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安藤たい作区議 2010年度予算委員会総括質問「待機児解消問題」

2010.3.26 安藤 たい作 区議

安藤委員

日本共産党を代表して、はじめは私、安藤たい作より、後半は菊地貞二委員が総括質問をさせていただきます。

区長は、所信表明で、地域経済の活性化、保育園の待機児解消、高齢者の生活支援の三つを緊急課題 と位置づけ、解決に向けてスピードを持って重点的に取り組むと述べました。それぞれが喫緊の課題で あることに異論はありません。しかし、地域経済の活性化では、家賃補助など、中小製造業者への固定費補助に踏み込まない、高齢者の生活支援では、土地がないことを理由に、特別養護老人ホーム増設の 計画すら明らかにしないなど、どれも肝心要の部分には踏み込まず、掛け声に対して、取り組みの内容が伴っていないと思わざるを得ません。

3本目の柱、保育園の待機児解消については、どうでしょうか。私は、今回、この間題に絞って質問します。今、保育園の待機児問題が社会問題となっています。品川区でも、ここのところ、認可保育園に申し込む子どもが増加し、待機児も増えています。区には、保育園に欠ける子どもを保育園に入れる、健全に発達させる責任があります。待機児をどのように解消するのか、区の姿勢が問われています。
この間題で、区長は、施政方針で、「区の未就学時人口は、5年前と比べ約16%増え、ここ数年も増加傾向と予想しております」との認識を示しました。

一方、「長期的な視点で見ると、認可保育園を増設する施策は、財政上の問題を抱える」と難色を示し、「待機児解消は、既存施設の全面的な有効活用を基本に据える」とも述べました。

まず、伺います。

区の緊急対策とはどのようなものなのでしょうか。それによって、どれぐらい受入枠が増やされるのでしょうか。うち認可保育園の増設によって贈える枠は何人でしょうか、ご説明ください。

古川子ども未来事業部長

区が、今回とっています待機児のための緊急対策は、今、委員のほうか らも一部ご紹介がございました。基本的には、既存の保育に関連する資源を最大限活用しながら、しかもスピーディにということでありますので、二、三年先の問題ももちろんございますが、当面するこ の4月に向けて、いかに受入枠を拡大するか、これは、最大の課題でございました。そういう中では、この4月の入園に対しまして、300名余の定員の拡大を図った。加えて、年度途中にもございます。

どのぐらい受入粋が増やされるのかというご質問でございますけれども、トータルで、今年度内に500人を超える認可保育園の定員の拡大、これが大きな内容であると、このように考えてございます。

安藤委員

うち、認可保育園の増設による受入枠の増は幾らでしょうかと聞いたので、答弁漏れなので、お願いします。

古川子ども未来事業部長

認可保育園の増設でございますが、認可保育園は、6月に第一日野幼保一体施設として、西五反田第二保育園が開設いたします。130人の定員を考えてございます。

安藤委員

認可保育園の増によるものは、第一日野幼保一体施設の130人のみだということでし た。

つまり、既存施設の詰め込みなど、子どもにしわ寄せをする施策と、そのほか、認証保育園などは、 たびたび引き合いに出されますが、事業者任せ、他人任せの対策が中心で、ここにきてもなお、区は認可保育園の増設を、待機児解消の施策の正面に据えていないということです。

言うまでもなく、保育園に入れないという事態は、子どもの発達保証がそこなわれるのみならず、一 人ひとりの親にとっては、失職したり、働くことを断念したりと、大変深刻な問題です。

アンケートに 寄せられたお母さんの声を紹介します。

「昨年、4月に認可保育園に申し込んだが落選。認証保育園に通っていますが、今年3月には卒園です。4月に入園できなければ、行くところがありません。せっかくフルタイムで働き出したのに、会社はわずか2人の社員で抜けることはできません。夫も外資系勤務で、いつクビになるか。一刻も早く認可保育園を増やして、精神、生活の安定を保証していただきたい」

大事な点は、この4月、区の対策で深刻な待機児の問題が解消されるのかどうかと思います。新年度の状況について、伺いたいと思います。

この4月の認可保育園入園を希望した申込み者数は何人でしょうか。うち、何人の子どもに入園通知が届いたのでしょうか。その中には、転園希望者も含まれるわけですが、結果として、認可保育園入園 を希望して、どこの認可園にも入れなかった子どもは何人だったのでしょうか。あわせて、4月1日の認可保育園の全子ども数、何人になるのかも伺います。

古川子ども未来事業部長

数字のことでございますので、少しお時間をいただきたいんですが、この4月の認可保育園を希望した申込み者数ということなんですが、これは非常に難しいんです。

一次と 二次の2回に分けてやりました。一次と二次の合計で申し上げますと、1,891名でございます。内訳、一次が1,786人、二次が105人、足しますと1,891名なんですが、それがそのまま有効に申込者となるかどうかは、ご案内のとおりでございまして、申込みした後に取り下げる方もいらっしゃいますし、その中には、転園希望の方もいらっしゃいますし、内定した後に辞退なさる方もいらっしゃいます。それらのものについては、今のところ、定かに数字を出すわけにはいきません。そこまでの仕 事が進んでいないということです。3月いっぱいの中で、まだまだ認可保育園、あるいは、先ほどちょっとご発言がございました認証保育所のほうがいいので、認可保育園の内定を取り消すというような方も、中にはいらっしゃるんです。

そういう状況でありますから、具体的な数字は、今申し上げられません。1,891人が一人歩きをしないようにお願いをいたします。

このうち何人の子どもが入園通知が届いたのかということですが、内定の通知としては、1,328 通でございます。それから、結果として、認可保育園を希望して、どこの認可園にも入れなかった子ど もということでしょうか、それは、私にもまだわかりません。4月になってみないと、全体が見えてこ ないということでございます。

安藤委員

私は、事前に入園者数、申し込んだ方は何人ですかとお伺いしましたところ、区が出し た数字が1,891人ということです。今、取り下げや辞退もあるということで、精査されて、4月にはやや減ると思いますけれども、このパネルを示したいんですが、ここ5年間の4月1日の認可保育園の申込み者数と、認可保育園を希望しながら入れなかった子ども、未入園児の推移です。

今年の数字は、 先ほどありましたけれども、これは、3月19日現在のもので、若干名の辞退者や取り下げが出る可能性もありますが、大きな変動はないと思います。

申込者数が1,891人、入園内定者数は1,397人、差し引き約494人、約500人が認可保育園を希望しながら入れなかったということになります。申込み者数、入園児数、どちらも年々増加の一途です。今年は緊急対策を打った年ですが、昨年の末入園児は443人でしたので、受入枠を詰め込みで増やしながらも、むしろあぶれてしまった方は増えてしまったということだと思います。

繰り返しますが、保育園に入れない事態、その方の人生を左右するほどの大問題です。区は、入れなかった子ども、親に対してどのような対策を考えているのでしょうか。午前中の質疑では、想定を上回る申込みがあった、とのことでしたけれども、区は、いつ、どのような想定をしたのでしょうか。今現在、どのような申込み数の想定をしているのかも、伺います。

古川子ども未来事業部長

今、委員のほうでいろいろな数字を出されましたが、私のほうでは確認する術がございませんので、一応、聞いておきます。

1,891名というのは、先ほど申し上げましたが、まさにそのままの、一次、二次の状況です。 昨年が1,533名であったことは、ご案内のとおりでございまして、300人余の、かなり多くの方々の申込みが、とりあえずはあった。もちろん取り下げは、いろいろございます。

そういった中では、私どもが想定した当初の数字は、約1,700名ぐらいかなというような、一つの目安を持ってございましたけれども、これは、かなり上回る、品川区に対する入園の希望があったと考えてございまして、その希望の分に対して、今回の緊急対策はどこまで対応できているか。

今現在に、窓口にもいろいろな方がご相談に見えていますし、保育園のみならず、幼稚園でありますとか、認証保育所でありますとか、いろいろな方法、あるいは育児休業制度をしっかり取って、子どもと 向かい合った1年余の時間を過ごしたいという方もいらっしゃいますから、最終的には、この場で、そのような方々に対してどのような方策があるかということにつきましては、大変申しわけございませんけれども、まだあと10日の中で、最終的な数字は固まっていくだろうと考えております。

安藤委員

1,891人が申し込んで、入園通知を受け取った方は1,328人ですので、差し引き ますと563人。うち転園希望者を除きますと、494人という、私たちの計算です。これだけの方が、 希望しながら入れなかった末入園児となっているわけです。

そうしたことに対して、区は、保育に欠ける方に保育園を用意する責任があるわけですね。

ちょっと 伺いたいんですが、今後の対策として、こういう494人もの500人近くの方、どうするんでしょう か。どのように解消されるつもりなのでしょうか。受け皿の拡大を考えている、入園事務の見直し、さ らなる精査という言葉も、午前中の質疑でありました。どのように受け皿を拡大するつもりなのか、事務の見直しというのは、どういうことか、ご説明願います。

500人近い未入園児、この区の対策で、これから解消できるのかどうか、解消するつもりがあるの かどうか伺います。

古川子ども未来事業部長

先ほどの1,891人に対して、内定通知が1,328人ですから、それを引くと云々という数字は、もう既に一人歩きをし始めていますけれども、先ほど申し上げましたように、昨年の443人という数字自体も、さまざまな内容を含んだ443人なんです。転園希望者も入っ た上での443人ということで、しかも、4月以降に、この数字を出してきているわけでありますから、 直ちに、今、申込み者から内定通知数を引いたのがこれだということについては、私はよく承知してございません。

それから、詰め込みということをしばしばご発言なさいますが、少なくとも、国の基準の中でやって いる部分と、国の基準を緩和することによって、より狭い中で子どもを育てることに対しては、詰め込みだというようなマスコミ上の表現があったことは、私も承知していますけれども、国の認可基準を 守っていながら、詰め込みという言葉については、大変理解できておりません。

安藤委員

詰め込みの話に関しては、ちょっと後で議論したいんですが、全然答弁がなかったと思うんです。細かい数字のやりとりというか、認識の違いはあるかもしれませんけれども、少なくと も500人近い方が未入園児なんです。その方をどうするのか、解消できるのですかということを伺いましたので、もう一度、伺います。

古川子ども未来事業部長

先ほど来、申し上げていますけれども、563人が未入園児ではございません。中には、既に今、保育園に入っていながら、転園を希望して申請なさっている人も入っているわけですから、その方々のことも数字はありますよと、先ほど来、申し上げているんですが、よくご理解いただけないのが残念でございます。

安藤委員

私は、親切に、転園の方も大変なんですよ、転園希望の方も大変ですよ、でも、転園希望の方を除いた数字か494人と申し上げました。それで、500人近い方が保育園を望みながら入れていない現状があるわけです。そこを直視してください。それで、それをどうするんですか。解決するつもりがあるのか、できるのか、区の対策で、これからどうしていくのかということを伺っているので、 誠実にお答えいただきたいと思います。

質問に答えておりません。

古川子ども未来事業部長

510人の定員拡大、これは認可保育園、公立の認可保育園に510名の定員拡大、年度途中も含めて、これはまさに品川区の責任において、保育園を希望する方々に一人で も多く入っていただきたい、こういうことのあらわれでございますから、今回、4月1日の時点で、残念ながら、保育園に入れなかった方がいらっしゃる可能性は高いんですが、そういった方々につきましては、さまざまなご相談に応じながら、保育園だけではないさまざまな受入の態勢も、相談に乗りなが ら、先ほど申し上げました育児休暇制度の活用もあるでしょう、それぞれの方々の就労と子育てを少しでも支え、こういう努力をしてまいりますし、今もしております。

それから、末入園、563人に対して、転園を除くと494人ということなんですが、先ほど来申し 上げておりますし、委員のほうからも、いろいろ数字は出ていますが、私自身、頭の中で数字がすべて、 まだ固まっておりません。

転園の正確な数字は、まだよく見えていない部分もありますし、内定をした 後に、辞退が、この10日間でまた出てくるだろうと思っております。それはさまざまな状況です。辞退があれば、当然に、今度は繰り上げの内定も出てまいりますので、大変申しわけございません。今、 その部分についての数字については、なかなか明らかにできないということについては、ご理解をいた だきたいと思います。

安藤委員

非常にあれですけれども、入園できない子が4月にあらわれるということは認められましたね。その上で、相談に応じながら、ということですけれども、相談に応じるというのは、もちろん最低限やることですけれども、あとどれぐらい待ったら入れるのかという展望が、待っている親にとっては、全く示されていない、示し切れていない。これは親にとっては深刻だと思うんです。

いろいろ言われますけれども、結局、区の姿勢は、努力はするんだけれども、解消できるかどうかわからない、知らないという姿勢だと、私は思います。

私は、自治体の責任、児童福祉法でも定められていますけれども、そうした自治体責任に照らしても、 また今の親の深刻な実態に照らしても、こうした区の姿勢は許されるものではないと思います。

自治体の責任に照らして、いかがでしょうか、答弁を伺います。

古川子ども未来事業部長

私の答弁がよくなかったとすれば、それは大変申しわけないんですが、 先ほど来申し上げているとおり、510名の認可保育園の定員拡大は、認可保育園5カ所、5園をこ の4月に立ち上げた、あるいは、6月、9月の部分もございますけれども、それぐらいの量的な拡大を したということについては、ぜひご認識をしていただきたい。これは1点でございます。

もう一つは、今、ちょっと触れましたけれども、今後、6月に西五反田第二保育園で130名、それから9月には、台場保育園で、幼椎園の一部の学校活用によって、73名、さらには、8月に、認証保育所が30名で2カ所の予定もされておりますし、そういうもろもろの情報を保護者の方々にご提示し ながら、もし4月1日の中での待機児をどうしても、解消しなければならないというご事情の方につき ましては、さまざまな方策を持って相談に乗っておりますと、こういうことでございます。

安藤委員

6月の第一日野、9月の台場小学校施設活用、認可ではありませんけれども、8月開設予定の認証保育園を含めたとしても、合わせて263人分です。先ほど紹介した500人近くの待っている方の半分程度にしかなりません。これでは解消されません。

先ほどからたびたび詰め込みではないという話もありましたし、改めて、面積の最低基準は割ってい ないから問題ないとおっしゃいました。区は、これまでも弾力化の名で、定員の125%まで詰め込んできたわけですけれども、今回の4月の定員拡大は、さらにそれを加速させるものです。そもそも、最低基準さえ守っていれば十分という考え方がおかしいと思うんです。最低面積基準とは、どんな基準なのか。

0、1歳児で、1人当たり3.3m2で、畳2畳分、2歳以上は1.98m2で畳1畳強です。どうか、 頭に思い浮かべていただきたいんですが、2歳児の場合ですと、7畳間に6人子どもがいて、先生も1 人、そこに必要なロッカーやテーブルも置かなくてはなりません。国際的にも最適の基準ですし、60 年以上前の昭和48年につくられ、一度も改善されていません。去年3月には厚生労働省の委託を受けた報告でも、改善が必要との提言すら出されたものです。これを守っていればいいというものではないと思います。

私は、区内の何人かの保育士さんに、4月からの定員増による詰め込みの子どもたちへの影響について、伺いました。ある保育士さんは、開口一番、「定員増で、2、3歳児クラスが30人になる。これは30年間、保育士として勤めてきて経験したことがない。子どもたちの成長から考えても、あり得な い数字だ」と言いました。

また、こういうこともおっしゃっています。

「ランチルーム、そのほか特別支援の子どもの保育や、食育指導、親との相談スペースとして有効活用していた部屋も、余裕と見なされて定員拡大の対象になり、 保育スペース兼用になった。自分は小集団で保育することが大切だと思って仕事をしてきた、悲しい現状だが、受けいれざるを得ない。大事な子どもを預かる仕事、親や子どもに不安感を与えないように4 月を迎えなくてはいけないんです」、と語っているんですね。

具体的な心配としても、ストレスによる噛み付き、子どもの引っかきが増える。外に連れ出す機会が減ってしまう、トイレ渋滞が起き、排泄の自立を促す機会もそこなわれてしまうなどの心配を挙げておられました。

現状の保育園は、環境はただでさえ大変な状況です。現役の保育士さんからも、こんな悲痛な叫びが 挙がっております。こうした現状へのさらなる詰め込みの子どもへの影響を、どう考えているんでしょ うか。子どもの成長に支障をきたしかねないと思いますが、どうなんでしょうか、伺います。

古川子ども未来事業部長

委員と私では、考え方が若干違いますので、なかなかご理解いただけな い部分だろうと思うんですけれども、確かに最低基準という言葉に、私はそれでいいとは思っておりません。しかしながら、一つの基準であることは事実です。最低基準の中で、子どもたちによりよい保育を行うことは、当然に必要だろうと思います。しかしながら、先ほど、委員もおっしゃいましたけれど も、もし100人、200人が入れない状況の中で、それでも保育室のスペースがありながら、「あなた 方が入ると狭くなるから入らないでくれ」というふうには、私は言えません。それは、基準を守っている以上は、必要な施策だと思っています。

基準を割れば、これは別でありますけれども、一定の基準に従って子どもを入れることが、それほどよくないことなのでしょうか。一方では、保育園もつくっています、幼保一体施設。既存の保育園で、20年前、少なくとも数年前までは、待機児ではなくて、欠員対策が、私の当時の保育課長時代の仕事でした。

そういう中で、あいている部屋もまだあります。そういった部屋を活用しながら、一人でも多くの困った方を入れたいという、これは現場の保育士も同じです。今、一部の保育士の声をご紹介されましたけれども、十数年前、そういう保育士がいたことを、私も承知しておりますけれども、今、そういう 声を出している保育士はほとんどいないと、私は思っています。どのような環境であっても、品川区の保育士たちは受けいれた子どもに対して等しく、きちっとした保育をやってくれると、このように信じ ております。

安藤委員

子どもたちへの影響をどう考えているのかと伺ったんですけれども、その答弁がないんですね。西品川、5歳児が移転するというところで、保育園ですけれども、ここでちょっと試算をして みますと、学童スペースが、保育スペースに広がった平成18年のときから比べますと、0、1歳児のスペースが136.28m2、1人当たり5.45m2でございました。定員は25人でした。これが、定員拡大と、5歳児をほかの小学校に移すということをやって、定員が36人になり、平米数も5.45m2 から3.78m2、逆なんですけれども、144%、狭くなってしまうんですね。このことをまともに、 これが子どもの育ちにどういう影響を与えるのかという検討をされているのかどうか、どのように考えているのかを、もう一度お伺いします。

古川子ども未来事業部長

先にお答えいたしますが、子どもへの影響はございません。子どもの成長にも、特段の支障はないと、私も思っていますし、保育園を所管するそれぞれ園長も、今回の定員拡大につきましては、当然のこととして受けとめて、もちろん、その人数の分だけ、従来に増して子どもの数は増える、これはもう実態として当然のことです。

しかしながら、それを補う保育士の力量も、そして、さまざまな手法によって、子どもには何ら影響は及ぼさない、そういう保育をやっていく予定でございます。

弾力化というのは、あくまでも保育園の中の施設を活用しながら、定員というのは、あくまでも、4 月1日の定員でありますから、その定員を超えた子どもを受け入れるということは、当然ある話であり まして、これができなければ、4月以降、定員を満たしたら、1年間だれも入れないという状況なんで す。

よくお考えいただきたいんですが、弾力化があるからこそ、当然、年度途中の子どもの受け入れもで きますし、それを4月において、前倒ししながら、今、因っている人たちを受け入れてもいいですよと、 これは国の方針なんです。決して、私はおかしくないと思っています。

安藤委員

国の方針が、詰め込みで、待機児を解消しようという方向に、最低基準を緩和しようと いう方向でやろうということ事態が、私はおかしいと思います。

先ほど紹介したように、これからの定員拡大によって、スペースの減少は明らかでございますし、事実としてありますし、そして最低基準に近づいているというのも事実です。私は、認可保育園の、そもそも詰め込みではなく、定員拡大でもなく、十分につくってこなかったことに、先ほど示しましたよう な、待機児の増加のまさに原因だと思うんですけれども、いかがでしょうか。

それから、なぜ保育園をつくらないのか。区長は、増設は、「長期的な視点で見ると、財政上の問題を 抱えることになる」と言いました。どういう意味なんでしょうか。

さきに紹介した深刻な願いを、我慢をしてもらわなくてはいけないぐらい深刻なものなんでしょうか。 財政上の問題とは何か、区民にわかるように、これもご説明ください。

古川子ども未来事業部長

たびたび申し上げておりますけれども、子どもの数、そして、保育園の 需要については、20年スパンで考えて、あるいは10年でも相当変わってくると考えてございます。 そういう中で、つくってこなかったということではないんです。十数年前、あるいはもう少し前であ りますけれども、どうやって保育園を統廃合していくのかというのが大きな課題であった時代もござい ます。今は、子どもの需要が増えてきている。では、5年、10年先、私どもは長いスパンで行政を、 当然に運営していかなければいけない。その中では、子どもが再び、当然に少子化の流れの中にありますから、需要動向も、当然に変わってくるだろう。その中で、先ほど来、申し上げておりますけれど も、500人という、認可保育園5カ所に相当するものを既存の施設の活用によって生み出したんです。 これは、財政負担を極力減らしながら、最大の効果をねらっていると、このようにとらえていただければと思います。

安藤委員

最小の経費で最大の効果というよりも、親としては、認可保育園をつくってくださいと いう請願も上がりました。なぜつくらないのか、財政上問題があるというのだったら、どういう問題なのか、全然説明してないので、教えてください。

古川子ども未来事業部長

財政上の問題というのは、今は、子どものことについてのご意見をいただいていますけれども、区政のさまざまな課題、区民のニーズもさまざまでございます。子どもからお 年寄りまでさまざまな課題に対し、私どもがそれぞれ事業を行い、そしてそれには、当然に必要な財源が伴ってまいります。

私どもが、今とっている手法は、極力、もちろん財源的には負担はございますけれども、その負担を 最大限生かしていく手法をとって、この4月、あるいは9月までに510人の定員の拡大を図ってまいります。認可保育園につきましては、既に何回もお話してございますが、幼保一体の中で、各年1園ずつつくってまいりますし、そういった意味では、認可保育園についても一定の数の確保をしていく、こ の考え方でございます。

安藤委員

各年では、全く間に合いません。親の声を紹介したいと思います。認証保育園へ預けながら、認可保育園を待っている方です。

「働きたい気持ちがあって、働ける場所があるのに、なぜ働け る環境だけが整わないのか。ここ二、三年がピークというのはわかりますが、そのために働く機会を失う人や、子どもを生むことをあきらめる人がいます。将来を担う子どもたちに、それを支える親たちに、 何とか助けがないものでしょうか。期間限定でも、あとに老人ホームに変更になるのでもいいではないですか。認可保育園をつくってください」

私は、この方の疑問はもっともだと思います。今、このときに、認可保育園の大幅増設で待機児解消を強く求めまして、私の質問を終わりたいと思います。

林委員長

以上で、安藤たい作委員の質疑を終わります。

次に、菊地貞二委員。

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