戦後56年目に思う
小泉内閣は日本をどこへもっていく
小泉総理は国内外の批判のある中、靖国神社参拝の日程を前倒しして強行しました。憲法改悪や歴史教科書問題などタカ派的な姿勢があらわになっています。
なぜ靖国神社参拝なのか
小泉首相の靖国神社参拝問題は、中国や韓国をはじめ諸外国から厳しい批判を受けました。
首相としての参拝は16年前の中曽根首相以来のことですが、このときは、内外からの厳しい批判をあびて翌年からとりやめになりました。
靖国神社とは、天皇の軍隊に従軍して「名誉の戦死」をした人だけを祀るところで、天皇のために死ぬことをほまれと誘導する役割をはたしました。戦前は祭神の決定も軍が行い、戦後は、戦争責任を問われたA級戦犯を祀っています。
わたしの友人は、「靖国神社に行ってみたら侵略戦争を賛美する立場からの展示がしてありびっくりした」と言っていましたが、戦争を肯定的にとらえており、まさに「戦争神社」そのものといえます。
なぜ、そういう性格を持つ神社に参拝なのだろうか。
小泉首相は繰り返し「戦没者に敬意と感謝の意をささげたい」と発言してきました。しかし、靖国神社に祀られている戦没者の多くはけっして「死」を喜んでいたのではないはずです。むしろ、「天皇のために命を惜しむものではない」と教えられて、「死」の直前に「天皇のための名誉の戦死だ」と自分に言い聞かせて「死」を迎えたのだとおもいます。そういう人たちを祀り「敬意と感謝の意をささげたい」と参拝をしたわけですが、わたしはむしろ憤りさえ感じます。
なぜなら、マスコミでも報道していましたが「戦争で死んだ人のすべてが靖国に祀られているのではない」のです。沖縄戦や各地の空襲、また、広島・長崎での原爆被爆などでも多くの方たちが戦争の犠牲者として亡くなりましたが、これらの方たちは靖国神社には祀られていません。天皇のために戦い、天皇のために「ほしがりません、勝つまでは」と悲惨な生活にも耐えしのんできたのはおなじです。
他国を侵略して310万人の国民と2,000万人のアジア人の命を奪った戦争でした。わたしが特に心に引っかかったのは、朝鮮の国の方たちの名前を日本名に変えさせた(創氏改名)ことです。人間の尊厳を野蛮な侵略で奪われてしまったのですから耐えがたい屈辱です。
歴史教科書問題も
幸いなことに、扶桑社と「つくる会」がつくった問題の多い「歴史教科書」はほんの一部の地域でしか採択されませんでした。しかし、これもまた、中国や韓国などから修正を求められていたのです。
日本国民の理性が許さなかった「大東亜共栄圏」という呼び方については、今日、外務省が編纂した『日本外交史辞典』で、「中国ならびに東南アジアに対する日本の侵略を合理化するためのイデオロギーとスローガン」と指摘しています。
この点からみても、小泉首相の姿勢は政府の見解から大きく外れているとおもいます。
同じ誤りが繰り返される
今回のような国内外での厳しい批判は初めてのことではなく、毎年のように閣僚の中からも「問題発言」として繰り返えされてきました。なぜなのでしょうか。
侵略戦争の反省を国家としてしていないからです。戦後、歴代自民党政府のもとで、戦犯政治が温存・復活し、「戦犯政治」がひきつがれてきました。A級戦犯容疑者の岸信介氏が総理大臣になったり、終身禁固刑判決を受けた賀屋興宣氏は法務大臣に、禁固7年判決の重光葵氏は外務大臣にと、こういう人材配置事態が「侵略戦争」という認識を持っていないことを証明していますし、それを許し続けてきたのです。
先日、NHKが戦争テーマの番組を報道した中で、戦争終結の時期に日本軍国主義がアメリカも含めて天皇問題をあいまいに終わらせたこと天皇の戦争責任もあいまいだったことが間違っていたという参加者からの発言がいくつがだされました。聞いていてそのとおりだと思いました。
しかし、今日にいたるまでタブーになっているだけでなく、逆のイメージにさえ描いています。
さらに、憲法の改悪も具体的な動きをすすめています。 歴史の針を平和と安心の方向に着実に進めるために、多くの心ある方たちと手をつながなくてはいけないと今年の夏に強くおもいました。
みなさんとご一緒にすすんでいきます。
品川区立小・中学校の使用する
教科書一覧表
子どもたちが毎日の学校生活で使用する教科書です。
今回の採択の問題で、扶桑社は使用されなくなりましたが、一方で今まで使用していたものは外されたということもありました。
中学校教科書 |
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小学校教科書 |
教 科 |
出版社 |
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教 科 |
出版社 |
国 語 |
三省堂 |
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国 語 |
光村図書 |
書 写 |
光村図書 |
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書 写 |
光村図書 |
地 理 |
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社 会 |
東京書籍 |
歴 史 |
東京書籍 |
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地 図 |
帝国書院 |
公 民 |
東京書籍 |
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算 数 |
東京書籍 |
地 図 |
帝国書院 |
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大日本図書 |
数 学 |
東京書籍 |
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生 活 |
教育出版 |
理科第1 |
大日本図書 |
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音 楽 |
教育出版 |
理科第2 |
大日本図書 |
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図 工 |
日本文教出版 |
音楽一般 |
教育芸術社 |
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家 庭 |
開隆堂出版 |
音楽器楽 |
教育芸術社 |
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保 険 |
学習研究社 |
美 術 |
日本文教出版 |
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保 体 |
東京書籍 |
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技 術 |
東京書籍 |
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家 庭 |
東京書籍 |
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英 語 |
三省堂 |
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