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品川の区立保育園・職員ミス相次ぐ
散歩中公園に置き去り・帰った園児に気づかず保護者に対し謝罪

「読売新聞」2000年7月6日(木)付の記事

 

品川の区立保育園で、今年四月から六月にかけて、職員のミスで、園を抜け出して親の職場まで歩いて行ったり、園児が公園に置き去りにされたりと、一歩間違えば事故につながりかねない失態が相次いでいたことが五日までにわかった。園側は保護者に謝罪し、職員に対して「二度と起こさないように」と注意の徹底を指導したが、保護者の間には動揺が広がっている。

近くに大通りも

関係者によると、今年四月十一日午後六時ごろ、区内の新聞販売店で働く母親(26)の元に、同保育園に預けていた長女(3)が突然姿を見せた。長女は六時半まで預かってもらう予定だった。保育園から職場までは大人の足で五分ほどの距離だが、その間には車がひっきりなしに走る大通りが横切っている。

母親は「どうして……」と冷や汗をかき、同じ保育園に預けてある畏男(2)を迎えに行くついでに、保育園に事情説明を求めた。園などによると、その時間帯は長女と同じ部屋に十一人の園児がいた。しかし、おなかを壊した園児がいたため、職員一人がトイレにつきっきりで、室内には非常勤職員一人しかおらず、いなくなったことに気付かなかったという。

さらに、六月十五日、園児十一人が職員三人の引率で近くの公園に散歩に行った際、別の母親(32)の長女(3)が、公園に置き去りにされた。幸い、公圃のすぐ近くにある別の区立保育園の職員と園児が、散歩で通りかかり、長女はすぐに保護された。その時、長女は大通りの交差点に一人で立っていたという。

母親の元には、その日のうちに園長らが謝罪に訪れた。母親はその後、「今後の対策を文書で出してほしい」と要求したが、期待通りの返答はなく、「長女は三歳になったばかりで、信号は一人で渡れない。もし、遵路に出ていたら命はなかった。命に別条がなかったとはいえ、黙っている訳にはいかない」と、不満をあらわにしている。

品川区では今年四月から延長保育をスタートさせ、保育時間は園によって一時間から三時間半延ぴた。しかし、職員数は増えておらず、保護者の間では「延長保育の実施で、人手が足りなくなったのが原因では」との声も上がっている。

これに対し、同区保育課の中島憲二課長は「あってはならないこと」と、保育園の責任を認めているが、「保育士の数は、区全体でも国の墓準の一・五倍、都の基準の一・二倍の人数を抱えており、人手不足が原因とは考えていない」としている。

一方、首都圏を中心に、保育園や育児などについて情報交換を行っている「保育園を考える親の会」代表の普光院亜紀さんは「公園から帰る時に人数を確認しないのは初渉的なミス。品川区の場合、延長保育などで負担が増えたため、'職員のモラールが低下しているのではないか。職員の質や数について、もう一度見直してほしい」と話している。

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