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みやざき克俊区議 2010年度予算案に対する日本共産党品川区議団意見表明

2010.3.23 みやざき 克俊区議

品川区2010年度予算案の審議が3月23日終了しました。同日の予算特別委員会で、日本共産党区議団を代表しておこなった、みやざき克俊幹事長の予算案に対する意見表明は以下のとおりです。

なお、2010年度一般会計、国民健康保険、老人保健、後期高齢者医療、介護保険の各予算案はすべて可決しました。自民、公明、民主、無所属クラブ、無所属の会、生活者ネットの各会派はすべての予算案に賛成しました。


日本共産党区議団を代表して意見表明を行います。日本共産党区議団は、2010年度一般会計、国民健康保険事業、後期高齢者医療、介護保険の各予算に反対。老人保健会計は賛成します。

税金を大型公共事業につぎ込む一方で、医療・介護など福祉を後退させた自公政権に、国民は「ノー」の審判を下しました。区政にも政治の転換を求めています。いま、区民が望んでいるのは、未曾有の経済危機、不況からくらしと営業を守ることです。しかし、長期計画推進の初年度の2010年度予算は、大規模開発をさらに拡大するものの、区民の願いに応えるものになっていません。以下、反対理由をのべます。

第1の問題は、3つの緊急課題の中身です。
濱野区長は施政方針説明で、地域経済の活性化、保育園の待機児解消、高齢者の生活支援の3つを緊急課題としてスピードを持って取り組むと強調しました。ところが、3つの課題とも肝心な問題に応えていません。
まず、地域経済の活性化について。商店街装飾灯の電気代補助2倍化の継続、そで看板の実質無料化、住宅リフォーム助成など前進部分は歓迎します。しかし、いま仕事がない金属加工業の生き残り、ものづくりの灯を消さないための支援が求められています。工場家賃や機械リース代など固定費補助。また、建設労働者の仕事確保へ簡易な耐震改修への支援に踏み切るべきです。
次に、保育園の待機児解消。保育園入園希望の増加に、区の対応は、民間の認証保育園誘致と幼保一体化による詰め込みが中心。5歳児を保育園から切り離す保育には父母や保育士にも不安が広がっています。区長は施政方針説明で、「未就学児はここ数年増え続ける」とのべました。それなら、受け入れワクの拡大は認可保育園増設を柱にすべきです。「認可保育園をつくったら財政上負担だ」との説明ですが、莫大な貯め込みをしながら、保育は我慢しろというのでしょうか。

高齢者の生活支援について。区は特養ホームを11年ぶりに八潮団地に建設しますが、定員は81人。一方、入所待ちは550人です。今後の計画について、区は「大規模施設のほうが効率がいい」との説明ですが、広大な土地確保は容易ではありません。小規模でも必要数を早く建設すべきです。

第2は、大規模開発の拡大です。
区が79億円を補助、昨年竣工した大崎駅西口中地区の巨大マンションは6割しか売れていません。再開発が破綻に直面しているのに、大崎駅西口南地区と大崎3丁目、国際自動車跡、北品川などでの開発計画の拡大は無謀、大問題です。濱野区長は、施政方針で大規模開発について一言の説明もなく61億円もの巨費の投入は認められません。

さらに、目黒駅前再開発の問題です。145mの超高層ビルを3棟、うち2棟がマンション。1,000億円の事業費のうち200億円も税金からの補助を予定しています。ディベロッパーが描いた絵を可能にするために、容積率や高さの規制を緩和、用途地域まで変更しようとしています。この開発の最大地権者は東京都です。ゼネコン・大企業、大手不動産業者の儲けのために巨大ビル建設を可能にするなど、行政のやることでしょうか。しかも、巨大ビルをつくるために平気で幼稚園を日影にするなど許せません。巨大ビルによる風害も大問題になっています。

第3は、教育改革の問題です。
 わが党は、選択制や学校統廃合、習熟度別学習など品川の「教育改革」の問題点を指摘してきましたが、今回、さらに異常事態が明らかになりました。
区内最初の施設一体型の小中一貫校は、ホームページのトップに卒業生が進学した高校名を掲載、有名高校に進学させていることを自慢している学校です。同校が計画する8年生対象の3泊4日「勉強合宿」の内容が明らかになりましたが、全員参加、朝9時から深夜0時まで缶詰で勉強させるというもの。生徒を競争に駆り立て、公教育を変質させるものと言わなければなりません。
東京都も少人数学級導入に踏み切りました。「教育改革」は父母と教師、住民参加による検証、見直しを求めるものです。

また、今年度は現職教師が2人も突然死しました。ただでさえ忙しい教師を品川の教育改革が追い打ちをかけています。働かせすぎの環境の抜本改善を求めます。

第4は、異常な「貯め込み」と職員削減、外部委託の問題です。
 新年度、学校給食調理業務をさらに5校を外部に委託、計43校となります。「安ければいい」と際限のない外部委託の拡大と職員削減で基金を650億円も貯め込みました。しかし、受注業者はダンピング競争にさらされ労働者は低賃金、不安定雇用。品川区自ら官製ワーキングプアを作り出していること、公共サービスを不安定にすることは問題です。

また、外部委託や人員削減を促進する機能を果たしてきた事務事業評価の復活も問題です。

第5は、国保、後期高齢者、介護保険の問題です。
国保料は新年度も値上げです。減額措置拡大など改善点もあるものの、年収300万の4人家族で年1万4,000円余値上げ。また、後期高齢者医療保険料は一人あたり4000円余の値上げです。保険料の値上げを抑え、「払いたくても払えない」という悪循環を断ち切るべきです。

介護保険会計は貯金が23億円にもなりましたが、保険料の引き下げ、家族がいたら介護が受けられないなどサービス抑制の改善、特養ホームの早急な増設を重ねて求めます。

最後に、非核平和宣言事業についてのべます。
いま世界中に核廃絶の世論と運動が広がっており、今年はNPT見直し検討会議も開かれます。品川区は非核宣言25周年。あらためて非核宣言を世界各国政府に送付して核廃絶を訴えること。核兵器廃絶運動を先頭に立ってすすめるよう求めるものです。

 

以上で意見表明を終わります。

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