2010.6.25 菊地 貞二 区議
2010年6月25日、品川区議会本会議で、日本共産党菊地貞二区議が行った一般質問と答弁の要旨を以下、 紹介します。
一般質問項目
一般質問 >> 答弁 >> 再質問 >> 再答弁 >> 再々質問 >> 再々答弁 >>
日本共産党区議団を代表して一般質問を行います。
初めに、ものづくりの灯を守るため、機械リース代などの固定費補助と中小企業振興基本条例の制定についてお聞かせを願います。
さきの予算審議の際、ものづくり産業の位置づけをお聞きしましたが、区は「ものづくりの灯を守る、これは区として重要な課題」とした旨の答弁がありました。この見地に立った施策展開を望むものです。。
小泉構造改革路線のもとで、大企業が栄えれば、やがて家計に波及をする、こう言われ続けてきました。実際に大企業の内部留保は、わずか10年余りで142兆円から229兆円にまで拡大。しかし、これらの利益が生まれた背景には、正社員を非正規に置きかえ、中小企業の下請単価を一方的に引き下げて、国民所待を吸い上げた結果です。家計に波及どころか、雇用者報酬は279兆円から253兆円に激減。政府も昨年末の新成長戦略の中で、自公の構造改革が選ばれた企業のみに富を集中させ、中小企業の廃業を増加させ、所得の低迷を招いたと分析しています。
こうした中で、日本共産党は、5月から6月にかけて200件余りの町工場を訪問し、経営状況をお聞きしました。
鮫洲の金属加工工場では、訪問する直前に来た注文の話をしてくれました。材料費込みの加工品4個、 1個500円で材料費が400円、わずかに100円が加工代金。この加工のために動力を使い、潤滑油を使う だけで、加工代金をはるかに超える金額になります。以前は同様の製品が少なくとも100個単位の注文 で、単価は800円程度だったといいますから、際限なく単価の切り下げが進んでいることになります。 「売り上げは以前の2割、とても生活できる額ではない。近くの工場主も「もう家賃代も出ない」と言 って今月廃業してしまった。胸が締めつけられる思いだ」と心情を語ります。
また、南品川の事業者が注文を受ける加工品は、3社から4社の特殊加工を経て1つの製品になりま す。昔からの仕事仲間でそれぞれの技術を駆使して製品を仕上げていたものの、受注の減少と単価の切 り下げで次々と廃業。同様の技術を持っ工場を探したものの、加工単価が受注単価を上回るために断念。 単価の買いたたきがネットワークも崩壊させるに至っています。品川でのものづくりネットワークの崩 壊は、大田の技術と同様に、日本のものづくりと経済が崩壊するに等しいものです。何としても食いと めなければなりません。
中延でフライス加工を営む工場では、「リーマンショック以前の売り上げを100とすれば、現在は3 割程。少し回復はしてきたが、今後どうなるのか先が見えない」と不安を口にします。この社長さん は、日本共産党が要求してきた固定費補助について、「固定費用の補助があればとても助かります」と 語っています。技術がありながら仕事がなく、リース料やローンが支払えなくて機械を持っていかれた り、家賃が払えずに工場を追い出されたりするというケースが現実に起こっています。
これらの実態を改善するために、中小企業基本条例なども必要ではないでしょうか。
中小企業支援は長期基本計画による施策展開で行っているとしていますが、記述をされているのは新 製品開発や高度化に対する支援、力のある企業を支援するというものです。訪問した多くの小規模事業 者は、「必要な業者もいるとは思うが」と前置きをしつつも、「実態を見た施策とは思えない」と感想 を漏らしています。これでは現状を変えることはできません。高い実効性を持つ条例をつくり上げ、中 小企業が置かれている現状を細部にわたって分析し、きめ細かな支援策を充実させるべきです。
全国に先駆けて79年に振興条例を制定した墨田区の事例は、幾度となく議会で紹介をしてきました。 制定の前年、係長級職員165人が区内製造業9,314社に自ら足を運んで、全事業所の悉皆調査を行いまし た。この調査の中で、ひどい環境で家族労働に支えられ、それでも税金を払っている。健康破壊や長時 間労働への対策、支援が急務などの実態が明らかになり、区長、職員の認識が一変したと報告されてい ます。悉皆調査後は、福祉や教育を含む横断的事業として区政に位置づけられています。振興条例が単 なる飾りではなく実際に役立つものになるためには、業者や金融機関、自治体職員などの当事者が主役 となって実践を進めることも不可欠で。 北海道帯広市では、中小企業振興基本条例を制定した後、条 例を具体化するために1年で74回に及ぶ議論。条例の推進体制として中小企業振興会議をつくり、中小 企業の声を生かそうとしています。これらの先進的な自治体の積極姿勢に学んでいくべきです。
もしこのまま従来どおりの中小企業政策を継続し、深刻な状況を放置するなら、単に中小企業の問題 にとどまらず、品川区の経済全体が取り返しのつかない衰退への道を歩むことになります。今こそ中小 企業政策の根本的な転換が必要です。
そこで質問します。
1点目に、区内に営業所を置く大企業に対し、下請単価の一方的な切り下げ発注を是正するよう申し入れるよう求めるが、いかがでしょうか。
2点目に、業者のネットワークが崩壊していることに対する考えをお聞きしたいと思います。
3点目に、ものづくりの灯を守るために、緊急に固定費補助が必要と考えるが、いかがでしょうか。
4点目に、経済産業省は4月16日付で、中小企業の機械リース代、長期間の貸借代金支払いの猶予に応じるよう社団法人リース事業協会に通達をしていますが、これを自治体として中小製造業者に広報し、 事業者とともにリース会社と交渉を行うよう求めるが、いかがでしょうか。
5点目に、中小企業基本条例の制定が急務と考えるが、いかがでしょうか。また、すべての中小企業を対象にした悉皆調査を早急に行うべきと考えるが、いかがでしょうか。
次に、さらなる税金投入で推し進める大崎駅周辺の再開発計画についてお聞きをします。
昨日の質問で宮崎議員が再開発全体にかかわる問題を指摘しました。私は、事業見直しが行われてい る北品川五丁目および大崎西口南地区再開発について絞って質問します。
北品川五丁目再開発は、3.6ヘクタールの開発地域に143メーターの超高層2棟を含む7棟の高層ビル を建設、オフィスと856戸のマンション建設で、総事業費は1,324億円、開発補助金は264億円、補助率 20%という品川区では最大規模の再開発事業となります。
大崎駅西口南地区開発は、百反坂下の約0・7ヘクタールに総戸数205戸の25階建てマンション、24階建 てオフィスの2棟を建設する計画。現時点での総事業費は約266億円、補助金は26億円余。
品川区によると、これらの再開発計画は、リーマンショック以後の地価下落などに伴い、事業計画の 見直しを迫られるに至っています。北品川では、工事費全体の圧縮で当初計画のグレードを下げ、権利 変換における床面積を維持するという見直し。また、南地区は、事業規模との関係で工事費の圧縮だけ では事業が成り立たないために、補助率そのものを引き上げるとしています。
しかし、当初計画は竣工までの年月で、変動する経済状況、需要と供給を考えて組み立てられるので はないでしょうか。80億の補助金を注ぎ込んだ中地区開発では、オフィス需要の低迷で急遽マンション 計画に切りかえたものの販売は低迷。大手不動産業者が目先のもうけを求めて、地域住民の土地を投機 の対象とする都市再生事業そのものが問われる結果となっています。中地区失敗の教訓は、区民が必要 とする開発ではなかったことです。
北品川および南地区の再開発計画も同様です。現在の建物を解体する、こうした事業日程をずらして でも、補助率の見直しなど計画変更を余儀なくされるという不安定なものであることを見ると、区が当 初計画の信憑性をどのように精査しているのか疑問です。精査など一切行わずに、参加組合員の言いな りとしか思えません。
今回のように、事業費にかかわる計画変更がある場合には、認可を取り消し、一から事業計画を構築 させる必要があります。まして補助率の変更は、事業が成り立たなくなれば税金投入というものであり、 自治体の姿勢にかかわる問題です。説明では、補助率引き上げには基準がないということですから、現 在の補助率を2倍、3倍にすることも可能となります。品川区としてもその責任の所在を明らかにすべ きです。
両計画を見直しせざるを得ない最大の理由は、利潤が低下する大手不動産業者である参加組合に利益 を保証するというものであり、自治体の仕事として認めるわけにはいきません。再開発への税金投入を やめ、リーマンショック以後、極端に仕事のなくなった中小業者や仕事をなくした勤労者への直接支援、 区営住宅や特養ホーム増設に力を注ぐなど、税金の使い方に軸足を移すべきです。
質問します。
1点目に、品川区は、再開発組合から提出される当初計画の妥当性をどのように積算し、確認をするのか。当初計画を精査した責任の所在はどこにあるのかを明らかにしていただきたい。
2点目に、北品川開発の補助率引き上げもあり得るのか、また、南地区の補助率をどこまで引き上げるのかについてもお聞かせを願いたいと思います。こうした補助率アップの基準と目的をお聞かせ願いたい。区の胸先だけで補助率上限まで自由裁量ということなのかについてもお聞かせを願いたいと思います。
3点目に、中地区開発の教訓は、南地区、北品川地区の開発にどのように生かされるのか。また、事業見通しについてもお聞きをしたいと思います。
4点目に、認可をされた当初計画と内容を異にするものであり、認可を取り消し、一から妥当性を確認すべきと考えるが、いかがでしょうか。
5点目に、再開発の税金投入をやめるべきと考えるが、いかがでしょうか。税金は生活に根差したまちづくりに活用すべきと考えます。いかがでしょうか。
最後に、暮らしも景気も壊す消費税増税に区長として反対の声を上げるように求めます。
消費税増税と法人税減税をセットで進めよの大合唱が始まりました。4月に日本経団連が発表した 「成長戦略2010」では、法人税減税と一体で消費税増税を要求。これを受けた経済産業大臣も、法人税 の15%削減、来年から5%削減をと表明。こうした財界の強い要求のもと、民主党・菅直人首相は、自 民党の掲げた税率10%を参考に、今年度中に消費税増税の方針を取りまとめると言明しました。乱立を する新党も消費税増税を主張。選挙後には、法人税減税と消費税増税の大連立に突き進もうとしていま す。
法人税25%となれば9兆円の減収、消費税率10%となれば、4人家族で年間34万円の消費税負担とな り、増税分の8割が法人税減税の穴埋めとなります。一体どこまで区民の暮らしをどん底にまで突き落 とす政治なのか、怒りを禁じ得ません。消費税は所得が低い人ほど負担が重く、中小零細企業は身銭を 切ってでも払わなければならない、二重に弱い着いじめの税金です。一方で、販売価格に転化できる大 企業は1円も負担しなくて済む上、輸出大企業には莫大な戻し税が還付されるという、大企業優遇税制 でもあります。
229兆円にも膨れ上がった大企業の過剰な内部留保と利益を雇用と中小企業に還元し、内需を活発に することで日本経済を健全な発展の軌道に乗せ、税収を確保する経済改策をとるべきです。日本共産党 は、大企集減税の穴埋めに消費税増税という道に断固として反対をします。
消費税増税の言いわけは、使い古された「財源不足」「社会保障のため」を口実にしています。消費 税が導入された翌年の1990年の税収総額は60兆,000億円、2010年度には37兆4,000億円と6割にまで減 少しました。その理由は、所得税が26兆から12兆6,000億円と半分以下、法人税は18兆4,000億円から6 兆円と3割にまで減少しているからです。なぜこういうことになったのかは明らかです。所得税の最高 税率や法人税率を引き上げ、株でのもうけは10%の軽減税率として、大企業、大資産家の優遇税制を拡 大したことによるものです。結局、消費税が導入されて以来の21年間で消費税は累計で224兆円、一方 で、同時期の法人3税は208兆円の減収。消費税は、軍事費増加分の23兆円と合わせて大企業減税の穴 埋めに使われてきたのです。これらを是正し、政党助成金や米軍への思いやり予算、軍事費や大型公共 事業、再開発にメスを入れるなら、財源の確保は十分に可能です。「社会保障のため」という口実が通 用しないことも、20年間を見ると明らかです。
年金や健康保険料、住民税や所得税を支払いながら、健保本人の医療費自己負担率は1割から3割に 増加、国民年金保険料は約2倍、厚生年金の支給開始は60歳から65歳に引き上げられるなど、数え上げ れば切りがないほど社会保障も福祉も後退をしてきました。法人税が高いなどの的を射た話ではありま せん。政府の調査でも、大企業の海外進出の理由は、現地の需要と安価な労働力が圧倒的です。税制の 優遇を挙げたのはわずかな企業にしかすぎません。これは当然のことです。日本の企業は法人税と社会 保障の事業者負担を含めると、ヨーロッパ企業の7割から8割しか負担をしていません。しかも、研究 開発補助金などで優遇税制を受けています。だからこそ229兆円もの海外投資資金を蓄財できたのです。 いずれをとっても消費税増税、法人税減税の理由にはなりません。
日本共産党が実施した区民アンケートにも、厳しい暮らしの実態が寄せられています。1,319通の回 答で、消費税増税に反対が55.9%、賛成は26.0%となっています。この中で記述欄を見ると、ご夫婦で 飲食店を営み32年になるという方は、「消費税はお客さんからは本当にもらいづらく、ランチではもら つていない。ところが、もらわないのはそちらの勝手と、赤字であろうが売り上げの5%を取り立てに 来る。国に金がないのはわかるが、こんなに景気が悪いから、必要だと思っても出せないのが実情。一 番取りやすいところから、庶民から取ればいいという、江戸時代の悪代官と同じ発想だ」、このように、 述べています。
区長はこれまで、消費税は国税で、国政の場で論議をされるべきだと繰り返し、賛否は述べてきませ んでした。区民の暮らしにも営業にも重い負担がかかる増税に対し、区長として明確な態度を示すべき ではないでしょうか。
そこで質問します。
消費税の増税が区民の生活、商店街などの区内中小業者への営業、また、区内経済に与える影響をど のように考えるのか、それぞれに答弁を願います。
2点目に、財界発の大企業減税の穴埋めに消費税増税という動きは、財政再建にも福祉向上にも役立 たず、あまりにも身勝手な要求です。区長としての見解をお聞かせください。
3点目に、区民生活に深刻な打撃となる消費税増税に反対を表明し、国に中止を働きかけるべきもの と考えますが、いかがでしょうか。
以上で私の一般質問を終わります。
私からは消費税増税に関するご質問にお答えを申し上げます。
消費税も含め、税制のあり方につきましては、国の責任においてさまざまな角度から検討がなされて おります。とりわけ消費税につきましては、昨日告示されました参議院選挙の中でも議論されているこ とでありますので、一自治体の行政を預かる者として言及すべきこととは考えておりません。
その他のご質問につきましては、担当の部長等よりお答えをさせていただきます。
私からはものづくり産業支援に関するご質問にお答えします。
企業は、いわゆる下請法など法令を遵守し、適切な商取引を行っており、下請代金の一方的な減額な ど法令が守られなかった場合は、国の適切な機関より当該企業に対する調査・勧告等が行われておりま すので、区といたしまして大企業に改めて申し入れる考えはございません。
次に、業者のネットワークに関するお尋ねですが、区内では相互に連携をとり、この不況を乗り越え ようとしている事例も数多くございますし、区といたしましても、新たなネットワーク形成がされるよ う、企業間グループ全体あるいは個別グループ向けの各種の支援を行っているところでございます。
また、固定費への補助についてですが、区では、家賃への支払いなど運転資金にも利用できる3年間 無利子の融資あっせんを昨年の1月から実施し、本年度におきましても、来年3月まで継続していると ころでございます。既に製造業をはじめ多くの中小企業の皆様にご利用いただいております。区といた しましては、各種事業による販路拡大支援、経営相談の充実などを総合的に行い、個々の企業に力をつ けていただくことで区内産業の振興を図っていくことが重要であると考えております。個別の現金給付 となる固定費の補助を行う考えはございません。
また、経済産業省の通達等につきましては、今後もしながわ産業ニュース等で周知を図ってまいりま す。
リース会社との有効な交渉の方法や手段、さらに、資金繰りの適切化などの経営に関する相談につき ましては、相談員を増加し、積極的に行っているところです。
中小企業振興基本条例の制定についてでございますが、中小企業の振興につきましては、昨年策定し た長期基本計画に基づき施策を着実に進めるとともに、中小企業の皆様とは日ごろから情報交換や情報 提供を行い、経営セミナーや講座の開催、各種助成の実施等に努めております。
さらに、緊急時には効果的な経済対策を実施するなど、実効性を優先させながら着々と進めており、 振興を図っているところでございます。
また、製造業に関しましては、昨年12月から本年3月にかけまして既に全件調査を実施しており、販 路拡大につながる製造業データベースを更新・充実したところでございます。
私からは大崎駅周辺の再開発計画に関するご質問にお答えいたします。
まず、再開発事業計画の妥当性の調査、確認の方法ならびに責任の所在についてですが、都市再開発 法では、市街地再開発組合を設立するには都知事の認可が必要とされており、認可に当たりましては、 資金計画や事業施行期間等の書類の提出を受け、都知事が審査することと定められております。
次に、補助の考え方ですが、市街地再開発事業等補助要領などに定められた補助対象事業費の3分の2を上限とし、組合の作成した事業計画を精査し、地区ごとに適切な補助額を定めるものでございます。
このような考え方に従い、事業計画変更に伴う補助額を精査中ですが、北品川五丁目地区では、事業 費に占める補助額の割合は当初と同程度の数値であり、大崎駅西口南地区では、補助制度の限度内で再 精査を行った上で、若干この割合を引き上げる予定でございます。
とりわけ補助額につきましては、再開発ビル等の建設とあわせて整備される公開空地などの地域貢献 施設を精査し、評価することを通して算定するものであり、自由裁量で定めるものではありません。
次に、大崎駅西口中地区につきましては、販売中の住宅は、既に再開発組合から参加組合員の不動産 業者に譲渡されており、再開発事業そのものは健全に成功しておりますので、この事業から得られる教 訓といったものは特にございません。
また、北品川五丁目地区および大崎駅西口南地区の事業の見通しについてですが、景況の変化を踏ま えまして事業費を見直しておりますので、今後、事業は順調に進むものと考えております。
次に、事業計画の変更が生じる場合については、都市再開発法の定めに従い、市街地再開発組合は都 知事の変更認可を受けますが、一から認可を受け直すものではございません。
次に、再開発事業に関する補助の考え方ですが、まちづくりにはさまざまな行政分野があり、一方を やめて他方を手厚くするということではなく、バランスを図りながら行政運営を行っているものでござ います。
自席から再質問させていただきます。
まず、区長が答弁くださった消費税の問題です。たくさん答弁漏れがあるんだというふうに思います。 先ほど、ほとんど答弁をするものではないというようなことで終わりましたけれども、私は、区民の生 活あるいは中小業者への営業の影響、また、区内経済にどういう影響をもたらすのかということについ てもお聞きをしたわけです。ですから、その点については明確にご答弁を願えればというふうに思いま す。
それから2つ目に、製造業のところなんですけれども、まず1つにはネットワークについて、私は今、 製造業のところでのネットワークは崩壊をしてきているということでお聞きをしたわけですけれども、 今のご答弁だと、いろんなほかに施策をやっているので、そういうところでカバーできるんだというよ うな感じのお話だったのかなというふうに思いますけれども、私は、業者が持つネットワークの重要性 というのは、営々と築かれてきた仕事の流れの中で、材料屋さんでもそうですし、同業者についてもそ うですし、そういうところがあって初めていろんな製品がつくり上げられてくる。ですから、ネットワ ークそのものについてお聞きをしたので、その辺はちょっともう一度ご答弁を願いたいなというふうに 思います。
私、区がいろんな中小企業を支援している、これは十分わかっています。ただ、このまま放置をして おけば、せっかくの品川のものづくりの灯は消えていくというふうになると思います。この辺のネット ワークの力が失われていけば、区の言う新製品の開発そのものもできないようになっていくわけですか ら、その辺についてぜひもう一度ご答弁を願いたいというふうに思います。
それから、開発のところですけれども、民間の再開発計画に税金を入れるわけですから、妥当性につ いての調査というのは慎重であってしかるべきものだというふうに思うんですよね。今の答弁だと、当 初確定した、都が精査をし、資金計画も含めて精査をするんだという話でしたけれども、今の話だと、 補助率を変更するということの答えにはなっていないんですよね。その辺もう少し明確にしてください。 こういうことに関する精査し切れなかった責任というのはあるんだと思うんですけれども、新たに20億、 30億という税金を追加するわけですから、その辺はもっと明らかにしていただきたいなというふうに思 います。
以上です。
税と国民、あるいは税と区民、あるいは税と区民生活の関係というものは、その 税がどのように使われるかによって大きく変わってくるものと考えております。そしてまた、消費税を どのように使うかというのも、今、まさに国政選挙の中で大きく議論をされていることでありますので、 先ほども申しましたように、一自治体の行政を預かる者として言及すべきことではないと考えておりま す。
以上です。
菊地議員の再質問にお答えいたします。
つの部品をつくるのでも数社の企業のグループでつくり上げていく、そのうちの1つが崩れれば全 体が崩壊するのではないかということでございます。さまざまなご相談を品川区でもお受けしておりま す。そうした際に、経営の相談あるいは新たな分野へのアイデア等、そういったものをきちんと伺いな がら情報提供あるいは相談に乗っていくというきめ細かな施策が大切と考えております。そうした努力 の積み重ねを区といたしましてもしておりますので、その方向で進んでまいりたいと考えております。
私からは、再開発事業の妥当性の件について慎重にという お話がございました。事業計画については当然慎重にやるべき話でありますし、東京都のほうもそうい う慎重に精査した上で一定の判断をするということでございます。
それと、補助率の件でございますけれども、補助率ではなくて補助額ということで認識しております。 これにつきましては、補助対象項目というものが基本計画とか市街地整備費とか、そういうことに一定 程度限定されてございます。その中で、事業の内容あるいは計画の内容を精査して、額としてきちっと した積み上げを行って、それが補助率の3分の2の範囲の中でおさまっているということで、適正な審 査を行った上で判断されるということでございますので、率が事業費に対して何%あるかという考え方 とは若干考え方を異にするものでございます。
再々質問ですので、簡潔に願います。
消費税についてですけれども、今、影響についてもご答弁されないということでしたけ れども、税金をどう使うかという話がありました。今、長期の債務残高がつくり上げられたというのは、 アメリカから要求された公共投資630兆円、これを使ってきたことによるものだというふうに思います。 膨れ上がった債務残高で区民の暮らしが痛めつけられるわけですから、これらについて区長として影響 をしっかりと述べるということが私は必要だというふうに思います。これは意見として申し述べておき ます。
それから、開発についてもう1つお聞きをしたいんですけれども、ご答弁の中でどうしてもはっきり してこないのが、東京都が精査をする。先ほどの資金計画なんかも含めて、東京都が精査をする。精査 をするのであれば、どうして現状のように、補助額ですか、補助率ですか、引き上げることに対する、 それが東京都なのか区なのかはわかりませんけれども、どうしてそのことに対する最初の精査が間違っ ていたよという、そうした答弁が出てこないのか、ちょっとそこをもう1つお聞かせ願います。
補助率の引き上げに関するご質問でございますけれども、 なぜ最初の精査が間違いだったということについてのご意見でございますけれども、基本的には景況の 中で事無計画も当然変化するものでございます。これが都市計画の変更内容ということになれば、その 計画の変更が必要でございますし、それを前提として、資金計画を含めた権利変換計画、これが社会の 景況の中で当然調整されるべきものでございますし、当然、引き上げ等の額についても、そういう事業 計画の一定程度のグレードを落とすとか、そういう見直しがきちっとありますので、それに基づいて精 査をした中での当然限度額に下がっているという判断の中で全体調整を行っているということでござい ますので、最初の精査が間違いであるとか、そういうことでは何らございません。
以上で、菊地貞二君の質問を終わります。
以上