正しい歴史教科書を
国際社会に通用する教育をするべき
「新しい歴史教育をつくる会」なる団体が、歴史の事実をゆがめた記述をした教科書が検定に合格しました。この問題は、韓国の駐日大使一時召還や各国から厳しい批判が寄せられています。南は、予算委員会で取り上げ教育委員会の見解を質しました。
日本の歴史を正しく教えるべきだーーとして、歴史教育の姿勢を質問すると、教育委員会指導課長の答弁は「学習指導要領に準拠した形での教科書に基づいて指導している」と答弁しました。
しかし、多くの国民や取り分け、アジア諸国から厳しい批判や改善を求める声が示されていますが、それらの心配に配慮を持たない姿勢であり、国の右傾化に添うものです。
朝日新聞(三月一三日付け)の「政治に揺れる検定」との記事で特集を組んだり、テレビの報道番組でも検定制度の限界を指摘しながらも、批判を述べていました。
世論がこぞって、国際社会のなかで『新しい歴史教育をつくる会』の表現は通用しないと批判を広げているのに比べて、区教育委員会の姿勢は何お粗末なのかと大きな不安を感じます。
従軍慰安婦の問題は答える立場でない(区教委)
韓国・中国・台湾・フィリピンオランダなどの国から女性を強制的に連れ出し、従軍慰安婦として働かせた日本のひどく恥ずかしい犯罪は、国際的にも明らかにされており日本政府も認めている問題です。
南京虐殺もそうですが、これらも問題をどう教えているのかを聞くと、初めは「お答えする立場にございません」というものでした。そこで、南は、現在使われている教科書の「中学社会」の記述を紹介しました。
「女性を慰安婦として従軍させ、ひどい扱いをしたーーと書かれてあり、国際的な共通認識になっている事実をどう教えているのか」と再度質問しました。するとようやく「教科書どおり事実を教えています」といいましたが、これではあまりにも消極的過ぎます。
これからどんどん国際社会化します。日本の子どもたちが、諸外国と協調して共同作業を進める上で、自国の歴史を正しく知った上でつき合わないと信頼を大きく損なうでしょう。
とても見逃せない大事な問題です。それなのに、積極的に捉えようとしない、国の後退する姿勢に追随するのでは困り見ます。
イタリアの教科書は教える
第二次世界大戦で日本と同盟を結んでいたイタリアでは、自国の侵略を正確に記述し、子どもたちが国際社会の常識を身につけられるようにしているといいます。イタリア現代史の専門家で教科書の執筆者・ビビッド教授は「史実をゆがめたり隠すことはイタリアではできません」と明快に述べています。この国の教科書には「満州事変を契機に中国への支配を拡大した」と日本の侵略にも触れています。世界の国々が平和を守るために歴史教育と民主主義の思想をきちんと教育しているだけに、日本の逆行はけっして許されません。
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