2024年12月05日
のだて稔史区議が賛成討論を行いました
リニア調査結果公表と説明会開催求める陳情への賛成討論を行いました。
2024.12.05 のだて稔史 区議
日本共産党品川区議団を代表し令和6年陳情第51号「目黒川で発生した気泡の調査結果の公表と住民説明会を求める陳情」に賛成の立場で討論を行います。
本陳情は目黒川で発生した空気、気泡の成分調査結果の公表とリニア新幹線のトンネル工事との因果関係の公表、教室型説明会を開き区民に納得のいく説明をすることを事業者であるJR東海に対して区が要請することを求めるものです。リニア新幹線の中止を求める品川区民の会から提出されました。
以下、陳情への賛成理由を述べます。
重大なことは目黒川で発生している空気・気泡が命にかかわる酸素濃度4%の酸欠空気だということです。厚労省が出している酸素欠乏症の防止についてのパンフには酸素濃度6%で「瞬時に昏倒、呼吸停止、死亡」と記載があり、致死率が高く非常に危険だと警告しています。それよりも低い酸素濃度4%の空気が目黒川で3か月も出続けているのです。水があるため気泡が出ていることがわかりましたが、地上でもどこから酸欠空気が出ているかわかりません。実際にリニアのトンネル工事をしていた町田市では民家の庭先で酸欠空気の噴出が確認されています。このまま本掘進で住宅街に進んでいき子どもたちが遊ぶ保育園の庭に出てきたり、地下室などに溜まったりしたら命に危険が及びます。
それだけ重大なことだという認識がJR東海と品川区には欠けています。JR東海は8/2に気泡の発生を確認しましたが、調査のため気泡を採取したのは2か月後の10/9です。区民の会が9月にJR東海と品川区に気泡の成分調査を求めてやっと調査を実施しました。
2018年にリニアと同様のトンネル工事である外環道の近くの野川で発生した気泡も酸欠空気でした。前例があるにもかかわらず即座に気泡の調査をせず2カ月も放置したことは重大です。
品川区も陳情審査で「人命にかかわるかは周辺状況によるため、状況に応じた適切な対応が必要」と説明しました。酸欠空気は空気のため見えない、匂いもない、ので気づいた時には昏倒、呼吸停止、死亡です。事故が起こってからでは遅いのです。
もう一つ重大なことは気泡の発生は陥没・空洞事故の予兆の可能性があることです。陥没が起きた外環道では野川で気泡の発生が確認された後、陥没・空洞事故が起きました。住民は立ち退きを余儀なくされ、生活は壊され、未だに地盤改良工事が行われています。そのため酸欠空気が噴出した町田市では空洞が発生していないか調査が行われました。しかし、地表から1.5mまでしか調査していません。外環道では地表から4,5mの深さで空洞が発生しているため調査は不十分です。岐阜県でもトンネル工事により地下水位が下がり、地盤沈下が起きています。外環道の陥没事故の原因は施工管理の問題だと事業者は説明していますが、リニアも270mの調査掘進だけでも施工管理がうまくできず工事が2年以上止まり、安全に工事できないことが露呈しました。品川区でも住宅街のど真ん中で陥没事故が起こる可能性があります。ひとたび陥没事故が起これば、人命の危険や住宅の損壊につながる重大事態になります。起こってからでは遅いのです。
町田市では酸欠空気と水の噴出が発覚した10/22の当日にJR東海は工事を中断しています。11/13には社長が記者会見し状況を説明。それを受けて町田市は「原因究明と市民への丁寧な説明」をJR東海に要請しています。一方で品川区は11/11、「リニア中央新幹線シールド工事による安全・安心の確保について」との要請をJR東海東京工事事務所長宛てに提出していますが、施工管理の強化策の徹底、地上に影響が生じないよう安全な施工、工事に関する情報の適時適切な発信、を求めるのみで本格的な掘進を前提にしており、気泡発生の原因究明を求めていません。加えて区は「事故が絶対起きないと断言しているものではない」と説明しながら、「気泡や水質に異常がないことなど総合的に判断して(工事の)中止は求めていない」と答弁。区の認識の甘さが町田市との対応の差に表れているのではないでしょうか。命や財産にかかわる問題にもかかわらず原因究明なしに本掘進に入ることは許されません。
自民・公明などは17日にきゅりあん大ホールでJR東海による説明会があることや区が要請書を出していることなどを理由に本陳情を不採択としましたが、要請書が不十分なことは前述したとおりであり、17日の説明会も主な内容は調査掘進についてで酸欠空気や水質調査、因果関係についてどこまで説明があるかわかりません。命や財産にかかわる問題だからこそ知らない人がいないというくらいに十分に説明をすることが必要です。各地でトラブルが起こっており、住民は不安に思っています。調査結果や因果関係を含めて町域毎に教室型説明会を行うべきです。
最後に、そもそも様々な問題があるリニアは中止すべきだと考えますが、少なくとも原因がわかるまでは工事を一時停止すべきです。JR東海は目黒川の気泡発生とリニア新幹線のトンネル工事との因果関係が明確でないといいますが、つまりは関係がないとは言えないわけです。町田市では停止したのですから品川区でできないわけがありません。区民の安全を守るべき品川区としてJR東海に申し入れるよう求めます。
各議員の皆さんにも本陳情への賛同を呼び掛けます。ご一緒に区民の不安、心配に区議会として応えようではありませんか。以上で討論を終わります。ありがとうございました。