2026年03月27日
鈴木ひろ子区議が「第51号議案 品川区国民健康保険条例の一部を改正する条例」への反対討論を行いました。
2026.03.27 鈴木ひろ子区議
日本共産党区議団を代表して、第51号議案 品川区国民健康保険条例の一部を改正する条例に対する反対討論を行います。
国保料は高すぎることを厚労省も、全国知事会も全国市長会も23区区長会も認め、社会問題となっているにもかかわらず、どこでも引き下げる対策をとらないだけでなく値上げの連続を強行してきました。今年はその保険料に子ども・子育て支援金を上乗せするという事実上の増税を医療保険に押し付けるという暴挙が行われたため、高すぎることが問題となっている国保料が過去最大の値上げとなったのです。
具体的には、1人平均年間国保料は21万5000円余となり、平均1万4000円の値上げです。すべての世帯が値上げとなり、例えば、年収500万円の40代夫婦・未就学児2人の給与所得世帯の場合、2万円値上げされ64万2千円です。ボーナス含めても月41~42万円の収入から所得税・住民税のほか、毎月6万2000円の支払いが国保料です。これだけ物価高が続く中、区民がどれほど追いつめられることになるか、これは見過ごすわけにはいかない問題です。
以下、今回の問題点を4点指摘します。
第1に、特別区独自に行ってきた保険料負担軽減策を新年度から全く無くした問題です。
国保は、年齢構成が高く医療水準が高いこと、所得水準が組合健保の半分以下と低く、保険料負担が大変重いことが構造問題との認識で国も、地方自治体も一致しています。だからこそ長い間法定外繰り入れが行われ是正してきたにもかかわらず、この解消の方針が出され、23区が2018年6%を出していた法定外繰り入れを徐々に減らし、新年度でゼロになります。品川区で言えば7億6000万円出していた法定外繰り入れをゼロにする。単純計算で一人12000円の負担増となります。高すぎることを認め、国に対策を求めながら、区の軽減策をなくして自ら値上げを行ってきたのです。これは大きな矛盾です。
第2に、何と言っても今年から子ども・子育て支援金を平均で一人4647円も国保料に上乗せして徴収するため大幅値上げとなる問題です。
そもそも、子ども子育て支援金は、国税で行うべきものであり、保険料に上乗せすることは事実上の増税です。世帯によっては組合健保や協会健保の2倍もの最も高い保険料が構造的問題と言われ、負担軽減が求められていたにもかかわらず、過去最大の値上げの原因となりました。しかも子ども子育て支援金は今回が6割、来年が8割、再来年が10割と値上げされる仕組みです。
第3に、子どもの支援金を国保で取りながら子どもの国保料を取り続けるのは制度矛盾であり、今こそ無償化すべきということです。
子育てを社会全体で支えるための「支援金」と言って徴収しながら、その対象である子ども自身に「国保料負担」を課していることは矛盾です。「子育て支援」を掲げるのであれば、まずは子どもにかかる均等割り保険料を完全に撤廃するのが先決ではないでしょうか。国も制度矛盾ではないかとの議論から、未就学児のみ均等割り半額を2027年度から18歳まで拡大の方向を出しています。しかし、子どもの国保料は無償化こそ必要です。
1人生まれるたびに6万5200円もの国保料均等割りを取り立てるやり方は、人類史上もっとも原始的で過酷な税とされる人頭税のやり方であり、現代の応能負担の原則にも逆行、子どもを持つことに対してペナルティを課すものです。子どもの国保料を徴収するのは国保だけであり、組合健保も協会けんぽも共済組合も子どもの保険料は取りません。少子化が加速する中、子育て支援の観点からも無償化すべきです。
子育ての社会化を打ち出し、全都全国に発信している品川区から子どもの国保料の無償化に踏み出すべきです。品川区で国保加入者のうち子どもの人数は3600人。無償化に必要な財源は1億5000万円。品川区の一般会計2369億円、基金1000億円余からして十分可能です。
第4に物価高が深刻な上の保険料値上げが負担の限界を超えている問題です。
物価高は、4年以上続いており、全体で12%上昇し、特に食料品は20%以上上昇、中でもお米は2.4倍です。さらに光熱水費も上がり、米国・イスラエルによるイランへの戦争によって今後さらに厳しさを増すだろうといわれています。実質賃金も実質年金も下がり続ける中、この保険料の引き上げはぎりぎりの生活をさらに追い詰めることになります。
最後に、とてつもない値上げによって払えない人を作り出しながら、滞納者に対する差押えが年々増え、困窮者を追い詰めている問題について指摘します。
今回の予算審議で、差し押さえ件数が2021年220件だったのが、年々増え続け、今年度はすでに300件を超えているとのこと。高すぎて払えない人に対する差押えではなく、滋賀県野洲市のように、滞納はSOSととらえ、生活再建への支援こそ行うべきです。野洲市は「無理な差押えは、さらなる生活困窮を招き、将来的な納税能力を奪う」との考えのもと、税金や保険料の滞納があった際、単に督促するのでなく、背後にある失業、病気、借金などの課題を解決することを優先します。専門職が多職種チームを組み包括的に支援、さらに就労支援や生活必需品の貸し出し、多重債務への介入まで行い生活再建につなげるとのことです。その結果、「差し押さえによる一時的な徴収よりも、生活再建を経て納税していただく方が、長期的な納税額が大きい」と効果が報告されています。また、頼りがいのある行政、市民生活の安定こそが今後の長期的な納付意欲の向上につながると述べています。滞納者に寄り添い、生活再建の支援を徹底することこそ自治体の役割であり、長期的には自治体財政にとってもプラスになるということです。差押えは、十分な能力がありながら払わない悪質な人に限ることを求めます。
改めて、国保料の引き下げ、子どもの国保料無償化を求め、反対討論を終わります。
