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2026年07月09日

鈴木ひろ子区議が「ヘルパーの警鐘を国に伝えてください~介護報酬大幅引き上げの意見書を国に提出するよう求める請願」への賛成討論を行いました。

2026.07.09 鈴木ひろ子区議

  日本共産党品川区議団を代表して、令和8年請願第3号「ヘルパーの警鐘を国に伝えてください~介護報酬大幅引き上げの意見書を国に提出するよう求める請願」に対する賛成討論を行います。

 今回の請願は、介護報酬を物価と全産業平均の賃金の伸び率以上に国庫負担で引き上げることを求める意見書を国に挙げるよう求めるもので、同趣旨の請願は今回で6回目となります。請願理由では次のように述べられています。ケア労働は人間の生存の基本的条件である。にもかかわらず、そのケア労働に対して、国が設定している報酬は他産業や物価の伸びに比べて抑圧して来た。それはケア労働に対する社会的軽視とその責任を片務的に負わされてきた女性への軽視そのものである。介護職員数が介護保険制度成立後初めて減少。再生産の危機は生産の危機であり、地域生活、日本経済、日本国家そのものの危機に直結する、というものです。
以下賛成の理由を3点述べます。

 まず第1に、介護保険の危機的な状況はさらに深刻になっており、一刻の猶予もない状況だということです。

 2025年6~7月に共同通信社が自治体・47都道府県知事、1741市区町村長を対象に行った、回答率96%のアンケートにおいて、「介護保険サービスの供給体制の持続に危機感があるか」の設問に対して97%の自治体首長が「危機感がある」と回答。その理由として最も多かったのが、「介護現場で働く人が減り、制度の支え手不足」72%でした。優先すべき財源対策として84%の首長が「国の公費負担割合の引き上げ」と回答しています。介護保険の保険者である市区町村とその市区町村を支える都道府県の各首長が「介護保険制度の持続可能性」に対して強い危機感を持っているという実態は極めて深刻だと思います。
実際品川で、直近5年間で倒産・廃業に追い込まれた介護事業所は、共産党の1定代表質問時に訪問介護事業所15件、デイサービス10件、居宅介護支援事業所6件にも上っています。さらにその後、訪問介護事業所2か所、デイサービス、デイケアがそれぞれ1か所ずつ廃業したことがわかりました。

 現場からは、常に疲弊した状況で人材不足と経営難に対する悲鳴のような訴えが出されています。訪問介護事業所やデイサービス事業所に加えて、居宅介護支援事業所の所長からも、ケアマネージャーのなり手がいないため、募集しても応募がない。制度の枠を超えた無償の支援であるシャドーワークも多く業務が肥大化し負担が大きくなっているのに賃金が安く、その上更新研修など時間的にも経済的にも重い負担になっている。ケアマネの年齢の平均が55歳、40歳未満は1割にも満たない7.6%。これを放置すれば、10年後にはケアプランを作れなくなるだろうと言われています。

 第2に、請願の趣旨にもあるようにジェンダー平等の観点からもケア労働の賃上げが必要だということです。
日本のジェンダーギャップ指数は世界146か国中118位とジェンダー後進国です。賃金の平等はジェンダー平等を築く上での土台中の土台。しかし日本の男女賃金格差はOECDで常に最低水準です。その原因の一つが、女性が多くを担っているケア労働―医療、介護、保育、福祉など、他者の生存や生活をケアする労働―が著しく低賃金となっていることです。高度な専門性や心身ともに労働の負担が重いにもかかわらず、正当に評価されていません。看護師や保育士の90%以上、介護労働者の75%が女性です。

 歴史的に、介護や保育などのケアは「家庭内で女性が無償で行うもの」と見なされてきた背景があり、政府がそれを利用しながら公定価格、介護報酬や診療報酬を低く抑えてきたことが問題です。事業所がどれだけ経営努力をしても、収入の天井が国によって決まっているため、現場の労働者に回せる賃金にも構造的な限界があります。
ケア労働は、人間の生命を維持し、労働力を回復・育成するために欠かせないものです。職業として社会化され、高度な知識や危機管理能力、肉体的・精神的なタフさが求められるものになったわけですから、公定価格を大幅に値上げし、きちんと評価すべきです。

 第3に、今回の期中改定の処遇改善加算ではあまりに不十分であり、大幅な基本報酬の引き上げこそ必要だということです。
2026年6月改定で国は、処遇改善加算の2.03%で約1万円の賃上げ、さらに定期昇給や生産性向上と合わせると最大で1万9000円の賃上げを目指すとしています。しかし、最大でと述べている通り誰もが19000円の賃上げになるわけではありません。現状で全産業労働者との賃金格差は月8万2,000円も安いというのが今年4月に厚労省が発表した数字です。この差をいつまでに解消するのか目標もありません。

 委員会審査では、他の委員から反対の理由として「毎年報酬改定をするということは制度の根幹を変えていくことになる」という意見がありました。しかし、3年に1回1~2万円の賃上げの改定では、全産業労働者との8万2000円もの賃金格差は何年たっても解消できないどころかさらに広がるのではないでしょうか。この賃金格差を解消するまで毎年介護報酬を引き上げるべきです。そして、加算ではなく基本報酬の引き上げこそ必要です。加算は職種間で差があり不公平感をもたらすこと、資格保有率や研修実績などの算定要件があり、さらに取得するための計画書や実績報告書など膨大な事務負担があり小規模事業所にとって負担の限界です。

 財源は、介護保険料に連動しないよう、国の負担割合を現在の25%から35%に10%引き上げ、都や区も合わせて公費負担を60%にするというのが共産党の提案です。これは共産党だけが言っているわけではありません。委員会や賛成討論でも紹介してきましたが、自民党と公明党も野党時代に公約にも掲げていたものです。自民党・公明党が公約を守り実行に移すことこそ公党の責任ではないでしょうか。84%もの全国の都道府県知事・市区町村長も財源は「国の負担割合の引き上げ」を求めています。

 厚生委員会では、不採択とした委員全員からも、介護報酬引き上げや処遇改善が必要との意見が述べられました。議員の皆さんに訴えます。介護崩壊という事態になる前に、今こそ、国庫負担割合を増やすことで大幅な介護報酬引き上げを行うよう区議会として意見書を上げて、請願のタイトルにもあるように現場からの警鐘を国に伝えようではありませんか。心から呼びかけて討論を終わります。