これでいいのでしょうか 品川区の危機管理意識の希薄さ明瞭に 中延保育園児下痢・嘔吐、 二次感染で48名もにも 区立中延保育園で発生したSRSV(小型球形ウイルス)による下痢・嘔吐集団感染は、○才〜五才児の園児だけでなく家族や職員にまで感染が広がってしまいました。二次感染に対する取組の甘さが大きな原因で行政への信頼を大きく欠くもので大問題です。 この事件で問題なのは、区の対応です。前回のニュースにも報告しましたが、区が二次感染を防ぐ必要性をどれだけ認識していたかという点です。感染力が非常に強いウイルスのため、場合によっては命の危険にもつながることを想定して、二次感染防止策を最大限とってほしかったのです。 しかし、正確な情報を適宜知らせるという謙虚な姿勢を欠いていたために、四九名の発症者のうち三九名にSRSVが検出されました。 これは、同じような感染が発生した台東区や東大和市と比べて大きな違いです。どう違うのか、それは情報開示の姿勢と、感染防止のための保護者への対応です。 台東区の場合、下痢・嘔吐などが発生した日の夜に園児宅に状況を説明し、以後五日間家庭訪問を行って健康状態の確認と検便を依頼し、助役を先頭に緊急幹部会を開いています。また、保護者には四日目と六日目に文書を配布して状況周知と経過報告を行い、給食は調理できないのでパンやチーズなどに変えています。 品川区は、今年の四月からこの中延保育園で給食調理を民間業者に委託しました。委託に当たって「問題はない」と言い切って実施しただけに、下痢・嘔吐集団発生は相当な危機感を受けたのに違いありません。まず食中毒ではないかという危機感、民間委託業者が携わっている保育園だという危機感、この点を一番気にしたために情報提供も、二次感染予防のための保護者への啓蒙も不十分だったといえます。 各保育園で調理職員が給食を作っていますが食中毒などの発生はほとんどありませんでした。区は検便検査の結果がSRSVだとわかり「食中毒ではない」と断定しました。 しかし、二次感染が強いものだという認識は当然あったと思いますが、なぜきちんとした対策をとらなかったのでしょうか。保健所などから取り寄せた資料には「細菌とは違い、食品の中で増殖はしないが汚染された食品や手指を介して人に感染する」と書いてあります。したがって、食材から検出されなかったからといって安心するのではなく、手指を介して広がらないように注意を喚起するなどの対策が必要です。しかし、兄弟への感染を心配して保護者が問い合わせをしても「風邪だから心配ない」と言ったというのです。「お知らせ」の配布は六日目で、台東区とは大違いです。発症した子どもさんの中には○才の赤ちゃんもいて脱水症状で点滴したと聞きます。これでは安心して保育園に預けられないと思わざるをえません。区の保育園保護者に対する姿勢はまったく不誠実そのもので、早急に改善を求めるものです。 SRSVとは |