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2025.02.21

安藤たい作区議 第1回定例会 一般質問
「教師不足を解消し、探求と協同で学ぶ楽しさを全ての子どもたちへ」
「コミュニティバス大崎ルートを速やかに運行し、住民の交通権保障を」
「能登半島地震から1年、阪神淡路大震災から30年 教訓を生かし防災対策の強化を」
「行き詰まりが明らかな「固定化回避検討会」では区民を守れない 羽田新ルートの撤回を求めよ」
「超高層再開発の推進で苦しむ住民の声を聴き、まちづくりマスタープランは見直しを」

 

質問項目

  1. 教師不足を解消し、探求と協同で学ぶ楽しさを全ての子どもたちへ
  2. コミュニティバス大崎ルートを速やかに運行し、住民の交通権保障を
  3. 能登半島地震から1年、阪神淡路大震災から30年 教訓を生かし防災対策の強化を
  4. 行き詰まりが明らかな「固定化回避検討会」では区民を守れない 羽田新ルートの撤回を求めよ
  5. 超高層再開発の推進で苦しむ住民の声を聴き、まちづくりマスタープランは見直しを

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質問

教師不足を解消し、探求と協同で学ぶ楽しさを全ての子どもたちへ

 日本共産党を代表して一般質問を行います。はじめは、教師不足を解消し、探求と協同で学ぶ楽しさを全ての子どもたちへです。

 区長は施政方針で、これまでの自己責任の社会モデルからの転換を訴え、人間が人間らしく暮らしていく上で不可欠な生活の基礎となる行政サービスを所得制限なく全ての人に提供すること、それらは権利として無償で提供されるもの、社会保障だと述べました。

 教育も「将来にかけて人が自分らしく暮らしていくうえで基礎となる不可欠な行政サービス」と述べ、憲法26条を引用し、学校給食や補助教材費に続き、制服代や修学旅行費の無償化、大学生給付型奨学金などを打ち出しました。教育の機会均等、格差是正への施策を高く評価します。

 一方、品川の子どもは今、激しいストレスにさらされ、悲鳴をあげています。いじめの件数は昨年度、前年の142件から391件に急増し、生命、心身等に重大な被害をもたらし相当期間欠席を余儀なくされる「重大事態」は、昨年度14件、今年度も3件。不登校の児童・生徒は、昨年度799人、これは大規模な小学校1校にあたる数です。

 これまでの教育施策が、子どもたちを追い込んできました。品川教育「改革」の特徴は、テストの点数競争と、市民科に見られる規範意識の教え込みにあります。区の学力テストも全国とは別に毎年行われ、結果は学校ホームページで公開。学校選択制と組み合わされ、子どもも教師も学校も、点数による評価にさらされ続けています。テストは4月に行われ前年の学力定着度を測るものと位置付けられ、中学校には出身小学校ごとの結果も渡されます。中学校は小学校を、今年の担任は前年の担任を責めるということも起きていると伺いました。行き過ぎた校則や学校スタンダードもなくなってはおらず、子どもたちの声で学校生活のルールをつくる取り組みも道半ばです。

 Q①・いじめや不登校など子どもたちがストレスにより悲鳴をあげています。競争と規範意識の教え込みを特徴とする品川「教育改革」が拍車をかけているとの認識はあるか、伺います。

 今年度は、子どもの権利条約の批准から30年。ここに立ち返るべきです。子どもは「大人から守られる弱い存在」という考え方から、「一人の人間として人権を持つ権利の主体」だと転換したところに条約の特徴があります。とりわけ「生命、生存及び発達に対する権利」は重要な子ども固有の権利で、4つの基本原則の一つ。全ての子どもは、もって生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、教育を受けることが保障されるべきとの考えです。

 東大名誉教授の佐藤学氏は「学びは子どもの人権の中心であり、生きる希望の中心」と述べています。一人残らず学ぶ権利を保障するための「探求と協同の学びのイノベーション」の授業改革を進めてきました。その実践に取り組む学校では、学びの充実、成績の向上とともに、子どもたちの関係や生活面にもいい影響が出てくるのも特徴です。

 区議団でも先日、佐藤氏が支援する川口市の仲町中学校の公開授業研究会を視察してきました。教室の机は常に男女混合の4人1組の島になっており、教師は時に全体に発問しますが、大半はそれぞれの島を見て回っています。一人の教師が前に立って話すいわゆる一斉授業とは全く異なる風景でした。

 授業の特徴は、先生から子どもへの一方通行でなく子どもたち同士の聴きあい・学び合いが中心であること。そして、「ジャンプの課題」という高い課題が与えられること。子ども達は学び合いながら課題に挑戦する「探求と協同」の学びに取り組む中で、学ぶ楽しさを感じていきます。佐藤氏は、単純労働が消えていく現代、単に知識を理解するのではなく、学び探求し続ける子どもを育てることが大切だと述べています。教師の専門性も正面から問われます。学校を挙げて熱心に取り組む姿が印象的でした。

 仲町中では前任の校長が校長会で佐藤氏の話を聴き、衝撃を受けたことが取り組むきっかけでした。川口市内にも広がり、現在、この改革は、国内3000校を数え、アジアやアメリカ、イギリスなどにも広がっています。この日も山形、福島、石川、伊豆大島から視察がありました。東京でも八王子、23区でも葛飾区で公開研究を行う学校が出てきています。

 Q②・全ての子どもたちが楽しく学ぶことを権利として保障すべきと思いますが、いかがでしょうか。佐藤学氏を招き「探求と協同の学びのイノベーション」の講演会を開くことを提案します。いかがでしょうか。

 最後に、深刻な教師不足について伺います。子どもに向き合う教師が生き生きと働ける環境づくりは最重要課題ですが、現状は病欠、産休ですら代わりの担任が確保できず、副校長や少人数指導教員などが入らざるを得ない、極めて深刻な状況です。国のわずかな給与「改善」案では全く解決になりません。

 Q③・昨年度と今年度で、病休の教員の数、担任が不在となり管理職等が入ったケースは延べ何クラスあったのか。少なくない教員が病休になってしまう現状の原因と改善策についてどう考えているか。それぞれ伺います。

 Q④・区独自教員を更に増やし、年度途中の対応を含め、現場の教員不足を補うよう求めますが、いかがでしょうか。

 Q⑤・「定額働かせ放題」の給特法の廃止と、校長会や全国知事会も求める教員の基礎定数増を国に求めて下さい。いかがでしょうか。

コミュニティバス大崎ルートを速やかに運行し、住民の交通権保障を

 次は、コミュニティバス大崎ルートを速やかに運行し、住民の交通権保障をです。

 品川のコミバスは、区民世論と運動が高まる中、2019年に検討が始まり、2021年に3本の「候補ルート」を選定。大井で2023年から試行運行が始まり、荏原についても、昨年、AI オンデマンド交通の実証運行を行うと発表がありました。しかし、大崎ルートだけは何も動きがありません。「導入計画」では「大井ルートの施行状況を踏まえ判断」とだけあり、議会でも私を含め運行を求める質問が何度もされていますが何も決まっていません。

 大崎ルートは、区役所を通る唯一のルートであり、大井町から目黒まで至る主要駅や中央公園や地域センターなど多くの公共施設、阪急やTOCなど民間施設をつなぎます。交通不便地域とされている西品川にも接しており、区役所に行くには何度も乗り換えが必要な上大崎地域にもつながります。沿線住民からは強い要望の声、問い合わせが寄せられます。運行されれば、高齢者、障害者、子育て世帯も気軽に外出できるようになります。

 そもそもコミバスとは、区民の移動する権利、「交通権」を保障するものであるべきです。福祉・医療・教育などの自治体・福祉施策も、そこにアクセスできなければ享受できません。自治体は「交通権」を保障する立場から、公共交通を充実すべきです。

 Q①・住民の交通権保障の立場から、大崎ルートの速やかな運行を求めますが、いかがでしょうか。

能登半島地震から1年、阪神淡路大震災から30年 教訓を生かし防災対策の強化を

 次は、能登半島地震から1年、阪神淡路大震災から30年 教訓を生かし防災対策の強化をです。

 能登では、災害関連死が298人にのぼり、地震による直接死を超えました。先が見えず人口流出が続き、奥能登4市町では7.5%も人口が減っています。

 阪神淡路では、国と自治体は「創造的復興」の名で、被災者を置き去りにし神戸空港建設など大型プロジェクトを推進。この考え方は東日本大震災にも引き継がれ、石川県知事も早々に打ち出し、住民本位の復興を妨げています。

 一方、「生活となりわいの復興こそ中心に」との運動で、阪神淡路の時にはなかった被災者生活再建支援法、住宅再建への補助制度を作らせ、徐々に金額も引き上げさせてきました。しかし、生活再建には更なる引き上げが必要です。避難所についても、国は昨年、避難所運営に関する自治体向け指針を改定。「参考にすべき基準」にとどまっていたスフィア基準に対応するよう求めています。

 区が新年度予算に水循環型シャワー、ダンボールベッド備蓄を新たに盛り込んだことは評価します。

 Q①、避難所・避難生活学会が提唱しているトイレ・キッチン・ベッドを48時間以内に避難所に届けるTKB48を実現できるようにすべきです。いかがでしょうか。

 能登では住まいの再建も大きな課題です。仮設住宅への入居と公費解体は半壊以上が条件で罹災証明書が必要となりますが、奥能登四市町では3割が実態にあわないため再調査を申請しています。再調査を申請するかどうか判断するために重要な、罹災証明の調査票が公開がされない事態も起こっており、日弁連も公開を求めて提言を出しています。

 Q②・首都直下型地震発災時の罹災証明書の区の発行数の想定を伺います。速やかな発行と同時に、住宅としての機能が失われていることに着目するなど、実態に即した判定になるよう、十分な体制を整えるよう求めます。また、被災者の求めがあった時には住家被害認定調査票の写しを速やかに交付すべきです。それぞれいかがでしょうか。

 最後に上下水道です。過去の震災の断水状況は、阪神・淡路では約130万戸、約3ヶ月。東日本では約257万戸、約5ヶ月。熊本は約45万戸で約3ヶ月半。能登でも約14万戸、5ヶ月、輪島・朝市の火災で消火に水道は使えませんでした。都の耐震化の目標はどうか。水道は、2030年度末までに61%とだけで100%を目指す目標や計画がなく、その工事費も水道料金収入のみで賄う仕組みになっている現状。下水道の耐震化も、区民避難所や一時滞在施設などの主要部分の完了のみで、住宅は一切ありません。

 Q③・上下水道の耐震化は在宅避難環境を劇的に改善させます。また、いま問題の上下水道の老朽化のチェックと改修も緊急に必要です。上下水道の改修・耐震化は、料金収入だけでなく公費を投入して耐震化100%の計画を立て、早期に実現すべきです。東京都に求めるべきですが、いかがでしょうか。

行き詰まりが明らかな「固定化回避検討会」では区民を守れない 羽田新ルートの撤回を求めよ

 次は、行き詰まりが明らかな「固定化回避検討会」では区民を守れない 羽田新ルートの撤回を求めよです。

 航路下では騒音への苦情が後を絶たず、区民アンケートには多数の電波障害、大気汚染等の被害も寄せられています。

 国は、前回から2年半以上空いた昨年末、「第六回固定化回避検討会」を開催。「A滑走路の既存進入方式と組み合わせた上で、同時運用可能なC滑走路の飛行方式として、RNP-ARが適当」との結論は、目黒・五反田・大崎・大井町の各駅の上を飛ぶA滑走路ルートは固定化した上、C滑走路ルートについても具体的にどこを飛ぶのかあえて示さない内容でした。

 更に国は「未対応の機材があるため、ただちに導入することは困難」「仮に…導入したとしても、新たな経路は市街地上空を通過することから…検討については慎重な対応が必要」と認め、この案が都心低空飛行を回避するものではなく、実現性もないことが浮き彫りとなりました。

 にも関わらず国は、新たなゴマカシを行おうとしています。1月28日に行われた羽田新ルート国会議連の国交省聞き取りの場で配布された資料には、今後、「海上ルートの実現に資する方策についても、国際動向等を踏まえた調査・研究が必要」などと書かれていたのです。後日、共産党が詰めると国は「現在の滑走路の使い方を前提としたもの」「今のところの技術では難しいが、更に小回りできないかなどC滑走路ルートを検討するものだ」と答えました。C滑走路ルートを幾らいじっても海上ルートにはなりえません。住民・議会をあざむく新たなゴマカシ手法と分かり、メッキは10日と持たず剥がれ落ちました。

 区は固定化回避検討会の翌日に、結果を「看過できない」と述べ、「区民負担軽減につながる具体的な方策の提示と実施」を申し入れました。

 Q①・今回示された案はA滑走路ルートの固定化と考えるがいかがでしょうか。区が求めている「区民負担軽減への具体的な方策」とは何か伺います。固定化回避検討会では区民負担を無くすことはできないと考えますが、いかがでしょうか。

 新ルート導入の当初の目的だった1時間あたり90回の離発着は、従来ルートで実現できている実態もあります。

 Q②・行き詰まりが明らかな固定化回避検討会の結論を待つだけでは区民を守れません。国に羽田新ルートの撤回、海上ルートへ戻すことを求めるべき時です。いかがでしょうか。

超高層再開発の推進で苦しむ住民の声を聴き、まちづくりマスタープランは見直しを

 最後は、超高層再開発の推進で苦しむ住民の声を聴き、まちづくりマスタープランは見直しをです。

 いま、区が進めてきた「まちづくり」は転換すべき時期に来ています。

 年明けにかけ、まち壊し道路・29号線の事業化により建設可能となった30階マンションの戸越公園駅北地区開発の説明会が開かれました。住民からは「一棟目の19番地による強風で危険を感じた。更に強まることを危惧している」「にぎわいというが、19番地が建つ前の方がにぎわいがあった」「下町っぽさがよくて引っ越してきたのに」「半日、日が当たらなくなる」などの声。ある方は、会場に100メートルビルへの賛否を問いかけ、賛成に拍手をしたのは1人だけ、反対には多数の拍手。「この声を区長に伝えてほしい」と発言しました。住民は、大手ディベロッパーが超高層を乱立させ商店街やまちを壊す再開発に大きな疑問を抱いています。

 武蔵小山・小山三丁目第2地区への開発補助金は、昨年の当初予算にはありましたが、今回は計上されませんでした。本組合認可を目指す今、大成建設が都市計画決定前を大きく下回る資産価格を提示し、地権者が反発、認可申請の目途が立っていないからです。

 区の実施計画では2022年都市計画決定とされていた大崎西口駅前地区も、都市計画手続きにすら進んでいません。当初の「1円の負担なくマンションに入れます」との説明が、現在は「同じ面積の部屋に入るには2000万円必要」と変化し、大成建設の都合によりオフィス1棟案が提示され、地区内住民の全員が地区外転出を迫られ、猛反発が起きているからです。

 他にも、大井町C地区、品川浦周辺地区、北品川三丁目地区、特定整備路線29号線・放射2号線沿線などでも住民運動が起こり、「住み続けることができるまちづくりを目指す品川区民の会」に結集。開発企業の横暴とたたかい、品川区のまちづくり行政にも一石を投じています。

 区では高橋・濱野区政と、再開発推進の行政が続いてきました。

 立体化担当課長、都市整備担当部長、広町整備担当部課長など、開発を担当する理事者は2人から5人に増やされてきました。大崎・五反田の再開発施設の管理等を請け負う大崎エリアマネージメントには、現役の部長級が出向。ビル14棟、13もの開発企業が群がる品川浦周辺地区再開発には、なんと品川区の元部長4人が開発準備組合の事務局に入っていることも分かりました。

 区累計の税金投入額も1500億円にのぼり、23区で中央区に次いで突出した2位。「なぜ新宿や渋谷区などに比べ、これほど多く税金を入れるのか」との質問に区は、「補助金は、最後に埋めるピース。事業者が売る建物の床の価格が新宿、渋谷は高い。品川区の床は価格が低いので、その分を区が補助金で補っている」などと答弁、品川に開発を呼び込むために多額の税金を投じていることを認めました。開発への補助金は、国が半分、残りを区が負担しますが、その分すら財調交付金等で全額戻るため、区の財政負担は生じない仕組み。ゆえに野放図に莫大な税金が投じられます。区民にとっては、自分たちが納めている税金に変わりはなく、本来ならば福祉に使えるはずの財源が、住民を苦しめまちを壊す大型事業にどんどん流出する現状が、正常といえるのでしょうか。

 昨年末、区長は初めて住民運動に取り組む区民と会い話を聴きました。一方、施政方針には、再開発に関する記述は一つもありません。ウェルビーイングな社会、「選択が限定されず自分の望むように生きられる社会」、「恐怖や不安ではなく」「生まれてきてよかったと、そしてここで生きたいと思える、そんな社会と未来を」と言うならば、企業利益のための開発で追い出される不安に住民が怯える現状から目を背けるべきではありません。 区のまちづくりマスタープランは、森沢区長が就任後わずか3か月後の改訂のため、前区政の姿勢が色濃く残り、13もの拠点、2つの都市軸を定め、土地の高度利用と開発を全区的に、今後更に誘導する内容になっています。超高層再開発は、防災上の課題、膨大なCO2の排出、建て替えの困難性という点からも、持続可能なまちづくりとは程遠いものです。

 Q①・区長は、再開発に反対する住民と会い、話を聴き、何を感じ、何を課題ととらえたのか。また、それをどのようにまちづくりに反映させるのか、考えを伺います。また、これからも引き続き住民の声を区長自ら聴くことを求めます。いかがでしょうか。

 Q②・超高層再開発を進めるまちづくりマスタープランは見直しを求めますが、いかがでしょうか。

 以上で一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

答弁

森澤区長

 安藤たい作議員の一般質問にお答えします。

 私からは、まちづくりの在り方に関するご質問についてお答えいたします。

 まちづくりとは、住民自らがまちのあるべき姿について話合いを重ねながら形づくっていくプロセスであると考えます。私自身、昨年末にまちづくりに関して区民の方と対話する機会をいただきましたが、そこでは将来に不安を感じる地域住民の切実な声をお聞きしました。まちづくりの主体は、そこに住む地域住民であるとの考えを改めて強くしたところです。今後もまちづくりに関する住民の様々な声に耳を傾けてまいります。

 次に、まちづくりのマスタープランの見直しについてです。現在の計画は、様々な社会的課題に対応しながら、分野ごとの方針・取組を見直すなどして、令和5年3月に改定したものであります。よって、直ちに見直すということには至りませんが、区としてまちづくりに関する地域住民の声を真摯に受け止めるとともに、今後の改定に際しては、まちづくりの主体である住民の声にしっかり耳を傾ける、こうした区の姿勢を計画にも反映してまいります。

米田教育次長

 私からは、教育に関するご質問についてお答えいたします。

 まず、品川の教育活動についてですが、各種学力調査は、結果を踏まえて授業改善に生かすために実施しております。また、市民科は、問題解決や課題解決的な学習により、変化が激しい社会に対応できる資質と能力を育成していく教科です。これまでの取組が児童・生徒のストレスに直接つながっているとは考えておりません。

 次に、児童・生徒の学習活動についてです。全ての児童・生徒が意欲的に学習に取り組む態度を持つことは大変重要であると認識しております。そのためには、各校の実態に応じた教育活動を展開することが大切であると考えております。昨年11月に、令和5・6年度研究学校の大井第一小学校が探究的な学びについて研究発表を行いました。児童・生徒が主体的に学習に取り組み、生き生きと発表する姿や、積極的に質問し合って学び合う姿が見られました。教員も他校からの参加者に対して、授業づくりについて研究成果を自らの言葉で語っておりました。こうした優れた取組について学校間で共有するとともに、現状において必要な研修を行い、教員の学びを深め、児童・生徒のよりよい学びにつなげてまいります。

 次に、教職員の働き方についてお答えいたします。病気休職に入った教員数は、令和6年2月時点では29名、令和7年2月時点では37名となっており、担任が不在となり管理職が入った学級数は、令和6年2月時点では延べ22学級、令和7年2月時点では延べ16学級となっております。

 教員の病気休職の原因につきましては、それぞれ様々ですが、背景には、育児や介護等と仕事の両立が困難になることなどが挙げられます。スクール・サポート・スタッフなどの人的支援の拡充、区独自の事業や都事業を活用した指導体制の工夫、その他働きやすい環境を工夫してつくっていくことで、教員一人ひとりが生き生きと働けるように支援をしてまいります。

 区固有教員につきましては、来年度は6名を新規に採用・配置し、段階的な増員を図っており、区の教育施策の確実な推進を行うとともに、各区立学校における教育力の維持・向上の実現を目指してまいります。

 教員給与特別措置法につきましては、国の動向を注視してまいります。また、基礎定数の増加については、教育長会で増員を継続して要望しております。

溝口防災まちづくり部長

 私からは、コミュニティバスの大崎ルートについてお答えいたします。

 現在大井地区で運行しているコミュニティバスは試行運行という位置づけであり、その需要と効果について、利用者数や満足度、採算性の観点から検証を行っているところです。大崎ルートについては、現在の大井ルートの検証結果および令和7年度に開始するAIオンデマンド交通の実証運行や、新たな交通サービス等の状況を見極めた上で検討してまいります。

滝澤災害対策担当部長

 私からは、防災対策についてお答えします。

 初めに、避難所環境の改善についてです。区では、発災後72時間は人命救助を最優先とした活動を実施いたします。一方で、発災直後の避難所の開設においては、共助により配慮が必要な方を優先した生活環境の整備が行えるよう、令和7年度には間仕切りつき段ボールベッドの新規備蓄、23区で初の水循環型シャワーの導入など、必要な物資や資機材を重点的に備蓄することにより、避難者支援の体制を充実いたします。引き続き国や都の動向を踏まえ、よりよい避難所環境の整備に努めてまいります。

 次に、罹災証明書についてです。区では、首都直下地震における罹災証明書の発行数の想定は行っておりませんが、東京都による首都直下地震の被害想定では、全壊と半壊とを合わせて区内で約1万5,000棟に被害が発生するとされており、軽微な損壊を含めると、さらに多くの発行申請があるものと考えています。このため、区では災害対策本部に罹災証明書発行のための責任部署を置き、被害の実態に即した判定を行えるように平素から訓練を行うなど、体制を整備しているところです。

 また、住家被害認定調査票の写しの交付につきましては、被災地や他自治体の事例を調査し、区として必要な対応について検討してまいります。

 次に、下水道の耐震化についてですが、財源も含め、管理する東京都において適切かつ計画的に進められているものと認識をしております。区といたしましては、23区で連携し、東京都に対して能登半島地震を踏まえた下水道の強化対策に関する要望活動を令和6年11月に行うなど、取り組んできております。引き続き必要な対応を要望してまいります。

鈴木都市環境部長

 私からは、羽田新飛行ルートについてお答えいたします。

 初めに、国の固定化回避の取組についてです。区は、現在の新ルートを将来にわたり固定化することなく、区民負担軽減につながる具体的な方策を実施するよう大臣との直接面会を含め、一貫して強く求めてまいりました。第6回検討会で示された飛行経路に係る検討結果について、国は、今回の検証は1時間当たりの到着回数が多いC滑走路の到着経路を対象に検討を実施し、RNP-AR方式の導入が技術的に可能であるとの結論に至ったものである。見直し後のルート案が具体的に決まったものではなく、引き続き固定化回避に向けた取組を継続するとしております。区としましては、継続して行われる検討会において、区民負担軽減につながる具体的な方策の提示とその実施が早期に行われるよう、引き続き国に対し強く求めていく考えでございます。

 次に、新飛行経路の中止を求めることについてです。前回開催から2年以上の検討期間があったにもかかわらず、このたびの検討会で具体的な方策が示されませんでした。もとより区は、具体的な取組内容の提示と早期の実施について強く要望してきたところであり、今回の結果は看過できず、検討会翌日の12月25日に区長名により国土交通大臣へ宛て申入書を提出いたしました。今後も全区民アンケートによる地元区民の声を重く受け止め、区民負担軽減につながる具体的な方策の提示とその実施を早期に行うよう国に対し強く求めてまいります。

再質問

安藤たい作議員

 自席より再質問させていただきます。

 まずは開発です。先ほど区長自ら答弁に立ちました。今後も地域住民の声に耳を傾けると、真摯に受け止めると述べたことは重要だと思います。マスタープランについては直ちには見直さないが、今後の改定に反映させていくというような答弁だったと思うんですけれども、しかし、施政方針で区長が述べたここで生きたいという、そういう人が実際追い出されてしまうのが、今区内で行われている再開発だということはしっかり認識をしていただきたいと思います。実際に変えていくということが求められていくと思います。共産党としても、今後も様々な角度からこの再開発の問題点を指摘し、また、あるべきまちづくりの姿というのを提案していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 教育です。私は学ぶ権利の保障が重要だと述べ、その具体例の1つとして、佐藤学氏の実践を紹介いたしました。佐藤氏の実践への区教委の評価をお聞かせください。

 また、病休は37名という大変深刻な数字でした。その原因も問いましたけれども、答弁が正直ピントがずれているなと。教員不足や過大な仕事量などの過酷な労働環境が原因だとは思わないのか伺います。

 コミバスです。大崎ルートは区役所を通る唯一の候補ルートであり、交通不便地域の西品川、上大崎も通ります。住民の交通権の保障の観点から運行が必要だと思わないのか伺います。

 防災です。下水道管が原因の埼玉の道路陥没も踏まえて、上下水道管の点検・改修・耐震化は急務です。23区で都に要望したとおっしゃっておりましたが、耐震化100%の計画と実施というのは求めたのか伺います。

 最後、羽田です。今回C滑走路についての検討だったというご答弁でした。つまり、区は、A滑走路ルートのほうは固定化されたと捉えているのか、そこを伺いたいと思います。

再答弁

あくつ副議長

 申し上げます。一部新たな質問があったように伺いましたが、佐藤さんのものに対する評価、これは何か新たな質問のように私はお見受けしましたけれども、そこについてご答弁できる範囲でお願いいたします。

米田教育次長

 教育についての再質問にお答えいたします。

 教育委員会といたしまして、個別の指導方法の実践につきましては、指導方法の1つとして認識はしているところではございますけれども、教育委員会としては、特に具体の指導方法等についてコメントする立場にはないというふうに捉えております。先ほども申し上げましたが、区内の学校におきましては、様々な研究活動を自分たち自身の学校の実態に応じて展開しているところでございます。令和5・6年度の研究発表の具体例を申し上げましたけれども、そのほかの義務教育学校においても校内研究、研究発表等を行っておりますので、そういった区立学校としての取組について、区教委として今後も支援を行ってまいります。

 それから、教員の休職に関しての内容でございますけれども、先ほども申し上げましたが、原因については様々あるとは思います。労働環境についても、最近働き方改革等も言われておりますので、労働環境等についても一定教員の働き方改革を推進していくということについては必要があるというふうに考えております。そういう中で、スクール・サポート・スタッフなどの人的拡充や、区の事業、都の事業を活用した指導体制の工夫、それから教員一人ひとりに向き合った体制を整備していく、こういうことが重要と考えているところでございます。

溝口防災まちづくり部長

 私からは、コミュニティバスと上下水道の耐震化についての再質問についてお答えいたします。

 まず、コミュニティバスについてですが、国民の移動する権利として、交通権について国で議論されているということは承知しているところでございます。区といたしましては、品川区地域公共交通方針に基づきまして、様々な交通モードの検証を含めて、区民の交通不便の解消のための事業を進めてきているところでございます。大崎ルートにつきましては、先ほどの答弁のとおり、大井ルートの試行運行の状況や、令和7年度に実施するAIデマンドの運行の状況、また新しい交通サービスの状況等を踏まえて検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。

 次に、上下水道の耐震化につきましては、耐震化の計画的な推進、または事業の着実な推進、そういったものを東京都に求めたところでございます。また計画につきましては、東京都においてそれぞれ耐震化を計画づけて、計画的な進捗を進めているところでございますので、引き続き適切に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。

鈴木都市環境部長

 安藤たい作議員の再質問についてお答えいたします。

 第6回の固定化回避検討会で示された検討結果について、国は、検証はC滑走路の到着経路を対象に検討を実施したもので、見直し後のルート案が決まったものではないとしてございます。区としても、第6回の検討会で具体的な内容がまだ示されていないという認識でございます。

再々質問

安藤たい作議員

 再々質問させていただきます。

 まず教育なんですが、37人が病欠で、16学級で担任が欠員し、管理職が兼務せざるを得ない。この数字はかなり深刻で、一刻も早く解決しなければならない事態が、1校だけではなくて区内あちこちで起こっているということを示していると思います。まさに学校は今非常事態だと思うんです。根本の原因である教員不足の解消に、これが大事なんですが、区教委は一体何を行うのか、改めてお考えを伺いたいと思います。

 コミバスです。大井ルートの検証が必要と言いますけれども、この大井ルートと大崎ルートは別なルートです。これだけ要望も強く、交通不便地域も通る大崎ルートはすぐ始めるべきです。区は、伺いますけれども、大崎ルート沿線の交通不便地域というのをこれは区が不便地域を選定しましたから、これを解消する考えはないのでしょうか、伺いたいと思います。

 羽田です。区も今おっしゃったように、今回の検証はC滑走路の到着経路を対象にしたと。これはA滑走路のほうは、もうはなから検証や検討の対象にもされてこなかったということなんです。ずっとです。固定化そのものではないですか。伺います。A滑走路です。そういう認識はないですか。

 また、それでも引き続き固定化回避検討会に期待するのはなぜか、伺いたいと思います。行き詰まりが明らかな検討会に期待することはやめ、新ルートに反対し、撤回を求めるべきときではありませんか、伺います。

再々答弁

米田教育次長

 教育についての再々質問にお答えいたします。

 病気休職者等の現状についてはお伝えしたとおりです。年度途中で発生した欠員について、減少の傾向にはありますが、補充の対応がすぐには難しいという状況もございますので、教職員へのサポートをより一層充実させるとともに、教職員が余裕を持って子どもたちや保護者と向き合えること、十分な授業準備を進めること、こういうことが必要だろうというふうに考えております。そのための支援といたしまして、人的支援の拡充や柔軟な働き方のさらなる推進、個々に応じた支援を図っていく必要があると考えておりまして、人的支援といたしましてはスクール・サポート・スタッフ、副校長補佐、エデュケーションアシスタント、部活動の業務委託、指導体制の工夫といたしましては英語専科指導員や学校地域コーディネーター、教科担任制や不登校巡回教員等の加配対応、それから柔軟な働き方として時差勤務やテレワーク、それから働きやすい環境づくりとして夜間電話など、こういうものに取り組んでいるところでございます。

溝口防災まちづくり部長

 私からは、コミュニティバスの再々質問についてお答えいたします。

 区といたしましては、品川区地域公共交通方針で示された交通不便地域解消に向けて様々な施策を行っており、今後も施策を進めていきたいというふうに考えているところでございます。

 大崎ルートにつきましては、現在試行運行しておりますコミュニティバスの状況ですとか、令和7年度に実施するAIデマンドの交通の運行状況、また新しい交通サービスの状況等を踏まえて検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。

鈴木都市環境部長

 安藤たい作議員の再々質問についてお答えいたします。

 第6回検討会で示された検討結果について、国は、検証はC滑走路の到着経路を対象に検討を実施したもので、見直し後のルート案が決まったものではないとしてございます。昨年12月に国に対し提出した申入書での看過できないとする区の姿勢は、前回開催から2年以上の検討期間があったにもかかわらず、このたびの検討会で具体的な方策が示されなかったことに対するものでございます。区としましては、今後も全区民アンケートによる地元区民の声を重く受け止め、区民負担軽減につながる具体的な方策の提示とその実施を早期に行うよう国に対し強く求めてまいります。