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南恵子 お元気ですか南恵子です。 2002年2月24日発行
第725号


品川文化振興事業団(第3セクター)の
アルゼンチン債購入問題
理事長責任を明確にし真相究明を

 一般新聞が「品川文化振興事業団、アルゼンチン国債を購入」「一億六千万円が紙くず同然?」と報道しました。区民から真相解明の声が寄せられています。この間の調査でわかったことなどをご報告します。


 深刻な不況で区民生活は厳しさを増しているときに明らかになったアルゼンチン国際の問題だけに、日本共産党区議団は重く受け止めました。
区民のみなさんも同じだと思います。

区と事業団は密接不可分

 品川文化振興事業団とは、「区民の多様な文化ニーズに応えたい」として十七年前に設立されました。
 区は四億七千万円の出資(九四%)をし、その他に毎年三億円余の補助金を出しています。そして、きゅりあんやメイプルセンター、O美術館などの管理運営とコンサートや美術展、カルチャー講習など各種事業を実施しています。
 日本共産党区議団は、出損金と補助金の支出だけでなく、理事長(区長)や副理事長(助役・教育長)、監事(収入役)、理事(教育委員会次長・区民生活事業部長)、事務局長(元都市整備部長が天下り)など、理事会の役職が区のトップでしめているという実体から見てもおかしいし、重大だと重います。そういう点から大きな問題意識をもたざるをえません。

理事会機能が果たされていなかった

 二月十九日にひかれた文化振興事業団の評議員会と、この間の調査でわかったことは、アルゼンチン国債を購入するに当たって理事会の決定(二千万円以上の場合)が必要なのに、そこにかけなかったこと。また、購入のための資金は基本財産から出ていたことなどです。財団の運営規定する「寄付行為」八条に、「この法人の事業遂行上やむを得ない理由があるときは、理事会において理事現在数の三分の二以上の議決を得、かつ東京都教育委員会の承認を受けてその一部に限りこれらの処分をすることができる。」となっているのに、理事会を開かず、当然決定もしていませんでした。したがって、「副理事長は背任」にあたります。
 ところが、理事長である区長は、評議員会の席上、南の質問に「前副理事長が少しでも有効に運用したいという願望から出たもの。他意はない。」とかばうような発言をしました。また、「(副理事長が理事会にかけずに購入したことは)まったく知らなかった。愕然とした。」
とも述べています。これは明白な「寄付行為」違反です。理事会の開催もしていなかったのであり、理事長の責任が厳しく問われます。


マネーゲームに走るのはなぜか

 なぜ公金を、ルール違反してでも危険度の高い、高利息の外国債を購入したのでしょうか。
 区長は「少しでも有利に運用したい・・」と言っていましたが、この発言の背景に、民間会社のように儲けを限りなく追求してきた区の姿勢があります。
評議員会では、リスクの大きいものに手を出すことは考えられないとか、公金を扱っているという意識を失っているという厳しい意見が出されましたがそのとおりです。
 区政運営がそうだから、第3セクターでも同じことをするのでしょう。
区長が、「国債を購入している(ことを知っていたなら)とめていただろう」などといっていますが、まったく無責任そのものです。

真相究明こそ今後の課題

 二月十七日に、区議団は緊急報告集会を開きました。
日曜日のしかも雨が降っている時間にもかかわらず、八三名もの方たちが集まりました。「区民の税金で投機行為は許されない」「給料を削ってでも返済するべき」「「徹底して追及してほしい」など予想以上に怒りの声が出されました。当然です。区民の多くは、不況で厳しい生活になっています。
区はこの間、次々に福祉を削り、生活保護世帯に入浴券を十枚も削って六十枚にするため、六日に一回しかお風呂にいけなくなります。これでは健康で文化的な生活はではありません。
区長は、区政にお金のかかる仕事はしない方向に切り替えてきました。だから、今回の問題は、区民にとって許せないこととなるのでしょう。
日本共産党と区議団は、区民のみなさんと力を合わせて、徹底究明と区長責任を追及する戦闘にたって頑張ります。
 なお、この問題は、二月二七日の代表質問で沢田英次団長が取り上げます。傍聴にお出でください。