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南恵子 お元気ですか南恵子です。 2002年5月26日発行
第738号


福祉けずって開発ばかり
地方自治体の責任を忘れた区政
 五月十七日、日本共産党区議団は区内の開発地域を視察しました。大崎駅前は東側も西側ものっぽビルがニョキニョキ立ち並び、町の様子が一変しています。

 品川区内ですすめられている開発計画は、規模も内容も全都一です。大森ベルポートや御殿山・森ビルのようにすでに終了しているもの、現在工事中のもの、そして、計画中のものなど合わせると、全部で二七プロジェクトもあります。
 区議団が視察したのは、現在工事中の東品川四丁目地区(日本たばこ)と、品川駅東口地区、工事は終了している東五反田二丁目第一地区(オーバルコート)、計画策定中の大崎駅東口第三地区と大崎駅西口地区(明電舎)です。
 以前の開発は事務所中心でしたが、今日の多くは住宅を含んでいます。 区は、住宅付置義務を課して補助率を割増しするなど優遇しています。
例えば、東五反田二丁目第一地区は、三井不動産中心に分譲マンションを三四八戸の建設と、事務所ビルの計画でした。総事業費は二七四億円で、補助金は十八%・四九億円にのぼりました。マンション一戸あたりの補助は七七五万円にもなります。分譲価格は最高で一億八千万円、最多価格は七七百万円ですから、私たち庶民には手の届かないマンションといえます。
 視察に行き、じかに見ると歴然とします。高級マンションの道路はきれいにカラー舗装してありますが、 道路をはさんで建っている 都営住宅とその周辺の道路 は、アスファルト舗装の普 通の道路です。この道路の 境は五センチくらいの段差 があり、自転車で通るとき 転倒事故が相次いだと聞き ました。
 今日、税金の使い方が間 違っているという厳しい批 判の声がありますが、安全な道路や、安い家賃で安心して住み続けられる公共住宅の建設にこそつかってほしいものです。


福祉水準を次々に引き下げ

 一方、区民生活に密着している福祉の実態はどうなっているのかをみてみると、お粗末な状況が加速されていることがわかります。
 東京都の福祉切捨てに品川区も連動していること、区独自の施策も 一緒に低下させていることなどです。例えば、高齢者福祉手当は、東京都が打ち切りを決めましたが、品川区も連動して新規に対象となるはずの方からの申請を受け付けなくし、今年度で廃止します。それによって、最高時(平成七年)には二一〇三人いた対象者が、今年度は八〇〇人まで減ってしまいました。予算額は
平成七年度は一二億八六〇〇万円余でしたが、今年度は一億七五〇〇万円です。みなさんは、どう思いますか。
 また、高齢者家賃補助制度(立ち退きを受けた場合に、転居後の家賃の差額分を補助)ですが、一二年度から新規の受付をしなくなり、一八
年度で廃止になります。この予算額は三七〇〇万円です、
 福祉タクシー券については先週のニュースでご報告したとおりです。
ひとり親家庭医療費補助は、所得制限を厳しくし、三人世帯で三五六万二〇〇〇円が一挙に八八万二〇〇〇円引き下げたために、対象が一三七四世帯から一二九八世帯へとこれも少なくなりました。
今まで受けられていた福祉施策が廃止や所得制限の拡大などで受けられなくなったことによって、区民の生活はどうなっているのでしょうか。

開発優先の誠治はストップ
安心して暮らせるよう福祉の充実を

 さて、開発と福祉の関係で品川区の現実的な姿を見てきましたが、このような区政でいいのかと問いたいと思います。
 深刻な経済不況の時代に、生活に密着している品川区の今日のあり方がこれでは、地方自治法の精神(住民の福祉の増進を図ること)に反すると思います。

公団住宅の民営化問題について懇談会をします

家賃の値上げをはじめ、居住者にやさしい管理をほとんどしてこなかった都市整備公団が、民営化されますが、それでいいのかを学びます。五月二六日・午後一時半〜、地域センター3講習室。


鶴議員(公明党)から公開質問の回答が届きました

 3月の予算議会で大きな争点になった、アルゼンチン国債問題と、生活保護行政について質問した沢田党区議団長に対して、誹謗・中傷の意図を持ったと思える質問を公明党鶴議員がしました。
 区議団はこの問題をあいまいにせず、公開質問を提出しましたが、ようやく回答が届きました。詳細は後日に報告しますが、何度読み直しても、鶴議員の取り上げた立場は、アルゼンチン国債を購入した区長や区民の人権を踏みにじるような生活保護の窓口対応をしている区を擁護しているとしか見えません。
 区民の切実な願いを受け止めて、区政のあり方を問う姿勢にかけていることは残念です。