熱中症から命を守る対策についての申し入れ
熱中症から命を守る対策についての申し入れ
2024年6月13日、日本共産党品川区議団は、森澤恭子区長宛てに「熱中症から命を守る対策についての申し入れ」を行いました。
区長の代理で対応した区長室長、総務課長に要望書を手渡しました。区長室長は「熱中症対策は区としても重要なことと考えており、必要性は理解しています」「区長に伝えます」と応じました。
熱中症から命を守る対策についての申し入れ
今年も真夏日のような暑い日が続き、熱中症に警戒が必要な季節となりました。昨年の日本の気温は史上最高となり、東京都も真夏日が64日間連続するなど異常な猛暑でした。気象庁によると今夏の気温も全国的に高いと予想されています。熱中症から命を守る対策が急務です。
毎年、東京都では多くの方が熱中症で亡くなられています。東京都監察医務院の「令和4年度夏の熱中症死亡者数の状況(東京23区確定値)」によれば、令和4年度熱中症で亡くなられた方は251人、うち65歳以上の高齢者が84%を占めています。屋内死亡者232人のエアコン使用状況を見ると、設置無しが50人・21.6%を占め、設置している人で使用有りはわずか19人・8.2%に過ぎず、設置しながら使用無しが137人・59%にのぼります。この数字は、熱中症による死亡の最も大きな原因が、エアコンが設置されていない、設置されていても電気代が高く使えない、また予防法の理解不足による適正なエアコン使用がされないことを示しています。この実態を踏まえた対策が必要です。
政府も「気候変動適応法」を改正し、熱中症対策を講じることを打ち出しました。しかし、その対策は不十分であり、エアコンの普及促進をあげながら電気料金の補助金を6月から打ち切るなど矛盾するものです。
異常な物価高騰の中、実質賃金も実質年金も下がり、医療や介護の保険料は史上最高の値上げ、医療費の窓口負担も増やされます。そこに電気料金の値上げが追い打ちをかけ、区民の暮らしはますます苦境に立たされます。暮らしが厳しい区民が電気代を節約するためにエアコンの使用を控えることは例年にも増して広がるのではないかと懸念されます。誰もがエアコンを適正に使用できる支援が必要です。
熱中症は死に至る可能性のあるものですが、予防対策で防ぐことができます。区民が予防法や応急処置を知ることにより、重症化を回避し、命を守ることにつながります。そのための啓発も重要です。熱中症で命を落とすことがないよう、区としてできる対策を以下要望します。
記
- 区として、生活保護受給者や低所得者が安心してエアコンを使用できるよう、電気代の助成を行うこと。
- 生活保護受給者や低所得者が省エネエアコンを自己負担なく購入・設置できるよう、助成を行うこと。
- 区が設置している避暑シェルターは、長時間快適に過ごすことができるよう環境の整備を行うこと。また、水分補給のための経口補水液なども配備すること。
- 熱中症対策として、高齢者クラブ等地域ごとに熱中症に対する講座を行い知識の普及、予防対策の啓発を行うこと。また、熱中症弱者の把握や安否確認、見守り体制の仕組みについて検討すること。
- 高齢者や乳幼児、難病患者や障害者など熱中症弱者が、数値で気づき対策がとれるよう、希望者に熱中症アラーム付き温度・湿度計を配布すること。
以上