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なかつか亮区議 第1回定例会一般質問「住宅耐震化」「学校選択制」「小中一貫教育」「ハウジングプア問題」

2010.2.26 なかつか 亮区議

一般質問項目

  1. 住宅耐震化率9割の目標にふさわしい支援の充実を
  2. スタートから10年。選択制、一貫校で弊害続出の教育改革は見直しを
  3. 若者に広がるハウジングプア 住宅支援の実施を求める

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一般質問

日本共産党品川区議団を代表して一般質問を行います。


住宅耐震化率9割の目標にふさわしい支援の充実を

まずはじめは住宅耐震化率9割の目標にふさわしい支援の充実をについてです。

今年1月にはハイチ地震。近年、国内外で大地震が発生しています。首都直下型地震は今後30年間に70%の発生確率。国や区は2015年までに住宅耐震化90%目標を掲げました。地震は避けられませんが震災から命を守ることはできます。一刻も早い対策の具体化が必要です。

今年は6434人が亡くなった阪神・淡路大震災から15年目。死者の約7割は10秒足らずの揺れの間に壊れた建物の下敷きになっての圧死。こうなってしまっては、事前の救助態勢の整備や、日頃の避難訓練、備蓄も役に立ちません。人命を救うためには、家を倒さないことが何よりも重要なのです。住宅耐震化を防災対策の最重要課題に位置づけ、推進すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

次に、耐震化を進める上で、重要と思う6点を伺います。

1点目は目標にふさわしい体制です。

区は9割目標に対して年1100棟の木造住宅耐震化が必要と説明。しかし実績は08年度で8件、09年度も1月末で11件。これでは100年かかるペースです。年次計画はなく、担当職員は1名。診断士も足りません。防災も理由にした超高層の再開発には新年度予算61億円つける一方、耐震関連予算は7300万円余、あまりにも少ない予算です。 区は、耐震化が進まない理由を「耐震化に対する意識の未成熟」「経済的事情」「高齢化」と説明しますが、耐震化が進まない、それぞれの理由に対して具体的対策をご説明下さい。

また、目標達成にふさわしい、年次計画の策定、予算枠の増額、担当職員の増員、診断士の育成と増員を求めますが、いかがでしょうか。

2点目は、耐震診断の無料化です。

自宅を2年前に耐震改修したAさんは、その理由を高校生の時に体験した阪神・淡路大震災だと話します。「熟睡中、不意に大きな揺れが襲い、ベッドに必死でしがみついた。近所の新しい家は無傷の一方、古い家は軒並み倒壊。同級生が10人、先生も死んだ。その後、品川に移り住み、中古住宅を購入。お金を貯めて一番に耐震工事をやろうと考えていた」と話します。地震がきたら自分の家がどうなるかリアルに知り、改修への優先順位が上がらなければ進まないのが実態。区のアンケートでも診断を受けた人の約半数は対応策を検討。診断をより受けやすくする必要があります。耐震診断は無料で受けられるようにすべきですが、いかがでしょうか。

3点目は、地域ぐるみの推進体制です。

地域の事情をよく知る町会、消防団、建築技術に詳しい建設団体。それぞれかけがえのない知恵と熱意を持っています。それらをまとめ、耐震化促進の体制づくりが必要です。墨田区では、行政も参加して、設計事務所、土建、町会等も加わり06年「すみだ耐震補強促進協議会」を設置。町会への出張説明会や、戸別訪問、耐震補強フォーラムの開催など推進体制をつくっています。 町会・建設関連団体・行政等が一体となった耐震化促進協議会を設置し、推進の体制を作るべきです。いかがでしょうか。

4点目は、負担の軽減です。

耐震改修そのものの費用は約150万円といわれますが、改修後の復旧、仕上げなどトータルで300〜400万円が実態。75万円の助成額は少なすぎます。足立区では助成額80万円。高齢者等には20万円を上乗せするなどで、08年度は83件の改修実績を挙げています。耐震改修助成は、助成額を引き上げ、建替え助成は対象を全区域に広げることを求めますが、いかがでしょうか。高齢者世帯や障害者のいる世帯、所得の少ない世帯には補助額を上乗せし、申請手続きに対する支援を求めますが、いかがでしょうか。

5点目は、簡易改修の充実です。

簡易耐震補強は、改修後のIS値が1・0に満たないものの倒壊から命を守ることができます。安価で行えるというメリットもあり、経済的事情で耐震化が困難な高齢者世帯などの普及が可能です。しかし、品川区は対象を品川シェルターか、東京都が紹介する工法、装置、業者に限定しています。一刻を争う時にこれで間に合うのでしょうか。区内業者の多くが施工できるよう改善が必要です。簡易耐震改修の工法の拡大、あわせて、高齢者世帯や障害者のいる世帯、低所得者世帯に関しては、全額補助を行い無料化することを求めますが、いかがでしょうか。

最後に、マンションの耐震支援についてです。

区は、マンションはすでに耐震化9割を超えていることを理由に、耐震改修は助成対象とせず診断のみ。大規模マンションが倒壊すれば、被害規模や影響は戸建住宅の比ではありません。区内の未改修の共同住宅は約700棟。これを放置して区民の命が守れるのでしょうか。合意形成の難しさなど独自の困難さも抱えるマンションには更なる支援が必要です。マンション耐震化は、100%目標を掲げ、診断助成額の上乗せ、改修助成の創設を求めますが、いかがでしょうか。


スタートから10年。選択制、一貫校で弊害続出の教育改革は見直しを

続いて「スタートから10年。選択制、一貫校で弊害続出の教育改革は見直しを」についてです。

品川区の教育改革プラン21がスタートし10年が過ぎました。区は学校選択制、学力テスト、小中一貫校や一貫教育など進め、教育活動の成果で学校を競わせるシステム構築を公教育の責務と説明。日本共産党は、子ども達、住民不在のトップダウン、学校統廃合を加速させると指摘。また、算数の単元や国語の漢字指導に強く現れる前倒しカリキュラムは、多くの教育研究者が勉強嫌いや学びからの逃走を招くなど、学力や成長への弊害を指摘していることを紹介。競争ではなく学び合いを基本とする共同教育へ。少人数学級の実施で豊かな教育環境の整備を求めてきました。全国でも前例のない教育改革で、子どもや地域はどのように変わったのでしょうか。

小中一貫校に通う小学4年生の保護者は「漢字ステージのドリルばかりで、うちの子は漢字が嫌になっている。わからないまま次の漢字に進み、書き取りの宿題も本人は『やれば良いんでしょ』と投げやり。もっと丁寧に進めてほしい」と話します。小学校の先生は「教える内容が増えすぎて子どもは理解不十分のまま、次に進まざる得ない状況。子どももくたくたです」と話します。

町会の役員さんは「学校選択制は問題だ。学校を選べるというけれど、子どものつながりで親もつながるので、同じ地域の子どもが別々の学校に行くと、おのずと地域のつながりも薄れていく。どの子がだれの子か?わからないでは、お祭りも防災対策も進められない」。別の役員は「小中一貫校の運動会は無理がある。体格も年齢もあれだけ違う子どもが一堂に運動会とは、小学生も中学生も、もの足りなそう。6年生が作ってきた運動会のリーダー役もないので可哀そうだ」と話します。

その他、「給食時間の慌ただしさ」「6年生の卒業式簡素化」「標準服やカバンなどの費用負担」「小学5年生からの定期テスト」「教師の多忙」の声も多数。繰り返し指摘してきた問題だけでなく、それ以上の弊害が続出しています。濱野区長は施政方針で、教育改革を「公教育が担う責任を果たした」と説明しますが、「何がどのように果たされたのか」「教育改革と、どう関係するのか」など、その論証がありません。10年を超えた改革ですが、まともな検証も、成果も語られることがないのが実態です。

教育委員会も同様です。小中一貫教育の成果について、例えば区役所3階廊下にパネルで紹介しますが、根拠や小中一貫教育と、どう関係しているのか。その論証がありません。例えば、中学校における不登校児減少ですが、2年間の比較で、全国0.03%増加に対し、品川区0.1%減少と、その差は0.14%。この微妙な変化で「減少した」とは、浅はかではないでしょうか。また、「品川区は教育に力を入れていると思う」との保護者アンケートで「そう思う」「ややそう思う」が8割を超えている事で、保護者の評判は良いとしますが、同じアンケートで「小中一貫教育は良い取り組み」「4・3・2年のまとまりで考える事は有効」に肯定的な意見は過半数を切る状況。評判が良いと言える状況ではありません。区教委もまた、まともな論証も、成果も示せないのです。

それどころか、昨年末、区教委が発表した「品川区教育改革の評価 第3年次 報告書」には、教育改革への課題や対策を求める指摘が目立つ内容。例えば、小中一貫校の課題を「保護者数の増大により保護者同士の交流機会が減少している」と指摘。「学校行事の時に知り合いの保護者に会う機会が非常に少ない」とのPTAの声が紹介され、「学校選択制をとっている本校では保護者の孤立も容易に予測できる」「交流の拡大に工夫が必要」と対策を求めています。

また「中一ギャップ」は「子どもたちにとって好ましくない影響を与えるばかりとは限らない」「小中一貫校では6年生は学校の最上学年ではないため、他の小学6年生に育まれるような意味でのリーダーシップを身につける機会が少ない」と指摘。小学校からの英語は「英語嫌いが増加」など、小中一貫校や教育内容の弊害が指摘されています。 学力向上はどうか。全国及び東京都の学力テストで、品川区が平均を超える学校が増えている事でアピールしますが、点数だけ学力向上とは乱暴。若月教育長もかつて「点をとるということだけの競争であるならば、私はやっぱりそれはよくない」と何度も説明。この説明と矛盾します。

結局、品川区が進めた教育改革で、はっきりしているのは学校統廃合です。区内18小中学校が6つの小中一貫校に統合。教育改革の真の狙いは統廃合の推進だという事は、いよいよ明らかではないでしょうか。高まる教育改革への不満を背景に、区民の中から「市民からの検証を」との動きも始まりました。保護者や地域の子どもへの願いに背く教育改革はやめ、子ども1人1人の人格を尊重し、発達段階にそった豊かな教育に切り替える時です。そこで質問します。

  1. 教育改革について、その全体を検証し、結果を公表すべきです。いかがでしょうか。
  2. 学校選択制、小中一貫校、小中一貫教育について、区教委が成果とするもの何か。教育学的な論証とあわせて示して下さい。
  3. 中一貫校における保護者関係の希薄化、小学6年生のリーダーシップ、小学校からの英語など「報告書」が指摘する課題への対応策を説明して下さい。
  4. 学校の保護者、地域の関係を希薄化する学校選択制はやめるべきです。いかがでしょうか。


若者に広がるハウジングプア住宅支援の実施を求める

最後に若者に広がるハウジングプア住宅支援の実施を求めるについてです。

年末年始の国立オリンピックセンターで実施された公設派遣村は、仕事と住居を失う事態の深刻化さを改めて浮き彫りにしました。2月11日朝日新聞は「若者ホームレス急増 東京施設入所者の4分の1」と自立支援センターで20〜30代の入所者急増と報道。若者のハウジングプア(住まいの貧困)は深刻な社会問題です。

昨年の秋、39歳女性Aさんから「生きていく自信がない」と電話がありました。派遣社員切りで収入がゼロとなったAさんは「テレビで見たネットカフェ生活だけは落ちたくなく、アパートを失う不安から、サラ金でつなぐ、その場しのぎの生活。気がついたら4社から180万円だった」と話します。住宅を失う恐怖をサラ金で埋める生活に「自分は生きていく資格はない」と自殺まで考えていました。Aさんは、その後、生活保護と自己破産の手続き。医者から鬱と診断され、処方とカウンセリングを受けています。若者が住宅を失う事態が広がっています。新たな住宅支援が必要です。

いままで、若者の住宅と言えば、実態は企業の雇用責任の中。入社当時の給料は安くても社宅や住宅手当などの仕組みが少なからずありました。それは企業にとって、社員が働き続ける環境がなければ、安定した製品や企業利益を作ることができないからです。

また、安定した雇用は安定した内需を拡大し、さらに税金を納める納税者になるなど、社会の基礎を作っていました。使い捨て雇用の拡大は、こうした役割を投げ捨てたのです。失業者の増大は消費を低迷させ企業活動自体が困難になる悪循環まで引き起しています。この10年間、社会の姿は、富を独占する大企業と格差・貧困の社会に変貌。大企業の経常利益は15兆円から32兆円と右肩上がり。一方で労働者の雇用者報酬は27兆円も大幅ダウン。企業利益は大企業の内部留保に貯め込まれる。富が社会に還元されないシステムがネットカフェ難民など残酷な姿を作ったのです。

この事態に、国や行政の対応はどうでしょうか。昨年末、家賃の一部を補助する住宅手当などが始まりましたが、期間が短い事、敷金・礼金などは別途貸付と失業者に新たな借金をさせることなど、制度が実態と合わず不十分なままです。

また住宅や生活困窮が長期化し、生きる希望が奪われ、借金や鬱、アルコール依存など二次被害へと拡大すると、生活再建は一段と困難になります。住宅を失うことへの不安を取り除くこと、若者をホームレスにさせない一歩も、二歩も手前の支援が必要です。

品川区の住宅施策はどうか。区の施策に若者単身者の位置づけは見られません。公営住宅の申請は60歳を過ぎてから。若者は、安定した職業を手に入れ、結婚して家族を形成しはじめ、ようやく行政の住宅政策の対象に。若者が住宅施策から対象に抜け落ちているのが実態です。

住居の安定は、生活の安定の基礎であり、住まいの保障はあらゆる基本的人権の根底を築きます。進まぬ住宅支援を背景に弱みに付け込んだ貧困ビジネスも発生。品川区も大広間に2段ベットがずらっとならぶ、無料低額宿泊所などに住まいの提供を頼っているのが実態です。

今、自治体による若者への住宅支援も始まっています。渋谷区では家賃助成を発表。単身者には月額3万円。夫婦なら4万円など。助成期間は最長で10年です。品川区も若者がずっと住み続けられるよう支援策が必要です。

以下、質問します。

  1. 区の住宅施策に、新たに若者単身者の位置付けが必要な状況があると思うが、いかがでしょうか。あわせて、区内企業に対し従業員の住宅確保への手だてを取るように申し入れるべきです。いかがでしょうか。
  2. 公営住宅の入居資格について、若者単身者が「入居資格を有する者」に入っていないのは、なぜですか。公営住宅の大幅増設とあわせて、所得の少ない若者単身者に入居資格を与えるべきです。あわせてご説明下さい。
  3. 民間ストックの活用と言うならば、若者向けの家賃補助制度を導入し、住み続けられる生活支援策を実施すべきです。いかがでしょうか。
  4. すでに住宅を失っている方への緊急策が不十分です。世田谷寮も1年近く満床状態。大幅な充実が必要だと思うが、いかがでしょうか。

答弁


区長(濱野健君)

私からは、耐震化支援についてのご質問にお答えを申し上げます。

初めに、体制づくりについてでありますが、現在、平成27年度を目途に耐震改修促進計画を推進している最中でありますので、年次計画を新たに策定する考えはございません。また、予算は、制度の内容に沿ってつくるものでありますので、枠のみを取り上げた議論は適当ではないと考えます。耐震化担当職員がわずか1名というご指摘でありますけれども、現在7名いる防災整備担当職員の連携・協力の中で、チームで仕事を進める体制を築いております。また、耐震診断を行う専門家につきましても、協定機関である建築士事務所協会品川支部のほか、東京都の登録制度に登録している326の事務所の専門家も支援制度の中で対象としておりまして、体制は整備されていると考えております。

次に、耐震診断の無料化、耐震改修助成の引き上げ、助成対象範囲の拡大、建てかえ助成対象区域の拡大など、支援制度の内容について何点かご意見をいただきました。

区では、平成16年度から耐震診断支援、18年度から耐震改修支援を開始し、また19年度には耐震改修促進計画を策定して助成制度を拡充し、20年度末時点で294件の耐震診断、35件の耐震改修や耐震建てかえの実績を上げてきているところであります。さらに、評点1.0以上の耐震化が難しい方のために、全国で初めてシェルターの開発に自治体として取り組み、品川シェルターを実用化させるなど、区民の貴重な生命と財産を守るため、大地震への対策には真摯に力を注いできております。

一方で、ご質問の中にありましたように、耐震化率9割という目標達成が厳しい状況にあること、また耐震化を促進するに当たっては評点1.0以上の耐震化に係る経済負担の大きさや、あるいは高齢者住宅の耐震化に対する消極的な傾向など、課題があることは区としても十分認識しております。このため、来年度早期にアンケート調査を行い、問題点を整理した上で、支援制度全般の見直しにつなげていくことを予定しております。関連団体との連携など推進体制につきましても、その中であわせて検討してまいります。

その他の質問につきましては、教育長等よりお答えをさせていただきます。

教育長(若月秀夫君)

私からは、教育改革に関するご質問にお答えをいたします。まず、教育改革全体の検証、そして結果の公表についてでございます。

品川区の教育改革は、ご案内のとおり、日ごろの実践とそれに対するたゆまぬ評価、そして改善をし続ける、そういった仕組みを前提に取り組んでいるものでございます。これは、学校や教育委員会が自らの実践を振り返りつつ、子どもたちの成長と突き合わせて次なる方策をつくり上げ、また実践に戻るというサイクルでございます。したがいまして、第3年次の報告は、こうした考え方に基づいて、その成果と評価を行ったものであり、既に公表もしております。

また、その成果について教育学的な論証をとのご意見でございますが、もとより教育学というのは学際的な性格の非常に強い学問領域であります。したがいまして、その方法論も理論的なアプローチと実証的なアプローチの2つに大別されます。こうしたことから、教育委員会としましては、理論的なアプローチも視野に入れつつ、教育行政を執行するという立場から、学校教育における子どもの実態や現実をもとに施策の成果や実践上の課題を明らかにしていくという実証的アプローチを重視しております。

そこで、その成果に関するご質問ですが、議員は幾つかの数値を取り上げて課題として指摘をされております。例えば不登校の減少について、0.14%の微妙な変化をもって成果とは浅はかとおっしやいました。しかし、こうした見解は、物事を矮小化した公正な見方とは申せません。この数字は、不登校に悩む子どもを救うために懸命に努力してきた保護者や学校、そして子ども自身の苦しみから見れば、深く大きな意味を持つ数値であることにもっと思いをはせるべきではないでしょうか。18年度から20年度にかけて全国的には不登校の出現率が高まっている中で、品川区では、小中一貫教育を進め、この数値を減らしてきた意義は大きいものと自負をしております。

この10年間の取り組みによって学校は確実に開かれ、管理職をはじめとした教員の意識改革が進み、子どもや保護者の期待にこたえられる学校へと変化しつつあります。学力や規範意識の向上等の成果もありますが、通っている学校に対する保護者の支持率が90%近くあることが質の高い教育を実現しようとする学校の取り組みに対する区民の皆さんの評価と考えております。

次に、報告書が指摘する課題に関するご質問ですけれども、議員は記述の一部を取り上げ、あたかも欠陥が指摘されているように述べていらっしゃいます。しかし、それらは小中一貫教育の質を高めるための改善策として指摘されているものです。ここにも議員の物事を矮小化してしまう物の見方があらわれていると言わざるを得ません。

例えば5、6年生の英語指導について、議員は英語嫌いになることを心配されていますが、この指摘には続きがございます。すなわち、指導内容や指導方法の改善によって対応することができると考えられるというものでございます。この指摘を受けて、文字指導の工夫をすることにより、既に改善の着手をしているところでもございます。

次に、学校選択制に関するご質問ですが、学校は従前にも増して保護者はもとより地域との連携を深めており、防災訓練など地域活動への参加をはじめ、地域との強いかかわりを築くべく積極的に取り組んでいるところでございます。

教育改革に着手してから10年が経過する中で、学校選択制は制度として定着しているとともに、学校を内から変革し、教育の質の向上を図る制度趣旨は十分浸透し、区民の皆様にご理解をいただいております。したがいまして、廃止の考えは全くございません。

また、本区の教育改革は、統廃合の推進ではなく、学校教育の質の転換であることを改めて申し上げさせていただきます。

防災まちづくり事業部長(岩田俊雄君)

私からは、若者への住宅支援についてのご質問にお答え申し上げます。

初めに、区の住宅施策に若者単身者の位置づけが必要ではとのことでございますが、現在の経済情勢からしますと、こういった課題は一自治体で解決できるものではなく、所得が低くなってしまった方への総合的な施策としてとらえ、国や東京都などによる広域的な課題として解決すべきものであります。区としましては、そういった国などの動きに今後も注視してまいります。

また、区内企業に対し従業員の住宅確保への手だてをとるように申し入れをとのことですが、各企業の経営スタンスにもよることから、区が関与すべきことではないものと考えております。

次に、公営住宅の入居資格ですが、公営住宅法では原則として家族で住むこととなっており、区で資格を追加、変更することはできません。高齢者や障害者など特に居住の安定が必要な方は、単身者であっても例外的な取り扱いとして入居資格を認めているものでございます。若い世代の方は、こういった方と比べますと比較的就労が可能で、収入もある程度期待できることから、対象外とされているものでございます。 また、公営住宅の増設につきましては、民間ストックの状況から見て、その考えはございません。

次に、若者向けの家賃補助制度をとのことですが、既に昨年10月より品川区住宅手当緊急特別支援事業をはじめ、これまでに60件を超える申請があり、一定の効果が出ているほか、国において本制度の見直しを行うと聞いておりますので、区単独で補助を行うことは考えておりません。

最後に、住宅を失っている方の緊急策に関するご質問ですが、ご指摘の世田谷寮のほか、昨年12月から東京都と特別区が共同して、一時的な宿泊援護が必要な方に借り上げた民間のアパートやゲストハウスなどの宿泊設備を提供する緊急一時宿泊事業を開始しました。このような事業は広域的な対応が必要であることから、今後も東京都と共同で実施してまいる所存でございます。

再質問


中塚亮君

それぞれご答弁いただきましたが、初めに、住宅耐震化のことについてです。

区長は、今まで一応真摯に力を注いできたと、その一方で、現時点では9割の達成が厳しい状況にあると。じやあ、具体的にこれから何を進めていくのかと、その方向をしっかりとお示ししていただきたいと思っております。

繰り返すまでもなく、阪神・淡路大震災の多くの死者が上からいわば10秒以内の短い期間で圧死されたり窒息死されたり、その後、火災が広がったり、何よりも住宅を倒れにくくする対策が私は一番大事ではないかと思っています。

質問の中でも住宅を倒れにくくすることを最重要課題に位置づけるべきではないかと質問いたしましたが、これについての直接的な答弁がございませんでしたので、改めてお考えをお示しいただきたいと思います。

それともう1点、簡易改修のことについてでありますが、制度が始まっておよそ2年ですが、実績としては2件、全然広がっていないというのが実態です。いつ来るかわからないと言われる地震の中で、このペースで本当にいいんでしょうか。

実際、区の助成対象は、品川シェルターか東京都が紹介しているものしか限定しておりませんが、これでは進まないことを私はあらわしているんじゃないかと思います。なぜほかの工法や業者や装置といいますか、ここへの拡大を認めないのか、ご説明ください。品川シェルター、自ら開発したというのであれば、ほかの工法、区内の業者もできるように改善すべきではと思うんですけども、ご答弁をお願いしたいと思います。 それと、教育改革についてでありますが、理論的アプローチと実証的アプローチと。教育委員会は実証的アプローチで、理論は後から考えるんだと、そんなことを言いたいのでしょうか。

結局、先ほどのご説明の中でも、質問で言いましたが、学校選択制、小中一貫校、小中一貫教育について区が成果とするものは何かと質問いたしましたが、やはり具体的に示すことも、またその論証もなかったと思います。結局は進んだのは何かと振り返れば、学校統廃合だけではなかったかと私は指摘させていただきました。

いじめについてご指摘がありましたが、品川区で減ったんだとおっしやるのであれば、進めてきた教育改革や、またカリキュラムや、それとどんな関係があるのか、どんな実証や検証があるのか、その論証が示されていないと思っております。

教育というのは、自分の経験とか価値観とか体験だけで進めるものでは決してないことは、教育長もおわかりだと思います。子どもの成長や発達は、学問による裏づけや実証や研究、積み重ねの中で慎重に発展、成長してきたのではないんでしょうか。こうした論証なくうまくいっている。これはあまりにも乱暴だと私は思うんですけれども、ぜひ成果とその論証をお示ししていただきたいと思います。

あと、学校選択制について、区民の理解があるとお話がありましたが、教育長がそう思う根拠や検証、データは一体どこにあるのでしょうか。

例えば1年ほど前でしょうか、長期基本計画のパブリックコメントを行った際にも、最も関心、最もたくさんの意見が寄せられたのが教育分野で、その中でも学校選択制によって地域がばらばらになっている、つながり切れていない、こうした指摘があったことは教育長もご存じないのでしょうか。私は、改めて学校を通じて地域住民、ご近所、町会、この地域のつながりを大事にしたい、きずなを大事にしたい、こういう気持ちをなぜ理解できないのか、これが学校選択制によって崩れていることをなぜお認めにならないのか、ご説明いただきたいと思います。

最後に、若者のハウジングプアについてでございますが、一言で言えば、広域的な課題で自分たちがやるものじゃないんだということなんでしょうか。区内には高齢者住宅や区営住宅や区民住宅や、さまざまな住宅施策がありますが、なぜ若者の住宅支援だけ広域的な対応になってしまうのか、そこの理由がわかりません。

公営住宅の資格に入っていないことに、若い人は就労が可能、収入が期待できる、そういうご説明がありましたが、それはあまりにも、ことしも、去年も、その前も、今の若い人の働き方、働かせ方に目を向けていない、実態を見ない答弁だと私は思います。

ならば伺いたいのは、なぜ若い人たちが住宅にすら困窮する、もっと言えばネットカフェ難民が生まれている、こうした事態が広がっているのか、その背景が何か、あわせてご答弁をいただきたいと思います。

私は、区長も、輝く笑顔住み続けたいまち品川ですか、こう話しておりました。この住み続けたいという願いは若者も同じだと思います。そこをぜひ位置づけるべきだと思うんですけども、あわせてご答弁ください。どうぞよろしくお願いします。


再答弁

区長(濱野健君)

耐震化の問題につきまして、再質問にお答えを申し上げます。

地方自治体が地震という災害に対する対応策というのは、実に幅広いものがございます。これは例えば震災が起きる前の予防、地震が起きた後の避難生活の支えること、あるいは被災地の復興といった大変に幅広いものがあるわけであります。予防につきましても、例えばハード面でも面的な対応、防災生活圏モデル事業、あるいは木造密集地の改良、あるいは点的なものでは公共建築物の耐震化、あるいはご質問にあるような個人家屋の耐震化、あるいはソフトとしては、防災訓練でありますとか、災害弱者への配慮だとか、こういったものが本当に幅広くあるわけであります。

品川区におきましては、この復興という面まで含めまして、先般、復興計画がまとまりましたので、この時点ですべての分野における対応を整えたということでございます。そういう時点でありますので、先ほども申しましたように、来年度、再度もう一度この点的なハードの予防であります個人家屋の耐震化について再構築をするためのアンケート調査を開始するということでございます。したがいまして、そうした調査の中であらゆる問題点を摘出して、その改良に努めるということでございますので、ご了解いただきたいと思います。

それから、シェルターを含めた簡易改修の問題であります。

私は、シェルターは実物を見ていただくことが一番のPRだというふうに思っておりまして、このイメージがなかなか伝わらないということであります。したがいまして、実物を見ていただくことが大事なんですが、なかなかそういう展示の場所がないというのも実情でございます。何とか工夫をして、このPRをもっと充実していくことが今の段階での仕事であるというふうに思っております。

以上であります。

教育長(若月秀夫君)

再質問にお答えを申し上げます。大きく3点ほどいただいたと思います。

まず、第1点目でありますけれども、

今までの教育改革の成果でありますが、これは再三申し上げているとおりでありますし、3次報告にもそこに具体的に述べられております。したがいまして、ここではもう繰り返しません。しかし、十分にさまざまな点において成果が出ていることは議員もお読みのことだろうと思います。

2点目であります。

いじめが減っていると言うんだけど、じやあ、一体それが具体的に何がどうだったからなのか、ちゃんとそれを説明しろと、こういうことであります。 そういうことをおっしやいますと、教育といったようなものをご存じなのかなとつくづく思います。教育というのはものをつくることとは違うんです。こうすればああなる、こうすればこういうものができる、こうなればこうなるだろうけれどそうならなかった、それがまた教育でもあります。したがって、このいじめが減ったそれを物事を扱うようにかくかくしかじか、したがってこれこれと三段論法のように説明ができるなら、我々、教師たちもそんなに苦労はいたしません。

ただ、教育改革をする中で、教員の指導のあり方とか、協力体制であるとか、あるいは子どもたち自身の成長であるとか、そういったものがさまざまな形で複合的に作用し合って、そして1つの学校といういい雰囲気、文化をつくり出している、私はそう考えております。一つ一つを解剖して、分析して、そこから何か出てくると私は思いません。そのようにご理解をいただきたいと思います。

それから、学校選択制について、地域がばらばらになるというようなご意見があるということを知らないのかということでありますが、そういうご意見があることも知っております。

ちなみに、申し上げますと、これは昨年の2月にとった学校選択制に対する区民の満足度のアンケート調査でありますが、小中学生のいる親御さんに対する選択制に対するアンケート結果であります。

「とても満足」と「やや満足」を合わせますと、小中学生のいる親御さんは50.4%が「とても満足」「やや満足」という両方に入っております。ご指摘のばらばらになっておかしいんじゃないかというような方は、これでいきますと5.8%と大変少ないわけでありますが、5.8%いるということは十分に存じ上げております。

防災まちづくり事業部長(岩田俊雄君)

住宅対策から見た若者の就労問題についての再質問にお答えしたいと思います。

先ほど答弁申し上げましたように、住宅という切り口で物事を見た場合に、いわゆるセーフティネットとしての住宅問題を考えたときには、やはり所得とか、それから今後の就労の可能性、こういったものを考えてどうしても弱者になるいわゆる高齢者、あるいは障害を持った方、社会的弱者の方々を優先的に考えざるを得ません。それに比較しますと若者というのは、可能性としては就労の可能性が高く、頑張れば所得も確保できるという可能性に満ちあふれた年代でございますから、住宅問題という切り口で考えるのであれば、私がご答弁申し上げた内容になるわけです。

議員がおっしやつているのは、いわゆる若者の現在の非常に景気の悪い状況の中でのいわゆる就労対策の面からのご発言だろうと思いますので、こういった就労対策については一自治体が幾ら頑張っても焼け石に水になるわけでございまして、広域的な対策として国、東京都と市町村が手を携えて総合的に対策をとらなければ意味がないというふうにお答え申し上げたものでございます。

再々質問


中塚亮君

再々質問ですので、簡潔に伺いたいと思います。

まず、区長、防災対策のことですけれども、先ほども住宅を倒れにくくすることを最重要課題にすべきじやないかと、それをお伺いしました。区長がおっしゃるように、防災対策と一言で言ってもいろいろあることは知っています。いろんなメニューが既にあります。ただ、その中でも、阪神・淡路大震災の姿を見るならば、住宅を倒さない、ここを食いとめなければ、例えば事前の避難訓練も、その後の避難や救出活動も、結局はつながっていかないわけですよね。ですから、住宅を倒れにくくするということ、それを柱に据えて今後再度アンケートもとりながら検討するというお話ですけども、住宅を倒れにくくすること、ここを柱に据えるべきじゃないのかと。そうでないのであれば、その理由を説明していただきたい。

あと、簡易改修のほうは、伺ったのは、今、簡易改修の対象になっているのはシェルターと東京都が紹介している工法、業者だけですよね。それだけじゃ進まないじゃないかと。一刻を争うと言っているときになぜそこだけに限定をするのか、それを教えていただきたい。私は、区内にあるいろんな業者、知恵も力も熱意も持っている方々に十分できるようにしていくことが簡易改修を広げることにつながっていくんじやないかと思うんですけども、重ねて伺いたいと思います。

それと、教育のほうですけれども、教育長がおっしゃるように、教育というのはものをつくるわけではありません。人をつくっていく、もっと言えば民主主義の担い手、次の社会の主役をつくっていく、それが教育だと私も思います。ですから、それだけに今やっていることがどこに問題があるのか、何が課題なのか、どうしてそれがうまくいかないのか、その背景をしっかり冷静に検証する必要がある。その姿勢が全く見られない。先ほどの答弁からも、考えたってわからないんだと。それじゃあね、教育行政の責任者として私は反省すべき必要だと思います。とりわけ品川の教育改革は全国初というのが常に頭についているわけですから、それだけに十分な論証、検証、そしてその評価を保護者にも区民にも問う必要が私はあると思いますけど、そういう姿勢がないのか、伺いたい。

それと、学校選択制、教育長が紹介したアンケートで半分は満足なんだというお話がありましたけど、実際、学校選択制を使って学区外を選んでいる方は3割程度で、保護者のいろんな意見や区のアンケート調査を見ても、選べないより選べるほうがいいのかなという感じなのかなと思っています。私は率直に、積極的というよりも、消極的な姿勢もあるのかなと思っています。

教育長は、ぜひ、地域の人々が学校を通じて、子どものつながりを通じて親とつながり、それが地域のコミュニティーをつくっていき、防災でもお祭りでも困ったときはご近所さんと、そういうつながりをなぜ大事にしようとしてきたのか。それが選択制によってばらばらになっていることになぜ率直に目を向けようとしないのか。私はそこは改めるべきだと思います。いかがでしょうか。

最後に、住宅のことについてですけれども、確かに若い人はフレッシュなエネルギーがあって、次の社会をつくっていく原動力も担ってきて、その可能性、頑張れば、そうおっしやいますけども、その実態がない状態が住宅が奪われている。その中でなぜ若者の住宅の対応策を位置づけないのか。区の施策には所得の少ない人への対応等はありますけれども、そこに若者が位置づいていない。私は、新しく若者の住宅支援、渋谷も始めましたし、新宿もちょっと前からあったそうですが、ここはしっかり――私は、最後に言いたいのは、若い人が品川に住み続けられない、これでは町会も商店街も地域も元気も出ないし、発展していかない、そういう問題だと思うんですけれども、最後にいかがでしょうか。ご答弁をお願いします。

再々答弁


区長(濱野健君)

震災対策の再々質問にお答えを申し上げます。

住宅の耐震化が大切なことは言うまでもありませんけれども、引き合いに出されている阪神・淡路大震災というのは、明け方に起こった地震でありまして、ほとんどすべての方が住宅の中におられた時間だろうと思います。一方で、あの地震が通勤時間帯に起きたとすれば、もちろん住宅の耐震化というのも大事でしょうけれども、恐らく鉄道の耐震化、あるいは高速道路の耐震化、これが喫緊の課題であるというような論点になってきたのかもしれません。もちろん住宅の耐震化というのも大事でありますけれども、先ほど申しました各不安に当たる震災対策、その1つとして位置づけ、そして先ほども言いましたように、避難所の耐震化というのがほぼ完了いたします。そして復興計画というのもできました。

さて、そこで、もう一度住宅の耐震化に立ち返って来年度調査をしようということでありますので、その調査結果にご注目をいただきたいというふうに思います。

それから、簡易改修の件であります。

先ほど申しましたのは、シェルターをまずPRすることが先決だというふうに申しました。そして、業者をどの事業者でもよいではないかという話でありますけれども、やはり耐震化にはそれなりのノウハウや技術が必要でございます。知識も必要でございます。そういう意味では、だれでもかれでもというわけはなかなかいかない。そういう意味で、東京都の指定した業者、そしてまたシェルター、これを普及していくのがまず第一の任務だというふうに考えているところでございます。

以上です。

教育長(若月秀夫君)

再々質問にお答えをいたします。

まず初めに、私、何もいじめ、考えたってわからないんだと、そんなことを言っているんじゃないんです。原因や問題というのはいろいろ複合的で、これだと1つに単純に決められませんよということですから、私の申し上げたことをきちんとご理解いただきたいと思います。

それから、今までやってきた成果、具体的に何が課題で、どういうふうにそれを克服して、どんな結果が出ているんだ。ですから、何度も申し上げているとおり、実証的なアプローチの立場に立って第3次報告にももう書いてあります。したがいまして、そこをもう一度よくごらんいただきたいと、こう思うわけであります。民主主義というのはそれが大事だということをおっしやいました。多少意見が違っても、それはそれとして、そういった意見もあるということを認めていただければと思います。

それから、選択制についてでありますけれども、何か消極的なあれもあるんじゃないかということであります。それから地域がばらばらになるとか言います。

もう1つ、参考までにデータを申し上げます。品川区の学校選択制は今後も継続してほしいかというアンケートの結果であります。「そう思う」「ややそう思う」合わせて60.8%の方が今後も続けてほしいと、こうお答えになっていらっしゃいます。

防災まちづくり事業部長(岩田俊雄君)

若者の住宅対策についてお答えいたします。

20代の若者と言っても、十把一からげに言っても、さまざまな方がいらっしゃいます。働こうと思っても一部障害を持っておられるとか、いろんな事情でなかなか正式就労に結びつかない方。こういった方たちというのは、いわゆる福祉の分野での手だてをすることが可能になります。いわゆるこういう経済状態の中でなかなか正規就労につけないとか、そういった方の対策として、今、国を挙げて、区も、さまざまな対策を共同でやっているわけでございます。

一方で、若者自身も、若いときは所得が低いのは、これはもう昔から同じようなものでございますけれども、所得が少ないときはやはり食べるために一生懸命働くわけですね。正規就労が難しくても、当面食べるためにさまざまな職を探して、好き嫌いを選ばず、働かなければ食べていけないわけですから努力をされる。そういう中で、額に汗して、油まみれになってお金を稼いで、安いアパートでも借りて生活しておられるわけです。そういうところに単に所得保障のような、いわゆる家賃補助というものをやることが本当に就労のための援助になるのかというのは、緊急一時避難的にはあり得るかもしれませんけども、長い目で見た場合は、景気をよくし、働き場所が増えて、そして正規就労に結びつくという、総合対策がやはり一番根本的な解決策だろうと、このように考えております。

議長(本多健信君)

以上で、中塚亮君の質問を終わります。

 

 

以上

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