2010.3.26 菊地 貞二 区議
安藤委員に続きまして、総括質疑を行ってまいります。私は、まちづくり、そして、再開発について、お聞きしてまいりたいと思います。
まず1点目にお聞きしたいのは、再開発、地区計画決定に至る流れについてお聞かせ願いたいと思います。款別審査の中で、トライスクエア構想、目黒駅前、この再開発の論議がありました。この中で、容積について、確定していないけれども、用途地域をいじっていけば、変更などを進めていけばほぼ800%だと。一方で、事業者、デベロッパーのほうは、140mから150mという超高層ビルの建設をするんだということで、こういう絵をかいて、地域の住民の皆さんに説明をするという状況にあります。
そこでお聞きしたいのが、再開発の地区計画決定、事業者はもちろん、最大の利益が得られる計画を持って、容積ですとか、高さ、この辺を考えて出してくるんだと思いますけれども、こういう事業者計画に沿ってすべてが可能になるように、これらの容積、高さ制限などが決められるのか、こういうことについて、まず1点、お聞きしたい。
それからもう1点、目黒駅前の周辺というのは地域生活拠点となっていますけれども、こうした地域で、これだけの超高層ができ上がっていくんだということであれば、武蔵小山駅周辺も地域生活拠点となっていますけれども、こういうところでも、こうした超高層のビルだらけのまちづくりというのが進められるのか、という点をお聞きしたいと思います。
まず、容積、建ペい率の既存の用途地域からの変更は、どのようにするのかというご質問ですけれども、基本的には、一律にかかっております現在の用途容積がベースになります。しかし、面的に網をかけておりますので、特に駅前の地域については、駅の乗降客数、それから基幹であります道路の幅員関係の整備率、こういったものから既存の容積率に対して、見直し相当容積率というのが自動的に出てまいります。開発を行う場合は、こういったものは、地区計画を立てることによって容積率を緩和することになります。
ここからなんですが、ここから見直し相当容積率に対しまして、それぞれの開発の状況、空地率であるとか、あるいは地域貢献施設がどのようなものがつくられるのかというものによって、評価容積の上乗せ制度というのがございます。これは、こういったものをつくれば、これだけ上がりますよという東京都の基準がございますので、その基準に当て込んで計画をされるということになります。
それから、武蔵小山では、目黒のような超高層の計画は立てられるかということでございますけれども、ご案内のように、武蔵小山駅前については、東京都のしゃれまち条例に基づいて、既に一定地区に地区計画がかかっております。ここにおきましては、絶対高さ制限も地区計画の中で定められております。したがいまして、もし目黒のような開発を考えるのであれば、当然、地区計画の見直し、あるいは新たな地区であれば、その新たな地区を地区計画に位置づけて、法的手当をとる必要がございます。
規制緩和の中身を、今、お聞きしたのではなくて、事業者、デベロッパーの要求に合わせているのかということを、私はお聞きしたんです。
それでも、事業者、デベロッパーのほうは、最初からもっと大きな絵をかいてきた、持ってきた。これではだめだということで、そもそも緩和をした状況の中でつくり上げられる絵になったのか。その辺を、今、私はお聞きをしたんです。その辺をちょっと明確にお答え願えませんか。
先ほど、ご説明申し上げましたように、まず見直し相当容積率というのは、その地区、その地区の駅の乗降客数と都市基盤整備の状況によって必然的に出てきます。それに対して、事業者が考える、その地区における開発計画によって上乗せできるのが評価容積制度でございます。これは、再開発の法に基づく手続の中で、評価容積がつけ加えられるということでございます。
したがって、委員がおっしゃるような、事業者がこれだけの容積が欲しいとか、欲しくないとかということで上乗せられるとかという制度では、もともとないということでございます。
もう一つ、明確にお答えいただきたいのは、それでは、そもそも事業者がかいてきた絵をだめだという話はあったのか、どうか、ちょっとそこをはっきりさせていただきたいんです。
都市計画上の規制をクリアすれば、ということではなくて、結局は、今のお話というのは、事業者のために規制を緩和するということだけのものだと思っています。
先ほど、武蔵小山の点について聞きましたけれども、生活拠点だろうと、活性化拠点だろうと、土地の高度利用が必要だとか、いろいろな理由をつけて、どちらにしても、こうした開発というのは実際に進んでいくということで理解していいのか、どうか。
それから、あわせて、区の地域生活拠点とは何なのか。それから、住むことのできる基準というのもお聞かせ願いたいと思います。
先ほどから申し上げておりますように、どこでも超高層ビルが計画できるというものでは、もともとないわけです。したがって、現在の用途容積制度、これは都市計画で定められておりますけれども、その基準の中で、面的に都内一斉にかけておりますから、ポイント、ポイントでは、その都市基盤整備の状況に合ったような用途容積になっているかどうかというのは、必ずしも言えないわけであります。
例えば品川駅の港南口のように、基盤整備がないところで計画を事業者がいくらやろうとしても、行政側は、このような道路整備がないところで、このような巨大開発はできませんと、これはどこの地区でも、こういうことはあるわけです。大崎にしても、あります。大崎の東五反田地区も、駅の乗降客数からいけば、見直し相当容積はもともと高い地区なんですけれども、道路整備の基幹施設が非常に未整備な地区ですから、前提条件として、基幹整備ができるという前提のもとに見直しを行っていくということ、これは事業者がどのような要望を持って来ようが、そのまちの状況をきちっと行政側が判断をして、ここであれば、これだけしか難しいということで、きちっとした指導を行っています。これはどこの地区でも、同じようにやってございます。
それから、地域生活拠点でございますけれども、もともと市街地整備基本構想、あるいは、市街地整備基本方針というのを定めさせていただいたときには、どこの駅でもそうですけれども、駅前というのは、それなりの商業が集積する地区でございます。したがいまして、駅の周りの潜在的に開発需要が高いところについては、乱開発を防ぐために、望ましいまちづくりのあり方というのを定めていくということは、行政の役目でございます。
したがって、品川区は、地域生活拠点というのを駅前地区において定めて、場所によっては商業を中心とした開発を誘導することもありますし、あるいは、住宅系を中心とした開発を誘導する場合もありますが、それはすべて、品川区の原点でございます。市街地整備基本構想に基づいて、11地区の望むべき地区のあり方に基づいて指導をしているということでございます。
基盤整備がないところというお話がありました。私が覚えている限り、東五反田二丁目第2地区は、計画が設定をされる際に、ソニー通りからの接道が狭いということで、区がこういう指導をして、あわててデベロッパーが、付近の地権者の皆さんをこの再開発に組み入れていったということが行われたと思います。
これは、最初から、事業者がつくり上げた計画をどうすれば実際に実行できるのかということを基本に置いて行われたものであり、当然のことながら、そういう流れでつくり上げられてきたのが、今の品川区の再開発なのではないかと、私は思っています。
いずれにしても、規制緩和が大前提の再開発計画である限り、あらゆる地域で巨大ビルの建設を進めることが可能だということなんだと思います。少なくとも区のまちづくりに対する、そうした基本というのは、先ほど、乱開発という言葉を防災まちづくり事業部長が使いましたけれども、むしろ、ほんとうに品川区自身がまち壊しを進めているんだと思います。
それから、住むところの基準というところをお聞きしたんですけれども、この辺ははっきりしたご答弁がなかったので、その辺をお聞かせ願います。
住むところの基準、少し漠然として、意味を理解できないんですが、日本国憲法では、どこの居住地を選ぶのも、その個人の自由が保障されておりますので、どこでも住めるということでございます。
品川区のまちづくりにおきましては、一時期、業務が集中することによって、場所によっては、住宅系が不足してきた時期がございました。これを防ぐために、開発環境指導要項を強化する別の住宅付置要綱をつくりまして、一定の開発については、住宅を必ず併設していただくような施策を打った時期もございました。
現在、その要綱は廃止しておりますけれども、その時代、時代の要請に基づいて、行政は民間の活動を指導してきているということでございます。
それから、先ほど、品川区は品川のまちづくりを破壊しているというようなご発言が行われましたけれども、これは、品川区の昭和40年代から流れをずっと考えていただければ、よくわかります。
昭和40年代、品川区内は京浜工業地帯で、日本の経済発展の動脈だったところですね。これが、工場立地法の改正によって、大規模な中小企業が、この品川の地で創業できなくなるという事態が起きてきて、こういったところは、将来、大きく土地利用の転換が図られるということを、いち早く察知した品川区は、昭和60年に市街地整備基本構想を設立して、特に用途地域は大きく変化するであろうと思われた、いわゆる大崎の東五反田地区、それから、東品川四丁目地区、この地区について、各開発企業者によって乱開発をされないように、望むべき、あるべき姿というのを、いち早く品川区が打ち出して、その上位計画に基づいて、各デベロッパーが開発を順次して、現在のようなすばらしい大崎のまちや、東品川四丁目という近代的なまちが創出されたということでございまして、品川区が指導することによって、このような立派な品川区が生れてきたと自負しているものでございます。
それから、東五反田二丁目第1地区のことをご指摘になりましたけれども、東五反田地区は、先ほど、申し上げましたように、もともと工場が立地していたところで、道路が非常に未成熟な地区でした。したがって、あの地区の権利者の方々が集まりまして、まず、幹線の道路を、将来、このようにつくりましょう、東西関係に幹線の道路をつくり、南北に3本の道路をつくって、将来的には4本の骨格道路を、みんなでつくっていきましょうと。いわゆる東五反田更新計画というものに基づいて、第1号の市街地再開発事業として東五反田二丁目第1地区が認可をされたということでございますので、あらかじめソニー通りへつなぐ道路は、再開発事業が認可される前提条件として指導したものでございまして、後からつけ加えたようなものではございません。
いろいろ言われるんですけれども、それでは、今、実際に起こっている、この間、私ども議会で問題にしてきた中地区がなかなか売れていかないという問題、いわゆる過剰な床供給にあるわけですよね。実際に経済が低まっている云々かんぬんという言い方がありますけれども、先ほど、区内に2万戸のストックがあると、それで、住宅が増加したので、付置義務もなくしたと。分譲住宅というのは、普通に民間事業者が供給をしてきたわけですけれども、こうした状況の中で、さらに住戸をつくるために再開発に税金を入れていく、こういう理由についても、お聞かせ願いたいと思います。
先ほどの防災まちづくり事業部長の答弁では、こうしたものについても、当然、あり得るべきなんだという話に聞こえてきますので、ぜひその辺、まず先にお伝え願いたいと思います。
これももう少しきちっとご理解をいただきたいんですけれども、大崎駅西口については、再開発事業の組合も含めてですけれども、大きな4地権者、その4地区を熟度の高いところから先行して、実際の事業は行われましたけれども、そのベースであるところの地区計画については、一番最初の段階で、望むべき街区のあり方というのを、区と一緒になって決めたわけです。それに基づいて、第3期として中地区が再開発事業に踏み切ったということでございます。
したがって、用途を住宅系を中心につくるか、あるいは業務系を中心につくるかというのは、行政のベースの中での市街地整備基本構想のもともとの考え方の中で、その時代、時代の要請に基づいて、住宅系が必要とされる時代には、住宅系を多めに計画もされますし、一方で、業務系が望ましい地区においては、業務系を中心にものごとを考えていく。こういうベースでございます。
一方で、参入するデベロッパーの見方とすれば、業務系の床のほうが、処分をした場合に、いわゆる利益率が高い。住宅系の場合は、業務系に比べて利益率が低いということで、いわゆる景気のいいときは、業務系を中心に開発をしようとしておりました。そのときも、品川区の場合は、大崎全体が業務系だけで埋められたのでは、人の住めないまちになってしまいますので、行政主導で、住宅を織りまぜたあるべき姿を打ち出して、それに対して、各権利者の方々が賛同いただいて、住宅を併設されてきたということでございます。
また、西口中地区については、開発が15年から17年かかりましたけれども、その過程の中で、何回かのこういう経済危機を乗り越えてこられました。その中で、業務系中心から住宅系中心への中身の変化はございましたけれども、再開発事業というのは、建物をつくるのが目的ではなくて、何度も申し上げますけれども、基幹整備をどうつくるのか、いわゆる道路や空地や、あるべき姿をどうつくるのかという、いわゆるまちづくりのベースの中で開発を考えるわけです。その中で、必然的に、容積というものが決められ、認められた容積の中で、どのようなご商売をされるかというのが、デベロッパーの腕の見せどころということでございまして、中地区については、デベロッパーがきちっと床を取得されましたので、再開発事業は見事成功をしたということでございます。
中地区、15年かかったと。でも、実際には、オフィスから、今のマンション計画へ変更したのは2005年ですから、わずか5年間。その前は単なる地上げ業者が、あそこで地上げを進めていた。そういう時期でしかないと、私は思います。
少なくとも、私たちは、開発によつて慣れ親しんだ地域に住むことができなくなった、こういう事例はたくさん示してきました。
先ほどの話ですけれども、生活拠点と言っても、結局は、開発で住居の値段そのものが上がっていけば、実際には地域に住めなくなるという状況をつくり出すんだと思います。これは私ども、いつも言いますけれども、住民が実際に望むのは、地域に高齢者施設がある、保育園がある、あるいは学校がある、病院がある、商店街がある、こういうまちづくりというのを、住民は望んでいるわけです。これを破壊してきたのが、私は、品川区の再開発だと思っています。
地域住民が住めなくなる一方で、大崎の緊急整備地域だけでも、これからの計画を含めて、5,000戸を超える超高級マンションが、税金を投入して供給されるというわけです。80億円の税金、中地区開発に注ぎ込まれましたけれども、こういう問題に対して、今の防災まちづくり事業部長は、「これは事業として十分に成り立っているんだから、何ら反省をする必要はないんだ」というふうな答弁でありました。80億円の税金を注ぎ込んで、デベロッパー支援をして、現実的には、半年にわたって、いまだに中地区は6割台の販売率。このことについて、行政として反省はないのかということを、ぜひお聞きしたいと思います。
それから、この超高層マンションが、実際に建て替え時期を迎えた際にどうなるかということもお聞かせ願いたいと思います。
それからもう1点、賃貸になっている住戸というのは権利床部分ということですけれども、法人が所有する権利住戸数についても、お聞かせ願いたいと思います。
まず最初に、中地区の権利床のうち、法人が取得した分という理解でよろしければ、西口中地区の住宅総戸数で1,084戸。そのうち従前の権利者が取得された、いわゆる権利床の戸数は236戸です。このうち法人格を持っている方の名義で取得された戸数が72戸ということでございます。
それから、ご質問の中で、品川区が認可をしてきた再開発が、地元の商店街や病院や、何から何まで壊してきたとおっしゃいますが、私は長いことやっておりますけれども、そんな開発をした地区が記憶にございません。
大崎を見ていただければ、つい35年前、終電からおりれば、左右とも真っ暗なまちでした。夜、8時を過ぎれば、東五反田地区は、女性は怖くて1人で歩けなかったとお聞きしております。それが今はどうでしょう、たった30年で、このような立派なまちに変わったということを、どうぞご理解をいただきたいと思います。
それから、従前、住んでおられた方が、開発をすることによって家賃が高くなって、住めなくて、追い出されたという発言をされていましたけれども、大きな開発でなくても、一般の木造賃貸住宅、老朽化した住宅にお住みになっていれば、当然、築40年、50年になれば、賃料は安いわけですね。でも、そろそろもたなくなるので、大家が新しい木造賃貸住宅に建て直した場合、家賃は、当然上がるわけです。こういった場合、どうするのか、そのままずっと朽ち果てるまでおいていくのか、大家はそうはいきませんね。どんどんばろばろになれば、出て行ってしまいますから、死活問題ですから。
再開発も、実は同じことなんです。まちというのは、放っておけば老朽化して、まちは滅びていくんです。したがって、まちは常に更新していかなきゃいけないんです。生きているんです、まちというのは。ただ、サイクルは長いです。
特に品川区の大崎というのは、今、日本で一番元気な地区ですから、こういった開発需要のあるところは、行政としては当然のことながら民間活力を活用させていただいて、区民の望むべきまちのあり方に誘導していくというのは、私は行政の責務だと考えております。
それから、大崎中地区、何度もお答えさせてもらっていますけれども、住宅の処分ということは、民間デベロッパーのリスク管理の中でやっているご商売でございますから、私どもが心配してあげるというような立場にはございません。
まちは滅びると、私はまさにそのままお返しします。品川区のやっている都市計画、全く都市計画ではないでしょう。本来、都市計画というのは、今あるまちをどう安全に保全をしていくか、しっかりと発展をさせていくか、そこにあるんです。これまでのまちをぶち壊して大型高層ビルつくっていく、これが都市計画だというのであれば、私は全く違うんだというふうに思いますよ。これはいつも申し上げてきたことです。
中地区に関して、先ほども言いましたけれども、2005年、マンション計画に変わっていった。この際に、都市計画審議会の中で、区はこう言っているんです。「参加組合が全部引き取るので、計画変更しても十分に確実に事業は実施できる」という答弁をしている。事業が実施できるというのは、今の防災まちづくり事業部長の答弁で、デベロッパーの心配をしてもしようがないみたいな話がありましたけれども、区にとって、事業が実施できるというのは、単に建物を建てることができるということではないでしょう。本来、法律そのものが、当時、無理やり変えられて、それまでの再開発の全員同意型から3分2が同意をすれば、反対しても再開発に巻き込まれていくと、こういう法律に変わっていきました。
中地区では、仕方なくこうした再開発に身を投じざるを得ないという一般の権利者が生れたわけですよ。当時は、121名の借家に住んでいた方たちがいました。こういう皆さんに責任を持つ、それから、まちづくりに対して責任を持つ、そして売れないということに対しても責任を持つ、これが税を投入した行政の責任ではないでしょうか。この点は、再度、答弁を願いたいと思います。
都市再開発法という法律に書かれておりますのは、いわゆる再開発事業は、民間事業で行われますけれども、公的法人としての位置づけで事業が行われているわけです。いわゆる再開発法という法律に基づいて、公的法人として組合が事業を行います。この事業とは、再開発をやるためにさまざまな経費がかかります。土地を一遍きれいにして、従前居住者が、工事期間中、外に移転をして、生活をするさまざまな経費、それから営業されている方は仮店舗を設けて、営業される経費。当然、店が変われば、減収になりますから、そういったもろもろの保障、そういった経費を全部事業費で賄うことになります。建設費も含めて。
そういったものは、どこからお金を取り出すかというと、いわゆる保留床という、従前、権利者が習得した権利床以外の部分をデベロッパーに売却をすることによって、その売却費と、かかった経費がプラマイ0できちっと精算をするというのは、法の事業になっております。
中地区というのは、その事業がきちっとなっておりますので、全く問題はございません。今、委員がご心配されているのは、あるデベロッパーが、組合から取得して、商売のために取得された住宅が、こういう経済危機の中で、売れ残っているということでございますので、これは再開発事業とは全く次元の違う話ですから、私どもは口を出す立場でないと申し上げているわけです。
それから、従前居住者が追い出されたと、こういう発言がございましたけれども、都市再開発法は、そのような追い出しは禁止されております。したがって、いろいろな小規模な開発のときに、アパートに住んでおられた方が転居を余儀なくされるというケースはあるわけですけれども、法律で、その方々の権利もきちっと保障されているのが、この再開発事業です。したがって、再開発事業で、例えば、泣く泣くその地区を離れてひどい目に遭ったというような声は、私の耳には一人も届いてないんです、今まで。よかったと言ってくれる方はいらっしゃいますけれども、よそに転居した方も、それなりのきちっとした補償費をきちっとお支払いするように、行政が指導しておりますので、もしそういうお声があれば、ぜひ教えていただきたいと思います。
デベロッパーの問題ではないと、私は思います。補助金の交付規則というのがありますけれども、この中で、補助金そのものは、公正、かつ有効に使われなくてはならないとなっています。今のお話というのは、十分に有効な税金投入であったということなんだと思いますけれども、その辺の理由をもっと鮮明にお聞かせ願いたいんです。
それからもう一つ、先ほど建て替えの話を聞きました。ここでは、はっきりした答えがないんですけれども、建て替えが実際に、これから結局どうなるのか。容積率の上乗せ、地区計画の改正、規制緩和、これ以外にないわけですよね。こういう問いかけですので、この辺も、再度、答弁を願いたいと思います。
大変申しわけございません。答弁漏れがございました。
再開発事業のような超高層ビルの建て替えというのは、日本ではまだ前例が、残念ながらございません。ただ、どちらにしましても、いわゆる高層の集合住宅の建て替えというのは、非常にいろいろな問題をはらんでいるのは事実でございます。特に昭和40年代に、品川区の中でも建てられた、いわゆる集合住宅、こういったものが当時の容積、建ペい率制度の中では合法的に建てられたものですけれども、その後、日影規制で、いわゆる既存不適格になっている物件が結構あるわけです。こういった場合の建て替えも問題で、前政権ですけれども、政府は、建て替えの促進を図る法律をおくつりになったわけですけれども、品川区には、まだ1件もその法律に基づく建て替えの実績はございません。
これは次元としては全く同じ話でございまして、規模が多少大きくなるだけの話でございますが、超高層ビルの場合は、プラスもう一つは、こういった超高層ビルの解体も含めた建て替えというのが、どういった技術を持って行っていくかというのは、まだ若干課題は幾つか技術的にも残っていると聞いております。
こういったところは、おそらく、将来の宿題として、我々が受け取っていくものだろう思っております。
それから、税の投入方法として、有効と言えるかというお話ですけれども、税の投入というのはさまざまな事業に対して、福祉も含めて、投入されているわけです。こういったまちづくりに対する税の投入というのは、実は極めて有効な方法です。
特に再開発事業のようなものというのは、投入した税に対してフィードバック、税としてまた直接的に戻ってくる事業なんですね。したがって、場所にもよりますけれども、税を投入して、完成後、大体5年から10年で、投入した税はすべて回収し、それ以降は、全部プラスになるということで、いわゆる税の投入としては非常に効率的だと言われています。
それから、中地区の住宅に対して補助金を出しておりますけれども、個別の住宅に補助金は出ません。出ているのは、いわゆる一般の共同建て替えに補助金が出るのと同じ仕組みでございまして、いわゆる共同部分、廊下とかエレベーターとか公開空地とか、こういったいわゆる準公共的なものについて補助金を出しているということを、ご理解いただきたいと思います。
建て替えができるのかという問題では、技術論も含めて、ありとあらゆる規制緩和をしていかなくてはならないことになるでしょうし、同時に、今、建てたものについて、行政としても補助金投入をしていながら、あとは知らないということになるのではないかと、私は思います。
中地区の賃貸、46m2で21万円だそうです。区営住宅の平均家賃というのは、今、2万3,000円。都営などの住宅応募には百数十倍あるということが、よく出されていますけれども、ほんとうに厳しい経済状態で、住宅に因っているという皆さんが、今、現実に増加をしているわけですよね。ここに80億円の税金を注ぎ込んで、こうした7,000万円からの高級住宅をつくり上げたわけですけれども、その税金の使い方を、しっかりと方向転換をしていくことが必要ではないかと思います。
これを、これまで言っております区営住宅ですとか、特別養護老人ホーム、保育園、こういうものの供給に使っていくべきだと思いますけれども、最後にこの点をお聞かせください。
これは何度も、本会議で答えさせていただいていますけれども、区としては、いろいろな事業を打たなければいけません。区民生活のために。その別の分野のことを、こちらをやめてこちらへ持ってくるということは、結構乱暴なことでございます。
それから、一つご理解をいただきたいのは、再開発事業で投入される税の仕組みにつきましては、例えば、品川区が3分の1、国が3分の1、あとの3分1が事業者側、組合という形で事業を行うわけですけれども、国および品川区が投入した税につきましては、もしこの再開発事業を区がやらなければ、当然一銭も国からはお金が来ません。ということは、やめてしまえば、一銭も福祉のほうに回すお金は、どこからも生れてきません。やればお金が来る、財調もつく、やらなければつかないという事業費でやっているんです、再開発事業というのは。
だから、例えば100億円再開発事業でお金を使っている。これをやめてしまって、100億円、保育園建設に向けようと思っても、びた一文お金は出てこないんです。やめたら、やめただけなんです。やるから税が入ってくる、財調で戻ってくるという仕組みの中で、品川区は工夫をしながらやっている。ここをよくご理解をお願いしたいと思います。
今の話は、最後はどうでもいいよという旨ですよ。そういうことになりませんか。まちづくりというのは、そういう次元ではないはずです。全体を見て、しっかりとしたまちづくりをしていくべきだと思います。
以上で、菊地貞二委員の質疑を終わります。