立会川の浄化に東京駅地下水を活用
水質・臭気とも本格的に改善できる?
都内中小河川ワースト4の立会川の水質改善は、周辺の住民の切実な願いでした。来年度予算で東京駅周辺のトンネルから漏出している地下水を立会川に放水して水質や臭気の改善を図る工事が予定されます。
JR総武線東京駅周辺のトンネルには、一日約1,600立方メートルの地下水が漏出しています。現在は下水道に流されていますが、東京都、品川区、JR東日本の3者はこの地下水を立会川に導水することで基本合意に達して、来年度から工事に着工することになりました。
この地下水は、海水の10分の1程度の塩水化のため、環境用水として利用できません。そのために今回の用に利用になりました。
馬喰町駅から南大井5丁目1番地先までの区間、JRの敷地内に導水管を敷設し、そこから月見橋まで延伸して立会川に放流します。
立会川は、目黒区碑文谷1丁目宮前橋付近からはじまり、品川区東大井2丁目地先で勝島運河に注ぐ全長7・4キロの2級河川です昭和44〜47年にかけて月見橋より上流が暗渠化され、暗渠部分は下水道幹線として利用されています。月見橋より勝島運河までの750メートルは満潮にともなって運河の水が行き来するだけで、水質調査では都内ワースト4位という状態です。
区は、この間水質浄化のために微生物実験や曝気実験、勝島運河の海水の導入などさまざまな方法を取り入れてきましたが、効果は少なく頭を悩ませていたというのが本当のところでした。
今回の導水は今までにないほどの効果が出るのではないでしょうか。期待したいところです。
雨水クイックプランで下水道立会川幹線を整備
更に、都の下水道局は平成11年度に発生した浸水被害の再発を防止するために、「緊急重点雨水対策・雨水クイックプラン」を計画しています。
立会川幹線に流入した雨水の一部を、大田区馬込の方から伸びている第2立会川幹線が取り込んで立会川幹線の排水能力を補うための工事と、立会川河口部に高潮対策の水門を整備します。
また、高潮水門を整備した後にコンクリートの護岸を親水性の環境護岸に整備します。
悪臭のつきない川から、親しみのある川にと立会川が数年後には変身する予定です。
党都議団(秋田かくお団長)の実績
冒頭でご紹介した、東京駅周辺の漏出している地下水を立会川に導水するという計画は、党東京都議団の実績です。
数年前、武蔵野線の接続工事で地下水脈を切断、恋ヵ窪町に吹き出して新小平駅が浸水しました。この時、線路脇に側溝を作り下水に流しましたが、きれいな地下水であることと10数億円の下水道料金がかかり無駄づかいだという点で、当時、党都議団は野川に戻せと主張しました。
その経験を生かして、今回の東京駅周辺の地下水も立会川水質の浄化に生かすことになったのです。
母乳のダイオシン汚染深刻(都調査)
「区も調査し安全を確保せよ」と主張
予算委員会で南は、母乳のダイオキシン汚染問題を取り上げました。東京都が行った調査の結果は深刻な内容です。
東京都が実施した調査とは、産後30日目の産婦から母乳を採取してダイオキシン濃度を調べました。すると、厚生省基準に比べて8・7倍もあることがわかりました。
厚生省基準とは、体重1キログラム当たり1日に4ピコグラムまでです。
日本は最近でこそ、ごみの処分を分別していますが、つい最近までは何でも燃やして処分するという方法でした。そのため、どこの国よりもダイオキシンがたくさん発生していました。
従って、生まれたばかりの赤ちゃんにとって初めて飲む母乳(初乳)は、できるだけきちんと飲ませた方がいいのですが、安心できない現状を変えなくてはなりません。
ちなみに、母乳100グラムあたりに含まれていたダイオキシンは、次の通りです。
初産婦の場合
30〜34才で平均72・8ピコグラム
25〜29才で平均54・3ピコグラム
第2子の場合
30〜34才で平均45・2ピコグラム
25〜29才で平均42・0ピコグラム
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