前のページへ戻る           日本共産党品川区議団TOPへ

品川区保育課長名の保護者宛文書「保護者の皆様へ」

2000年06月13日

<参考>実物写真

別紙
保護者の皆様へ

6月に入り、各戸配布や6月12日朝各区立保育園の門前にて配付されていた日本共産党品川区議団の区議会報告「2000年6月号」の内容について、多くの保育園保護者等からその事実についての問い合わせがありました。疑問について以下のようにまとめましたので、参考にしていただきたくお知らせいたします。

保育課長

Q.1
「調理業務代行契約」前や当該園以外の保育園の調理業務はどのような職員が従事しているのですか。
A.
(1)品川区においては、区立保育園給食の調理業務に従事する職員を採用するにあたり、調理師資格を要件としていません。中にはたまたま資格取得者がいたり、採用後、職員の自己研鑽の一環として資格試験に挑戦している職員もおります。
したがって、区立保育園の調理員は、資格の有る無しにかかわらず、保育園の規模により1園3〜4名の正規職員と非常勤職員が中心的に調理しています。
(2)たまたま、調理員が長期の病気休暇や産休・育休等の場合は、やはり資格要件を必要としないアルバイトを採用したり、自園の栄養士や用務職・園長等が調理室に入り子どもたちが食べる給食に支障が出ないように対応しています。
(3)また、保育課や保育園に配属している栄養士は、基本的業務としてあくまでも調理員の指導にあたる役割として配置されているものであり、常に調理業務に従事しているものではありません。
(4)したがって、議会報告中の「今までは栄養士と資格をもった調理師が給食を作ってきました。」と書かれていますが、これは誤解を招きやすい表現であると考えます。

A.
(1)調理業務代行業者との契約では、従事者の資格要件として次のように定めています。
「調理業務に従事する者の大半は、当該業務について相当の経験を有する者であって、その内の1名以上は調理師有資格者で、前期の経験年数5年以上を有するものであること。」
(2)しかし、現在、民間導入の5園をみてみると、全ての園において栄養士有資格者が1名以上、調理師有資格者が2名以上で業務にあたっており、中には栄養士3名と調理師2名を同一園に従事させている業者もあります。
(3)また、これらの従事者は正規の社員であろうとパート社員であろうと、契約内容を充分満足する仕事ぶりであり、且つ前向きに取り組んでいる姿勢や先進的な衛生管理の面では区職員が見習うべき点もある程です。
(4)この従事者が休暇等で休んだ場合は、既に登録してある代替の社員が従事しており、業務に支障をきたすことは全くありません。

Q.3
「調理業務代行契約」園では食物アレルギー児への対応はどのようになっているのでしょうか。

A.
(1)アレルギー児への対応は、医師の診断書に基づきアレルゲンの除去を基本としており、従前と何ら変わっておりません。食物アレルギー児の献立は、保育課の栄養士が責任をもって作成し、調理従事者との打ち合わせも綿密に行っております。そして、調理従事者は細心の注意と愛情をもって調理にあたっています。
(2)議会報告の中には、保育園給食の提供にあたり、チームプレーが弱まっているかのような内容がありますが、従前と比較した場合、むしろ園長、保育士、調理従事者が一丸となって今まで以上にきめ細かな対応に当たっているところです。

Q.4
「調理業務代行契約」の調理員は、子ども一人一人の健康状況を知っているのでしょうか。

A.
(1)区の職員である調理員であっても、園児一人一人の健康状態を把握するのは困難です。だからこそ、職員の連携プレーが重要なのです。
(2)「調理業務代行契約」園では、調理従事者に対し、より指示系統が一元化したことにより、今まで以上に職員間の連携が密になり、より安全で質の高い給食の提供ができるようになりました。

Q.5
「調理業務代行契約」実施園の数は今後どのように推移するのですか。また学校への導入についても計画はあるのでしょうか。

A.
区立保育園については、退職者数や人事異動者の関係で徐々に拡大していく予定ですが、学校については所管外のことでありわかりません。

Q.6
「調理業務代行契約」導入にあたり、区立保育園の保護者にどのような説明等を行ったのでしょうか。

A.
(1)今回の「調理業務代行契約」導入にあたり、保育課長は平成12年2月14日付けで、実施園の保護者に対し契約業者の業務内容や、従前と何ら変わりなく子どもたちに給食の提供ができることなどの説明文書を配布しました。その後、同3月29日付けで区立全園の保護者向けに、業者の事前研修結果を踏まえた内容の「お知らせ」を掲示しました。
(2)特に導入園の5園では、保護者会等で説明するとともに、各保護者の疑問に対し個別に対応する等理解していただくために充分時間をとりました。この結果、大多数の保護者の方には理解していただけたと認識しております。
また、区民の代表である議員で構成する区議会においても、この件について「予算特別委員会」で充分議論した結果、賛成多数で承認されたものです。

Q.7
品川区職員労働組合の機関紙やちまたでは、「区立保育園の職員を4年間で140人も減らしました。」として、保育園運営に影響がでているが如く報じられていますが、その内容はどのようなものでしょうか。

A.
(1)品川区では、不断の事務事業の見直しを図っており、区立保育園でも平成9年度から職員定数の見直しを行ってきました。子どもたちの直接処遇にあたる保育士については、68名の定数削減を行いました。このうち40名は障害児対応保育士であり、この部分については、各年度による障害児の状況に応じて正規保育士や非常勤職員で対応していくこととしたものです。したがって保育士は実質的に28名の定数減でありますが、この代替として再雇用保育士や子育て経験豊富な非常勤職員を配置し、保育園運営を行っているところです。
(2)これでも、正規保育士の定数は国基準の1.5倍、都基準の1.2倍の数を確保しており、また、区立保育園の保育士はベテラン揃いであり園運営上何ら支障がないものと認識しております。
(3)これらの点については、議会の中で答弁や報告を行っています。また、平成11年3月4日の区監査報告を始め、国や都の保育内容の指導検査の際にも何ら問題なしとして承認されているところです。

Q.8
区立保育園では正規職員をはじめ、その他の非常勤職員等多くの大人が赤ちゃんに関わっているとのことですが、問題はないのでしょうか。

A.
(1)品川区では0歳児保育のために、国や都の基準を越えた多くの職員を配置しています。
(2)保育室のなかでは、大勢の職員が子どもたちの保育にあたっておりますので、一人の子どもに何人かの職員が少なからず声を掛けたりあやしたりということがあります。
(3)保育所保育指針に書かれているとおり、1歳3ヵ月未満の乳児の保育にあたっては特定の保育士と乳児の関係を多く持てるよう、心掛けて保育を行っております。しかし、保育園での保育は家庭での保育とは違い、いろいろな大人との関わりを持つことも集団保育のメリットであると考えております。職員の勤務時間を越えた、長時間の保育を行っておりますので、複数の職員が子どもの保育にあたっているわけです。
(4)また、平成10年度厚生白書86ぺ一ジにも、「人間(他者)に対する基本的信頼感を形成する時期に、特定者との間に「愛着」関係が発達することが大切である」としながら、「特定の者とは愛情をもって子育てする者の存在であり、母親以外の者であることもありえるし、母親を含む複数人であっても問題視すべきものではない。大切なのは育児者によって注がれる愛情の質なのである。」と書かれています。
(5)保育園の職員は、お預かりしているこどもの全発達に全力を注いで日々保育を行っております。この点からも、複数の保育士が一人の子どもの保育をおこなっても問題がないと考えております。

Q.9
区立保育園では保護者会や運動会などの行事が減っているのですか。

A.
この点については、職員削減したからとする一方的な主張も一部にみられますが、そうではありません。あくまでも「子どもの立場」に立っての取り組みです。
具体的には、
(1)改めて「子どもの最善の利益」を考慮し、行事等の見直しを行い始めている園もあります。これは、行事も保育の一部であり、あくまでも子どもを中心に考え、内容を変更したものであり減らしたものではありません。
(2)保護者会についても、子どもの負担の軽減やできるだけ多くの保護者の方に参加していただくため、各園で実施時間等の工夫をしています。その結果、今まで平日の夜実施していたものを、試行的に土曜日の午前中に実施した園もあります。
(3)保育行政や保育内容についての質問等は、この機会に担当職員に充分聞いていただくとともに、個別面談等活用していただきたいと考えております。
前のページへ戻る           日本共産党品川区議団TOPへ