ダイオキシン問題 裁判所のとんでもない所感
品川区内に存する施設以外に処理の方法はない
八潮の住民団体が「削除」を求める

 高濃度に汚染されているダイオキシン汚染物を、品川区内にある民間処理施設で焼却処理するという問題は、裁判所が和解案の中に盛り込んでいることがわかりました。住民と施設組合の両者が合意すれば、確実に品川に運ばれてきます。

 住民には未だに説明ないのに、いいのでしょうか。

 ダイオキシン汚染物の処理は、今年の3月以降頓挫していました。

 汚染物を保管している施設のある土地所有者64名が、立ち退きと汚染物などの収去を求めて裁判を起こしていたそうですが、和解案を裁判所が提示。その中には、八潮の住人にとって受け入れられない内容がありました。

大阪地裁の和解案

 大阪地裁の和解案は、6月23日に示されましたようで、その内容は4点。
1.ドラム缶に収納されたダイオキシン汚染物を、山内地区(保管場所と同じ所)において無害化する一次処理を行なう。
2.一次処理した後、品川に存する最終処理施設で最終処理をする以外に現実的な方法は考え難い。
3.原告ら地権者の被害の救済を図るための金銭的補償。
4.地域イメージの回復および振興、二次災害の防止。

これでは品川区に来るのを止められない

 ダイオキシン問題を考える会、69号棟自治会の環境委員会など、八潮の中でこの問題を重く受け止めいくつかの会ができていることは先週号でお知らせしましたが、さっそく集会を開きました。

 69号棟自治会の環境委員会主催の会議に参加して、現地の議員から直接話しを聞きましたが、「率直に言って、地元以外での処理に反対するという意見は出ていなかった」といいました。八潮ではっきり反対だという意志を表明するのは、今までなかったことです。

 品川区からも、未だに一切の説明がないままですから、仕方なかったと言えます。

 しかし、裁判所が所感に明記し、その中身で双方が和解する方向のようですから、遅きに失しているとはいえ、はっきりと発言をしなくてはなりません。

ダイオキシン汚染物の品川区内への輸送と処理は反対です

 廃棄物の処理は、現地処理が原則です。

 大阪・環境施設組合は、ダイオキシン汚染物の処理を公募して3案に絞り、住人参加の元で(株)クボタに決めたといいます。

 ダイオキシン処理は未だに決定打がありません。高濃度で燃やせば大丈夫だというのは、無責任な発言です。処理技術が確立していないから、豊島などのような事故が発生しているではありませんか。たった一回でも事故が発生すれば取り返しのつかないことになります。
起こるかわからないことなのに、不安を煽っているという意見もありますが、事故が起きたら取り返しがつかないのです。その時の責任は誰が取るのでしょうか。

 起こる前に、「反対」を明確に打ち出すことが大事です。

無責任な品川区の態度

 ダイオキシン汚染について考える会は、裁判所に対して所感の記述「品川区内に存する最終処理施設において最終処理を行なう方法以外に現実的な方法はなく」部分の削除を求めて内容証明郵便を送付しました。

 また、原告に対しても、同じ部分のまま和解しないように求める配達証明郵便を送付しました。

 さらに、大阪の関係議員に会としての声明を送付します。

 いまこそ、とんでもない計画をストップさせるために、大きな行動が求められています。

 同じように、品川区に対しても拒否するよう求める要請を申し入れました。対応した環境清掃事業部長は、8月27日、午後12時30分〜45分の15分だけ、人数制限などを主張し、会ってあげるとばかりの態度でした。区民の健康に大きな影響のある問題です。先頭に立って取り組むことこそ彼の責任ではないでしょうか。あまりの不遜な態度に驚きました。誰のための区政なのか、区民の命を守ろうとする姿勢は見られません。
大変残念ですが、これが品川区の状況です。

 東京都には、同じ日の午後2時半に行くことになりました。詳しい報告は次号でいたします。

 みなさんの貴重なご意見を伺いたいので、お寄せください。