2026年07月09日
安藤たい作区議が「リニア中央新幹線工事再開に対し再度住民説明会を求める請願」への賛成討論を行いました。
2026.07.09 安藤たい作区議
日本共産党品川区議団を代表して、令和8年請願第5号、「リニア中央新幹線工事再開に対し再度住民説明会を求める請願」への賛成討論を行います。
リニア新幹線は各地で問題が噴出。水涸れや地盤沈下、トンネル崩落事故などを起こし、各地で反対運動が起こっています。残土は熱海の崩落事故の1000倍を超え、その処理は、多くが盛土となり、豪雨災害が多発する中、二次災害のリスクも抱えます。さらに環境破壊や、2倍に膨れ上がった事業費、リモートワークの普及や人口減少などでそもそも必要な事業なのかと疑問の声も多く出されています。そんな中、無謀な工事の中止を要求する住民運動や世論に背を向け、静岡県知事は着工容認を表明しましたが、関係自治体の長が認めたからといって天下の愚策を許すわけにはいきません。
本請願は、リニア新幹線シールドマシン工事による区道の隆起事故を受け行われた住民説明会をJR東海が強制的に終了するなどの対応により住民に不信感や不安が広がる中で、工事を再開したことに対し、改めて一斉説明型の住民説明会を開くよう、区や議会に求めるものです。
2月1日と2日に行われた隆起事故に関する一斉型説明会では、「これからも同様の事故が起こるのではないか。不安でたまらない」「このまま住み続けられるのか、引っ越しを考えている」「資産価値が下がってしまう」など不安の声がたくさん出されました。まだたくさんの参加者が質問に手を上げており、延長を求める声が次々出されたにも関わらず、JR東海はわずか1時間で説明会を打ち切り、説明に立った役員は足早に会場から退出。会場からは一斉に抗議の声があがりました。
4月17日、JR東海は掘進工事を再開する方針を公表。その日のうちに品川区は、「区民の不安や懸念は依然として払拭されたとは言い難い」「様々な方法により区民への丁寧な説明と適切な措置を講じることを強く求める」などの要請文を発出しました。21日には、「リニア新幹線の中止を求める品川区民の会」が「早急な工事再開に抗議し、再度の住民説明会を求める」要請。22日には共産党、生活者ネット、れいわ新選組の超党派で「教室型説明型の開催」「不安や懸念が払しょくされるまで工事を再開しないこと」を求める要請を行いましたが、同日、JR東海は工事再開を強行したのです。
請願署名には、1279人が署名をし、トンネル直上地域の多数の町会長も署名をしています。この民意に区と議会は真摯に応えるべきです。
建設委員会では、住民から意見陳述の申し出もありました。残念ながら委員会採決で賛成は2名と少数となり陳述は実現しませんでしたが、陳述者の承諾を得て、その内容を一部、紹介します。
「私は旗の台で米屋を営み、その店舗の上に住んでいる者です。その真下をリニアトンネルが掘進する計画になっています。近隣の方々(家屋調査の対象です)に請願署名を依頼したところ、皆さん西品川の隆起事故をご存知でとても工事に不安を持っていて、署名を快く引き受けて下さいました。」
「『これは是非、町会長にもお話しなければ』と思いました。町会長には資料として過去2回のJR東海が区内で開いた説明会の資料を渡しました。参加した私の感想として、極めて不誠実な内容でより不安になったと伝えました。町会長からも、『町会会館や小学校がトンネル直上にあたり、懸念を持っている。説明会に出席した別の町会員からも同様の感想を聞いている』とのお話がありました。」
「私は米屋ですので、商店街の組合員でもあります。商店街会長ともお話をしました。もし万が一、西品川隆起事故や同じシールド工法の外環道調布の陥没事故が、トンネルが横断する商店街の三間道路上で起きれば、商店街も成り立たなくなる事の重大さを共有しました。」
「トンネル計画の直上に住み商売を営んでいる者として、事故のもたらす生命の危険に対する不安ももちろんありますが、事故の補償も懸念しています。過去2回の説明会では、参加者からの補償に対する質問にもJR東海からは『事故は起きないようにする』と言うだけでした。」
「JR東海とは工事主体が違いますが、外環道陥没事故の補償の顛末を知れば知るほど不安が募っています。JR東海は4月22日から工事を再開してしまっていますが、住民の不安を払拭する説明会を開くまでは、工事を再開するべきではない、と強く思っています。」
以上が意見です。また、この方はその後、調布・外環道の全ての家が立ち退きとなった事故現場も訪れ、「事故からもうすぐ6年経つのにこの状況。戦慄を覚えました。街が取り返しのつかないことになっています」と感想も述べています。これらの意見からは、日常を脅かしかねない工事への不安を強く感じるとともに、不安が地域に広がっていることが伝わってきます。同時に、請願審査の中でこのような切実な意見を聞くことそのものを拒んだ議員や会派の、区民に向き合う姿勢が問われているのではないでしょうか。あらためて、区民の意見陳述を拒み続けている品川区議会そのものが変わらないといけない時だと思います。
さて、委員会質疑で私は、「(沿線を含めた)住民の不安をどのように受け止めているのか」と繰り返し問うと、区は「区としても重く受け止めている」と述べ、最終的には「引き続き一斉説明型の開催も含めまして様々な手法を用いて説明をするよう求めていく」と答弁し、区は「一斉説明型も含め」要請していく考えを示しました。
一方、本請願は、議会に対してもJR東海に一斉型説明会の開催を求めるよう要請しています。
委員会審査では、共産党を含め請願に賛成をした2名以外の委員は、「一斉説明型にこだわることではない」、「一斉型説明会では開催日や時間にどうしても制約が出てしまう。オープンハウス型、こうした手法もありだなと思う」などと請願を不採択にする理由を挙げました。しかし、請願はオープンハウス型の開催を否定するものではありませんし、どちらもやればいいだけの話です。教室型説明会は、他の人の質問とJR東海の回答を聞くことにより様々な角度から事故への理解が深まります。地域住民が共通の情報を得る権利やJR東海に対する疑問や意見を述べる場は保証されるべきです。何よりも、約1300人もの住民が、再度の一斉型説明会の開催を求め署名をしています。これほど多くの住民が望むものをなぜ、区議会はJR東海に求めることができないのでしょうか。
冒頭、共産党のリニア新幹線に対する態度を述べました。私達は、リニアは環境破壊で問題が噴出、そもそも必要ない事業と考えています。しかし、今回のこの請願の内容、住民の不安が広く存在する中で、これだけ多くの住民が望んでいる再度の一斉型説明会の開催は、リニアの賛否に関わらず、行うべきだし、皆が賛同できる内容ではないでしょうか。区は、委員会審査の中で「一斉型説明会も含め説明を求めていく」と述べました。議会としても、住民の切実な願いに応えて再度の早急な一斉型説明会をJR東海に求めようではありませんか。
あらためて議場の皆さんへ請願への賛同を呼びかけまして、賛成討論を終わります。
