2010.3.26 安藤 たい作 区議
日本共産党品川区議団を代表して、第24号議案「品川区立在宅サービスセンター条例の一部を改正する条例」に反対の立場で討論を行います。
本条例は、大崎駅西口南地区市街地再開発工事をすすめるため、品川区立在宅サービスセンターを暫定的に移転するものです。再開発そのものが破綻に直面するなか、開発を推進するための移転であり、認められません。移転先は旧大崎土木事務所、期間は平成22年4月から平成24年11月。再開発完了後は、再開発ビルの一角にリニューアルオープンする計画です。
この大崎駅西口南地区開発とは、百反坂下約7100m2の地域に、総戸数205戸の25階建てマンションと、24階建ての事務所棟の2棟を建設する計画。現時点での総事業費は約266億円、補助金は26億円余です。
昨年10月、80億円もの税金が投入され竣工した隣の中地区開発では、超高層のツインタワーに1084戸の住宅建設。しかし現在でも販売は6割にとどまり、再開発そのものが住民要望からかけ離れ、事業そのものが成り立たない深刻な事態が明らかになっています。区はこうした事態をうけても「保留床は参加組合員の不動産業者に一括売却されているので採算は取れている」と言います。しかし、あまりに無責任です。先月行われた南地区開発の事業者説明会では、住民からも「いけいけドンドンで、埋まるべき床が埋まるのか」「このマンション不況化、幽霊屋敷にならないか」などの声があがりました。莫大な税金投入をしたあげくに、住民の入らない高層マンションを作り続けることの責任を、品川区はどう感じているのでしょうか。
それにも関わらず、税金投入の再開発によるマンション建設計画は今後も目白押し。大崎駅を挟んで反対側の北品川五丁目開発では、5棟の高層ビル建設で住宅総計800戸。目黒駅周辺開発でも150m級の高層ビル3棟で、住宅総計840戸。その他、近隣の国際教習所跡の西品川一丁目地区やシンクパーク隣の大崎三丁目地区でも再開発計画が持ち上がっています。
さらにここに地価の下落などが追い討ちし、南地区でも権利返還計画の遅れはもとより、地元地権者にも不安があらわれ事業計画の大幅見直しもはじまっています。再開発そのものに陰りがみえ、見直しが求められている事態であるにも関わらず、ストップをかけるどころか、区が率先して区民の貴重な財産である区有地を提供し、すすんで立ち退き、こうした開発をさらに促進・拡大させることは、到底理解できるものではありません。
また、在宅サービスセンターは、超高層ビルの一角に戻ることになりますが、ここ大崎駅周辺の地域は、高層ビル林立で風環境が一変、周辺住民からたびたび風害が指摘されるまちとなりました。風害でもっとも影響を受けるのはとりわけ子どもや、身体の弱い高齢者です。高齢者が風害によって危険にさらされるまちづくりを進めることはやめるべきです。
以上で、再開発にともなう、在宅サービスセンターの移転条例に反対する討論を終わります。