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2024.11.22

石田ちひろ区議令和6年第4回定例会一般質問
「女性差別撤廃へ 国連から日本政府へ厳しい勧告区が制定した条例を生かし、 選択的夫婦別姓などジェンダー平等の推進を」
「安心して子どもを産み育てることが選択できる社会へ、区ができる限りの支援を」
「従来の海上ルートで1時間90回の発着ができていた 羽田新ルートは必要ない」
「住民の暮らしを根こそぎ奪う巨大開発がウェルビーイングなのか巨額の税金投入で進める品川浦周辺地区再開発は止めよ」

質問項目

  1. 「女性差別撤廃へ 国連から日本政府へ厳しい勧告区が制定した条例を生かし、 選択的夫婦別姓などジェンダー平等の推進を」
  2. 「安心して子どもを産み育てることが選択できる社会へ、区ができる限りの支援を」
  3. 「従来の海上ルートで1時間90回の発着ができていた 羽田新ルートは必要ない」
  4. 「住民の暮らしを根こそぎ奪う巨大開発がウェルビーイングなのか巨額の税金投入で進める品川浦周辺地区再開発は止めよ」

質問

「女性差別撤廃へ 国連から日本政府へ厳しい勧告区が制定した条例を生かし、
選択的夫婦別姓などジェンダー平等の推進を」

 はじめに 女性差別撤廃へ 国連から日本政府へ厳しい勧告 区が制定した条例を生かし、選択的夫婦別姓などジェンダー平等の推進をです 。

 日本は1985年に女性差別撤廃条約に批准しました。今年10月、国連女性差別撤廃委員会による日本政府審査が8年ぶりに行われました。
 今回の審査で最重要項目のひとつとなったのが選択的夫婦別姓です。委員からは「繰り返しの勧告を受けながら、何一つ取組まれていない」「(姓は)女性のアイデンティティーの問題。日本は言い訳をやめる時だ」と言われる状況でした。
他にも▶人工妊娠中絶の配偶者同意要件の削除▶10代少女への十分な避妊の手段の提供▶沖縄の米兵による性的暴力を防止し、加害を適切に処罰する▶条約の実効性を高める選択議定書の批准▶同性婚を認めるなど勧告され、国連の委員からは「経済が発展した近代国家として驚くべき状況」との発言もありました。
区長はこの勧告をどのように見られたでしょうか。
Q1、ジェンダー平等推進条例を持つ区として、勧告をどのように生かすべきと考えるか伺います。
今回の総選挙で大争点となった選択的夫婦別姓に反対する自民党は過半数を割り、さらに国会では議論する法務委員会の委員長は野党です。いよいよ実現への可能性が大きくなっています。今こそ声をあげ、実現への後押しをするときです。
Q2、ジェンダー平等推進条例を制定した区として、選択的夫婦別姓制度の導入を国に求めるべきです。いかがでしょうか。

 リプロダクティブヘルス・ライツにかかわる勧告も目立ちました。人工妊娠中絶への原則配偶者同意が必要、避妊に対する周知やアクセスの遅れ、いまだに刑法の自己堕胎罪が残っているなど、女性の自己決定権が認められていません。2022年、人工妊娠中絶数は全国で12万2725件。その内中学生以下が403人、高校生が4546人と深刻な状況です。

 厚労省は、昨年11月、薬局150カ所で緊急避妊薬の試験販売を実施。さらに現在は約300カ所に広げました。またオンライン診療を受けることによって緊急避妊薬が処方される薬局は区内で66カ所ありますが、ほとんど知らされていません。

 Q3、安全な避妊や中絶を選択できることは大事な権利だと思いますがいかがでしょうか。「緊急避妊薬とは何か」についてや、購入できる区内薬局の一覧を区ホームページに掲載するなど、周知を求めますがいかがでしょうか。リプロは、子どもを産む、産まないを自分で決める権利を補償するものという認識があるか伺います。

 女性差別撤廃条約の実効性を強化するため、1999年に選択議定書が採択されました。人権侵害が起きた場合の「個人通報制度」が盛り込まれている選択議定書は条約でうたわれている権利の救済を確かなものにするためにも批准が必要ですが日本は批准していません。批准するよう勧告も出ています。

 Q4、区は選択議定書への批准が必要と考えるか伺います。国に批准を求めるべきと考えますがいかがでしょうか。

 ジェンダー平等を進める土台となるのが包括的性教育です。共産党は包括的性教育の実施を繰り返し求めていますが区は「(区の指導は)包括的性教育に準じている」と答弁。
 しかし現在実施されている命の安全教育は、小学低・中学年に「水着で隠れるところは 自分だけの大切なところ。他の人に見せたり、触らせたりしないようにしよう」と、身体における「大切なところ」を先に指定し、「見せたり、触らせたりしない」という禁止のメッセージを送っています。一方で、包括的性教育は「誰もが、自らのからだに誰が、どこに、どのようにふれることができるのかを決める権利を持っている」と理解することが5~8歳のキーアイデアとして挙げられています。子どもたちがさまざまな遊びや体験、絵本の読み聞かせ、友だちとの語り合いなどを通して、快や不快を感じ、理解し、自分(のからだ)にどんな権利があるのかを知り、権利保障や「同意」について自己主張できるようになる学びです。年齢ごとに学習目標等を整理し、知識やスキル、態度など積み重ね身につけていきます。現在の命の安全教育の年間時間数は各学年で1時間程度しかなく、「包括的性教育に準じている」というには中身も程遠いですが、時間数もあまりに少なすぎます。

 Q5、ジェンダー平等推進条例を持つ区として、包括的性教育を条例に位置付け実施するよう求めます。いかがかでしょうか。

ジェンダー平等推進条例が制定され、様々な講座やフォーラムなど取組まれ、10月には「ユースヘルスケアしながわほけんしつ」をプレオープンなど、講座や相談の場は、区民がジェンダーについて共に学び深めていくのに有効で、大事な取り組みだと思っています。例えば、区内の小中学校や高校・大学などへも呼びかけて、あらゆる場で

 Q6、区民に広くアピールし、区の取り組みへの参加を増やし、ジェンダー平等への区民意識を高めていくよう求めます。いかがかでしょうか。

「安心して子どもを産み育てることが選択できる社会へ、区ができる限りの支援を」

 次に 安心して子どもを産み育てることが選択できる社会へ、区ができる限りの支援を

 子どもを産む、産まない、いつ何人産むかを自分で決めることは基本的人権であり、若い世代、女性に社会的プレッシャーをかけることがあってはなりません。同時に、子どもを持ちたい人が、安心して産み育てることを選択できる社会へ、子育て支援の抜本的な拡充が必要です。

 森沢区長が、朝日地球会議の講演で「来年度から無償の朝食支援」「区内大学生対象に所得制限がない給付型奨学金制度」を検討すると表明したことが報道されました。

 今回の区長の表明は、憲法26条、25条、子どもの権利条約の点からも歓迎するものです。

 区独自の給付型奨学金は、共産党が2009年から何度も求め続け、決算議会では「検討したい」との答弁でした。来年度実施を求めます。
 高学費の負担は限界です。学生の8割がアルバイト、3人に1人が貸与型奨学金を借り、その額は平均で300万円にも上ります。さらに、東京大学や私立大学が次々と値上げを打ち出しています。今こそ国が公的負担を抜本的に増やし、学費無償化へ踏み出すべきです。さらに給付型奨学金の抜本拡充が必要です。

 Q1,国に対して、大学や専門学校など高等教育の学費無償化と給付型奨学金を求めてください。区が検討する給付型奨学金は、大学生だけでなく専門学校も対象とするよう求めます。受給者の選定方法、1人当たりの給付額と総予算の見込み額について、それぞれお聞かせください。

 朝食は子どもの体温上昇、エネルギーや栄養素の補給、排便リズム・生活リズムを整えるなど成長に欠かすことができません。しかし、文科省の調査で毎日食べていない子どもは、小学6年生で5.5%、中学3年生で8.1%あり、その理由は「食欲がない」「時間がない」だけでなく「朝食が用意されていない」があります。

 育ち盛りの子どもがおなかをすかせたまま、学校へ行って集中して授業を受けられるでしょうか。体育で体を動かせるでしょうか。
「朝食まで学校で食べさせるなんて親は何をしているんだ」と家庭の責任を強調する人がいますが、すべての子どもに元気で学ぶ権利を保障するために大事なことだと考えます。

 Q⒉品川区での親の早い出勤のために朝の居場所が必要な子どもや朝食を食べない子どもの割合、この事業を行うことにした理由を伺います。すべての子どもを対象にするのか伺います。事業手法についてもお聞かせください。

 さらに、次の子育て支援を求めます。

 まず、妊婦健診の実態に合った増額と出産費用の原則無料化です。妊婦健診は自己負担が数万円かかります。さらに出産費用は港区の助成の実態から平均81万円で、出産育児一時金50万円ではとても足りません。

 Q3、妊婦健診を原則無料で受けられるよう増額を求めます。出産費用の無料化へ、港区と同様、平均出産費用と出産育児一時金との相差の額の助成を求めます。それぞれいかがでしょうか。

 1歳未満児の世帯へのおむつ宅配は大変喜ばれています。しかし、保育園児は、仕事を休み保育園から連れて帰り、宅配人に子どもを見せなければおむつをもらえません。事業の目的は見守りと経済的支援です。保育園児はすでに専門職の保育士に見守られています。

 Q4、保育園に預けている世帯も経済的支援としておむつが受け取れる仕組みとするよう求めます。いかがでしょうか。

 収入のない子どもからまで保険料を取るのは国保だけ。しかも一人6万5600円と高額です。国保法77条で、自治体独自の減免制度はできる規定になっており、今年、全国でも70の自治体で実施しています。

 Q5、区独自の子どもの国保料無料化を求めます。いかがでしょうか。

 森澤区長は「憲法26条の義務教育無償化に則り、学校給食、学用品の無償化を実施した」と言われました。

 Q6、義務教育費の無償化へ、就学援助金の対象を生活保護基準の1.5倍に拡大すること。修学旅行と移動教室の無償化、制服代の全額補助を求めます。それぞれいかがでしょうか。 以上の事業に必要な額はそれぞれいくらか、お答えください。
 
最後に、日本の労働者の低賃金と長時間労働が大きな社会問題になっています。この解決が最も重要です。

 Q7、安心して子どもを産み育てることができるためには、政治の責任で、賃上げと労働時間の短縮で自由な時間をつくることが必要ではないか。さらにジェンダー平等、女性への精神的・時間的な負担の軽減が必要だと考えますが、区の認識を伺います。

「従来の海上ルートで1時間90回の発着ができていた 羽田新ルートは必要ない」

 次に 従来の海上ルートで1時間90回の発着ができていた 羽田新ルートは必要ない

 羽田新飛行ルートが実施されてから4年半。騒音や落下物だけでなく大気汚染や電波障害、資産価値下落などの被害が区民アンケートで明らかになりました。被害をなくすには新ルートを撤回し、従来の海上ルートに戻すことが一番の解決策です。

 国交省は「従来ルートは離着陸が限られる」「新ルートにより1時間あたり80回の離着陸を90回にできる」と説明し進めてきました。しかし、実際には90回を超える発着は従来ルートでもできることが国交省の資料で明らかになりました。国会の羽田議連と国交省とのレクチャーで出された運航実績では今年2月、3月の南風運用時で従来ルートの離着陸が90回を超えたのは5回、そのうち2回は95回にもなっています。国の言う羽田新ルートの導入根拠は崩れました。新ルートが必要ないことは明らかです。

 Q1、従来ルートで1時間当たり90回以上の離着陸がされており、国が言う羽田新ルートの必要性はなくなったと考えますが、区の見解を伺います。

 Q2、国交省が、従来ルートでも離着陸が90回可能と分かっていながら、区民を危険にさらし新ルートを実施し続けてきたことは区民と品川区を欺いていたということだと思いますが、いかがでしょうか。

「住民の暮らしを根こそぎ奪う巨大開発がウェルビーイングなのか
巨額の税金投入で進める品川浦周辺地区再開発は止めよ」

 最後に 住民の暮らしを根こそぎ奪う巨大開発がウェルビーイングなのか巨額の税金投入で進める品川浦周辺地区再開発は止めよ です

 森沢区長は施政方針で「誰もが生きづらさを感じたり選択を阻まれることなく、自分の望むように生き、幸せを感じることができる社会、人がつながり支え合うことができる優しく寛容な社会をつくることが政治や行政の責任」「ウェルビーイングの視点から施策を展開していく」と述べました。

 しかし、区長のこの視点はまちづくりに関しては例外のようです。区が主導し、企業が開発利益のため住民を犠牲にする超高層再開発です。今回は、品川浦周辺地区について取り上げます。

 品川駅の南、東京ドーム約4個分の敷地に3つの準備組合が立ち上がり、人道橋をかけ、道路までつけかえ、マンション・オフィス、ホテルや高規格住宅などビル14棟を建てる巨大開発計画が進められています。主導するのは、日鉄興和、三菱地所、旭化成、東急不動産、清水建設、五洋建設など13の名だたる開発企業で、まさに大企業による大企業のための計画です。

 区も2014年に「まちづくりビジョン」を策定。目的を「更なる地域価値を向上させる」ことと説明。今年度はより具体的な新ビジョン策定に着手しました。

 地区内には計221人の土地権利者、マンション権利者など多数の住民が暮らしています。率直な声はどうか。「そもそも再開発に何の知識も持たない普通の住民はこんな大規模な再開発の発想もない。近所で再開発したいねという話は一切聞いたことがない」「ここに住み続けたいと思っていた。弱小地権者はとても開発マンションには入れず、追い出されてしまう」などです。

 Q1、そもそも区がこの開発を推進する理由は何か。どんな正当性・公共性があるのか。あらためて伺います。

 Q2、想定している事業費、どんな施設・建物が何棟建設予定なのか、伺います。地区内に住む住民の数と、マンションの区分所有者数を3地区ごとに伺います。

 NHKは天王洲アイル等を含むエリアのオフィスビル空き室率が、余剰を示す目安となる5%の2倍、11.91%となっており、「オフィス作り続ける再開発に持続可能性は」と報じました。

 Q3、隣に広大なオフィス床を新たに整備し、北品川・東品川エリアの空き室を更に増やす開発は、持続可能なまちづくりからも反すると思いますが、いかがでしょうか。

 また、地区内には4棟・665戸、区内の2割にあたる数の都営住宅があります。品川に住み続けたい住民にとっても大切ですが、区はこれまで何度聞いても「存続させる」と明言しません。

 Q4、開発地区内にある都営住宅に関し、都とどのようなやりとりを行っているのか。そもそも区は、都に地区内で都営住宅665戸の存続を求めているのか。それぞれ伺います。

この開発への税金投入は幾らか。試算してみました。

 武蔵小山の小山三丁目第1・第2地区は超高層3棟含む4棟のビルを建設する計画で、税金投入予定額は合わせて467億円余。開発区域面積が4.35倍の品川浦の補助金額は、単純計算すると2034億円余となります。一つの地区だけで、区全体の再開発補助金累計額1500億円余を超す、膨大な額です。

 なぜ品川はこれほど再開発に税金を入れるのか。共産党の質問に、区は「品川では、開発企業が取得するビル床は澁谷や新宿に比べ価値が低いので、補助金で補っている」と答えました。つまり、開発企業にとっては本来ならうまみが少ない事業を、税金投入で補い、呼び込んでいることを認めたのです。

 Q5、巨額な税金投入で住民の暮らしを根こそぎ奪う巨大開発はウェルビーイングに反するのではないか、伺います。

 ドイツ在住の建築家・水島まこと氏によれば、ドイツと日本の建築行政では人権への考えが全く異なると言います。「何人も『人間の尊厳に適した生活』の権利があり、行政はそれを保障し、担保する義務がある」「街とは、そこに市民が生活をして、その生活が蓄積されることで文化的に築き上げられるもの」。その通りだと思います。品川区が推進する再開発は、まさに、生活の権利を奪い、蓄積された市民の生活を壊す街壊しそのものではないか。区長、

 Q6、「誰もが生きづらさを感じたり選択を阻まれることなく、自分の望むように生き、幸せを感じることができる社会、人がつながり支え合うことができる優しく寛容な社会をつくる」というのであれば、現在の再開発推進方針は見直すべきではありませんか?伺います。

以上で一般質問を終わります。ありがとうございました。