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2024.09.20

鈴木ひろ子区議令和6年第3回定例会一般質問
23区で品川区だけが地域に設置していない地域包括支援センターを設置し、安心して住み続けられる地域づくりの拠点を
障害者権利条約と「勧告」を生かし、当事者参加を位置づけ、グループホーム増設やインクルーシブ教育など権利保障の具体化を
「大軍拡でなく外交こそ平和の道 高まる核使用の危機、今こそ核兵器禁止条約の批准を国に求めよ 」
羽田空港で4年間1,798件の部品脱落。住民の命を守るため、みんなの力で都心ルートを撤回させよう

質問項目

  1. 「23区で品川区だけが地域に設置していない地域包括支援センターを設置し、安心して住み続けられる地域づくりの拠点を」
  2. 「障害者権利条約と「勧告」を生かし、当事者参加を位置づけ、グループホーム増設やインクルーシブ教育など権利保障の具体化を」
  3. 「大軍拡でなく外交こそ平和の道 高まる核使用の危機、今こそ核兵器禁止条約の批准を国に求めよ」
  4. 「羽田空港で4年間1,798件の部品脱落。住民の命を守るため、みんなの力で都心ルートを撤回させよう」

質問

「23区で品川区だけが地域に設置していない地域包括支援センターを設置し、安心して住み続けられる地域づくりの拠点を」

 「認知症が心配。介護が必要になった。自宅ではもう限界」など困ったときの総合相談窓口が地域包括支援センター(以後包括センター)です。今から19年前に創設され、保健師、社会福祉士、主任ケアマネの3つの専門職を高齢者3000~6000人に1人ずつ配置することを国が義務付けた制度です。2006年度から活動が開始される中、23区で品川区だけが、地域に1か所もつくりませんでした。品川区は18年前の制度を変えず、在宅介護支援センター(以後在支)を包括センターのサブセンターと言っていますが、そこはケアマネージャーしかおらず、保健師と社会福祉士の専門職が配置されていません。その配置を求めると、区は「配置されている他の自治体よりむしろしっかりケアができている」と根拠もなしに豪語してきました。
今回、品川区の在宅介護支援センターと地域に28か所の包括センターを設置し3職種を配置する世田谷区の担当課長と係長から直接お話を伺いました。品川区と世田谷区の根本的な違いを具体的に示し、包括センター設置を求め質問します。

 まず第1に人員体制です。品川区の保健師4人に対して世田谷区は56人、桁が違います。社会福祉士は23人に対して92人です。人口対比で計算すると、保健師は6倍、社会福祉士は1.7倍です。主任ケアマネを加えた全体でも1.5倍の体制です。品川区の在支には保健師と社会福祉士が配置されていないため、日常的に専門職によるチームでの対応ができないことが決定的です。品川区の医師会からも在宅医療のために相談窓口に看護師や社会福祉士の確保は必須と要望が出されています。
区は「高齢福祉課が包括センターを直営で運営しており、そこに保健師を4名配置している」と言いますが、世田谷区では包括センターの保健師56名に加えて、高齢福祉関係で本庁と支所に合計10数名の区職員の保健師を配置し、包括センターをバックアップしています。

 Q1、厚労省の規定からも大きく下回り、世田谷区の1/6でしかない保健師配置を見直し、保健師の定数増を求めます。いかがですか。こんな体制でなぜ「他の自治体よりしっかりしたケアができている」と言うのか、根拠を示してください。

 第2に、業務の中身です。
品川区の在支では日常業務のほとんどが、寄せられた相談対応と要支援のケアプラン作成に追われ、その他の業務としては月1回の地区ケア会議の開催が主な業務です。

 世田谷区では地域の実態把握として訪問を位置付け、その数年間3万5千件。訪問対象者リストを作成し、ほんらい支援が必要な人を発見し支援につなげたり、介護予防事業や継続的な見守りにつなげています。

 Q2,実態把握のための訪問活動が品川区では行われていませんが、包括センターとして位置付けるべきと考えます。いかがでしょうか。

 さらに世田谷区では啓発活動として、いきいき講座と称して年間268回、4500人が参加。内容は、筋力アップ、栄養改善、認知症ケア、消費者被害防止、ホームの選び方、熱中症予防、防災、スマホの使い方などなど、高齢者の生活に密着した問題の解決や介護予防の普及啓発などを目的に行われています。注意喚起や啓発とともに、高齢者が外に出るきっかけにも活用されています。

 品川区に、今年の猛暑に対して、高齢者への熱中症予防の啓発学習会をどこに依頼できるか相談しましたが、その部署がないとのことでした。

 Q3, 品川区としても地域での啓発活動を位置づけるべきと考えます。いかがでしょうか。

 第3に認知症ケアの推進についてです。

 世田谷区では包括センターごと認知症専門相談員を配置し、相談を受けています。「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」がつくられ、「本人が自らの思いを発信・社会参画しながら、地域で希望を持って暮らせるまち」の計画を策定。世田谷版チームオレンジが取り組まれ、包括センターが認知症サポートセンターと連携しながら推進しています。認知症初期集中支援チームの令和5年度実績は150人、訪問延べ数566回に上ります。品川区の初期集中支援チームの実績はゼロです。
Q4、サブセンターとしての在支における認知症ケアの推進の体制と果たしている役割は何か伺います。なぜ品川では初期集中支援チームが機能していないのか、その理由も伺います。認知症になっても希望を持って暮らせる地域づくりのためには地域ごとの包括センターが必須ではないか、伺います。

 世田谷区ではほかにも、地域におけるネットワークづくりや医療と介護の連携の取り組み、あんしん見守り事業等々が取り組まれています。

 第4に、品川区が包括センターの年度ごとの事業実績と計画を作っていない問題です。

 世田谷区は、毎年28か所の包括センターごとに、10項目の業務について、詳細な実績報告と次年度の事業計画が出されています。これが、地域の課題を明らかにし、高齢者への支援を充実させることにつながっています。さらに来年度から予算を増やし、包括センターの体制強化の方針を打ち出し、専門職をもっと増員するとしています。

 品川区では、実績報告はケアプランの数と相談件数しかなく、次年度の事業計画はありせん。

 18年前、福祉予算の抑制のために品川区だけが地域に包括センターを作りませんでした。地域には複合的な様々な問題が現存し、対応が求められています。このまま放置すれば、ますます他区と差が広がることになります。

 Q5,品川区としても包括センター直営・サブセンターそれぞれの事業実績と事業計画を毎年つくるべきです。そして公表を求めます。3専門職を配置した地域包括支援センターを地域に設置するよう求めます。いかがでしょうか。

「障害者権利条約と「勧告」を生かし、当事者参加を位置づけ、グループホーム増設やインクルーシブ教育など権利保障の具体化を」

 日本が障害者権利条約を批准してから10年が経過。2022年9月には、国連から93項目もの勧告が出され、障害者の様々な課題を根源的に解消するよう政府に求めています。

 この間、障害者団体の皆さんとの懇談でたくさんのご要望をいただきました。障害者福祉の現状は権利条約からは程遠いと言わざるを得ません。あらゆる場面で当事者参加を位置づけ、障害者権利条約と勧告を生かす立場での充実を求め、以下3点質問します。

 まず初めに、グループホームの増設です。

 出石グループホームでの申し込みが16の定数に87人・5倍を超えました。しかし、今後の計画は2か所で20人分しかありません。「何度申し込んでも入れない」「遠くの施設に入れられてしまうのではないか」「家族の気力・体力があるうちに独立した生活にしてほしい」と切実な声が寄せられ、多くの障害者団体から毎年強い要望が出されています。区内のグループホームが少ないため、多くの方が区外に入らざるを得ません。地域移行の受け皿としても必要です。森沢区長は障害者グループホーム100人分増設を掲げましたが、計画は20人に留まっています。

 Q1,①現在、グループホームと入所施設に入っている人数、そのうち区外の人数をそれぞれ伺います。②区長公約の100人分はいつまでにどのように実現させるのか伺います。③区は何人分必要と考えるのか、合計数と障害種別ごとにお答えください。④必要数を計画を立て増設するよう求めます。⑤区が公募した施設の入所者選定は点数制など透明性、公平性が担保される仕組みとすべきです。いかがでしょうか。

 2つ目に、医療的ケアの必要な人への通所施設とショートステイの施設整備です。

 障害者権利条約は、差別の禁止と合理的配慮を謳い、差別解消法で行政に義務付けています。

 人工呼吸器を使用するAさんは、高校卒業後、区内に受け入れる通所施設が1か所もないため、週1回大田区の都立北療育医療センター城南分園に通所以外の週6日は自宅に閉じこもらざるを得ない生活を8年間も余儀なくされてきました。
今年6月、大田区に呼吸器使用者も受け入れる通所施設が開設され、やっと週2回通所できることになりました。すると今度は城南分園から通所を断られました。分園通所時の品川区の依頼文書が「通える施設ができる迄」「週1回だけ」と限定していたためです。

 この間、区立の医療的ケア者の通所施設で受け入れてほしいと訴え続けてきました。しかし、呼吸器使用者は体制上困難と断られ続け、今年3月の時点でも受け入れない、3年後の施設拡充時に検討すると言われたのです。

 ところが、品川区の依頼文を理由に城南分園に断られるや、今年7月突然、区立の施設から「品川区から依頼があった」と連絡があり、8月から呼吸器使用でも受け入れるとなったのです。

 Q2,①なぜ8年間にわたり呼吸器使用者を受け入れなかった区立の通所施設が、現施設のまま急遽受け入れたのか、②受け入れができるのに、なぜ8年もの間受け入れなかったのか、その理由を伺います。③家に閉じこもらざるを得ない状況を長期間放置したことは、区の責務である合理的配慮を怠った事ではないのか。伺います。 ④品川区に呼吸器使用者を受け入れる医療的ケア児者のショートステイは未だありません。一刻も早くつくるべきです。いかがでしょうか。

 Q3,サービスを利用するために必要な介護タクシーの予約料、迎車代、基本介護料の助成を求めます。いかがでしょうか。タクシー券の増額を求めます。いかがでしょうか。

 3つ目に発達障害児への支援と教育の体制整備についてです。

 文科省の調査でも小中学生の8.8%に発達障害の可能性があると言われ、支援の充実が求められています。

 特別支援教室の教員配置基準は、子ども対教師が12:1です。実際は品川全体の子どもの登録人数を12で割った教員の配置のため、学校によっては12人を大きく超える子どもを受け持たなければならない状況です。しかも、病休者が出ても補充もないため、多いときは20対1等限界を超えるような過重負担になっています。また、特別支援教室に配置される教員も事前に研修を受ける仕組みがないため、より負担を増しています。

 Q4,東京都に対して、特別支援教室の教員配置を学校単位で最低12対1とするよう求めて下さい。特別支援教育に当たる教員に対して、実務前の研修を求めます。一般教員へも特別支援教育についての正しい知識や手立てを学ぶ場をつくるよう求めます。それぞれ、いかがでしょうか。

 小学校では発達障害教育支援員が各学校1名ずつ配置されましたが、支援が必要な子供が増える中、学校に一人では不十分です。

Q5,➀発達障害教育支援員・学習支援員が支援する子どもの人数は小学校・中学校それぞれ何人か、5年前と現在の人数をお答えください。②また、支援員の平均受け持ち人数と子どもへの週当たり平均支援時間数をそれぞれ伺います。③子どもたちが必要な支援が受けられるよう、支援員の増員とスキルアップなど体制強化を求めます。④特別支援教育について、体制整備や職員研修、父母への啓発などを推進するため特別支援教育推進計画の作成を求めます。いかがでしょうか。

「大軍拡でなく外交こそ平和の道 高まる核使用の危機、今こそ核兵器禁止条約の批准を国に求めよ」

 第2次安倍政権以来日本は、5年間で43兆円もの大軍拡、敵基地攻撃能力の保有や武器輸出、自衛隊と米軍の統合・一体化など「戦争国家」への道を突き進んできました。自民党の総裁選では全員が改憲の大合唱。軍事費は来年、過去最高の8.5兆円を要求、文教関係予算の2倍です。軍事対軍事の一辺倒で外交戦略はありません。 軍事費の拡大は、暮らし、社会保障、教育、防災、気候危機対策の予算を圧迫、増税や社会保険料の負担増によって、暮らし、命が潰されます。

 今、品川区でもイベントへの装甲車の展示や小6の社会科見学で防衛省見学など、自衛隊を身近なものにしようという動きが強まっており、憲法9条を変えて戦争できる国づくりの動きが足元からひたひたと広がっています。
平和について質問すると区は防衛、安全保障は国で議論すべきとしか答えません。しかし今、区長としてどう向き合うのかが問われています。

 Q1、大軍拡によってこれほど平和の危機が高まり、区民の暮らしも命も脅かされている中で、「国で議論すべき」との答弁を繰り返すだけで区民の命を守れるのか。伺います。今こそ改憲と軍拡に反対の意思表示を示すべきです。いかがでしょうか。

 軍事対軍事で平和を守ることはできません。憲法9条を生かした外交こそ必要です。共産党はすべての国を包摂した平和の枠組み「東アジア平和提言」を提案しています。

 核使用の危機も高まっています。ロシアが核使用で世界を脅し、アメリカも状況次第で先制的に核攻撃を行うとしています。NATOも核抑止論が強まり、岸田政権は日米一体で核抑止力強化するとしています。核抑止はいざとなれば核兵器を使用するぞという脅しです。今こそ核兵器禁止条約の批准こそすべきです。既に条約への署名93カ国、批准70カ国に上ります。
区長も加盟し、全国99.9%の首長が参加する平和首長会議の国内総会は昨年10月、岸田政権に対して、核抑止論からの脱却、条約の締約国会議へのオブザーバー参加と一刻も早く条約に署名・批准をすることを求める要請書を採択しました。ついに全国の首長たちがここまで求めるところまで来たのです。当然、

 Q2、区長は平和首長会議の「政府に核兵器禁止条約に署名・批准を求める」要請書と同じ立場でしょうか。伺います。

 Q3、「日本政府に核兵器禁止条約への署名・批准を求める署名」に区長がサインすることを求めます。いかがでしょうか。

「羽田空港で4年間1,798件の部品脱落。住民の命を守るため、みんなの力で都心ルートを撤回させよう」

 「羽田問題議員連盟しながわ」の呼びかけで7月18日にきゅりあんで行われた羽田新ルート問題23区議会議員交流集会。渋谷・港・新宿など11区44人の区議が集合。共産・立憲・ネット・れいわ、参政・無所属など超党派・行政区を超えた画期的な一点共闘の場となりました。集会前に低空飛行の現地体験を行い、他区の議員からは「飛行機のお腹が見え、轟音に恐怖を感じた」など驚きの声があがりました。「近所の翻訳家が60万円かけ二重窓にしたがそれでも仕事に影響があり、引っ越しした」(新宿)、「TVが聞こえない。車輪を降ろすところが中野、渋谷と言われており、落下物への不安の声が寄せられている」(中野)など、各区の被害の実態、住民運動や議会論戦の様子が報告・交流され、今後も情報共有や連携を強めていく一歩となりました。

 Q1、羽田新ルート問題の解決へ、区は他自治体とどのような連携の取り組みを行っているのか伺います。区としても主体的な他区との連携の取り組みを行うべきと思います。いかがでしょうか。

 新ルート開始から4年半。住民は被害や危険にさらされ続けています。共産党の質問主意書によると、主要7空港で2017年以来発生した1㎏以上の欠落部品は42件。うち発見されたものは19件、空港敷地内以外に12㎏のものが海岸に、25㎏のものが海に落ちています。未発見の中には83㎏、97㎏というものもあります。羽田空港での部品欠落は直近4年間で1,798件にのぼります。たまたま事故になっていないだけで、落下物事故はいつ区内で発生してもおかしくないというのが現実なのです。

 Q2,区自らが「安全」と答弁できない危険な都心ルートは、撤回を国に求めるべきです。いかがでしょうか。