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南恵子 お元気ですか南恵子です。 2004年5月30日発行
第821号

minami@jcp-shinagawa.com

介護保険見直し・今年5年目に
保険料徴収は20才から?サービス利用料は1割から2割に?

 介護保険制度がはじまって4年が過ぎました。厚生労働省は制度の見直しを今年7月頃までにして、来年度から新たな制度として実施を予定しています。果たして、高負担の解消が期待できるでしょうか。

 介護保険開始以来、保険料と1割の利用料負担に苦しむ声が一貫して出ています。「保険料負担が大変」「利用料1割が払えない」という現実は、制度開始以降かわっていません。

それだけに、今回の改正でどのように改善されるのか大いに注目したいところですが、厚生労働省内に設置された介護制度改革本部で、具体的に検討されている項目をみると、今以上の負担になるようです。

  1. 介護保険料徴収を、現在の40才 から20才に引き下げる。
  2. 介護保険の制度の対象から、要支 援と要介護1を外す。特養ホーム は現在、要介護1から申し込める が、重度でなければ申し込めない ようにする。
  3. サービス利用料負担を、現在の1 割から2〜3割に引き上げる。
  4. 障害者福祉の支援費制度と統合す る。全額を税金でまかなっている 支援費制度を保険制度に切り替え ることで、税の負担を半分に減ら す。

 以上が見直す方向ですが、どれもまったく歓迎できない内容で、驚くばかりです。

 負担増の理由として、利用者が急増するため、2004年予算5兆5000億円が、2025年には20兆円になると予想されるので、保険料支払い対象者を20才に下げるなどの更なる負担にするというのです。みなさんは、理解・納得できるでしょうか。

 加えて、年金制度改革による保険料負担と給付の削減を進めようとしています。介護保険制度の見直しと合わせると二重の負担増になります。
これでは安心して暮らしていけません。 こんな政治は変えないといけないとつくづく思います。

 参議院選挙ではっきりと審判を!

介護保険制度見直し
介護に携わるヘルパーやケアマネに聞く

 6月議会の準備で、介護現場の実態をヘルパーやケアマネージャーに聞きました。介護サービスを受ける人だけでなく、ヘルパーもケアマネージャーも大変なことがわかりました。

サービスは受けたいが負担できず
最低でも仕方ない

 ケアマネージャーや訪問看護婦から、「ケアプランを立てる時、お風呂は週2回は入れたいなと思っても家族から『1回でいいです』といわれたり、ヘルパーを増やして家族の身体的負担を軽くしてあげたいと思っても、『週1回でいいです』と言われる。利用料のことを考えて我慢しているのが実態だ」「老々世帯では限られたお金を一人の介護に使いはたし、残された人はどうなってしまうのか心配になる」「要介護5は利用料が1割で3万5千円かかっているのに、2割負担になると7万円になり、とても払えない。これではサービスが使えなくなる」「厚生労働省は高齢者の実態を知らないとしか思えない」などたいへんな実態や怒りの声が次々に出されました。

介護を支える現場からも悲痛な声

 一方、ケアマネージャーなど働く職員からも、悲痛な声が出されました。

 「ひとり暮らしや経済面、医療面などたくさんの困難を抱えている方が多い。その援助のため何度も足を運ばざるを得ない。その割りに介護報酬が安すぎてやっていけない」。

 ヘルパーからは、「週3回減る派遣を決めたが、入院したなどの変更がいつもあってやりくりがたいへん」「ヘルパーステーションがたくさんできて過当競争になってきている。ヘルパーの仕事確保もたいへんで、営業も必要になっている」「ヘルパーの賃金では生活していけない。これではプロが育たない」などなどです。

医療ショートステイがあるといい

 「気管切開をして、繰り返し吸引が必要な方の家族は、ヘルパーは吸引など医療処置ができないので、離れられない。ショートステイでは預かってくれないし、病院も治療が必要な病名がない限り入院できないので24時間・365日開放されることがなく、たいへんな思いで介護している。医療の必要な方のショートステイをつくってほしい」という声も出されました。

 介護保険制度になって区内の医療用のショートステイがなくなってしまいました。区は、「療養型病床群で対応する」ということでしたが、実際、療養型病床群では看護婦の体制が少なく、しじゅう吸引をするなどたくさんの手が必要な方は、医療ショートステイは受けられないのが実態です。

 「家族介護から社会的な介護に」と始まった介護保険だったはずなのに、実態はさらに家族の負担が大きくなっています。

 今回のような介護保険の実態を調査し、改善すべきことを提案することが必要です。

  みんなが安心できる介護保障に向けて取り組んでいきたいと思います。 声をお寄せください