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菊地貞二区議 2009年度決算特別委員会での意見表明

 2010.11.11 菊地 貞二 区議

2009年度決算特別委員会で日本共産党区議団を代表して菊地貞二区議が意見表明をおこないました。

日本共産党区議団を代表して意見表明をおこないます。

2009年度一般会計決算および国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の各特別会計決算の認定には反対、老人保健特別会計決算には賛成します。

2009年度は民間給与が平均23万7000円も大きく切り下げられました。課税年度でも7万6000円減。格差と貧困が際限なく広がり、年収200万円以下で生計を維持せざるを得ない労働者が全国で1100万人にも達しようとしています。更には不況の深刻化、社会保障の抑制などで人間として当たり前の生活も維持できない区民が増加する中で、いまこそ地方自治体の本旨である住民のくらしを守るために施策展開することが求められますが品川区は、そうなっていません。

以下、反対の理由を述べます。

第一に、区民のくらしが切迫する中で、住民負担に歯止めをかけることもなく、福祉を後景に追いやっている問題です。

認可保育園に入所を希望し申し込んだものの両親が働いていても入れない、育児休暇明けでも入れない実態が明らかになりました。これでは保育に対する行政の責任放棄です。来春の認可保育園2園増設があるもののまったく足りません。更なる認可保育園の増設を柱とし、待機児ゼロとすべきです。

また、特別養護老人ホームに入所を希望する高齢者は9月調整会議で595名。在宅介護が3年を超えなければ入れない、他の施設に入っていれば入れない、これをクリアーしなければ90歳の声を聞いても入れない、これでは何のための介護保険制度かとの声が請願署名に現れています。特養ホームは八潮に続いて杜松小あとに小規模特養ホームの増設を発表しましたが、長年にわたって共産党区議団が求めてきたものであり歓迎します。しかし、これも足りません。大規模施設にこだわらず、小規模でも必要数を早く作るために、年次計画を明らかにすること、国ならびに都有地を活用し増設を進めること、また、住民から特養ホームや保育園の設置を求める声があがっているのに第一日野小跡地を、TOCに長期間安値で貸付けるのは容認できません。区民のために活用すべきです。

税の問題もあります。収入が激減するなか、区民税が払えないと相談におとずれた8000件のうち、減免措置を受けることができたのはわずかに48件。13年連続、29億円の黒字決算を誇る前に、必死になっても区民税の支払いが出来ない生活に、まず目を向けるべきです。青年雇用にかかる問題には、「国の事業であり、対抗して区がおこなうことではない」とする答弁に、濱野区政の冷たさが如実に現れています。

国保料を払いたくても払えない事態を加速させていることも問題です。

国民健康保険料の滞納世帯120件に対し、預貯金口座の差し押さえ、後期高齢者医療では18件の短期証発行。いずれも命の問題なのに、おどして保険料徴収を進めるなど容認できません。保険料を引き下げるべきです。また、介護保険では、保険料の積み立てが20億円を超えています。保険料を引き下げ、サービスの充実を図るべきです。

第二の問題は厳しさの増す区民のくらしをよそに、再開発にはあいかわらず湯水のように税金を注ぎ込む問題です。

09年度は東五反田二丁目第二地区、大崎駅西口南地区、中地区、大井町西地区などに補助金投入。中地区開発は、大手不動産業者のために80億円余の税金投入で1000戸を超える高級マンションを建設したものの販売不振と発表。隣接する南地区は権利変換が頓挫。27億円余の補助金を35億円まで引き上げるとしています。マンション販売の不振と権利変換の破綻は再開発そのものの破綻。それを補助金の増額でゴリ押しするなどはもってのほかです。目黒駅開発は、事業者がかってに描いた計画実現のために用途地域を変更し容積率1050%。補助金は実に200億円。地域住民から、風害や日照の不安が出されているなかで、最大地権者である東京都は活用方法さえ確定しないまま、再開発先にありきの姿勢。更にマンション建設で住民を呼び込みながら保育園や学校、高齢者施設のインフラ整備もなし。容認できません。一方で、住宅に困窮する住民が区営住宅に入居申し込みをしたのは600世帯。年間入居できるのは20世帯前後。高級マンションの建設より、国民年金でも入居可能な高齢者住宅、障害者住宅、区営住宅の建設にこそ力を注ぐべきです。

第三に、中小企業支援の問題です

海外進出を進める区内でも力を持った企業への支援策だけではなく、特養ホームや保育園の建設という区民の願う公共事業を思い切って増やし、雇用の促進と仕事確保を進めること、緊急経済対策として打ち出され装飾灯電気代補助の2倍化や住宅リフォーム助成制度は、助成内容を拡大し次年度以降も継続すること、2015年までに住宅の耐震化率を90%にする計画に責任を持ち、助成金の引き上げや簡易な耐震改修への支援すること、製造業に対する固定費補助を進めるなど、地域経済を支えてきた中小企業への全面支援を求めます。

第四に、区民の声に耳をかさずに進めるプラン21、教育問題です。

少人数学級の編成を求めたのに対し、「学級を少人数にすれば充実するわけではない」と答弁。少人数学級による教育効果が大きいことは全国でも、また国際的にも実証されています。また、一貫校の建設によって、グランドなど学校設備の格差も広がっています。設置基準にそった充実を求めます。学校選択制は、コミュニティーの崩壊につながるという地域、町会からの声に耳を傾けるべきです。定員制を導入するなど実質的に崩壊しているこの制度は即刻見直すよう求めます。

最後に区政運営についてのべます。

区長選を経て、再任後におこなわれた区長あいさつで基本計画にそって粛々と事業を進めていくとした旨の発言がありました。しかし、大事なことは区民生活の実態から出発して基本計画があるべきなのにそうなっていません。国際都市品川と銘打って再開発を推し進める立場にあることや、区民の中で最大の要望ともなっている認可保育園に入れない、特別養護老人ホームにも入れないという実態を改善する年次計画も明らかになっていません。基本計画の見直しを進めるべきです。

以上、わが党は住民こそが主人公の立場で区政運営をおこなうよう求めて意見表明とします。

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