スマホで表示する画像

2024年10月25日

石田ちひろ区議が賛成討論を行いました
「インボイス実態調査求める陳情」への賛成討論を行いました。

2024.10.25 石田ちひろ 区議

 日本共産党品川区議団を代表して、令和6年陳情第48号「事業者へのインボイス制度の影 響について品川区内実態調査実施の陳情」に賛成の立場で討論を行います。

 本陳情は、品川フリーランスの会から提出され、昨年10月に多くの反対の声を無視し強行 されたインボイス制度により、区内事業者がどれだけの影響を受けているのかを区として実態 調査をおこなうことを求めるものです。陳情審査した総務委員会で、賛成多数で採択されました。

 インボイス制度を考えるフリーランスの会が行った7000人実態調査、また品川フリーラン スの会が独自で行った区内事業者アンケートを見ても、「取引先から値下げされた」「インボイス登録事業者でないなら請求書から消費税の項目を消してくださいと言われ、消費税分は払ってもらえなかった」「連絡が取れなくなった取弓I先があり、取弓I排除された可能性が高い、別の 取引先は個人事業主で協議をしたうえで泣く泣くこちらが引き下げに応じた」など、免税事業者に対する一方的な値下げ、取弓排除が横行しており、ぎりぎりで頑張っている事業者がさらに追い詰められている状況が示されています。
インボイスが中小零細企業•個人事業主に与えている影響を調査し把握することは地域経済の振興をはかる区として行うべきです。

 以下、賛成理由を述べます。

 陳情審査をした総務委員会で、品川区は「国の制度であり、地方自治体が実態調査をするのは大変困難」との答弁を繰り返しました。しかし国の制度であっても、影響を受けているのは区内事業者•品川区民であって、地域経済や区の税収にかかわる大きな問題です。区民の暮らしと生業を守り、地域産業振興の役割を持つ品川区が実態をつかまずしてだれがつかむのか。

 総務委員会では、この陳情に自民、公明、しながわ未来(無所属・立憲・ネット)が反対しました。 自民党は「インボイス制度の影響がどう出ているかは、国から情報がない中、自治体で実態調査をして正確にわかるのか、疑問がある」、しながわ未来(無所属・立憲・ネット)は「実際に区が調査をするのは難しい、国が管理しているということなので難しい」など、いずれも、どうしたら実施でぎるかではなく、区での実態調査は難しいということが前提の意見ばかりで、苦しむ 陳情者の立場に全く立っていません。また公明党は「インボイスについては今回だけでなく、 様々皆さんから声を聞いている。区もしっかりと今後も把握をして具体的な対策につなげてほしいと要望します」と口では言いながら陳情には反対し、結局、この切実な願いに背を向けました。

 区は総務委員会では「実態調査をすることは困難」と言い続けてきましたが、その後の決算委員会の款別審査で、実は区がインボイスについての調査を行っていたことが共産党の質問で明 らかになりました。品川区が区内中小業者に対して四半期ごとにアンケートにより調査をする「景況調査」です。

 この調査では、インボイスが実施される前の2022年7月〜9月と、インボイス実施直後の 2023年10月〜12月と、2回も、特別調査項目としてインボイス制度の影響調査が行われていたのです。この特別調査とは何か。品川区に問うと「特別調査とは、普段、経営相談をやつ ており、その中で多くいただく相談をふまえて、区としてより深堀したいものについて調査項 目としている」との答弁でした。つまり、区民からの相談をふまえ、区の判断で必要な調査はできるし、今までも品川区自ら2回にわたってインボイスの調査をやってきたのです。

 この区が行ったインボイス実施直後の調査では、「対応のための業務負担が増えた」「対応 するための経費が増えた」「税負担が増えた」と、問題点や課題が多く出されていました。それな のに総務委員会では、既に実施している調査結果をなぜ説明しなかったのでしょうか。調査が行われていた事実すら認していなかったのか。だとしたら、所管課として地域経済への関心 があまりにも希薄だと言わざるを得ません。

 総務委員会では委員より「国がやるべきことかもしれないが、これだけ物価高騰や人手不足で厳しい状況にあることを思えば、区から国に働き掛けて実態調査をしていただきたい。」や 「本陳情は実態調査を求めている。インボイスは国の制度だが、羽田新ルートという前例がある。 国の事業でも区民に対してアンケートを取った。」といった意見が出され、陳情は採択されまし た。

 インボイスの経過措置として免税事業者からの仕入れにかかる消費税額は、現在8割控除 されます。しかし2年後は5割に、5年後は無くなります。地域経済への大打撃となります。陳情者も「地域経済を守る観点からも実際に区内でどのような影響が出ているか、インボイス制 度が見直し•中止•廃止にならない限りは継続して実態調査の実施をお願いします」と言っています。その通りだと思います。

 区がおこなってきた景況調査はインボイスの影響を一番大きく受けるフリーランスや個人事業主は調査対象にはなっていません。対象をフリーランスや個人事業主まで広げて、インボイス実施から一年が経過している今の時点で、実態調査すべきです。すでに景況調査で2回もやってきたわけですから、できない理由はもはやありません。品川区の地域経済を守るためには中小零細業者、個人事業主の実態把握は欠かせません。今後も事業継続できるよう本陳情の採択を呼び掛けて賛成討論を終わります。