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南恵子 お元気ですか南恵子です。 2003年8月10日発行
第790号


自治体学校・徳島

地域調査と地域の産業政策づくり分科会

住民と自治体職員の共同の取り組み

 先週に続き、徳島市で開催した自治体学校の報告をします。品川区の産業政策に何とか役立てたいと思います。

全事業所訪問し地域を知る

 自治体職員が、その地域内の全ての工場や商店会を訪問して実態をつかみ、生きのびる方向を探すーーという取り組みが関西地域のいくつかの自治体で実施されています。

 その報告を聞き、品川でも生かせるようにしたいと思います。

京都・城陽市の場合

 京都・城陽市の職員組合は、三年前に、産業振興施策を行政に求めるためと事業所の直面している困難な事態をリアルにつかむために、市内の事業所実態調査を実施しました。 大企業である自動車製造工場の閉鎖・撤退やふたつの地域信用金庫の経営破たんで、地域経済と暮らしは深刻な状況が続いていましたので、その影響を明らかにすることも調査の目的でした。

 品川と同じように10人未満の小規模経営が多いこと、高齢化で後継者難なこと、売上減少で厳しい経営であること、市の制度融資があまり知られていないことなどがわかり、それらを市に伝え、きちんとした調査を実施し、実態にかみ合った取り組みをするよう申し入れたといいます。

 また、この調査にかかわった方たちは一様に、じゅみんの苦労がリアルにわかったことが地域を知るうえではよかったといいます。

大阪・守口市の場合

 大阪・守口市は繊維産業が主要な産業で、工場アンケート調査を元気になるために実施。大阪の工業集積があるため他地域からも受注できる利便を大いに生かしたいといいます。

 3年前に商工業の諮問のため委員会を設置したり、大型店出店対策の消費者アンケートをとる。

 また、高校生対象のアンケートもとり、工業分野に就職のためにスキルアップに生かすとしています。そのために就職担当の教師やPTA会長との懇談も実施したいと活動範囲を広げています。

 このような話を聞くと、不況の中でも将来の方向が見えてくるようになり元気が出てくるのではないでしょうか。

徳島県・上勝町の場合

 徳島県の小さな町、上勝町の地域活性化の取り組みを紹介します。

 かつては林業が盛んだったのに外材でさびれ、その後のみかん栽培も寒害で全滅。存亡の危機に立たされたた上に、今日の人口は2124人、高齢化率は44・1%という町です。

 町の活性化を求め、町のさまざまな力を結集し、地の利や人的資源を生かし、就労の場を確保する方策を町長みずから対策をとると、住民の間からも意欲が高まってきたといいます。例えば、ブロイラー、養豚などの畜産、菌床椎茸の栽培、林業にともなう間伐材の商品化、料理に欠かせない桜や柿などの葉ものの出荷など、この地域の特性を生かした産業を次々に展開し、それだけでなく雇用もあわせてつくったというのです。人口は少ないけれど、大きな産業ではないけれど、住民の知恵と地域にたくさんある材料を生かし、現金収入につなげたことで住民と自治体が一体となって町を元気にさせたということは、全国の自治体にはない経験です。聞いていて、感動しました。

 ちなみに、上勝町は34種類もの分別を実施してごみを出さないことでも有名です。町の職員は、「財政のない貧乏な町なので、ごみ収集車が買えないんです。」と話しますが、これだけのリサイクルはなかなかできることではありません。

「政治を動かすのは住民」を実感

 先週号に続き、住民が政治を動かす実践的な事例を紹介しましたが、いかがだったでしょうか。

 戦後の憲法に明記されている「国民が主権者」だということを、あらためて意識します。当たり前のことですが、それを、具体的にすすめるために、この品川でも、みなさんと共に頑張りたいと思います。