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2025.11.20

安藤たい作区議 第4回定例会 一般質問
深刻な物価高から区民の暮らしを守るため消費税減税を 保険料引き下げや家賃助成など区としてできる対策を
暮らしも平和も壊す大軍拡ではなく、憲法9条を生かした平和外交の道を地方自治体から求めよ
リニア新幹線工事の真上で起こった区道の隆起は重大事態 区も責任をもって原因究明を
現庁舎跡地は200億円捻出にこだわらず、区の主導で高齢者・障害者施設や区営住宅など区民ニーズに応えた施設整備を
マンション再生を目的にした大崎西口駅前地区再開発は、企業の儲けのためではなく住民本位で見直しを

 

質問項目

  1. 深刻な物価高から区民の暮らしを守るため消費税減税を 保険料引き下げや家賃助成など区としてできる対策を
  2. 暮らしも平和も壊す大軍拡ではなく、憲法9条を生かした平和外交の道を地方自治体から求めよ
  3. リニア新幹線工事の真上で起こった区道の隆起は重大事態 区も責任をもって原因究明を
  4. 現庁舎跡地は200億円捻出にこだわらず、区の主導で高齢者・障害者施設や区営住宅など区民ニーズに応えた施設整備を
  5. マンション再生を目的にした大崎西口駅前地区再開発は、企業の儲けのためではなく住民本位で見直しを

質問

 日本共産党品川区議団を代表して一般質問を行います。

深刻な物価高から区民の暮らしを守るため消費税減税を 保険料引き下げや家賃助成など区としてできる対策を

 はじめは「深刻な物価高から区民の暮らしを守るため消費税減税を 保険料引き下げや家賃助成など区としてできる対策を」です。

 物価高は深刻で、今年も2万品目以上が値上げ。「物価は上がり、保険料も高く、収入は増えない。もう限界」―悲痛な声が寄せられています。高市首相は公約した給付金は実施せず、消費税減税には背を向け、物価高に無策。参院選では、全ての野党が何らかの消費税減税を公約しました。5%にすれば平均的な世帯で12万円、単身世帯で5.5万円の減税に。インボイスも廃止できます。財源は大企業と富裕層への行き過ぎた減税をやめることで賄えます。消費税減税は、何でも、誰でも、毎日減税され、物価高の特効薬です。

 6月議会で「消費税減税を国に求めるべき」との質問に区は、国で議論されるべきと従来の見解を示しつつ、「国税の在り方は区民生活や区内事業者の経営状況に関わる事項」と答弁したことは重要です。

  • 「区民生活や区内事業者に関わる」というのであれば、消費税減税が区民の暮らしを守ることにつながると思いませんか。伺います。
  • 国に消費税減税を求めて下さい。いかがでしょうか。

上がり続ける各保険料も大きな負担です。

 国民健康保険料が急激に上がった要因の一つは、2010年まで区が実施していた約36億円の法定外繰り入れを無くしたことです。また、収入のない子どもにまで64100円もの保険料を求めるのは国保しかありません。

 品川の介護保険料は、今期基準月額が6500円に上昇。高額所得者の負担は23区の中で最も低く、最高額は基準額の3.3倍にすぎず、渋谷区では8.85倍です。収入に対する保険料の割合でも、年金年額80万円超の基準額の方の負担率が9.8%なのに比べ、所得2500万円の最高段階の方は0.95%で、わずか1/10です。

  • 法定外繰り入れを削減する前の額に戻し国保料を引き下げること。子どもの国保料は無料にすること。
  • 後期高齢者医療の保険料引き下げを広域連合に働きかけること。
  • 高額所得者の介護保険料は能力に応じて引き上げ、低所得者は一般財源も活用して引き下げること。それぞれいかがでしょうか。

 都内では、住宅の投機化、再開発が拍車をかけ、住宅価格や家賃が上昇し、大きな負担です。

 区営住宅は、過去5年の平均で38倍超と狭き門。落選者も当選者も、同じ住宅困窮者です。共産党の「区営住宅落選者へ家賃助成を」との求めに、区は「居住サポート住宅での家賃低廉化助成を実施する」と答弁しましたが、居住サポート住宅は区内に1か所もないのが現状です。

  • 区営住宅落選者への家賃助成を改めて求めます。
  • 区営住宅の増設と建て替え時には戸数を増やすよう求めます。それぞれいかがでしょうか。

 出産や子どもの進学に伴い、家賃の高い区内に住み続けられなくなり転居する方も後を絶ちません。子ども計画の就学前人口の年齢別推移をみると、生まれた子どもが年を追うごとに転居し5歳の時には約500人減っています。新宿や北区などはファミリー世帯への家賃助成や転居費助成を行っており、求めると区は「行う予定はない」との答弁でした。

  • 子育て世帯への家賃助成と区内転居費用の助成を行わない理由を伺います。改めて実施を求めますが、いかがでしょうか。

 最後は、賃上げについてです。物価高の根本対策は、物価を上回る賃上げです。ニューヨーク市では、大企業や富裕層に課税を行い最賃を大幅に引き上げると公約した市長が誕生しました。区としてもできることを行うべきです。区内事業所の99%を占める中小企業への直接支援がカギで、岩手、群馬、奈良県などで賃上げした中小企業に助成する制度を実施しています。

  • 中小企業への賃上げ支援を都に求めるとともに、区においても支援を検討するよう求めます。それぞれいかがでしょうか。

暮らしも平和も壊す大軍拡ではなく、憲法9条を生かした平和外交の道を地方自治体から求めよ

 次は、「暮らしも平和も壊す大軍拡ではなく、憲法9条を生かした平和外交の道を地方自治体から求めよ」です。
高市総理は所信表明で防衛予算の2倍化を今年度中に実施すること表明し、トランプ大統領に「防衛力強化と防衛予算の増額」を約束。米国からはさらにGDP比3.5%の増額を求められており、非核三原則の見直しにも言及。大軍拡の道を突き進んでいます。

 安保三文書で「専守防衛路線」は投げ捨て、沖縄から北海道まで他国を先制攻撃できる長射程ミサイルの大量配備と大型弾薬庫の130棟増設を推進。各地で「攻撃対象になる」と反対運動が起こっています。自衛隊は米軍の指揮下に組み込まれ、共同訓練は百数十回に。さらに日本全土が戦場になることや核攻撃まで想定し、全国283地区の自衛隊基地等の地下化など強靭化に10年間で4兆円をかけ1万2600棟余建て替えるとしています。守るのは基地だけ。住民はおきざりです。

 あげくに高市首相は、台湾有事になれば米軍の戦争に自衛隊が参戦する「存立危機事態」に該当すると発言。中国からも大きな反発を招いています。台湾有事が、中国との戦端を開くきっかけにされかねません。高市軍拡は、平和を作るどころか、日本国民を戦争に巻き込む極めて危険な道です。

 では、どうしたら戦争の心配のない東アジアをつくれるか。

 日本共産党は、昨年4月に「東アジアの平和構築への提言-ASEANと協力して」を発表し、外交による平和構築を訴えてきました。ASEANは、1976年に東南アジア友好協力条約を締結。粘り強い対話の努力を続け、半世紀前の「分断と敵対」から「平和と協力」の地域へと劇的に変化させ、「世界で最も成功した地域」と言われています。その秘訣は、1つに、年間1500回もの会合を開き、紛争を戦争にしない関係を作っている。2つに、自主独立と団結を大切にしている。3つに、「平和と安定があってこそ繁栄がある」として平和構築と経済協力、社会文化協力を一体で取り組んでいる。4つに、この流れを北東アジアなど域外にも広げてきた。それが日本、中国、韓国、ロシア、米国などが加入する東アジアサミットであり、これを平和の枠組みとして発展させ、平和外交で包摂的に東アジアの平和を構築していこうというのが共産党の提案です。

 大軍拡は、暮らしや福祉も壊します。軍事費2%の前倒しに必要な額は今年度中に1.1兆円、GDP費3.5%となれば年間21兆円が必要。平行して社会保障大改悪の検討が進められており、今でも過去最多の倒産・閉鎖を余儀なくされている医療や介護を崩壊へ追い込むことになります。

 区長は、ブログや議会答弁でも「世界の平和に日本が今こそリーダーシップを積極的に果たし、武力ではなく対話によりその実現を図っていくべき」と述べています。今政府がやるべきことは、国際法と国連憲章に基づく平和の国際秩序を守ることであり、日米軍事同盟の強化ではなく、ASEANと協力し、東アジアを戦争の心配のない地域にしていくための憲法9条を生かした平和外交です。

Q1.日本の平和・東アジアの平和は、国が進める軍拡ではなく、対話による外交によってのみ築くことができると考えますが、区長の認識を伺います。

 区長は今年、広島・長崎を訪れ、平和へのメッセージを発信し、共産党の質問に、核抑止力ではなく核禁条約の批准を求める平和首長会議と同じ立場、と明言しています。さらに、

Q2.トランプ大統領が核実験再開を表明したことに対する抗議文を送ることと区長自身が「日本政府に核兵器禁止条約に署名、批准を求める署名」に署名することを求めます。いかがでしょうか。

リニア新幹線工事の真上で起こった区道の隆起は重大事態 区も責任をもって原因究明を

 次は、「リニア新幹線工事の真上で起こった区道の隆起は重大事態 区も責任をもって原因究明を」です。

 10月28日朝、リニア新幹線のトンネル工事の真上、西品川一丁目の区道で約15センチの道路隆起を発見。区は同日中にJR東海に原因究明がされるまで工事を行わないよう要請。JR東海は「因果関係は調査中だが、周辺で行われている工事がないことから、当社起因の可能性がある」と発表しました。シールドマシンは8月25日に本掘進を開始、約500メートルまで進み、線路の下を通過しつつあり、住宅地に入ろうとする矢先でした。

 30日には住民団体が、31日には共産党区議団もJR東海に申し入れを行い、11月4日には共産党国会議員団主催で国交省レクチャーが行われ、監督省である国交省は現場に足を運んですらいないことも明らかになりました。

 近隣住民にお話を伺うと、「明け方に下から何か変な音がした」と言います。また、「事故の数日前にJR東海に問い合わせた時には『地下75~80メートル深く工事をするので事故は起きません。絶対大丈夫です』と言われた』と語ります。

 リニア工事の根拠法となる大深度地下法は、地上に影響が出ないので権利者に何の補償も許可も得る事もなく掘り進めることができるとされていましたが、またもやその前提は崩れました。

 地盤・トンネル工学が専門で笹子トンネル崩落事故や外環道調布陥没事故などにもコメントしてきた谷本親伯大阪大名誉教授に話を伺うことができました。谷本氏は過去の事例からも第三者による調査が必要。また、事業所任せにせず、今ある情報は出させ、自治体としても必要な調査を行うことが大切だと指摘しています。

 区は委員会質疑で、仮に住宅地で発生した場合を問われた際、「かなりの傾きになり、家屋としてそのままというわけにもいかなくなる」と答弁。JR東海への要請文でも「区民の安全・安心と生活環境を守る立場の地元区として」と述べています。
Q①・区民の安全を守る区として、具体的に以下4点求めます。

  • 原因究明はJR東海まかせにせず、第三者調査委員会を設置し行うよう、国と東京都に求めること。
  • 土圧など掘削データや、地表面の変化を測定してきた水準測量・人工衛星計測など今あるデータはすみやかに開示するようJR東海に求めること。
  • ただちに教室型説明会を開き、様々なデータや調査内容を区民に説明するようJR東海に求めること。
  • 区として、現場付近のN値の把握のためのボーリング調査、今後の掘削工事による影響を測るためのルート線上の区道における3Dスキャナー測量を行うこと。

それぞれいかがでしょうか。

 リニア工事は、町田市での水と気泡の噴出、岐阜県の地盤沈下などあちこちでトラブルを起こしています。外環道では、陥没事故が起こったところは軒並み住めなくなり、住民が立ち退きを余儀なくされました。

Q②・隆起事故が起き、住宅地に入る前の今こそ、住民のくらしと安全を守るため、リニア新幹線は中止すべき。国とJR東海に求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。

「現庁舎跡地は200億円捻出にこだわらず、区の主導で高齢者・障害者施設や区営住宅など区民ニーズに応えた施設整備を」

 次は、「現庁舎跡地は200億円捻出にこだわらず、区の主導で高齢者・障害者施設や区営住宅など区民ニーズに応えた施設整備を」です。

 庁舎跡地は区民の貴重な財産。区民からは、福祉施設や区営住宅など、様々な切実な願いが寄せられています。

 例えば、特養ホームは、3カ所の整備計画がありますが、それでも整備率は23区で18位、特養と老健施設をあわせた整備率は今も23位です。約400人が申し込み、7割の人は入れません。障害者施設も足りず、区外施設の利用を余儀なくされ、重度の人が利用できる施設を求める請願陳情も繰り返し出されますが、「土地の確保が困難」と増設はなかなか進みません。区は今後、障害者の施設がいつまでにどれだけ必要かの所要量を出し整備を進める計画を策定するとしています。であるなら貴重な公有地である庁舎跡地は余すことなく活用すべきです。

 住宅問題も切実。区営住宅のここ5年間の平均倍率は38倍。歴代区政は都営住宅の区への移管を断り続け、区営住宅増設の方針も持っていません。

 Q①・現庁舎跡地は、高齢者・障害者施設や区営住宅など区民の切実な願いに応えた施設整備のために使うべきです。いかがでしょうか。

 区長は「庁舎建て替え費用に要する区民負担軽減のため、跡地は民間企業に活用させ200億円をねん出する」と説明してきました。そのため区はこの間、民間企業に活用手法を直接聞く対話型市場調査を2回、実施。調査では企業に庁舎跡地の購入意向も聞いていますが、一度土地を手放してしまえば、戻ってくることはありません。

 Q②・庁舎跡地は区民の財産です。売却などすべきではありません。改めて伺います

 そもそも、現庁舎跡地を民間企業に活用させ200億円を捻出する必要があるでしょうか。
対話型市場調査では、庁舎跡地で利益を得るための導入機能として、住宅、つまり分譲超高層マンションが提案されています。しかし、PFI手法で庁舎と公会堂を建て替えた渋谷区では、庁舎等敷地の半分を三井不動産に77年定期借地、その貸し付け費用211億円で庁舎と公会堂を建設するも、77年もの間、区有地は区民のために使えなくなった上、三井不動産はマンション503戸を分譲し莫大な利益を得ました。豊島区では、小学校跡地と駅前庁舎跡地を使ってマンションとの合築新庁舎を建設し、将来、区の意思で建て替えられない庁舎を作ってしまいました。

 一方で、区には豊かな財政があることが先日の決算委員会で示されています。前年度決算と比べ税収は、財調や区民税、株式譲渡や配当割交付金などで89億円余も増収。さらに、森沢区長就任後、学校給食や学用品の無償化、介護・障害福祉職員の待遇改善など福祉充実の新施策が次々と実施されてきましたが、それらを実施した上でなお、67億円の黒字を出した上、基金は令和6年度だけで約94億円も積み増しているのです。

 Q③・現庁舎跡地は定期借地などの手法は止め、200億円捻出にこだわらず、全面的に区民の願いのために活用すべきです。いかがでしょうか。

マンション再生を目的にした大崎西口駅前地区再開発について

 最後は「マンション再生を目的にした大崎西口駅前地区再開発は、企業の儲けのためではなく住民本位で見直しを」です。
大崎駅目の前の西口駅前地区では、「マンション再生」を目的にした再開発のはずが、いつの間にか大成建設と住友不動産により、元々住んでいた住民を駅前一等地から締め出す、もうけ追求の計画に取って代わろうとしています。

 地区内の土地所有者は14名で、5棟の旧耐震マンションがあり約260人の区分所有者が住んでいます。区は、2018年、東京都の制度を活用し「マンション再生まちづくり計画」を策定。まちづくりの目標として「分譲マンション等の建替えを促進する」としました。

 ところが、計画の「方針」に、「周辺街区の住み替え等も視野に入れた手法や制度の検討、運用を行う」との文言が入れ込まれたため、大成・住友はこの文言を盾に、駅前地区内に住んでいたマンション住民を、駅から離れる隣のF南地区の再開発マンションへと移住させ、地区内での建て替えは行わないオフィス一棟案計画を強引に進めています。計画の方針の一部を切り取り、このような駅前地域を乗っ取るようなやり方を放置するならば、「開発企業のための官製地上げ」と言われても仕方ありません。

 再開発準備組合事務局は、開発に多数が賛成しているとの状況を演出するため、マンション居住者に個別面談や建物等現況調査と称する室内立ち入りを強引に進めています。9月には「都市再開発法に基づく第一種市街地再開発事業の都市計画決定に向けた手続きを実施しております。つきましては、今後の事業の推進に向けた準備作業として、建物等現況調査を実施させていただきたく存じます」と書かれた文書を配り、あたかも法に則った避けられない手続きであるかのように立ち入りを始めたのです。しかし、同法60条2項では、建物調査ができるのは再開発本組合の設立後で、かつ区長の許可が必要。こうしたやり方で立ち入り調査に多数が応じたとしても、開発に賛成とはなりません。

 準備組合事務局は「区との打ち合わせは頻繁に行い、区の了解の下で事業は進めている」と明言しています。

 Q①・今回の準備組合事務局の強引なやり方を区は把握しているのか。区は是正の指導を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 地区内のあるマンションでは、現在、耐震診断の議論を重ねている真っ最中。昨年の管理組合総会では「耐震診断の検討を継続審議する」と議決しています。このマンションにお住まいの方は、「夫婦でお互い2時間近くの通勤を伴う共働きを辞めることなく2人の子どもを育てるため、清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったマンション。この家には感謝しかないし、終の棲家と考えてきた。それが、いきなり出ていけと言わんばかりの再開発の計画。耐震を高めるのならマンションの建て替えであるべきだ」と述べています。

 Q②・住民が自主的に耐震化の相談をしている最中に、「マンション再生まちづくり計画」を自ら定めた区が、現行計画・オフィス一棟案にお墨付きを与えるようなことはあってはならないと思いますが、いかがでしょうか。

 Q③・大崎西口駅前地区は、現行計画・オフィス一棟案は白紙にし、住民本位で見直すよう求めますが、いかがでしょうか。