えっ!ダイオキシン汚染物を八潮で焼却? 「えっ!」と驚くようなニュースが大阪から飛び込んできました。高濃度ダイオキシンに汚染された大量のごみが、シンシアで処理されるというのです。さっそく事実経過を調べました。 『大阪・能勢町のごみ』がダイオキシンに汚染 7〜8年前に、マスコミなどでも報道された「大阪能勢町の焼却場から高濃度のダイオキシン」という事件を記憶している方も多いと思います。当時の朝日新聞は、『豊能郡美化センター』敷地内の池からダイオキシンが1グラムあたり2万3000ピコグラム検出された』と報道しました。 なぜシンシアで処理なのか この汚染物(汚染された土壌、プラスチック系焼却施設解体廃棄物等でドラム缶4369本。シンシアの処理は1702本)の処理を豊能郡環境施設組合は、株式会社クボタに14億円弱で外部委託しました。そのクボタから品川区八潮3丁目(JRターミナル内)にある産業廃棄物処理会社シンシアに、ドラム缶1702本分のプラスチック系焼却施設解体廃棄物を焼却・溶融処理処理を任されるというものです。処理期間は平成17年1月〜10月です。 なぜシンシアなのか。施設組合の説明によると、シンシアの技術が高いこと、情報公開の姿勢があり、近隣住民と良好な関係が保たれていることなどを挙げていました。 地元自治会の理解が得られるというが・・ しかし、施設組合が議会(豊能・能勢町で構成する廃棄物処理に関する一部事務組合議会)に説明をしたのは今年の1月18日で、そのときの内容に次のような箇所がありました。昨年10月に品川区にシンシア出処理する旨の協議を申し入れていましたが、そのときの「品川区の回答」を説明しています。「法的に可能でも住民感情を考慮すれば、受け入れは困難」と品川区は回答しています。 しかし、「施設組合の判断」として、「シンシアは・・地元自治会との信頼関係ができているとともに、本件についても地元の理解が得られる状況であることから、シンシアでの処理は基本的に可能であると判断する」と言っています。施設組合がいう地元自治会とは八潮連合自治会のことなのでしょうか。『理解が得られる状況』とはどういうことなのでしょうか。もう話は伝わっているということなのでしょうか。了解されているということなのでしょうか。 連合会長は「知らない」 南は、あわてて八潮自治会連合会長に聞くと、「知らない」との返事。また、区の環境課長から、説明したいことがある旨の打診があり、「自治会長みんなで聞いたほうがいいので、2月12日にきてもらうことにしてある」とも話してくれました。
住民の不安解消に誠実に応えよ それにしても、豊能郡環境施設組合の姿勢は無責任です。 シンシアで廃棄物処理をするに当たって、八潮住民の了解を事前に取ってないことが、先に報告した連合自治会長の話でわかりました。 豊能町、能勢町の住民が6年もの長い期間、ダイオキシンの無害化処理施設の建設反対などの運動をしてきたのに、またその運動に施設組合が苦労していたのに、シンシアと八潮住民の信頼関係が出来ているというシンシア側のいうことを丸のみして、独自に確かめもせずに施設組合が関係議会に説明をしたのです。これは無責任ではないでしょうか。 シンシアは地元自治会に説明会のお知らせを出していますが、住民には伝わってきません。自治会の広報誌『やしお』や区のお知らせに取り上げてほしいものです 住民合意の確認しないで議会に説明 なぜ確認をしなかったのかを施設組合に聞くと、「シンシアは実績もあり、情報公開もしている企業だ」というだけではっきり説明しません。 今回のような問題は住民の不安が広がりやすいものです。豊能郡環境施設組合の対応が一つでも間違えばこじれやすくなります。 すべての情報を公開し、住民の不安を誠実に受け止め、信頼を作り上げないと解決にむかいません。 品川区内で新たな紛糾を起こさないためにも、情報公開や丁寧な説明を豊能郡環境施設組合や品川区、シンシアに強く求めます。 |