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2024.02.21

安藤たい作区議 第1回定例会 代表質問
「能登半島地震の教訓を生かし、住宅・上下水道の耐震化促進、災害関連死を防ぐ対策を」
「予算案の介護職への手当てや福祉施策の所得制限撤廃・無料化などを大きく評価する さらに進め23区最低の福祉の転換を」
「ジェンダー平等推進条例を歓迎バックラッシュを乗り越え品川でジェンダー主流化を」
「子どもの権利条約を生かし、一人ひとりの子どもが大切にされる品川に区立保育園の統廃合・民間へ売り渡す方針は撤回を」
「巨額な税金を使ってまち壊し 施政方針で区民に語ることができない超高層再開発は見直しを」

質問項目

  1. 能登半島地震の教訓を生かし、住宅・上下水道の耐震化促進、災害関連死を防ぐ対策を
  2. 予算案の介護職への手当てや福祉施策の所得制限撤廃・無料化などを大きく評価する さらに進め23区最低の福祉の転換を
  3. ジェンダー平等推進条例を歓迎 バックラッシュを乗り越え品川でジェンダー主流化を
  4. 子どもの権利条約を生かし、一人ひとりの子どもが大切にされる品川に区立保育園の統廃合・民間へ売り渡す方針は撤回を
  5. 羽田空港での衝突事故を受け、過密を加速する羽田新ルートは改めて撤回を求める
  6. 巨額な税金を使ってまち壊し 施政方針で区民に語ることができない超高層再開発は見直しを

答弁 >> 再質問 >> 再答弁 >> 

質問

能登半島地震の教訓を生かし、住宅・上下水道の耐震化促進、災害関連死を防ぐ対策を

 日本共産党を代表し、代表質問を行います。はじめは、
能登半島地震の教訓を生かし、住宅・上下水道の耐震化促進、災害関連死を防ぐ対策を
です。

 元日に発生した能登半島地震は、家屋の倒壊、津波、火災など複合災害となり、行方不明者9人、250人の方が犠牲になりました。他にも避難生活、電気や上下水道、道路など生活インフラ、原発、自治体や政府の備えなど様々な課題が浮き彫りになりました。現地では未だ停電、断水が続き、災害関連死も15人にのぼっています。あらためて犠牲になられた方にお悔やみを申し上げるとともに、被災された方にお見舞いを申し上げます。

 首都直下地震はいつ来てもおかしくありません。被災者支援に引き続き全力をあげるとともに、今回の地震の教訓を生かし、防災対策の見直し・強化が求められています。

 Q①・区長は施政方針で「能登半島地震は私たちに多くの教訓と課題を突きつけました」と語りました。教訓と課題とは何か、伺います。

 新年度予算案に、耐震診断の無料化、除却助成や感震ブレーカー設置助成の区内全域への拡大、携帯トイレの全戸配布などが盛り込まれたことは大いに評価します。更に以下、大きく3点での対策強化を求めます。
一つ目は耐震化です。今回の地震で石川県の住宅の約3割が全壊、約2割が半壊しました。倒壊家屋での圧死に加え、道路の閉塞などの被害も出ました。地震の一撃から命を守る住宅耐震化が何よりもまず重要ですが、区内木造住宅の耐震化は令和2年度で80.2%。取り残されている残り2割の耐震化達成には、高齢世帯への特別な手立ても必要です。

 Q②・耐震化の更なる促進へ、不燃化特区支援助成の対象範囲を区内全域に広げること、高齢者や障害者は助成額を上乗せすることを求めます。いかがでしょうか。

 高齢者世帯はほぼ持ち出しがなく、短期間の居ながら工事でいつもの部屋を丸ごと耐震化する品川シェルターも活用すべきです。

 Q③・この機会に品川シェルターの普及に向け区民への周知と設置したくなる工夫を求めます。いかがでしょうか。

 今回の地震では、いまだ2万3全戸以上で続く断水が大きな課題となりました。全面復旧は4月までかかるとされ、給水所まで毎日歩いて2往復する避難生活環境はあまりに過酷です。

 都の被害想定では、上水道の断水率は30.2%、下水道の被害率は6.4%とされています。耐震化の目標はどうか。水道は、2030年度末までに61%を目指しますが、100%を目指す目標や計画はありません。工事費も水道料金収入のみで賄う仕組みになっているのが現状です。下水の耐震化は、2025年度末で区民避難所や一時滞在施設などの主要部分を完了させる計画のみ。上下水道が使えるようになれば、避難生活環境は劇的に良くなります。

 Q④・上下水道の耐震化は公費を投入して耐震化100%の計画を立て、早期に実現するよう東京都に求めて下さい。いかがでしょうか。

 二つ目は、避難所の環境改善です。地震から難を逃れた命がその後の避難生活の中で失われる災害関連死は人災であり、自治体の努力でなくすべきです。*地震での避難生活経験者に8年後に行った検診では、肺塞栓症73倍、脳梗塞4倍、虚血性心疾患2倍という調査もあり、難民キャンプ以下ともいわれる避難所の環境改善は急務です。トイレは能登でも深刻で、衛生環境に直結し、我慢することで疾病リスクも高まります。段ボールベッドは、床から離れることで、保温や衛生面、体の悪い方は起き上がりやすいなど、環境改善に力を発揮します。

 Q⑤・区民避難所の耐震化トイレの便器の数は男女別に合計でいくつあるのか伺います。増設すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 Q⑥・区民避難所の要配慮者に段ボールベッドをすぐ提供できるよう備蓄することを求めます。いかがでしょうか。

 防災を口実に進められている特定整備路線が、わかば公園など、避難スペースやマンホールトイレなど災害時に重要な役割を果たす公園を削り取るのは、大きな矛盾です。

 Q⑦・防災広場を大幅に増やすため、特定整備路線の買収地を活用すべきです。いかがでしょうか。

 避難所の女性視点の改善も必要です。この間の災害でも、着替えるところがない、授乳姿を覗かれる、布団に潜り込んでくるなど女性が安心して過ごせない状況は改善されず、能登でも指摘されています。国の調査では、女性職員の参加の有無で自治体の対策の差が示されました。現在、区の防災課職員28人中、女性は8人28.5%。防災会議は2022年度11.7%で、国の「2025年度までに30%」との目標に照らし遅れています。

 Q⑧・防災課、防災会議、避難所連絡会議の構成員に女性を増やすことを求めます。区民避難所の女性用トイレをスフィア基準にそって増やし、男女のトイレは離して配置すること。女性用更衣室、授乳室の設置を促進することを求めます。それぞれいかがでしょうか。

 三つ目は要配慮者の避難についてです。災害時の犠牲者の多くを占める高齢者や障害者を助けるためには、日常からの医療・介護の充実、ゆとりある医療・介護の充実が決定的です。同時に、要配慮者の個別計画の作成はケアマネに委ねられています。話を聞くと、策定にはかなりの労力と時間がかかり、人手不足のなか膨大な本来業務で手一杯のところに、時間外で、一人当たり7000円のわずかな報酬で、丸投げされているというのが現状でした。

 Q⑨・要配慮者個別計画の検討に区も関与し、具体化するよう求めます。個別計画作成の報酬は引き上げるよう求めます。それぞれいかがでしょうか。

 生活環境改善へホテル等の借り上げも大変有効です。能登でも、避難所生活を最悪と語っていた視覚障害者がホテルに移り、劇的に改善したと語るケースも報道されていました。こうした要配慮者の方はすぐに入れるようにすべきです。

 Q⑩・要配慮者の個別計画作成時に、視覚障害者など必要な方は避難先にホテルも検討するよう求めます。いかがでしょうか。

予算案の介護職への手当てや福祉施策の所得制限撤廃・無料化などを大きく評価する さらに進め23区最低の福祉の転換を

 次は、予算案の介護職への手当てや福祉施策の所得制限撤廃・無料化などを大きく評価する さらに進め23区最低の福祉の転換をです。

 新年度予算案には、福祉・教育分野で、介護・障害者福祉職員への月1万円住居支援手当や高齢者補聴器購入費助成と障害児の補装具・日常生活用具等の所得制限撤廃、さらに高齢者インフルエンザ予防接種代や高齢者・障害者の救急代理通報システムの無料化。区立小中学校の学用品については、憲法で義務教育費の無償化が謳われていることをあげ全額無償化するなど、区民運動と議会で取り上げてきた切実な要望が盛り込まれました。
所得制限の撤廃の考え方も基本にし、区民要望を予算化したことは大きく評価します。今後も、

 Q①・福祉施策に所得制限を設けない、所得によって負担に差をつけないとの考え方を基本とするよう求めます。その立場で、まずは入院時の紙おむつ代の所得制限も撤廃を求めます。いかがでしょうか。

 さらにこの姿勢を進め、23区最低の福祉の転換を求め、質問します。

 品川区の介護保険は、要介護認定率が23区で最も低い上に、要介護度も軽い判定にしているため要支援が国平均より12.7%も多くなっています。その結果、サービスが抑制され一人当たりのサービス給付費は23区で最も少なくなっています。特養ホームと老健施設の合計整備率は23位、グループホーム19位と、施設整備率も23区最低水準です。

 また、品川区だけが23区で唯一地域に地域包括支援センターを設置していません。保健師、社会福祉士の専門職を配置せず、入り口からサービスを抑制・コントロールする仕組みとしています。専門職がチームで総合相談、認知症対策や複合的な問題を抱える解決困難な事例、サービスが必要な人の掘り起こしなど充実を求めます。

 Q②・一人当たりのサービス給付費が23区で最も低いことに対する認識を伺います。

 Q③・地域包括支援センターのサブセンターと位置付けている在宅介護支援センターに対する委託金の総額を伺います。第9期は地域包括支援センターを地域に設置するよう改めて求めます。それぞれいかがでしょうか。

 八潮南特養・小山台住宅跡・元芝都営住宅跡の3か所の特養ホームの増設計画がありますが、ともに計画から開設まで7~10年以上かかります。高齢者人口は2048年まで増え続けます。

 Q④・旧第一日野小学校跡や現庁舎跡等に特養ホームの増設を求めます。いかがでしょうか。

 障害者福祉はどうか。今回の障害児者福祉計画では、軒並み一人当たりのサービス見込み量が削減されています。障害者団体が、毎年要望書を出しサービス充実を求める中、これには驚きです。例えば、重度訪問介護はもともと23区で最低の時間数ですが、今年度一人当たり月185時間が、153時間と大幅に削減。同行援護は、人材不足のため必要なサービスが受けられない現状に、区自らヘルパー養成研修を行い育成方針を打ち出しながら、今年度23.9時間を、23時間に削減です。他にも、生活介護も就労継続AもBも、短期入所も、軒並み見込み量を削減。放課後等デイは、希望しても受けられないため、積極的に誘致との区の方針なのに増えないままです。

 Q⑤・障害児者福祉計画案で一人当たりのサービス見込み量を軒並み削減した理由を伺います。増やす計画に修正を求めます。いかがでしょうか。

 グループホームは区が事業者公募時に300事業者に案内を出しても応募はやっと1か所という状況が続いています。区は出石以外は今後すべて民設民営との方針ですが、事業者からは人材確保ができず経営が成り立たないと聞きます。森沢区長の100人分のグループホーム建設との公約実現のためにも、

 Q⑥・グループホームは民間任せではなく、区が責任もち財政支援もする区立での建設を求めます。いかがでしょうか。

 介護や障害者福祉の現場で働く従事者への待遇改善も重要です。

 今回区は居住支援特別手当として月1万円の独自の手当創設を打ち出しました。国と都、区を合わせで2万6000円から3万6000円の賃上げとなりますが、一般労働者より7万円低い状況はさらなる改善が必要です。
福祉の現場は、必要とされやりがいのある仕事なのに劣悪な労働条件のため、どの職場でも人材確保が困難を極めています。ケアマネジャーもヘルパーも募集しても応募なし。ヘルパーの求人倍率は15倍にも。少ない人数でぎりぎり頑張っても疲弊しやめていくという悪循環。報酬が低く経営が成り立たず赤字続きで、法人内で赤字の穴埋め。いつまで続けられるかと悲痛な訴えです。杜松ホームで10年間指定管理者を受けてきた事業者が、人材確保が困難、赤字続きとの理由で指定管理者を辞退するという初めての事態が起こっています。障害者グループホームの方々からは、報酬が低いため、働く人の賃金も低く人材確保ができない。一部の人に過大な負担がかかり倒れる寸前との訴えが寄せられています。

 今や障害者福祉や介護は崩壊寸前という実態ではないでしょうか。しかし、自公政権は新年度予算で、軍事費には過去最高の8兆円も支出しながら社会保障の削減路線を変えていません。訪問介護の報酬を減額、介護の処遇改善交付金も一人月6000円という桁が違うだろうと低い額で5月まで、6月からは介護報酬からとの対応です。

 Q⑦・国に対して、介護や障害福祉労働者の処遇改善は、保険料に連動させないために交付金の形を6月以降も継続しその額を抜本的に引き上げるよう求めて下さい。

 Q⑧・区の「居住支援特別手当」は、介護・障害者福祉の全ての労働者を対象とするよう求めます。区が決める総合事業のヘルパーとデイサービスの報酬が低すぎます。待遇改善のためにも引き上げを求めます。それぞれいかがでしょうか。

 最後に、介護保険料と国保料の引き下げを求めます。

 第9期の介護保険料は基準額で月6100円から6500円に値上げ。制度開始時の2000年から約2倍になっています。品川区は23区で最も高額所得者優遇の保険料設定であり、応能負担とすべきと求めてきました。今回17段階に増やし最高限度額は2500万円以上で基準額の3.3倍と設定したものの、第8期の段階で3.5倍以上としている区は18区もあります。

 Q⑨・所得3000万円以上の高額所得者の人数を伺います。さらに他区並みに高額所得者への介護保険料を応分負担とし、低所得者の保険料を引き下げるよう求めます。

 物価高の下で、近年にない値上げをした昨年を上回る国保料の大幅値上げも許せません。全てのモデルケース、階層で上がり、40歳以上均等割りだけで82100円、5800円の値上げで、30年前の5倍です。所得割との合計では年間一人あたり20万5612円で1万3960円の値上げ。20年前、一人当たりの保険料は10万1589円でした。20年間で実質賃金は下がっているのに、保険料は2倍以上に上がっているのです。

 昨年11月、区長会は国に対して「国保制度が危機に立たされている」とし、抜本改革を求めるとともに負担軽減など5項目の要望を提出しました。同時に区としてできることを行うべきです。

 Q⑩・国保に対する新年度の法定外繰入額と18歳以下の子どもの国保料(均等割り)無料化に必要な額をそれぞれ伺います。

 Q⑪・18歳以下の子どもの国保料無料化を区独自に行うこと。法定外繰入を増額し国保料引き下げを求めます。それぞれいかがでしょうか。

ジェンダー平等推進条例を歓迎 バックラッシュを乗り越え品川でジェンダー主流化を

次は、ジェンダー平等推進条例を歓迎バックラッシュを乗り越え品川でジェンダー主流化を です。

 区は今議会に「品川区ジェンダー平等と性の多様性を尊重しあう社会を実現するための条例」を提出しました。共産党は、ジェンダー平等を綱領に書き込み、これまで条例制定を求めてきた党として、心から歓迎します。

 ジェンダー平等は世界の大きな潮流ですが、時代を後戻りさせようという逆流、バッグラッシュもあります。条例作成にあたって行われたパブリックコメントでも、寄せられた65件の意見中29件は反対意見で、その多くは「身体は男性の人が、女性用トイレ、浴場、更衣室などに入ってくれば、女性や子どもを危険にさらす」等のテンプレートのトランスジェンダーへの攻撃でした。

 トランスジェンダー当事者は、トイレや更衣室、浴場など明確に男女に分かれた施設を使う際には、自分がそこにいて違和感がないかを誰よりも気遣っています。「トランス女性のふりをして性犯罪目的で女性トイレに入る人がいる」との意見がありますが、それは犯罪を犯すその人が悪いのであり、属性を丸ごと排除の対象にすることは問題です。こうした言説は当事者を深く傷つけ、事実にも反します。こうしたバックラッシュは、家父長制を重んじる古い支配体制を維持し、男らしさ女らしさを押し付けてきた時代錯誤の勢力が意図的に流布してきました。

 その中でも区が検討会で検討を重ね、バッグラッシュもはねのけ、提案した条例は、明石市と並び条例名に「ジェンダー」の文字を掲げる全国で二つしかないものとなりました。

Q①・「ジェンダー」の文字を条例名に入れ、推進していきたいとの区の思いや決意をお聞かせください。

 区は今後、区民アンケートを実施し、アクションプランをつくるとしています。条例の理念の具体化へ必要な、提案をいくつか行います。

 条例案の前文には、「…ジェンダー平等は前進してきているものの、個人の希望や能力ではなく、性別等によって生き方や働き方の選択肢や機会が決められてしまうなど、今なお固定的な性別役割分担意識やそれに基づく社会的慣行等が存在している」とあります。

 現在、結婚する女性の9割が苗字を男性に合わせている状況で、「女性が苗字を変えるもの」との社会的慣行が、これまでの自分の苗字で生きていきたいと思う女性を苦しめています。

 Q②・本条例の立場で、選択的夫婦別姓の実現を国に求めて頂きたい。いかがでしょうか。

 今年度から命の安全教育が実施され一歩前進ではあるものの、子どもや若者の性の実態に照らしあまりにも不十分で遅れているのが、日本の性教育です。子どもたちは、人間の生理や生殖、避妊についての科学的な知識も、互いを尊重しあう人間関係を築く方法も、自分の心や体を傷つけるものから身を守るすべも十分に学べないまま成長していきます。包括的性教育の中身は互いを尊重しあう人間関を築き、だれもが安心して生きられる、まさに本条例の理念そのものです。

 Q③・包括的性教育の実施を求めます。いかがでしょうか。

 また本条例の基本理念には、リプロダクティブヘルス・ライツ、性と生殖に関する健康と権利が位置付けられました。

 共産党はこれまで、予期せぬ妊娠をしてしまっても相談できずに苦しむ女性が多くいること、緊急避妊薬や中絶薬などへのアクセスがないなどを取り上げ、女性の自己決定の権利でもある、リプロの保障を繰り返し求めてきました。

 Q④・まずは、リプロの保障にもつながり、区長の公約でもあるユースクリニックの設置を求めますが、いかがでしょうか。

 条例の目的には「ジェンダー平等と性の多様性を尊重し合う社会の実現に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって誰もが自分らしく生きることのできる社会の実現に資すること」と定められています。

 Q⑤・条例の目的にも明記されているように「ジェンダー主流化」を進めていただきたいと思いますが、区の見解を伺います。

この条例が実効性あるものになるよう、共産党も力を尽くしたいと思います。

子どもの権利条約を生かし、一人ひとりの子どもが大切にされる品川に区立保育園の統廃合・民間へ売り渡す方針は撤回を

次は、子どもの権利条約を生かし、一人ひとりの子どもが大切にされる品川に 区立保育園の統廃合・民間へ売り渡す方針は撤回をです。

 今年は日本が子どもの権利条約を批准してから30年の節目の年です。日本政府は、国連子どもの権利委員会から権利保障が不十分との勧告を繰り返し受けているにも関わらず無視し続けてきましたが、世田谷区など自治体における子ども基本条例制定の積み重ねの上に、2021年には東京都も基本条例を制定。「子どもの権利条約を踏まえ、子どもの生きる権利、育つ権利、守られる権利及び参加する権利をはじめとした、子どもの権利を尊重し、擁護するための施策を推進する」と述べています。国も2022年、子ども基本法の目的に、「日本国憲法および児童の権利に関する条約の精神にのっとり…こども施策を総合的に推進すること」と示しました。

 しかし、区長の施政方針にも、教育大綱や子ども・子育て支援事業計画、区教委の教育目標および基本方針など子どもに関わる計画や方針には、「子どもの権利条約」というワードはことごとくありません。この点を質すと「文言にはないが、その精神は盛り込んでいる」と言いますが、明記しない理由にはなりません。

 また、一昨年12月に改定された「生徒指導提要」では、「子どもの権利条約の理解は、教職員、児童生徒、保護者、地域の人々等にとって必須」としていますが、子ども権利条約そのものを教える機会はほぼないというのが現状です。

 Q①・子どもの権利条約を、各子ども施策の計画や方針に明記し位置づけるべきです。また、子どもと保護者に条約の内容を記したパンフレットの配布を求めますが、いかがでしょうか。

 品川の子どもを取り巻く環境が深刻な今こそ、子どもの権利条約の立場はますます必要です。

 いじめ重大事態は、2020年に区立中学で起きた、幾度もの意識喪失・救急搬送で適応障害となり転校を余儀なくされた深刻な事例が未解決のまま、今年度に入り8件が新たに認定、まさに緊急事態です。

 不登校の児童生徒数は、品川では2019年度の316人から2022年度648人となり2.05倍と激増。これは同時期の全国の増加率1.65倍に比べ顕著です。

 子どもの権利条約の四原則を生かし、子どもたちが差別されず、育ち学ぶ権利が保障され、自己の意見を述べることができる学校、安心して楽しく通える学校をつくることが、いじめ・不登校の解決に必要です。

 Q②・いじめを含め様々な課題を子ども同士で話し合える学級会、教員同士で学びあえる職員会議の時間を十分に保障すべきです。いかがでしょうか

 Q③・学校のきまりや校則をホームページに公開している学校数、子どもの意見を直接聞いて実際に見直した学校数、小中学校でそれぞれ何校か伺います。

 不登校の子どもの学びの権利保障のため、当面、緊急的に多様な学び場の提供や支援が必要です。

 Q④・フリースクールに通う児童生徒への東京都の月2万円の支援を受けている区民は何人いるのか、伺います。不登校の子どもの学びを保障するため、経済的な支援を区としても実施するよう求めますが、いかがでしょうか。

 そしていじめ・不登校いずれも、解決には教師が子どもたちの様子を見られる環境整備が根本的に重要です。

 Q⑤・区独自教員の活用等で、中学校の35人学級の実現、更に小中学校の30人学級に進むよう求めます。いかがでしょうか。

 さいごに、区立保育園の統廃合方針についてです。区は、全43の区立園のうち、6つの「統括園」、13地区の「サポーター園」を決定。その他の24園を統合した上、民営化も検討、民間に譲渡する「区内保育園等あり方基本方針」を打ち出しました。
「あり方」と言いながら、現実の子どもや保育園が直面する実態や改善要望などの記述や分析・方策は一切なく、数に終始。「統合等のハード面にかかる方針を策定する事が必要」とし、まさに統廃合方針です。
その理由を区は、「2年連続待機児はゼロ」と言いますが、希望する園の選考から漏れ不承諾となった子どもは昨年4月の時点で714人もおり、これは、認可に入れず認可外保育施設に入所した方や、就活をあきらめた方などの「隠れ待機児」を除外した数字です。また「定員割れがある」と言いますが、0~2歳児の空きはごくわずかです。大義もなく実態にも合わない削減方針は撤回すべきです。
ただえさえ、保育園の子ども一人当たりの面積基準は日本が1.65m2に対し、ドイツ3.5m2、スウェーデン7.5m2。3歳児クラスで保育士1人当たりが見る子どもの数は日本30人に対し、フランス8人です。ただでさえ貧弱な保育環境の改善こそ必要です。

 Q⑥・区立保育園の統廃合方針は撤回し、保育士の配置基準と子ども一人当たりの面積基準の改善こそ行うべきです。いかがでしょうか。

 品川の区立保育園は産休明け保育や給食おやつなどを先駆的に行い、「子育てするなら品川」の屋台骨を支えてきました。長く勤められ専門性を積み上げることができる待遇があるのも区立の良さです。また、株式会社は営利が目的であるため、利益を上げるためには人件費など保育にかかる費用を削るしかありません。本来は保育事業のために使うべき補助金の流用も日常茶飯事となっています。

 Q⑦・区内の区立保育園、株式会社立保育園の平均人件費率、平均勤続年数をそれぞれ伺います。

 補助金の流用を防ぎ、本来充てるべき人件費に充てさせ保育士の待遇を保障するために、

 Q⑧・世田谷区のような運営費助成交付にあたり人件費率5割以上の要件を課すことを求めますが、いかがでしょうか。

羽田空港での衝突事故を受け、過密を加速する羽田新ルートは改めて撤回を求める

次は、羽田空港での衝突事故を受け、過密を加速する羽田新ルートは改めて撤回を求めるです。

 都心のど真ん中を低空飛行する新ルート強行からまもなく4年。品川区民の生活に広範な影響を及ぼしていることが、区が行った区民アンケートにより明らかになりました。回答者全体の44%、ルート近傍地域では6割超が生活や暮らしの中で「影響を受けている」と回答。行政による実態調査で87086人もの回答が寄せられ、動かぬ数字として被害が見える化した意義は大変大きいと思います。しかし、区長は大臣に直接結果を手渡したにも関わらず、反対や中止を口にしませんでした。

 Q①・なぜ区長はこれだけのアンケート結果が出たにも関わらず、大臣に羽田新ルートの中止を申し入れなかったのか伺います。

 アンケートで「影響を受けている」と回答した方が具体的な影響として挙げたのは、88.9%の騒音、61.8%で「落下物など安全性への不安」、37.6%で「機影の圧迫感」と続きました。この不安が的中してしまったのが、1月2日の羽田空港内の衝突・炎上事故でした。

 1月11日、共産党国会議員団東京事務所は緊急の国交省レクチャーを開き、私も参加しました。国は事故当時は1時間あたり90便の運用だったと明かしました。また、大田の区議は、新ルート運用後、飛行機の滑走路離脱遅れとゴーアラウンドが増えていると述べ、増便が事故の遠因ではないかと質問。国交省は「無関係とは言えない」「増便に対する不安は真摯に受け止める」などと述べました。報道でも、羽田空港の過密ぶり、管制官への負担が指摘されています。

 しかし区には、正式な事故原因が調査中にも関わらず、1月8日C滑走路の運用再開に合わせ、羽田新ルートの運用を再開しました。

 Q②・これだけの事故が起こった中、増便を目的に過密を加速する羽田新ルートは中止を求めるべきです。いかがでしょうか。最低限、事故の原因と再発防止策が示されるまでは中止するよう求めるべきですが、いかがでしょうか。

巨額な税金を使ってまち壊し 施政方針で区民に語ることができない超高層再開発は見直しを

 さいごは、
巨額な税金を使ってまち壊し 施政方針で区民に語ることができない超高層再開発は見直しをです。

 新年度予算には、大崎や武蔵小山、品川駅南などに巨額の超高層再開発関連予算が計上。しかし、施政方針にも、プレス発表資料にも、再開発は一言もありません。学用品無償化や介護職員待遇改善など計38億円余は「ウェルビーイング予算」と命名し大きく打ち出したこととは対照的です。しかも、開発関連予算はそれをはるかに上回る68億円超。再開発は区民に隠してこっそり進めたいとの区の考えが透けて見えます。

 Q①・区長が再開発を施政方針にもプレス発表でも一言も語らなかった理由を伺います。

 また再開発は、区長が施政方針で施策の企画立案方針として掲げた「4つの領域」にすら矛盾するものです。
「安全・安心を守る」と言いますが、大地震に備える事と超高層ビル林立は両立しません。超高層はエレベーターの停止で陸の孤島となり、瞬時にして避難生活不可能となるからです。

 Q②・直下型地震時の超高層ビルにおけるエレベーター停止の課題解決についての区の考えをお聞かせ下さい。区内でエレベーターは何基が停止し、復旧まで何日かかると想定しているのかも、伺います。

 「住み続けられるやさしい社会をつくる」と言いますが、住み続けたいと願う住民が突然の再開発に巻き込まれ、泣く泣く離れる事例は後を絶ちません。都市整備推進担当部長は再開発について、「法に基づき、権利者の権利は保護されている。新しい建物に床の権利を受け取ることも、補償金を受け取り事業地外に転出することも、権利者自身が選択できる仕組み」と繰り返し答弁。さらに前任者は「地域内の各権利者がそれぞれに権利を主張しているだけでは、まちは何も変わりません。」とも言い放ちました。

 Q③・自分の家にただ住み続けたいという方を追い出すことのどこが「住み続けられるやさしい社会」なのか、伺います。

 「サステナブルな社会をつくる」と言いますが、超高層再開発ほど持続不可能なものはありません。都心の超高層ビルの集中でCO2排出量は激増し、地方の衰退は加速。また、超高層分譲マンションは容積率の限度、これ以上高くできない高さで建てており、複雑な権利関係・膨大な修繕積立金の問題もあり、「将来の建て替えは困難」と指摘する専門家もいます。

 Q④・温暖化加速と将来の建て替え困難、この課題をどう解決するつもりなのか、それぞれご説明下さい。超高層再開発はサステナブルな社会と反すると思いますがいかがでしょうか。

 住民に説明もできず、自らの施政方針にすら矛盾する再開発推進姿勢は改めることを求めます。

 以上で私の代表質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

答弁

森澤区長

 安藤たい作議員の代表質問にお答えします。私からは、能登半島地震の課題や教訓についてお答えします。首都直下地震のリスクが現実のものとして危惧される中、いつ何どき発生するか分からない大規模災害に対し強い危機意識を持って、既存の防災対策が真に実効性のあるものか、改めて再検証する契機とし、より一層のレベルアップを図る必要があると考えています。とりわけ、区としての公助はもとより、自助・共助の取組をさらに充実していくことの必要性を再認識したところです。例えば、耐震性の低い 家屋の倒壊に加え、上下水道の被害に伴うトイレの衛生状態の悪化、栄養不足による災害関連死の発生など、大きな課題を顕在化させたところです。こうした教訓を踏まえ、木造住宅の耐震診断の補助率引上げによる耐震化の加速、全区民への携帯トイレの無償配布、マンションのエレベーター用防災チェアの無償提供による在宅避難体制の強化、離乳食や女性が必要とする物資の備蓄の充実などを新規施策として予算措置したところです。引き続き、区の災害対応力の不断の強化を図ってまいります。

教育長

 私からは、子どもの権利に関するご質問のうち、学校における取組についてお答えいた します。児童・生徒の話合いの場については、市民科において発達段階に応じて学級会の進め方を学んでおり、他の教科でも社会生活等の課題解決を目指す話合いを行っております。教員間では、定期的に学年会を実施し、児童・生徒に関する情報交換を行うほか、日常的にも広く情報共有を行い、児童・生徒の支援 や指導に当たっております。 次に、学校の決まりや校則については、区立学校全校でホームページにて公開をしております。校則等の見直しについては、児童・生徒だけでなく、保護者・地域の方の意見も踏まえて行うよう学校に働きかけており、中学校や義務教育学校後期課程を中心に実施しているところです。

 次に、フリースクールに通う児童・生徒への支援についてです。令和5年度は1月末までに47名の児童・生徒が東京都の調査に協力をしております。区の支援につきましては今後検討してまいります。最後に、学級編制についてです。品川区固有教員につきましては、市民科等区独自の教育施策の推進役を担っております。35人学級の実施については、国の示すスケジュールに沿って順次進めており、令和6年度は小学校5年生まで適用されます。30人学級の導入については、35人学級の効果検証の結果を踏まえて、国において検討されるべきだと考えております。

災害対策担当部長

 私からは、災害対策についてお答えします。 初めに、不燃化特区についてですが、区では現在、地域危険度が高く、老朽化した木造建築物が集積するなど、災害時に特に大きな被害が想定される地域を「不燃化特区」に指定し、建物の除却・建て替えなどの助成支援を行っております。まずは、対象地域において重点的な取組を進めてまいります。また、助成額については、令和5年度に、建物除却費・新築設計費・工事監理費において対象者を限定せず、不動産所有者に対し助成額を上乗せしております。次に、品川シェルターについてですが、区では、ホームページをはじめ、広報しながわやしながわ防災ハンドブックなどでの周知、防災訓練や住宅まつりなどのイベントにおける模型を活用した説明など、その普及に努めているところです。命を守る選択肢の1つとして、建物の耐震化と併せ、品川シェルタ ーの普及に引き続き努めてまいります。  

 次に、上下水道の耐震化についてですが、管理する東京都において計画的に耐震化が進められているものと認識をしております。次に、区民避難所の耐震化されたトイレについてですが、区民避難所には男性用の小便器を除き約 920基の耐震化トイレが設置されており、男性用が約290基、女性用が約560基、バリアフリートイレなどが約70基設置されています。引き続き、学校施設改築の際にトイレの耐震化を順次進めてまいります。このほか、被害の状況や避難者の特性に応じて様々なトイレを使用できるように、各区民避難所には、簡易トイレや仮設トイレ、マンホールトイレなどを備蓄・整備しているところであります。次に、段ボールベッドについてですが、民間事業者と災害時協力協定を締結し、災害時には区の要請に応じて供給される体制を取っております。要配慮者用の段ボールベッドの配置については、区民避難所となる学校倉庫の備蓄スペースに限りがあるなど、課題があると認識をしております。このため、区民避難所の要配慮者スペースに備えるべき備蓄資材については、ふだん使いの可能性や保管要領も含めて、現在検討しているところであります。次に、東京都が整備を進めている特定整備路線の買収地につきましては、道路用地のため、地域のイベントなど一時的な使用について、都の協力を得て活用してきました。今後も同様に都の協力を求めてまいります。次に、防災会議等における女性構成員の増加についてですが、災害対策を進める中で女性による視点は重要であると考えており、今後とも構成員を増加していくよう努めてまいります。また、区民避難所などにおいても女性が安心して避難できる環境の整備に努めてまいります。次に、避難行動要支援者に係る個別計画についてです。区では、要配慮者支援全体計画において、自主避難が困難な方を避難行動要支援者と位置づけ、避難支援個別計画の策定を進めております。その中で、令和3年度に計画作成全体の仕組みを構築し、計画を作成するケアマネジャーや相談員に防災に関する知識を深めていただくため、防災学校などの研修を実施しております。計画作成に当たり、ケアマネジャーや相談員と調整しつつ、区が集約し、進捗管理を行っているところであります。また、計画作成の報酬は国から示された金額を参考に設定しておりますので、現段階では引上げの予定はございません。次に、計画作成時に、災害時の避難先としてホテルを事前に特定することは難しいところでありますが、避難所の在り方を含めて、今後検討してまいります。

福祉部長

 私からは、福祉施策についてお答えします。 まず、入院中の紙おむつ代助成事業についてですが、低所得世帯の負担軽減の観点から対象を非課税世帯としており、現時点で見直す考えはありません。次に、区における1人当たりの介護サービス給付費については、区が介護認定を適正に行い、適切なケアマネジメントを行った結果であると認識しております。 次に、在宅介護支援センターに対する委託料については、令和6年度予算において、運営費や予防支 援、管理者手当など、総額3億7,000万円となります。在宅介護支援センターは、第九期介護保険事業計画においても、高齢者の相談・支援の核としての機能を担う地域包括支援センターのサブセンターとして、区との一体的な運営を行ってまいります。次に、特別養護老人ホームの整備については、これまでも公有地も活用し整備を推進してきたところです。今後も、区民ニーズや行政需要を踏まえ、総合的に検討してまいります。次に、障害福祉サービスに係る各サービスの見込量についてです。現在策定中の第7期品川区障害福祉計画および第3期品川区障害児福祉計画におけるサービス見込量は、コロナ禍の影響も含め、直近10 年分と5年分の1人当たりの平均利用時間数を算出したものを対比して、より多いほうを示しております。なお、サービスの見込量は利用料の上限値を示すものではございません。実際の個別支援におきましては、個別の状況に応じて必要なサービスを提供いたします。次に、障害者グループホーム整備についてですが、本年4月1日に、西大井三丁目に「品川区立出石つばさの家」を開設いたします。また、区有地を活用するグループホームとして、今後、小山七丁目および戸越四丁目にも整備を進めております。いずれも、区の施設整備費補助を活用いただくことで、財政面においても安定的な運営を図れるよう、障害者グループホームの整備促進を着実に進めております。 次に、介護職員処遇改善支援補助金については、国が介護職員の人材確保という喫緊の課題に対応するため、令和6年2月から5月分までの間、介護職員に対する賃金改善の費用を補助するものです。6月以降は、介護報酬改定により、この補助金額を上回る加算率の上乗せを行うこととしており、区とし ましては、区内介護事業所・施設等への周知に努めてまいります。次に、区独自の介護・障害福祉職員居住支援手当については、直接処遇に係る介護・福祉サービス従 事者に対し月額1万円の手当を支給することで、職員の定着を支援してまいります。また、介護予防・日常生活支援総合事業につきましては、介護報酬は国の基準に準拠するとともに、令和4年10月より、介護給付における加算と同様に、「処遇改善加算相当」と「介護職員等ベースアップ等支援加算相当」 を設定しております。

 最後に、介護保険料と国保料についてです。介護保険料については、区の3年間の計画期間における給付費等の推計から第一号被保険者の保険料を見込み、介護給付費等準備基金を活用することで、保険料の上昇の抑制を図るとともに、保険料の多段階化については国の例に倣い、14段階を細分化して17段 階として、負担の公平化を図っております。なお、ご質問の合計所得金額3,000万円以上は約600人です。次に、国民健康保険料についてですが、令和6年度のその他一般会計繰入金は約11億6,000万円です。また、18歳以下の無料化に必要な額は約2億円と見込んでおります。保険料は、医療費総額や加入者の所得等を推計し、特別区統一保険料により算定しているものであることから、区独自に無料化などを行う考えはありません。

総務部長

 私からは、「品川区ジェンダー平等と性の多様性を尊重し合う社会を実現するための条例」等に関するご質問にお答えします。 初めに、条例名称の考え方についてですが、性別にかかわらず平等に責任や機会を分かち合い、社会的性差のない社会づくりを目指すため、SDGsの目標の1つでもある「ジェンダー平等」という言葉を用いています。また、「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」の施行に伴い、理解を促進していく必要があるなどの社会的背景を踏まえ、「性の多様性」という言葉も入れた条例名称としました。 次に、選択的夫婦別姓についてですが、立法機関である国会の場で議論を十分に尽くすべきものと考 えており、国の動向を注視してまいります。 次に、学校における性教育についてですが、学習指導要領等に基づき、保健の授業をはじめ、理科などの教科の中で、体の発育・発達や思春期の体の変化、生殖に関わる機能の成熟等の性に関する内容を学習しています。市民科での学習も含め、1年生から人権やジェンダー平等等、広いテーマを系統的に学ぶことで、包括的性教育の内容に準ずるものと捉えています。

 次に、若者向けのユースクリニックについてですが、東京都の「とうきょう若者ヘルスサポート(わかさぽ)」で電話やメールで無料相談を行っていることから、まずはその周知に努めてまいりますが、 区としましても、他自治体の事例等も踏まえ、在り方や機能について検討してまいります。条例の制定に伴い、区として、その周知をはじめ、推進計画の策定や推進会議の設置などにより、総合的かつ計画的に施策を推進してまいります。

子ども未来部長

 私からは、子どもの権利及び保育園に関するご質問についてお答えいたします。初めに、子どもの権利についてですが、令和5年に施行されたこども基本法は子どもの権利条約の精神にのっとり、こども施策を社会全体で総合的かつ強力に推進していくための包括的な法として整備されたものです。区において令和6年度策定を予定している「(仮称)品川区子ども計画」は、当然ながらそうした法の考えを基本に策定を進めていくべきものと考えております。また、子どもの権利等の周知・啓発については、東京都こども基本条例のパンフレットを学校や区有施設の窓口で配布するなど、子どもの最善の利益・権利を重視し、取り組んでまいります。次に、区内保育園等の在り方についてですが、未就学児人口の推移や国の保育施策の動向、そうしたものを踏まえた区の方針に基づき、保育の質の維持向上を図ってまいります。保育室面積については、区内の保育需要等を考慮しつつ、施設に適した定員の見直しを行うことで良好な保育環境を確保いたします。保育士の配置基準については、今後も国の施策との整合を取りながら、必要な対応を適宜適切に実施してまいります。次に、保育施設運営に係る人件費率ですが、区立園については運営費・人件費の総額から割り返しとなりますが、73.9%、株式会社が運営する保育園は48.2%、平均勤続年数は、区立園が12.9年、株式会社が運営する保育園は6.3年となっております。また、運営費助成交付の条件につきましては、1歳児に対する保育士の配置人数を国の基準より多くする等の要件を課しており、現時点では新たに要件を課すことは考えておりません。

都市環境部長

 私からは、羽田新ルートについてお答えをいたします。令和5年12月1日に区長が国土交通省を訪問し、ルート下近傍地域での騒音による影響が大きいとするアンケートの速報結果を踏まえ、固定化回避検討会において区民負担軽減につながる取組を提示し、実施することを大臣に直接求めました。大臣からは「重いアンケートであり、しっかり受け止め、検討する」と応じていただきました。区としましては、引き続き国に対し、区民負担軽減につながる方策の実施を強く求めてまいります。次に、羽田空港衝突事故について、区は令和6年1月5日に国に対し、事故の早急な原因究明と再発 防止に取り組むとともに、区民への丁寧な説明の実施を強く求めました。国は令和6年1月9日に航空の安全・安心確保に向けた緊急対策を行うことを表明しまして、外部有識者を含めた対策検討委員会を1月19日に立ち上げ、衝突防止など安全・安心に向けた検討を進めていくとしております。区としましては、引き続き国に対し、安全・安心対策の実施を求めてまいります。

都市整備推進担当部長

  私からは、再開発事業についてお答えいたします。初めに、施政方針等についてです。施政方針は、その年の区長の政策に取り組む姿勢や基本方針を分 かりやすく区議会や区民にお示しするもので、新規や拡充の事業を中心に選定しており、議員のご指摘とは異なるものであります。次に、直下型地震時の超高層ビルにおけるエレベーター停止の課題解決と復旧についてですが、区では高層マンションの防災対策として、手引やハンドブックを配布するとともに、マンション防災アドバイザーを派遣しております。また、令和6年度にはエレベーター閉じ込め対策として防災チェアを希望するマンションに配布することとしており、引き続き自助・共助の取組について普及啓発活動を行っていきます。都の被害想定では、区内のエレベーター停止は887台で、復旧までの想定日数は、状況によるため、一概にお答えはできません。次に、住み続けられるやさしい社会についてですが、再開発事業は、老朽化している木造建築物が密集し、道路が狭いなど、地域の課題解決に向けて、安全で住みやすいまちに更新していくため、事業地内の権利者の方々が主体となり、建物を共同化し、都市の基盤となる道路や空地などの整備を行う事業です。 最後に、再開発事業における温暖化と将来の建て替えについてですが、温暖化につきましては、都の 開発諸制度において環境都市づくりの取組が求められており、再開発事業ではこれに沿って低炭素エネルギーの活用や省エネルギー化を図るとともに、大規模な緑地を整備するなど、環境に配慮したまちづくりを進めています。また、建て替えについては、マンション組合や権利者が事業協力者の協力の下、支援制度を活用し、検討を進めるものと考えております。区としましては、引き続き防災性の向上やにぎわいの創出など、まちの課題を解決するため、地域主体で進める安全で住みやすいまちづくりを推進していきます。

再質問

安藤たい作議員

 自席より再質問をいたします。 まず、防災です。区長も今回の地震の課題に上下水道を挙げました。水道とトイレが使えれば、避難環境は劇的に改善します。耐震化なんですが、都が計画的に進めているみたいな感じの答弁だと思うんですけども、上下水道とも100%にする計画もないんですね。その上、独立採算で、水道料金収入の範囲内でしか工事は行われていないのです。教訓と課題というのであれば、東京都に、公費も投入して上下水道100%耐震化の計画を立てるよう求めるべきではないでしょうか。伺います。
福祉です。質問では、所得制限を設けない考え方についてを基本に福祉施策を進めることを求めましたけども、そこの答弁がなかったので、お答えいただきたいと思います。また、介護サービスの量や地域包括施設整備などは23区最低の水準のままです。ウェルビーイングというのであれば、なぜこれらを改善しないのか、そのつもりがないのか、伺いたいと思います。あと、値上げ続きの国保、この物価高の上に過去最大の値上げを課すのは本当にひどいなと。子ども1人~3人世帯で年収200万円なら、年間28万円と、2か月分近くの収入が消えるような料金なんですね。これで生活ができるのでしょうか。過去最高の税収が一方ではあるのが品川区なので、区独自での値下げと、子どもの保険料無料化、これを行うべきだと思いますけども、いかがでしょうか。ジェンダー、制定する条例、かつ具体化することが大切です。選択的夫婦別姓は、経団連も政府に導 入を要望しました。包括的性教育の8つのキーコンセプトには、健康とウェルビーイングのためのスキルが入っています。条例の立場、ウェルビーイングを掲げる立場でそれぞれ進めるべきだと思います。改めていかがでしょうか。ユースクリニック、ぜひ進めていただきたいと思います。 あと、子どもです。都こども基本条例のパンフを配布するのはいいのですけども、やっぱり必要な予算をつけて、児童・生徒全員に配布していただきたいのですが、いかがでしょうか。保育園です。区立と株式会社の保育士の勤続年数と人件費率を伺いましたけど、かなり数字が歴然としていましたね。区立園を減らすということが子どもにとっていかに損失なのかは明らかだと思います。統廃合方針の撤回を求めました。明確にお答えください。

 羽田です。アンケート結果の重要性を私たちも評価し、区の評価を一定伺えたかなと思うんですけども、であるならば、なおさら、従来となぜ同じ対応なのかが理解できない。なぜ撤回を求めないのでしょうか。区長のお考えをお聞かせいただければと思います。最後に、開発です。防災、脱炭素、建て替え困難、ことごとく私は具体的な解決方法が示されない答 弁だなと思いました。これで進めるというのはあまりに無責任だと思います。 新年度予算の開発予算は68億円超、これはウェルビーイング予算の1.8倍。これはまさに拡充の事業だと思うんですけど、なぜ区民には語らないのでしょうか。改めて伺いたいと思います。 以上です。

再答弁

防災まちづくり部長

 私からは、上下水道の耐震化についての再質問についてお答えをさせていただきます。上下水道につきましては東京都が管理をしており、これまで計画的に耐震化が進められているところでございます。さらに、下水道につきましては、早期の耐震化に向けて、23区で連携して要望活動等を行っているところでございます。今後も必要に応じて適正な対応、そういったものを図っていきたいというふうに考えているところでございます。

福祉部長

  私からは、安藤議員の再質問のうち、所得制限およびウェルビーイング予算の関連につきまして、福祉施策に関連してお答え申し上げます。 議員の質問でもいただきましたとおり、今回は、所得制限の撤廃を含めまして、ウェルビーイング予算としまして区として独自の予算のほうの策定を行いまして、今、提案しておりますとおり、介護職員、福祉職員の介護処遇手当のほか、緊急代理通報システムの無償化など、様々な事業を、無償化またはウェルビーイングの観点から、区民の幸福(しあわせ)をさらに進める事業を予算化してきたものでございます。今後もこのように、私どもは福祉施策の面におきましても多角的に総合的に検討を進めまして、ウェルビーイング予算、区民の不幸せを少なくしていく事業、また、予算の検討を進めてまいりたいと思っております。

総務部長

 再質問にお答えをいたします。 選択的夫婦別姓については、先ほどもご答弁いたしましたとおり、立法機関である国会の場で議論を十分に尽くすべきものと考えております。したがいまして、国の動向を注視してまいります。

健康推進部長

 私からは、国民健康保険料についての再質問にご答弁いたします。先ほど答弁でも申し上げましたとおり、国民健康保険料につきましては、特別区で協議の結果、統一保険料を基に規定しているものでございまして、区独自の無償化等については考えてございません。また、18歳以下等の年齢だけによる無償化につきましては、国通知により、行わないことというふうに通知が来ておりますので、そこについても対応する考えはございません。

教育次長

 性教育についての再質問にお答えを申し上げます。先ほども、学習指導要領に基づきまして、保健、理科、市民科等での学習をしていると申し上げました。市民科については、全学年で、それぞれの発達段階に合わせて、人間関係の形成ですとか、人権尊重につながる学習を幅広く行っているところでございます。あわせまして、今年度は生命(いのち)の安全教育を全校で実施しており、子どもたちが性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないよう指導しております。引き続き国の方針に基づいた指導を適切に行ってまいります。

子ども未来部長

 私からは、子ども施策に関する再質問についてお答えをいたします。まず、子どもの権利条約の周知についてでございますけれども、東京都の資料、パンフレットを配布 するというところで、なるべく多くの方に周知できるように、これからも工夫してまいりたいと考えてございます。それから、区立保育園の統廃合等というお話がございましたけれども、今回、区立保育園の在り方検討に至った経緯といたしましては、現在の未就学児の人口の動向や、国の保育施策の動向、区内の保育施設に関わっている、取り巻く社会情勢が大きく変化しているといったところがございます。こうしたところを踏まえながら、区立保育園、それから、区内の保育園の在り方について検討してきたといったところでございます。そうしたところで、この在り方の方針につきましては、区立保育園の統廃合のための計画ではないというところは申し上げておきたいと思います。そうした中で、どういった在り方がよろしいのかということをこれから方針としてまとめて、区内の保育園の質の向上、それから、どういった形での保育をこれから続けていくかといったところの在り方を出したものでございますので、そうした方針に基づいて進めていきたいと思ってございます。

都市環境部長

 私からは、羽田新ルートについてお答えをいたします。 羽田新飛行ルートにつきましては、区はこれまで一貫して、区民の不安の払拭のために、国へ丁寧な説明と周知を継続して行うよう求めてまいりました。この新ルートの固定化を回避して、技術革新を踏まえて検討を行うということを区が求めたことに応じて、現在、国において検討がなされているところ です。区長が国土交通省を訪問しまして、直接大臣にアンケート結果を手渡し、その後、大臣からは、 重いアンケートであり、しっかり受け止め検討するという回答をいただいたところです。今後、区としましては、このアンケート結果を国にしっかり受け止めてもらいまして、具体的な解決策を提示して実施してもらうよう、国に引き続き働きかけていきたいと考えております。

都市整備推進担当部長

 私からは、再開発に関する再質問にお答えいたします。 施政方針等につきましては先ほど答弁したとおりでございますけれども、再開発事業は、老朽化している木造建築物が密集し、道路が狭いなど、地域の課題解決に向け、安全で住みやすいまちに更新して いくため、事業地内の権利者の方々が主体となって建物を共同化し、耐震性や耐火性に優れた建物として、さらに、都市の基盤となる道路や公園、空地などの整備を行う重要な事業でございます。区としましては、引き続き防災性の向上やにぎわいの創出など、まちの課題を解決するため、地域主体で進める安全で住みやすく環境に配慮したまちづくりを推進していきます。