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みやざき克俊区議「私債権管理条例」に対する反対討論

 2011.3.29 みやざき 克俊 区議

2011年3月29日、品川区議会本会議でみやざき克俊幹事長がおこなった私債権管理条例に反対する討論を紹介します。

 

日本共産党区議団を代表して、第10号議案「品川区私債権等の管理に関する条例」および第11号議案「品川区債権管理審議会条例」に反対の立場で討論を行います。

私債権管理条例は、近年、収入未済=未収金が増えている中で、債権徴収強化を目的に制定するものです。私債権つまり区民税や国民健康保険料、介護保険料など強制執行権がある債権ではなく、区に自力執行権がない債権、区営住宅や区民住宅使用料、保育料、学校給食費などの徴収力を強化するために、債権が発生するときに必要事項を定め、債務履行期限を延長する時に必要な条件をつけるものです。女性福祉資金や奨学金、介護福祉専門学校修学資金についても徴収強化のための条例改正を行うとともに、いわゆる不良債権の処理の基準を定め、放棄などの審議を行う機関として債権管理審議会を設置します。

条例は、債権が期限までに返済されない場合、期限後35日以内に督促状の送付、それでも返済されない場合は担保権の行使や保証人への請求、債務名義者への強制執行、さらに、訴訟を起こすなどの手続きを定めています。女性福祉資金貸付や奨学金、介護専門学校修学資金についても、区長が繰上げ返済を求めることができる規定を、現行の「故意に償還金の返済を怠ったとき」、「返済の意思が認められないとき」を変えて、「償還金の返済を継続して怠ったとき」にします。個々の事情は無視して、「返済されていない」という事実だけで機械的に強制徴収の手続きに入るというものです。一方、債権徴収の停止や延期については、資力がない場合や取立費用の方が高くなる、徴収を延期した方が有利になる場合に限定しています。

この条例は、私債権の徴収を訴訟などの圧力を背景にして機械的・強制的な徴収の手続きをすすめる仕組みをつくり、強制執行できる区民税や国保料などの公債権と同じレベルで取り立てを可能にするものです。さらに、徴収事務の外部委託も可能になっています。私債権の管理は、債権の適正管理を定めた現行の地方自治法第240条や地方自治法施行令第171条の規定のもとでも十分に可能ですが、あえて条例化することにより、保育料や区営住宅使用料など、区民生活に直接かかわる福祉的要素の強い私債権に対して、機械的、画一的、強権的な取り立てをすすめるものです。これが、いまやらなければならないことでしょうか。

特に、失業者が増大、区民のくらしと営業はますます厳しくなっていることは、この間の予算審議などでも明らかになっています。学校を卒業しても仕事がない、あっても派遣など低賃金不安定雇用しかないのが実態です。機械的、強権的な取り立ては、区民を苦しめるだけ。経済的自立を図る女性福祉資金の目的、人材育成の奨学金の目的とも両立しません。品川区は財政効率を最優先にして700億円もの基金をつくってきました。いま区がやるべきことは、返済が困難になっている方々の相談に乗り、返済できるようにくらしを立て直すための支援です。もっと区民に配慮したあたたかい対応をするように求めて、討論を終わります。

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