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鈴木ひろ子区議 2011年第3回定例会一般質問「介護保険料引き下げ・特養ホーム増設」「災害時支援計画」「住宅リフォーム制度」「放射能汚染対策」

2011.9.22 鈴木 ひろ子 区議

2011年9月22日第3回定例会で一般質問を鈴木ひろ子区議が行いました。
質問内容は次のとおりです。

  1. 介護保険料の引き下げ、特養ホームの一日も早い増設を
  2. 障害者・患者・高齢者の災害時支援計画の策定を
  3. 深刻な不況のもと、住宅リフォーム制度の復活と拡充を
  4. 放射能汚染から、子どもと国民の命と健康を守る対策を

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日本共産党を代表して一般質問を行います。

介護保険料の引き下げ、特養ホームの一日も早い増設を

今年度は、来年度から3年間の第5期介護保険事業計画を策定する年です。策定にあたって4点質問します。

はじめに、介護保険料の引き下げを求める質問です。

高齢者の生活は年々大変になるばかりです。年金額の切り下げに加え、国保料の毎年の値上げ。特に今年は算定方式の変更で、障害者や扶養者のいる世帯、医療費がたくさんかかる高齢者世帯を直撃しました。来年は、後期高齢者医療の保険料改定の年で、広域連合の試算では、都の軽減策がとられたとしても大幅値上げが予定されています。

国も、財政安定化基金や区の介護給付費準備基金の取り崩しを行い、介護保険料の値上げ幅を押さえるよう求めています。

質問

  1. 品川区の介護給付費準備基金の21年度、22年度の決算額、23年度末の予定額はいくらになるか。準備基金を取り崩し、保険料を引き下げるよう求めます。
  2. 財政安定化基金は、区の分だけでなく、都や国の拠出分についても保険料引き下げのために活用するよう国や都に求めるべきと考えます。
  3. 保険料の徴収方式をさらに多段階にし、低所得者への負担割合の引き下げを求めます。
  4. 全国市長会が求めている国の負担割合の引き上げを、区としても強力に国に求めるべきと考えますがいかがでしょうか。

2つ目は、特養ホームの増設計画についてです。

今年5月、11年ぶりに八潮地域に特養ホームが増設され、さらに、2014年開設で杜松小学校跡にも建設予定です。これは区民の願いと長年の運動に応えるものであり、あらためて歓迎いたします。

6月議会で区は、「杜松小学校跡以降も増設を行う。そのために民間の土地取得の情報を積極的に収集する」と述べ、「これは、今までより積極的な意思を表明したもの」と強調しました。そうであるならば1日も早い増設計画を明らかにすべきです。また、用地費の補助金の復活を都に求めるべきと考えます。

特養ホーム入所待ちの人は600名を超え、今後さらに増えます。高齢で介護する方からは「共倒れになる」、重度の要介護者をかかえる方からは「仕事と介護で毎日が地獄のよう」など辛い訴えが寄せられています。区民の切実な願いに応えるべきです。

質問

  1. 8月締め切りの、特養ホーム入所申し込み者数をお知らせ下さい。
  2. 区は、「増設のための民間土地情報を積極的に収集する」と述べましたが、区の独自財源で購入するということか。現在の土地取得の見通しはどうでしょうか。
  3. 第5期介護保険計画に、いつまでに何床増設するかを具体的に明記し、1日も早い増設を求めます。

3つ目は、介護労働者の処遇改善についてです。

介護職員の給与を月額1万5000円アップさせるとして設けられた「介護処遇改善交付金」により若干改善したとはいえ、低賃金と人材不足は依然厳しい状況が続いています。ところが交付金は今年度で終了。現場の管理者からも「打ち切られたら、ただちに労働者の賃下げになる」と悲痛な声が上がっています。

処遇改善交付金は、来年以降も継続し、さらに対象職種の拡大や補助額の増額を行うよう国に求めるべきと考えますがいかがでしょうか。

4つ目は、6月改定の介護保険法で創設された、介護予防・日常生活支援総合事業(以下総合事業)を行わないよう求めます。

総合事業は、介護保険給付費の削減を目的にして、要支援1・2の人を介護保険から排除し、安上がりのサービスに置き換えるものです。市町村が独自に行う事業であり、有資格のヘルパーからボランティアへの切り替えや、利用料も1割以上への引き上げが可能。財源の保障もありません。

要支援の人は、2005年の改定で、すでにベッドや車椅子を取り上げられ、ヘルパーさんを減らされ、たいへん辛い思いをさせられてきました。これ以上、追い討ちをかけるようなことはすべきではありません。特に品川区では、介護認定が低く抑えられ、要支援者は34.3%と全国平均の26.1%より8.2%も上回っており、他の自治体と比べて区民の間に深刻な事態を引き起こすのではないかと心配です。

総合事業を行うかどうかは市町村が決定ことになっています。要支援者が今まで通り介護保険サービスを受けられるよう、品川区が介護予防・日常生活支援総合事業は行わないことを求めますがいかがでしょうか。

障害者・患者・高齢者など災害時要援護者の支援計画の策定を

東日本大震災で、障害者・患者・高齢者などの災害弱者は、地震や津波などの避難情報さえまともに届かず、逃げることもできずに、政府の発表でも一般の方々の2倍の死者、行方不明者とされています。その後の避難生活でも、必要な支援や医療、生活サポートが受けられず、長期にわたって厳しい生活がつづいています。

区内でも、障害者・患者・高齢者やその家族に大きな不安と混乱をもたらしました。この教訓を最大限生かして、予想される首都直下型地震などに備えて、災害時要援護者に対する支援計画を早急に策定すべきと考えます。3点質問します。
第1に、災害時要援護者登録の拡充についてです。

障害手帳保持者は、身体障害者手帳9253人、愛の手帳1495人、精神障害者保健福祉手帳1304人。さらに介護認定者は10956人で合計2万人を超えます。これに加えて一人暮らしや高齢者世帯を考えると要援護者はさらに多くなります。ところが現在、区で災害時要援護者登録がされているのは、わずか3000人。要援護者の実態を把握することなしに必要な支援はできません。

質問

  1. 区は、災害時要援護者の対象をどのように考えているか。現在の手上げ方式から、福祉関係部局や民生員など関係者を総結集して直接働きかける同意方式に変えて、区が責任を持って要援護者全体の状況を把握するよう求めます。
  2. 本人参加のもとに支援プランを策定し、本人同意の上、関係者に配布、徹底することが必要だと考えますがいかがでしょうか。

2つ目は、福祉避難所の設置についてです。

被災地では、「障害者が一般避難所の床には横になれず10日以上も車イスに乗ったままだった」「自閉症の子が騒ぐので避難所の中には入れず駐車場の車の中で生活をしていた」「年老いた家族と倒れ掛かった自宅で食料も支援物資も情報も届かない孤立した生活が長く続いた」など深刻な実態が報告されています。

品川の障害者団体が取ったアンケートでも、「大きな声や泣き声に敏感なのでパニックを起こすのではないか」「発達障害のほかに身体障害があり、個室のない避難所では装具などの着脱が困難」「大勢の中でてんかんの発作が起こったらどうしよう」など切実な声が出されています。

現在品川区では第2次避難所を福祉避難所として位置づけ、シルバーセンターなど20箇所を指定しています。しかしそこは段差があり、ベッドや車イス毛布などの必要な備品も、食糧の備蓄も支援の体制もありません。

質問

  1. シルバーセンターを福祉避難所として整備すると共に、特別支援学校や障害者施設、特別養護老人ホームなどを福祉避難所として指定し、必要な備蓄と支援の体制を取れるようにすること。
  2. 一般避難所の中にも福祉避難室を設け、専門家の相談や支援の体制が取れるようにすること。
  3. 一般避難所か福祉避難所か、本人や家族からあらかじめ希望を取り、はじめから福祉避難所にも避難ができるようすること。

以上、提案しますが、いかがでしょうか。

3つ目は、区の災害時要援護者への支援計画を早急に策定するよう求めます。

国は平成18年に「避難支援ガイドライン」を策定、それを受け、東京都は平成19年に「災害対策推進のための指針」「防災行動マニュアルへの指針」を策定し、要援護者支援の方向を示しています。

質問

  1. 4〜5年も前に国や都が示したガイドラインや指針がなぜ品川区で具体化されなかったのでしょうか。
  2. 大震災が起こった今こそ、区が要援護者支援計画を策定するよう求めます。防災関係部局と福祉関係部局で、災害時要援護者支援班をつくり、平常時から、要援護者情報の共有化、避難支援プランの策定、要援護者が参加する防災訓練の計画・実施。また災害時は、避難情報等の伝達、避難誘導、安否確認、避難所の要援護班等との連携・情報共有などの体制を急いで具体化すべきと考えますがいかがでしょうか。

深刻な不況のもと、住宅リフォーム助成制度の復活と拡充を

長引く不況の影響は建設業にとっても深刻です。仕事が激減、職人の賃金は下がるばかりで、就労者数の減少に歯止めがかからず、世代交代もできないなど危機的な状況です。

品川区は昨年、区内中小業者の仕事を確保し、受注を増やすことで地域経済の活性化を図るとして『住宅リフォーム助成事業』を実施。これは、エコ住宅改修やバリアフリー化、防犯・防災対策、介護保険住宅改修給付など国や区の助成制度や保険給付制度を活用したリフォーム工事、そのいずれかと同時に行うその他のリフォーム工事を対象に、助成は工事費用の5%、上限10万円というものでした。対象が非常に幅広く、一般の住宅リフォーム全体も対象となる制度であり、建設4組合の長年の要求を実現させたものです。1年間の事業実績は、108件、助成総額は707万7000円ですが、総施工金額は2億5600万円、経済効果はなんと36.2倍と大きな実績を生み出しました。ところが、この事業はたった1年で廃止されてしまいました。

替わって今年度から実施された「エコ&バリアフリー住宅改修」は、目的から「区内中小業者の仕事の確保、受注の拡大」そのものが外され、対象工事も「エコ住宅」と「バリアフリー住宅」の改修のみと極端に狭められました。助成額が2倍に引き上げられたにもかかわらず、申請は5ヶ月間で13件、LED照明器具設置工事を含めても19件と昨年度の半分以下となってしまいました。とくに、一般リフォームで注文の多い、クロスの張替えや、台所・トイレ・風呂などの改修、屋根や外壁の塗装、ふすま・畳の張替えなどが対象から外されたことによるものです。

不況がいっそう深刻になる中で、「住宅リフォーム助成事業」の復活と拡充こそ必要です。

質問

  1. 昨年度の住宅リフォーム助成事業の効果をどう評価をしているのか。なぜ、この制度をなぜなくしたのか。
  2. 今年度、「エコ・バリアフリー住宅改修事業」に切り換えたことにより、昨年のリフォーム助成制度と比べ申請件数が激減しているが、その理由をどう考えているか、お答えください。
  3. 区民や建設業者から喜ばれている昨年度の住宅リフォーム助成制度を復活させ、補助額を10%に引き上げ、限度額も増額、申請の手続きの簡素化など制度の拡充を求めますがいかがでしょうか。

放射能汚染から、子どもと国民の命と健康を守る対策を

原発事故は、いまだに収束の見通しすら立たず、大量かつ広範囲に広がった放射能汚染から、国民、とりわけ放射能汚染の感受性が高い子どもたちの命と健康を守ることは、日本社会に問われる重大問題です。

放出された放射性物質の総量は、「広島原発の20個分」という莫大なもので、これを除染し、適切な方法で処理し、封じ込めるという事業は、人類がこれまでに取り組んだことがない一大事業です。国にその対策を強力に求めるとともに、区としても区内の子どもたちを守るために、率先して、でき得る限りの対策を行うことが求められています。

放射能による健康被害は急性障害だけでなく、晩発性障害があります。放射線被ばくは少量でも、将来発がんなどの危険性があり、放射線被ばくは、「これ以下なら安全」という「しきい値」はなく、少なければ少ないほど良いというのが放射線防護の大原則です。
現在の科学では、放出された放射能を無害化することはできませんが、汚染された土壌の除染など放射性物質をできる限り生活環境から切り離すことで人間が浴びる放射線量を下げることはできます。

区民にも心配が広がり、関西や九州、沖縄などに避難された方もいます。ある小学生の母親は「事故以降、土壌測定もされないのに校外学習で公園でのザリガニ捕りや運動会など例年通り実施された。中央防波堤見学では焼却灰から高濃度の放射性物質が検出されていたにもかかわらず、マスク着用の指示もなく子どもたちは参加した」と学校の対応を告発しています。ある母親は「保育園の給食について、食材の産地を尋ねたが、流通している物は全て安全だと言われ、さらに不安になった」と言います。小学生のわが子に水筒と弁当を持たせている母親は「周囲からは過敏すぎると言われるが、放射能から子どもを守りたい一心です」と思いを語っていました。

また、ある母親は「兄弟をつくってあげたいが、いつ産んだらいいか。何年後ならいいのか。それともあきらめるべきなのか」という切実な声も寄せられています。「かけがえのない子どもを守りたい」という母親の切なる願いに応えることこそ求められています。3点質問します。

第1は、放射能汚染の実態調査と除染についてです。

品川区は6月13日から大気中の放射線量、土壌、プールの放射性物質を測定しています。しかし、空中線量は2ヶ所の保健センターのみ、土壌の測定は、小中学校の校庭、保育園の園庭、公園の砂場の1箇所で行うもので、これでは、汚染の高い危険なホットスポットを見つけることができません。

  1. 空中放射線量と土壌汚染の測定は、私立も含めた学校や保育園、幼稚園、通学路、公園など子どもたちが近づく場所と、芝生や草むら、滑り台の下、側溝など「ホットスポット」になりやすい場所をきめ細かく系統的に行い、放射能汚染の全体的な実態を把握すること。そして「放射能汚染マップ」を作成すること。
  2. 測定の結果、汚染程度が高いところがあれば、ただちに除染を行うこと。
  3. 放射能汚染の測定を希望する区民に対して、測定器の貸し出しを行うこと。

以上、求めますがいかがでしょうか。

第2は、子どもたちの内部被ばくを抑える対策についてです。

  1. 品川区でも学校給食にすでに放射能に汚染された食材が一部使われました。子どもたちの内部被爆ゼロを目指し、学校や保育園の給食食材の安全確保が必要です。都に検査体制強化を求めるとともに、区民の不安に応えるためにも、区が独自に食品検査機器を購入し、検査体制をつくることを求めます。
  2. 国に対して、暫定基準値を超える食品を市場に絶対流通させない仕組みを作るよう求めて下さい。同時に、専門家や消費者、生産者などの意見を踏まえ、暫定基準値の検証、見直しを行うよう国に求めて下さい。

第3に、放射能汚染問題に対する区民からの相談窓口を設置するよう求めますがいかがでしょうか。

答弁

濱野健区長

私からは、介護保険料と特別養護老人ホームにつきましてお答えを申し上げます。

1点目の、介護保険給付費準備基金は、21年度で26億6,000万円、22年度で22億円となっておりまして、23年度末では19億円と見込んでおります。

次に、財政安定化基金の国、都の拠出分の活用でありますけれども、保険料低減のために基金を取り崩しできる範囲は基金全体の3分の1に当たる区市町村分とされており、ご指摘の国と都の負担分を保険料低減に活用することは想定されておりません。また、保険財政の安定という基金設置の本来の目的を踏まえて取り崩しが求められているものであります。

次に、区の介護保険給付準備基金の取り崩しにつきましては、介護保険料を引き下げるため、第四期において約9億円を取り崩す計画となっております。このことによりまして、月額354円の引き下げを既に実施をしておりまして、第五期におきましても将来を見据えて検討しているところでございます。

保険料の多段階化につきましても同様でございます。

次に、国の負担割合引き上げにつきましては、全国市長会におきまして従前より国に要望しているところであります。

2点目の、8月締め切りの特養の申し込み者数でありますけれども、591名であります。

次に、特養の土地の取得のご質問でありますけれども、現在土地の取得のめどは立っておりませんが、今後の高齢者の増加を踏まえ、特養の増設につきましてはさまざまな角度から検討してまいります。

次に、第五期介護保険事業計画への具体的な数字の明記につきましては、取得できる土地の規模等によりベッド数が左右されることから考えておりません。

3点目の、処遇改善交付金の継続につきましては、介護職員の処遇の改善状況を踏まえますと一定の効果はあったと考えております。今後の具体的な取り扱いにつきましては、国の議論の行方を注視してまいります。

4点目の、要支援者の介護サービスにつきましては、区としては基本的に継続をしていく考えでおります。

片田友昭防災まちづくり事業部長

私からは、災害時要援護者と住宅リフォーム助成に関するご質問にお答えいたします。

まず、災害時要援護者についてですが、災害時要援護者の対象は要介護1から5までの介護保険認定者で、施設入所者以外の方、および身体障害者手帳の保持者のうち、総合等級1から3級までの肢体不自由者、聴覚障害者、視覚障害者を対象としております。また、要援護者登録には、障害者施設や高齢者施設に入居されている方は要援護者であっても登録の対象としてはおりません。対象の把握は、現在調査書を直接対象者に送付し、回答のあった方を登録する方法で行っております。調査に際しては、民生委員やケアマネージャー等の協力を得て対応してきており、引き続き要援護者の把握に努めてまいります。また、支援プランづくりについても、要援護者本人の同意を得て行っており、災害時における活用についてはプライバシーへの配慮から、本人の了解を得て町会などに配布しているところでございます。

次に、要援護者の避難所に関してですが、シルバーセンターや障害者施設、特別養護老人ホームなどは、現在の地域防災計画では二次避難所として位置づけております。二次避難所は、施設により設備の違いがありますが、要援護者の実態も踏まえて、今後必要な対応について検討を行っていく考えでございます。また、一次避難所については、学校避難所連絡会議での協議のもと、要援護者用のスペースを設けており、必要に応じて医師会等との連携の中で専門家の相談が受けられるような体制としております。また、避難所の選択については、原則、一次避難所に避難していただくことになりますが、本人の状態を踏まえ、必要に応じて二次避難所に避難していただくことも考えております。

次に、ガイドラインについてですが、東京都では平成19年に「災害時要援護者防災行動マニュアルへの指針」を改定しており、これに基づき対策を進めてきたところですが、区として明確な方針を定めるため、平成22年3月に「災害時要援護者の安全確保に関する要綱」を制定し、個別支援計画の策定を目標として、現在、モデル町会や自治会を選定して計画の策定に取り組んでいるところです。今後は、このよぅな取り組みを踏まえ、対象となる町会・自治会を増やし、全町会・自治会で計画が策定できるよう、働きかけていく考えでございます。また、要援護者対策の取り組みは、平時からの見守りの延長で対応することが望ましいことから、地域センターを核としたふれあいサポート活動や各種の要援護者情報を持つ福祉部局等との連携をとるとともに、各町会・自治会が主体となって行う避難誘導ワークショップや要援護者参加による避難訓練などとも連携を図りながら体制を整えていく考えでございます。

次に、住宅リフォーム助成に関するご質問にお答えいたします。

まず、昨年度の住宅リフォーム助成事業の効果についてですが、この事業により受注された工事の金額は2億5,000万円を超え、受注の拡大には一定の効果があったと考えております。さらに区内建設業者に限定した制度であったため、その信頼度をPRできたことも評価できるものでございます。また、建設業の実態は、震災の影響もあり、依然厳しい状況は続いておりますが、住宅リフォーム助成制度を活用した区内中小業者からは受注の増加につながったとの声も聞いており、住宅リフォーム助成制度は業者の受注向上に一定の寄与をしたものと考えております。

次に、助成制度の再編についてですが、昨年度は緊急経済対策の一環として時限的に実施したものであり、継続的な実施については区の政策目標に合致する必要があることから、4月以降は新たに環境への配慮やバリアフリーに特化した制度として見直したものでございます。申請件数につきましては、今年度の事業は共同住宅を助成の対象として加えるなど、昨年度と異なる内容でございますので、一概に比較できるものではございません。また、新たな制度では経済効果も考慮し、助成率を昨年のリフォーム助成の5%から10%に引き上げるなど、区民や区内業者にとって使いやすいものとしております。したがいまして、住宅リフォーム助成を復活するものではなく、新制度の活用実績等を見ながら必要な検討を行ってまいります。制度の周知につきましては、広報紙やホームページをはじめ、統合ポスター、住宅まつりなどのイベントなど、さまざまな機会をとらえて行っており、区内建築関係団体にも周知を図っているところでございます。なお、申請の手続につきましては、簡略化できる部分は現在も工夫しておりますが、公的資金を投入する観点から一定程度はやむを得ないものと考えております。

岩田俊雄都市環境事業部長

私からは、放射能汚染に関するご質問にお答えいたします。

区では、区民の皆様の不安を解消するため、放射線量の独自測定をしてまいりましたが、現状では国際放射線防護委員会が定める年間1ミリシーベルトをはるかに下回っており、問題のある数値は計測されておりません。したがいまして、現段階ではマップの作成を実施する考えはございません。しかし、今後基準値を超える値が継続的に測定されるようなことがあれば、その対応策を迅速に講じてまいります。

また、放射線測定器の区民への貸し出しにつきましては、精密機器である備品を個人に貸与することにより、誤動作や誤った計測値が出ることによる混乱なども考えられ、課題も多いため、測定器の個人への貸し出しを行う考えはございません。

次に、子どもたちの内部被曝を抑える対策についてですが、議員は学校給食に既に放射能に汚染された食材が一部使われたとしておられますが、2校に提供されたのは「放射性物質に汚染された稲わらを給与していた可能性のある家畜に由来する牛肉」であり、汚染されていると断定されたものではございません。

学校給食の食材の放射能測定ですが、国や都道府県、生産地、業者が食材の安全を確認したものだけが流通していると認識しており、また、一部の自治体で独自に測定するところもあるようですが、全校を対象としているものではなく、1日の検査品目も限定して実施しているのが実態でございます。

区としましては、例えば東京食肉市場で牛肉の全頭検査を始めたように、国や都道府県などにおいて流通段階での検査の精度をさらに上げることこそが重要と考えております。したがいまして、改めて区独自で測定することは考えておりませんが、引き続き関係団体に検査体制を今以上に充実させるよう要望してまいります。

次に、保護者の方々には、保育園では7月から給食食材の産地公表を開始するとともに、国の出荷停止等の措置についても説明し、保育園給食の安全性についてご理解をお願いしております。また、学校におきましても、産地情報の掲示やホームページを利用するなど、情報を積極的に提供しております。

また、牛肉の問題が判明した際にはできる限りの調査を行い、各学校の結果を一斉メール配信するとともに、文書でも詳細をお知らせし、保護者の方々からは「適切な対応であった」「学校への信頼が増した」などの声をいただいております。今後も風評被害の生じることのないよう、さまざまな機会を通じて保護者の皆様には十分周知・説明を行ってまいります。あわせて、国等の動向を見きわめながら情報収集を徹底して、区としての対応を迅速にしてまいります。

最後に、相談窓口の設置についてですが、現在、区民の皆様からの問い合わせは多岐にわたっており、専門的な部分もございますので、相談の内容に応じまして、各保健センターをはじめ、関係各課の窓口でわかりやすく説明しており、今後とも同様の対応をしてまいります。

再質問

鈴木ひろ子区議

自席から再質問を行います。

まず、介護保険の問題ですが、保険料を今年度決定するという年になるわけですけれども、そのときに高齢者の実態を区としてもぜひ認識した上で、検討してほしいと思います。高齢者の生活は負担増に次ぐ負担増で、ぎりぎりで、もうこれ以上介護保険料の負担増は耐えられないという状況になっています。それを踏まえた上で、これ以上の負担はさせないという姿勢でぜひ保険料について検討していただきたい、そのことについて1点お聞かせください。

もう1つは特養ホームの問題です。私は、区長さんが答弁していただいたので、もしかしたらいい答弁が来るのではないかとすごく期待したんですが、残念ながら土地取得のめどは立っていないと。それから、第五期の中にも具体的に明記することは考えていないと。これから3年間の計画の中に特養ホームの計画を明記することを考えていないと、こういう答弁に本当にがっかりです。

私は、部長が6月議会の中で「今までより積極的な意思を表明した」と言ったわけですから、その中身をぜひ具体化していただきたいと思うんですね。そのことについてお聞かせいただきたい。私は高齢者の実態からすると、一日も早くつくると、こういう立場に立っているのかどうか、そのことを改めてお聞かせいただきたいと思います。

障害者・患者・高齢者などの要援護者の問題ですが、部長さんのほうから対象について、この要綱に沿って書かれているところでお答えいただきました。私もこの要綱をいただいて本当に驚いたんです、この対象の中に知的障害の方と精神障害の方の手帳保持者が入っていないんですよね。これはどうしてなのでしょうか。私はぜひ、この対象の中に入れていただきたいと思うんですが、その点、1つお聞かせいただきたいと思います。

それと、国も東京都も、ガイドラインとか指針とかを詳しく決めているんですよね。これを見て、私はなかなかよくできているなと思ったんですけれども、かなりいろいろな分野にわたって決めているんです。そして東京都は、「各市町村においてもこの指針を参考にして、その地域の実情に応じた対策マニュアル等を整備して、適切な対策をとられるよう努めていただきたい」「対策マニュアル等を整備して」と書かれているんですね。私は、これに沿ったマニュアルをぜひつくつていただきたいと思ぅんです。先ほど部長さんはこの要綱でということですけれども、この要綱はこの1枚ぺらぺらで、これはちょっとマニュアルというにはとても言えないものだと思います。ぜひこれに沿った形での区のマニュアルを整備していただきたいと思うんですが、そのこともお答えいただきたいと思います。

次に、リフォーム助成です。リフォーム助成は、去年の制度というのは建設4組合の方も求めていた要求そのものでしたし、大変喜ばれました。経済効果も、今、区のほうが認めていたとおり、すごくたくさんの効果があったわけです。それなのに何でこれを廃止しちゃったのかというのが、私はわからないんですね。なぜ廃止したのかということをここでも聞いたんですけれども、そのことが答弁としてなかったので、ぜひ、なぜなくしたのかということを聞かせていただきたい。政策目標に合致したものと言われたと思うんですが、なぜその政策目標に合致したものとこの住宅リフォームは言えないのかどうなのか、そこら辺のところもお聞かせいただきたいと思います。多くの自治体で、このエコ&バリアフリーに加えて一般リフォームまで対象を広げたことで、需要が爆発的に拡大しているんですね。秋田県を参考の例に出されていますけれども、ここの特徴は「制限のないのが秋田の制度の特徴です」と担当者が説明していて、仕事がないというところから、こなし切れないといううれしい悲鳴が出るような状況がつくられているわけです。私、これこそが地域経済の活性化と言えるものにつながっていくんじゃないかと思うんですね。改めて、なぜなくしたのか、ぜひこれを復活させていただきたいと思うんですけれども、その点についてお聞かせいただきたいと思います。

最後、「放射能汚染から子どもと国民の命と健康を守る対策を」の、この放射能汚染問題ですけれども、いま問題ある数値は出ていないということでしたけれども、私は、問題ある数値が出るようなはかり方をしていないというところが問題だということで、今回のところでの質問をしたわけです。問題があるところを実際に、問題として見つけられるような、ホットスポットを見つけられるような測定こそすべきなんだと。問題があるということになれば、それをきちんと除染をするという対策が必要なわけですから。測定そのものを、ホットスポットになりやすい場所もしっかりと測定する、そういう測定に変えてほしい、こういう要望をしたんです。そこのところが答えられて、いなかったので、ぜひお答えいただきたいと思います。

そして私は、この大もとのところにあるのが、先日、厚生労働省の参考人質疑で東大のアイソトープ総合センター長の児玉教授―ネットでごらんになった方も、たくさんいらっしゃると思うんですけれども、満身の怒りを込めて告発したんです。ここで言っているのは、福島原発の事故で放出された放射性物質は広島原爆の20個分だと。しかも、放射能の1年後の残存量は、原爆は1,000分の1になるのに、原発は10分の1にしかならない。原爆よりもずっと大量に放射性物質が放出されたんだと、ここがまず考える前提になるんだと、こういうふうに言ったんです。私はこの認識に立つべきだというふうに思うんです。その点についてもお聞かせいただきたいと思います。

再答弁

濱野健区長

介護保険に関する再質問にお答えを申し上げます。

まず、保険料であります。さまざまな負担が高齢者にのしかかっているということでございます。そういう意味で、国保につきましても値上がりしておりますから、そういう意味での痛みは感じておりますけれども、この介護保険というものが発足したときは、たしか平成12年でありますけれども、サービスの規模が3.6兆円。今年度当たりは8兆円ぐらいになっているというふうに思います。つまり、介護保険のサービス給付というのが2倍以上に増えている。そういう中で、保険料を払う人が2倍に増えているわけではありませんから、どうしても負担というのが大きくなってくる。これを改善するには、国で言われているような税と社会保障の一体改革といったような、負担のあり方について抜本的な見直しをしない限りは非常に困難だというふうに考えております。したがいまして、今回も準備基金等を活用しながら検討してまいりますが、将来を見据えて検討するという先ほどの答弁に変わりはございません。

それから、特別養護老人ホームのことでありますけれども、数字を明記しろということでありますけれども、先ほど申しましたように、取得をできる土地によってはベッド数というのは大きく、変わってまいります。介護保険の計画というのは精緻な計画でございまして、単なるスローガンとかそういうものではございません。しっかりした数値に基づいてつくる計画でありますので、そうしたしっかりした数字に基づかない計画というのはつくることができないというふうに考えております。しかし、先ほどご答弁申しましたように、さまざまな角度から検討しているということは事実でありますので、今後とも検討を続けてまいります。

以上でございます。

片田友昭防災まちづくり事業部長

私からは、2点の質問にお答えいたします。

まず、要援護者の関係でございますけれども、避難所の問題、特に福祉避難所というお話もございましたけれども、基本的には二次避難所ということで先ほどもご答弁申し上げましたように、特養ホームとかそういうものは、シルバーセンター等を含めて二次避難所という位置づけになっております。このようなハードの部分については、やはり段差の解消とか、技術的なところが必要になってくるということでございます。そういうこともあって先ほどのご答弁をさせていただいたところでございますけれども、今ご質問いただきました知的障害とか精神的な問題、ここについてはやはりハードの問題ではない部分がかなり大きくあるかと考えておりますので、十分研究課題とさせていただきたいと思っております。

それとあと、リフォーム助成でございますけれども、住宅リフォームについて、先ほど廃止したというご意見がございましたけれども、区としては廃止したのではなくて、きちっとレベルアップを図って助成率を10%に上げて、継続的に実施できるような制度として再編させていただいたというご答弁をさせていただきました。したがいまして、今後の経済状況を十分見きわめつつ、いろいろな工夫を重ねてまいる所存でございます。

岩田俊雄都市環境事業部長

放射線の再質問ですが、まず、基本的に押さえていかなければいけませんのは、現在区で行っている放射線の測定というのは、地上1メートルのところにどれだけの放射線が飛んできているかという空中放射線量を測定しているわけですね。いわゆる今回の原因である福島原発の水素爆発によって、いわゆる放射性物質がちりのようになったものが日本国じゆうに拡散をしたというのが直接の原因ですから、これの影響というのは、既に東京都が発表しておりますように、いわゆる初期の段階の1週間で放射線の数値というのは激減しております。現在、非常に安定した状態で推移していると。これは、東京都は過去10年間の放射線量の測定結果をホームページで公表しておりますので、ごらんになっていただければわかるんですが、ことしの3月10日以前、いわゆる3.11の事件以前の1年間の空中線量の平均値と、現在品川区で測定して公表している数値はほぼ同じでございます。

したがって、現段階では品川区においては福島原発の影響が出ていないという数値になっております。

したがって、大事なのは、4キロ四方しかない品川区、非常に小さなエリアの中できめ細かくやる意味が逆に言えばなくて、きちっとした定点で継続的に図るというのが大事なことなんです。現在、国が言っている、いわゆる1ミリシーベルトという一定の基準というのは、それ自体は危険なものではなくて、1年間を通じてその数値がずっと継続しないようにという数値ですから、瞬間値で出るのではなくて、我々の1週間に1回の測定が、それが数か月1ミリシーベルトを超えるような単位の数値が計測される場合に、区としてはご指摘のような除染あるいは詳細な測定、こういったものを迅速に行っていくというふうに先ほどご答弁させていただいたものでございます。

再々質問

鈴木ひろ子区議

放射能汚染問題で再々質問をさせていただきます。

今の部長の答弁は、品川区の値は安定しているということですけれども、それは今はかったところが安定しているということであって、危険なホットスポットがないのかあるのかということは、一切はかっていないのでわからないと思うんです。先ほど申し上げた児玉教授が、実際はかったところでも、実際空中線量ではかったところと、ちょっと角度を変えただけで10倍ぐらい違う。それは、放射性物質がたまって乾燥して濃縮されて、またたまってという、そういうところがホットスポットとしてあるんだと。そういうところを見つけ出すことこそが必要なんだと、こう言われているわけなんですよ。だから、そういうところが品川区であるのかないのかというのは測定していないので、わからないわけですよ。ここのところをしっかりと見つけるような、測定をきめ細やかに、ホットスポットを見つけるような測定をすべきじゃないかということを私は言いたいんです。そこのところが1点です。

それと、影響は出ていないということで言いますけれども、私は、これからの問題は学校給食の問題でも流通しているものは安全だというふうに言いますけれども、でも先ほど部長が言われたのは、流通段階の精度を上げることが必要だと言われているわけです。ということは、流通段階のものが今の段階で十分だと言えないということの裏返しの答弁だったとも言えると思うんです。それは、私は牛肉にもあらわれていると思うんです。だって、実際に汚染された、濃縮された稲わらを食べた汚染牛が地域に出回ってしまったわけですから。これを食いとめることはできなかったわけですから、今の日本の仕組みでは。だからこそ、学校の給食でも本当にそういうことがないのかどうなのか。だって、実際に危険だということは確認されていないということですけれども、危険でないということも確認されていないわけです。不明なところも5校あるわけですよ。そういうふうな状況だから、お母さんたちは不安で仕方がない。そして、その影響というのは後々出てくるわけですよ。10年後、20年後、30年後。そのときに子どもたちががんになった、いろいろな症状が出てきた、こういうことの後悔をしたくない。だから、土壌汚染、それから空中の線量、そして食品、そういうところをしっかりとまずは測ってほしい。それで危険なものは取り除いてほしい。危険なものは与えないでほしい。こういう体制をとってほしいと言っているわけです。

品川区が安全だ、安全だ、流通しているものはすべて安全だ、こういうことで言ったら、私は安全神話と言われても仕方がないと思います。

きちんと測定をして、だから安全だと、そういうところでぜひともやっていただきたいということで、改めてお聞きしたいと思います。

再々答弁

岩田俊雄都市環境事業部長

再々質問にお答えいたします。

まず、「ホットスポット」という表現をお使いになっているわけですけれども、先ほど冒頭、私申し上げましたように、今一番危険なのは、あるマスコミ―一週刊誌ですけれども、国民の不安をあおるかのような、いわゆる報道をされております。これは非常に危険で、いわゆる品川区が公表している測定数値、これには必ず解説をつけて公表させていただいております。これは数値が一人歩きしないようにということで。例えば、品川区で今はかっております土壌、公園あるいは校庭の砂の土壌の測定は、ベクレルという単位で測定をしております。これはある測定方法は決まっておりますので、それで室内ではかるという、検査をするというやり方なんですけれども、一般的にうちが今測定しているのは20とか30ベクレルの数値しか出ていないわけですけれども、いわゆる食品、牛肉でたとえますと、食品は1キロ当たり300ベクレル以下が望ましいというふうになっておりますけれども、これは、この牛肉を、300ベクレル出ている、放射線を出している食品を毎日毎日、365日食べると発がんの危険性が上がりますという数値で、非常に保守的、厳しい値を国は使っております。したがって、「品川区の土壌汚染」という言い方をしてはあまり妥当ではないんでしょうけれども、例えば品川区の校庭や砂場の砂を現在の数値で1グラムを毎日毎日お子さんが食べても全く問題のない数値だということを説明させております。

それから、例えばもう1つ、参考に言わせていただきますと、国が定めておりますお米をつくる水田の放射線の限界値というのも国が出しております。これが1キロ当たり5,000ベクレル。品川区の数値から比べるとはるかに高い値。それが基準値になっておりますので、そういったものと比較すると全く問題のない数値が品川区では出ておりますので、ホットスポット探しのような、いわゆる風評被害をまき散らすようなことを自ら行政が行うという考えはございません。

議長

以上で、鈴木ひろ子君の質問を終わります。

以上

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