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南恵子 お元気ですか南恵子です。 2003年10月5日発行
第797号


保育園ISOのために残業ばかり 保育士
もっと子どもに関わりたいのにできない
区はサービス残業はないと答弁

第3回定例区議会一般質問 南恵子議員

 9月26日の区議会本会議の一般質問で、「保育園ISOによるサービス残業の実態を調査し改善」を求めた南の質問に、保育行政責任者の小沼福祉事業部長の答弁は、「サービス残業はない」と答弁しました。

 平成13年から始まった保育園ISOは、37ヶ所のうち10園を残してシステム作りをさせました。ISOのシステム作りは一人の職員配置が必要なほどの仕事量なのに、保育をしながら作らせました。

 そのためにどこの保育園からも悲鳴が出されています。悲鳴の一部を紹介します。「ISOの係。何をどうやっていいのかわからない。昼は連絡帳・日誌で時間がなく、夜は残りたくない。」「労働強化、職員の健康、家庭やリフレッシュはどうなるの?」「ISOが仕事を困難にし、子どもを置き去りにしている」「ISOは必要なのか、子どもたちへ力を注げる保育園でありたい」「仕事を忘れられる休日がほしい、仕事を一人で抱えているものが多すぎる」

 このISO、はじめは東五反田保育園から始まりました。このときのしすてむ作りには担当職員を一年間一人配置し、コンサルタントによる月一回の指導もありました。ところが、他の保育園にはそれらの体制はないため、先に紹介したような厳しい状況になっているのです。

保育園にISOは必要か

 何のためにISOが必要なのか――と聞くと、今までは暗黙の了解が多かったが、システム化によって共通認識になり、系統的になるといいます。しかし、実際は「電話を受けたら記録、早番で保護者から伝えられたことは記録、子どもがすりむいたら事故簿、散歩に行くときは散歩日誌、連絡ミスは不適合記録、記録ばかりで
ピリピリしている。人間関係に良くない」と現場の実態が映し出されています。子どもを危険のないように神経を張り巡らして保育しているのに、何をするにも記録を取らなければならないのは無理です。それだけの職員配置があるのならまだしも、朝7時半から夜10時までの保育をしているのですから、仕事として受け入れるゆとりがないのに強引にやらせているのは問題です。

  平成13年度 平成14年度

H保育園

1433時間 712時間
N保育園 842時間 1232時間
S保育園 375時間 601時間
HN保育園 419時間 634時間
O保育園 2414時間 2400時間
I保育園 950時間 2948時間

法律違反のサービス残業を知らないふり

 仕事が終わってからの残業はどれくらいあるのかを聞きました。

 上の表は残業の合計数です。どこの保育園も平成14度は大幅に伸びています。ISOのシステム作りをしたのが平成14年度のため、残業時間として増えているのは明瞭です。

 しかし、保育園によって時間数に大きな差もあります。それは、数年前から区の厳しい指導で残業をしてもつけさせないようにしていたためです。

 なぜそうなっているのでしょうか。保育園には、職員会議、保護者会、父親懇談会、行事の準備などたくさんのやもうえない残業がありました。

  それらを10年程前からつけさせないように指導していました。最近は、保育園長の判断で「つけられるもの」「つけられないもの」としていたといいます。部長は、南の質問に、ISOの仕事をさせるに当たって、
1.時間内でする、
2.時間内で出来なければ超勤をつける
という前提で実施させたからサービス残業は「存在しないと認識している」と答弁しました。そのため、各保育園の園長判断での結果です。

 保育についてのISOシステムですからどう考えても同じくらいの時間はかかると思うのですが、601時間から2948時間まで4・9倍ものちがいです。

 もともと厳しい勤務に加えて、職員会議などを昼の時間にすることになったために超過密な勤務実態になってしまいました。それをこなせないために「休日や自宅での残業」になっているのです。それを「存在しない」とうそぶくのは許せません。

 サービス残業は法律違反。政府も重い腰をあげてようやく「指導」を始めました。

  自治体は法に基づいて仕事をするのに、みずから法を破るのですから見過ごすわけにはいきません。

  改善させるまで取り組みます。


臨海斎場

 使用料が決まりました。民間に比べてかなり安くなったという印象です。また、今年の12月と来年1月には、見学が出来ます。(詳しくは後日)

 供用開始は来年1月15日からです。