に核実験の中止等を訴え続けており、品川区の立場はプラハ演説の趣旨と同じものであると考えております。

なお、先日の北朝鮮の核実験を含め、各国の核実験に対しましては、品川区として厳重に抗議し、即時中止などの要請を行っておりますが、いわゆる臨界前核実験については、現実的には物理実験であり、核爆発は伴わないことから、包括的核実験禁止条約(CTBT)との関係で見解が分かれており、抗議は見送っているところでございます。

その他の質問につきましては、各事業部長等よりお答えを申し上げます。

子ども未来事業部長(古川良則君)

私からは、保育園と奨学金に関する2つのご質問にお答えいたします。

最初に、保育園における待機児童対策についてお答えいたします。

区では、この5年間で公私立の認可保育園の増設等によって約670人の受け入れ拡大を行いました。

特に本年4月は私立認可保育園の開設等により175名の定員を増やしましたが、社会経済状況等を反映し、受け入れ枠を超える入園の希望がありました。残念ながら123名の方が待機児童となりましたが、認証保育所に入所されたり、育児休業の延長、ご家族の育児協力などにより、何らかの対応がとられているものと考えております。

区施設の有効活用につきましては、これまで在宅子育て支援事業のために保育園を活用してきましたが、必ずしも保育園でなくてもできる事業もありますので、これらの事業について他の区有施設等を有機的に活用することによって、就労支援を目的とした保育園本来の機能を果たしていきたいと考えております。

今後、就労形態の多様化に対応しさまざまな施策を講ずることによって、待機児童の解消を図れるものと考えております。

区といたしましては、今後、待機児の解消に向けて、幼保一体施設の整備に伴い認可保育園を増設するとともに、認証保育所の開設、また緊急性の高い方のために緊急対策一時保育の枠を用意するなど、さらに受け入れ枠の拡大を図ってまいります。

保育需要の動向につきましては、乳幼児人口が微増傾向にあり、就労の希望も増加が予想されることから、景気動向等によっては増加傾向で推移するものと見込んでおりますが、少子化傾向は避けられず、施設型保育の需要はいずれピークを迎え、その後、減少すると予測をしております。

ご指摘のありました再開発事業に対する財政支援は、都市再開発法の趣旨にのっとり、敷地の集約化や建物の不燃化を目的としておりますので、この財政支援を理由に一律に保育園設置を義務づけることは適切ではありません。しかしながら、再開発事業に伴って保育需要が生じる場合には、事業者の責任において応分の保育施設を整備するよう指導しているところであります。

なお、北品川五丁目第1地区の再開発事業においては、事業者との個別協議により約1,400平方メートルの「子育て支援施設」を設置することとしたものであり、これは当該事業によって生じる保育需要を大きく上回る規模となります。施設形態、運営方法など詳細な事項については、今後、具体的に定めていくこととしています。

次に、奨学金についてお答えをいたします。

近年の社会経済の低迷から、教育費の負担感が増していることがうかがわれます。その状況につきましては、日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査」や区の奨学金申請時の家庭状況調査等により把握に努めており、区独自に実態調査を行う考えはありません。

また、奨学金制度は日本学生支援機構を柱として機能分担しており、大学は同機構が、高校は都道府県等が行うものと認識をしております。区の奨学金は、義務教育後の高校進学の際に、経済的に困窮している方を支援するため、区の実情に合わせて実施をしており、大学生への拡大は考えておりません。

次に、給付型奨学金制度等のご提案ですが、より多くの就学希望者の意欲にこたえて就学を支援するためには、返済を前提とした制度運用が妥当と考えます。

なお、国において教育費負担のあり方について議論を行っていくとの報道もありましたが、その有識者懇談会では慎重な検討がされ、教育の基本政策として、国政の場で負担のあり方が議論されるべきものと考えております。区におきましては、その動向を注視しつつ、引き続き奨学金の貸し付け状況を適切に把握しながら現行制度の運用を行ってまいります。

健康福祉事業部長(木下撤君)

私からは、生活保護制度の周知などに関するご質問にお答えいたします。

経済状況の悪化から、生活保護受給世帯は全国的に増加しております。本区でもこれまでは高齢者の方の相談が増えておりましたが、最近の傾向としては、巷間言われているような派遣切りなどに伴う相談はほとんどございませんが、失業や就労収入の減少に伴う生産年齢層の相談が増加傾向にございます。

このような中で生活福祉課は、さまざまな生活相談をお受けしながら、生活の再建と自立を目標に各種の方策をお示しし、最後のセーフティネットとして生活保護の受給に適切につなげているところです。

次に、生活総合相談窓口とのご提案でございますが、生活福祉課は福祉事務所の中核をなす組織であり、区、都、あるいは社会福祉協議会の諸制度にも精通しておりますので、必要な連携を図る中で既に総合相談窓口としての機能を果たしているところです。

次に、生活保護制度の周知につきましては、相談を行う中でその困窮内容を把握し、個別・具体的に直接ご説明をさせていただくことを基本にしておりますが、さらに所管課に制度をわかりやすく解説したパンフレットを置いているほか、区ホームページや「しながわガイド」に制度の概要と相談窓口を紹介するなど、その周知を図っております。今後ともこのような周知と相談の中で適切に対応してまいりますので、ご提案の区役所内のほかの.窓口やインターネットカフェなどにしおりを置くことは考えておりません。


再質問

中塚亮君

それぞれ答弁をいただきました。自席より再質問させていただきたいと思います。

順番に、まず核廃絶のことですけれども、区長は意義があると、プラハ演説と趣旨は同じとの話がありましたが、どう意義があるのか、どう趣旨が同じだと思っているのか、その中身の説明がございませんでしたので、ぜひご説明いただきたいと思っております。

私がオバマ演説の中で大事だと思っている点は、世界最大の核兵器保有国であるアメリカが核兵器のない世界を国家目標にしたこと、そして核兵器を世界で唯一使用したアメリカ自身が核廃絶への行動をすべき道義的責任、この立場から世界に向けて核廃絶を呼びかけた点、ここが大事だと思うんですね。

今までアメリカは、要するに自分たちは核兵器を持つけど、ほかはだめだと。核実験も地下はいいとか臨界前核実験はいいだとか、いろんな抜け道をつくって、要するに自分たちはいいがほかはだめだという、その姿勢から、自分たちもなくすからみんなもなくそう、この点、この変化、私はここをどう思っているかと伺いたいと思いますので、改めてご答弁をお願いします。

それと、順番に、保育園の問題ですが、先ほどの答弁では、要は今保育園に入れないお母さん方がたくさん待っている。その答弁では解決しないということなんですよ。緊急対策についてもさまざまなお話がありましたが、結局中身がさっぱり見えてきません。保育園の増設の緊急対策について、ほかの区は既にやっています、東京都も支援すると言っております。なぜ品川区はやらないのか、できないのか、考えもしないのか、きちんと説明していただきたいと思います。つまり現状の区の対策では、弾力化とか幼保一体とか、保育園に入れない方が減るどころか増えているんですね。今までつくってきたというふうにおっしやいますけど、問題は増えているこの現実なんです。この対応ではだめなんだと、対応できないということ。つまり認可保育園が足りないということをなぜお認めにならないのか、2点目、伺いたい。

そして3点目、認証保育園の紹介との詰もありましたけども、現在、認証保育園に預けている方も、多くは認可保育園に入りたいんです。そのこと、わかりませんか。東京都の調査でも63%が認可を希望。

ちょっと見ましたら、理由は保育料が安い、園庭がある、家から近い、認可保育園は安心できる、これが理由のベストフォーです。認可もいっばい、認証もいっばい。大体認証は高過ぎて選べない。食費を削って認証の保育料を払っている。この事態に緊急対策は持たないとは、結局は我慢しろと、認可はあきらめてくださいと、そういうつもりなんですか。しっかりとご答弁いただきたいと思います。

あと、学費については1点だけ。奨学金の役割分担だとお話がありましたが、要はその役割が果たされていないから私は品川区に質問、提案をしているんです。高い学費がどれだけ子どもたちを傷つけているか、苦しめているか、その気持ち、わかりますか。国の動向を見ていくとありましたけれども、要するに伺いたいのは、高い学費、高い教育費で苦しむ区民の実態をどう解決すべきだ、どうあるべきだと思っているのか。ただ国の動きを見ているだけなんですか。その姿勢を示してください。

最後に、生活保護のことについてですけれども、全国的な話がございましたが、いまだに区内の実態を認めようともしておりません。この品川区内でネットカフェ難民が長期化し、抜け出すこともできず、人間の尊厳も生存権も奪われている実態をなぜ把握しようとしないのか、なぜ存在を認めようともしないのか、私にはわかりません。質問の中でお一人紹介しましたが、生活困窮の方がその窓口につながっていない、その実態を紹介しました。こうした相談は共産党のところにたくさん寄せられています。区の窓口でも伺っていると思います。生活困窮の方が生活福祉課の窓口につながっていない実態をご存じないんですか。私はそこを伺いたい。

以上です。


再答弁

区長(濱野健君)

核実験の問題についてお答えを申し上げますが、私ども品川区の姿勢は、非核平和都市品川宣言を全世界に送付をして、全世界の核兵器が廃絶されるようにということを願っているわけであります。今、議員からは、オバマ大統領が核大国であるアメリカがそのような宣言をしたことに意義があるというふうにおっしやいました。それは議員のお考えかと思いますが、私ども品川区としましては、全世界がそのような核廃絶に向けて努力をすることが必要である、その範囲においてアメリカがそのような態度をとったということについては歓迎すると、そういう趣旨でご答弁申し上げました。

子ども未来事業部長(古川良則君)

それでは、私のほうから再質問2点についてお答えいたします。

冒頭申し上げておきたいのは、保育園を利用したいという方が大勢いらっしやるのは私もよく承知しておりますが、就労を支援していくのは保育園だけじやないということでは多分中塚議員と私の考え方は違うんじやないか、こう考えております。認可保育園ですべての就労支援をするのは、これは無理だろうと思っておりますし、すべての人が認可保育園だけを望んではいないというふうに私どもはまずは考えてございますので、多様な子育て支援の中で多くの方々のニーズにこたえていきたい。これはまず冒頭お話をしておきたい、こう思っております。

先ほど来、入園申し込みは1,589人、これは間違いなんですけども、最終的には123名の方が残念ながら入れなかったと。これは大変申しわけないと思っていますが、3人に1人ではないということははっきり申し上げておきます。それから、緊急対策につきましては、23区の状況をよくごらんいただきたいと思います。品川区はこの4月に175名の枠を広げました。結果としては123名の受け入れはできなかったわけでありますけども、私どもなりにそのための努力はさせていただきました。結果といたしまして、123名の方々は、先ほど申し上げました、約半分の方々が認証保育所、あるいは未認可を含めた中で現に今子育てをなさっています。あとは親御さんのご協力でありますとか知人、あるいは育児休業を少し先延ばし。自営の方は事業者あるいは自宅でということもあるかもしれませんが、それなりの中で子育てをしていただいております。緊急対策は用意いたしました。緊急一時保育の枠を用意しました。しかし、最終的にはそこまで使うに至らない中で4月を迎えたと、このように考えてございます。

それから、認可保育園はつくります。しかしながら、幼稚園と一体的な幼保一体施設の中につくります。来年の4月には第一日野幼稚園に併設した保育園ができます。その次には品川地区の小中一貫校のところに同じように認可保育園ができます。基本的にはつくっていく考えはありますけれども、あくまでも幼稚園との一体的なものを現在考えております。

それから、認証保育所でありますけども、認証保育所に在園しながら保育園を希望している方は品川では33%です。この6月現在33%です。それから、ゼロ歳児におきましては4月1日現在57%の入所率です。したがいまして、すべてが埋まっているわけではありません。品川区には多様な子育て支援の施設が、あるいは家庭的な保育の環境がたくさんある、私はそう思っております。

次の奨学金に関しましては、役割分担は明確であるというふうに考えております。品川区はあくまでも小中学校を設置している、その範囲の中で中学生が経済的理由によって高校になかなか行きにくいと、そういう家庭環境に対する奨学金制度を持っているわけでありまして、大いに奨学金を利用していただいて、そして勉学に励んで、そして働いて立てかえたお金を返していただいて、その返還金がまた次の子どもたちに利用されていく、それが奨学金の教育的な観点だろう、このように考えてございます。

今後の国の動向につきましては、先ほど文部科学大臣の発言のとおりでありまして、基本的な教育のあり方について国の立場からの議論がされる、そのように期待をしております。

以上です。

福祉高齢事業部長(木下徹君)

生活保護に関する再質問にお答えいたします。

先ほども答弁の中で申し上げましたけれども、収入低下などを原因とする生産年齢層、つまり15歳から64歳の方の相談が増えているということを申し上げました。このことは、原因はいろいろあろうかと思いますけれども、私どものほうで適切に相談をお受けしているということでございますので、必要な方は私どものほうの相談で適切に対応させていただいているということだというふうに考えております。


再々質問

中塚亮君

改めて再々質問をさせていただきたいと思います。保育園の問題と学費に絞って行いたいと思います。

まず、保育園の問題ですけど、部長の答弁から123人が入れないことは申しわけなかったという話がありました。申しわけないと思うのであれば、なぜこの方々の緊急対策、緊急開設を行わないのか。結局は何も対応がなければ、要するに今のままで我慢しろと、あきらめてくださいと。ことし入れなかった人、来年も入れない。2年入れない、3年入れないという事態が起きているのは部長もご存じですよね。申しわけないというのであれば、きちんと対策を打つべきではないでしょうか。そこを1点お願いします。

もう1つ、認証保育園のこと。半分とおっしやったのか、そんな話がありましたけども、初めに、33%の調査の―どんな調査なのかよくわからなかったので、その調査の根拠をちょっと教えていただきたいのと、あと、認証保育園ですけど、既にどこも定員でいっぱいだということを部長、ご存じですか。8万円も10万円もする保育料が負担できずに申し込めない方がいることを部長、ご存じですか。認可に入るために認証保育園に預けている保護者を部長、ご存じですか。先ほどの答弁からは認証保育園で待っている保護者の気持ちがちっとも伝わってきませんので、改めて伺います。

私は公園でお子さんと遊んでいるお母さん方に話を伺いました。あるお母さんは、去年の就労状況が、子どものぜんそくのために仕事を休む日が多くなってしまって、そのため就労時間が短くカウントされちゃって、結果、保育園に入れなかったと。この方は非常勤の方ですね。本当だったらフルタイムで働いているのに、子どもがぜんそくでどうしても休まなければいけない。別のお母さんは風邪だったりインフルエンザだったり。だけど、休むと、結果、来年また認可保育園に入れなくなってしまう。お母さんは心の中で、頼むから、保育園に入れなくなるから風邪を引かないでほしいと。でも、それを子どもに求めることはできない。こんなふうに話していました。この親と子どものどこに原因があるんですか。

私は認可保育園が足りないことが原因だと思います。なぜ今の対策で十分だと言い切れるのか、しっかりとご答弁いただきたいと思います。

あと、学費について1点質問したいと思いますが、役割の話が出ました。役割が果たされていないから質問し、提案しているんです。大体、子ども未来事業部というけれども、子どもの未来に責任を負う姿勢が全く感じられない。子どもや大学生の将来の芽をお金がないという理由で摘んでしまう社会にどうして未来があるんですか。社会の損失だと思わないんですか。先ほど教育的なという話がありましたけど、教育的というのはどういう意味ですか。全く教育をはき違えていると私は思うんですけれども、改めて伺います。


再々答弁

子ども未来事業部長(古川良則君)

それでは、再々質問にお答えします。

1点だけ申し上げますが、認証保育所に対しましては平成20年度から所得によって1万円から4万円の補助をしてございますので、認可保育園との差は、6万円、8万円は品川区においてはございませんので、よくご認識のほどお願いしたいと思います。

それから、奨学金につきましては、品川区としての役割は十分に果たしている、このように考えております。

以上でございます。

副議長(三上博志君)

以上で、中塚亮の質問を終わります。

以上

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