えっー!!行革で保育士を減らした結果が
9人の赤ちゃんをたった二人で保育
公立保育園なのにこれでは安心できない

 子どもをあずけ安心して働けるはずの保育園が、保育士を行革したために実はたった二人で子どもを見ている状況が日常的にあるといいます。予算委員会で取り上げました。

子どもは荷物じゃないのに

 ある保育園で、ある朝、9人の赤ちゃんを朝9時半まで正規職員の保育士と非常勤の保育士のたった二人で保育していたことを知り取り上げました。たった二人の職員しかいない時間に、もしも地震がおこったり子どもに転倒などの事故が起こったらどうなるのでしょうか。

 保育園の朝はどこも慌しい状況です。子どもを預ける親たちは、担任に子どもの健康状態を伝えたり、お迎えが変更になるときはそれも伝えたいなど、チョットした時間のなかで確実に伝えなくてはいけないのです。担任の方は、子どもを受け取るだけでなく子どもの健康状態を把握すること、親の伝言を正確に聞き取ることなど、担任としてやらなくてはいけないの仕事があります。

 保育園の関係者に聞くと、こういう状況は日常的にありそれほど珍しいことではないといいます。別の関係者は「夕方のほうがもっと頻繁にある」と話しています。冗談じゃない、こんな状況では危なくて大事な子どもを預けられません。登園してくる子どもを受け取って保育室におくだけでは荷物と同じではないですか。

3時間ごとに保育士が替わる 子どもの心が育つのでしょうか

 荷物のように床に置かれた子どもに端的に現れているように、品川の保育体制は子どもの育ちを大切にしない「ひどい」内容に変わってしまいました。

  たとえば、正規職員をどんどん削り代わりに非常勤職員を多用するようになっています。現在、保育園にいる非常勤職員は414人、正規職員の156人分です。2時間とか3時間、7時間勤務です。それを来年度は7時間非常勤をなくして3時間に置き換える予定です。保育士や非常勤職員はみんな子どもが大好きで選んだ仕事ですし、一生懸命に働いていただいています。

 しかし、午前中3時間子どもに接するのはAさんでも、午後は別のBさん、そして夜はCさんと一日の中でもくるくると違う大人に育てられるのであれば、子どもの心は落ち着いていられるでしょうか。大人でもめまぐるしく変われば疲れるのですから、小さな赤ちゃんならなおさらです。

ヒトから人間に育てるのが保育園の仕事

 保育園の役割は、子どもの育ちを大切にし人間らしく育てることです。とりわけ、0才の赤ちゃんの場合、ヒトから人間にそだつための一番大事な時期です。家庭でいえば一番最初に覚えるのが母親、母親と心がしっかり結びついたなら、そこから関心が他に向いていくのです。しかし、きちんと結びつかないままなら、他への関心も安定しないのです。これは、発達の普遍的なルートです。

 しかし、保育園の職員体制はこの発達のルートを無視して、財政効率だけで正規職員を削減してしまったのです。本当に無責任です。

保育園の大事な役割「発達を促す」ことを忘れた品川区

 南は、区が『保育事業の目的』として事業案内に明記している「児童の発達と保護者の就労を支援する施設」だとしている問題を取り上げ、実際に行っている内容は違うではないかと改善を求めました。

 また、子どもの発達を考慮したうえで、短時間の非常勤職員でいいという結論を出したのかと質問しましたが、まったく答えられませんでした。