母親大会に参加しました(第48回・福岡母親大会)
分科会アジアの一員としての日本を考える
7月27〜28日に母親大会が九州・福岡市で開かれました。南は、3年ぶりに参加しました。今年の大会は、教育・暮らし・環境など、問題が山積しているだけに、どの分科会に参加しようかいろいろ迷いましたが、前回は、環境問題だったので、今回はタイトルのように『アジアの一員としての日本を考える』にしました。
この分科会のサブタイトルは、「戦争責任、従軍慰安婦、教科書問題など」ですが、重いテーマなので参加は少ないだろうと考えていました。ところが意外にも129人も集まり、会場はいっぱいで、高校生や若い女性の参加も多くありビックリしました。
小泉首相の靖国神社の参拝問題や、教科書の歴史記述問題などで、関心が広がったのだと思います。
福岡大学の西嶋教授から、教科書問題についてと、日本と韓国・中国などとの歴史認識の違いについて簡単な報告がありました。
教科書問題を通じ、日本と 韓国・中国などと食い違 いあることがわかる
「新しい歴史教科書をつくる会」の西尾氏は、予想に反して教科書採択が進まなかったことで会長を辞任したものの、来年度の高校用教科書、2年後の小学校社会・国語、3年後の中学校歴史・公民の教科書採択に向けて活動を広げている。法律を改定し、採択権を都道府県にして現場の声を締め出そうと狙っている。
一方、この問題が一定の勝利を収められたのは、歴史認識と教育の問題について草の根の運動が広がったこと、韓国の国民が日本に民主勢力があることを知ったこと、教育は国民の権利という意識が広がったことなど、大きな成果があったと話ました。
この問題はナショナリズムにとらえるのではなく、ドイツとポーランドのように双方が同じテーブルについて何度も議論し認識を一致させた教科書をつくることを追求するべきだと思います。その作業を通じて、日本・韓国・中国などアジア諸国の間に対等平等の関係がつくられるのではないでしょうか。
助言者の西嶋さんは、「日本は、韓国・中国に対して加害国だという認識が欠如している」とも言います。
加害国という認識が少しでもあるなら、現在、裁判中の中国人強制連行の劉連仁さんの訴えを、東京地裁は全面的とはいえないまでも認める判決を出しましたが、それに対して国は控訴しました。控訴するということは、日本がかって侵略した事実を加害とは認めていない現われといえます。
本当に恥ずかしいことです。
各地から参加した方たちの発言
◎昨年、劉連仁裁判を傍聴し、日本の良心あったと感動した。従軍慰安婦は60年も経つのに今でもPTSDに苦しんでいる。
PTSDとは・・
心的外傷を受けたあとにストレスを感じそれが障害になり長期間継続する状態。
では、心的外傷とは何か。まだ少女だった頃、日本兵によって拉致・監禁・拷問・強姦による著しい苦痛を受けたことで、その記憶が断片化・映像化し、ストレスによって突然よみがえる事。
◎政府に対して、侵略したアジア諸国に謝罪を求めたい。
◎女性国際審判裁判に出た。天皇責任、慰安婦制度などの問題だった。64名の女性が名乗りを挙げた。
◎友人が、「校長先生が戦争に行けといい、帰ってくると『シベリア帰りとは言うな』といわれた。「自ら戦場に行くという少年にさせられたことが悔しい」と話す。
◎父親が軍属だったので中国河北省で生まれた。生きたまま吊り下げられ焼かれた人の声が今でも聞こえ、夜中に飛び起きることもある。
◎炭鉱のそばで育った。中国人がたくさんいて、弁当箱にはひどい臭いのする何かわからないものが入っていた。外国人でなくガイコツ人と呼んでいた。戦争が終わるとすぐ、軍人のえらい人たちと警察は姿を見せなくなった。
など、前半の発言はその多くが戦争に関するものでした。後半は、戦争体験のない方たちからの発言が出されました。
歴史を風化させない運動を地域の中で進めることが大事だと、共通の認識になりました。戦争展の開催や八潮で取り組んでいる朗読による戦争犯罪を告発することも大事な意味があると確信しました。
南は、この分科会に参加して日本がアジアの一員としてどういう姿勢で臨むべきなのか、リーダーシップをどのような立場でとるべきなのかを学びたいと考えていました。
しかし、戦争責任をきちんととっていないことを多くの人たちが恥ずかしいと感じていることをあらためて知り、運動を広げることに心強く感じました。議員活動の中で、韓国の方たちの集会に行くこともありますので、まず加害者としての謝罪をしていないことに心苦しさを感じることも多くあります。
国に対して謝罪と賠償を強く求め、実現させていきたいと思います。
なお、この分科会には劉換新(劉連仁さんの息子)さんも参加されました。厳しい日差しが照りつける中で、お父さんの「遺言」である『正義の判決と全面解決』を求める国際署名を訴え続けていたのが印象的でした。
最後に『申し合わせ』た内容をお知らせします。
(1)国による謝罪と補償のための「戦時性的強制被害者解決促進法」 を急ぎ実現させ、従軍「慰安婦」問題を教科書に明記させましょう。
(2)戦争責任を免罪し、侵略戦争を美化する歴史教科書の採択を阻止しましょう。
(3)歴史の真実を学び、伝え、平和をつくる若い人たちを育てましょ う。
(4)アジアの一員としての民間交流を積極的に進めましょう。
(5)日本による侵略戦争の国内外犠牲者に対し、国家による謝罪と賠償を要求しましょう。
(6)治安維持法犠牲者、従軍慰安婦、強制連行、強制労働などの犠牲になった人々の侵された人権に対し、国に厳粛な謝罪をさせましょう。
(7)再び、戦争と暗黒政治を許さない運動を広め、有事立法を阻止し、平和憲法を守り抜きましょう。
|