2026年10月23日
安藤たい作区議が「大崎西口駅前市街地再開発事業に関する都市計画素案、企画提案書提出の場合の取り扱いに関する陳情」および陳情第33号「大崎西口駅前市街地再開発事業の手続きに関する陳情」への賛成討論を行いました。
2026.10.23 安藤たい作区議
日本共産党を代表して、令和8年陳情第32号「大崎西口駅前市街地再開発事業に関する都市計画素案、企画提案書提出の場合の取り扱いに関する陳情」および、陳情第33号「大崎西口駅前市街地再開発事業の手続きに関する陳情」への賛成討論を行います。
同開発は、大崎駅西口の目の前の1.4ヘクタールの敷地に大成建設が24階、高さ147メートルのオフィスビルを建てる計画。住宅も入れると言いますが、あくまでオフィスがメインで、住宅は50~70戸ほどだと言います。都市再開発法上、マンションは1棟1人と数えられるため、5棟の分譲マンション約225人の区分所有者は1人とされ、総権利者数約230人は、土地所有者14名、借地権者2名+αと数えられます。その他にも、長らく借家人として商売を続けてきた方もおり、そうした方を含めれば約460人の利害関係者が影響を受ける計画です。
陳情32号、33号は共に、再開発計画への不同意を表明し、再開発事業準備組合の「八割の同意を得た」との主張に疑義を唱え、区に対して、安易な企画提案書の受理をしないよう求め、区議会にも公正な対応を促すことを求めるものです。
現在、同地区は、7月29日に区が企画提案書を受け取り、8月7日に東京都に進達、都市計画決定手続きが開始され、10月5日には区域内の土地所有者等向けの説明会と意見書受付を、12月頃に区域外も含めた住民向けの説明会と意見書受付を行い、都市計画審議会を経て、来年3月頃に都市計画決定する予定です。
以下、陳情への賛成理由を4点述べます。
1点目は、この再開発計画がマンション再生を理由にしながらマンションを作らず、住み続けたい住民を区域外に追い出す問題です。
元々この再開発は、区域内の5棟の分譲マンションの耐震化が主な目的で進められ、2018年には区もマンション再生まちづくり計画を策定しました。ところが大成建設は突然、事業性の向上を理由にオフィス一棟案を提案。住民は駅から遠ざかった、先行するF南地区の再開発マンションに移る、というものでした。住民から反発の声があがり、一度は住み替えに賛同したが、最終的には大幅に住居面積が狭くなり「だまされた」と怒りに震える人も生まれました。この住民追い出しの計画を、マンション再生まちづくり計画の中に「周辺街区への住み替え等も視野に入れ」との文言を入れ込み、お墨付きを与えたのが品川区・行政であり、住民からは「官製地上げ・追い出しだ」との声もあがっています。また、地区内のあるマンションでは、耐震診断を行う議論がされていましたが、再開発事業がゴリ押しされたため、実施できないでいます。区は、「マンション再生」というならば、ディベロッパーいいなりのオフィスビル開発にお墨付きを与えるのではなく、住民発意のマンション再生手法について支援すべきです。
2点目は、東京都の再開発の都市計画手続きの運用基準にもある、地元・地権者の合意形成がなされていない問題です。
東京都の「東京都再開発等促進区を定める地区計画運用基準」には、「地元の合意」「地権者の合意」が都市計画手続きを進める前提、と示されています。この基準は守られているのでしょうか。
1つは、不同意の人数です。区は、権利者約230名のうち約190人、権利者の約83%が同意していると説明していますが、裏を返せば40名もの不同意の方がいるということです。都市計画決定段階では区は、公共の福祉の観点、住民合意の観点から行政の責任により都市計画決定を行わなければいけませんが、17%、40人もの不同意がある中で都市計画手続きに進むことは時期尚早です。
2つは、借地権者の同意状況の不透明さです。都市再開発法では、再開発の事業認可にあたり、土地所有者と借地権者のそれぞれについて3分の2以上の同意が必要とされています。ところが陳情者は、借地権者は自分しかおらず、現行計画に同意もしていないため、借地権者の同意はゼロ、と主張しています。この点を質すと区は、「借地権者数は2人と他にも複数名いる」「正確な人数は、都市計画が決定された際に借地権者の申告によって把握することになるので、その時点で正確な人数は把握する」と回答し、現時点での同意状況も見通しも示せませんでした。見通しがないのにどうして都市計画手続きを進めることができるのか。都市計画決定後に、中野区や中央区などで行われ問題となった借地権の捏造や水増しが行われるのではないかとの懸念ももたれています。
以上2点から、都の運用指針にある、都市計画手続きにおける必要条件である地元合意は、なされているとは言えません。
3点目は、区が賛成・反対の住民の意見交換の場を作るとしながら、それが行われないまま都市計画手続きが進められたという点です。
陳情審査で区は、「賛成の方、反対の方と、様々な声が区に届いている。双方のご意見がきちんと交わされるような場の提供をしていきたい。今現在調整している」と述べました。その区の説明をもって「そうしたことが行われるならば」と陳情を採択しなかった委員もいました。しかし、その後そうした場は実現されず、区は陳情審査のわずか2日後に企画提案書を受理、都市計画手続きを進めました。陳情者は、計画に不同意の住民の声が聞かれないまま再開発の手続きを進めないでほしいとの思いで議会に陳情し、その結果、区も、仲立ちし意見交換の場を持つと公式の場で表明しました。でありながら、区はその約束を果たさずに都市計画手続きを進めてしまった。これでは、議会と地元住民を欺くことになります。その場の実現の努力を行うとともに、それが行われるまでは手続きを停止すべきです。
4点目は、その都市計画決定手続き自体も、権利者に案内が届けられないという、極めてずさんな点があった点です。
10月5日の都市計画原案の説明会では、冒頭、地権者の方から「今回の説明会の案内が自分のところには届かなかった。届いていないと指摘・抗議したのに、それでも届けられなかった」との訴えがありました。この方だけではなく、他にも案内が届かなかった地権者は45名もいました。都は説明会でおわびを述べ「案内は登記簿で郵送している」と弁解しましたが、登記簿と現住所が異なる世帯は幾らでもあることで、それは行政も分かっているはずです。全員に案内を届ける気がはじめから無かったと思わざるを得ません。地権者にとっては暮らしと財産がかかった問題であり、単なる事務的ミスでは許されず、不適切な運営で行われた手続きであれば、手続きは一旦白紙に戻し、もう一度説明会からやり直すべきです。
以上、陳情に賛成の理由、再開発事業はいったん立ち止まるべき理由を述べてまいりました。議場の皆様への陳情への賛同を呼びかけまして、私の賛成討論といたします
