地方税法の条例改正区議会・区民委員会
定率減税廃止とタバコ税課税で負担増に

開催されている区民委員会に、地方税法の条例改正案が出されました。国の法律が改正されたことに伴って、品川区の条例を改正しなくてはならず内容の検討などの審査をしたものです。

  南は、法律改正で変えることはやむをえないとしても、実際の負担は大きくなるので反対しました。以下、内容を報告します。

住民税の所得割りを一律にするが負担は変わらず

今までは、下の表のように所得に応じて課税されていました。法律改正で住民税所得割の税率が7月1日から一律10%になります。そうなると、所得が200万円以下の方は税率が55から10%になり負担が増えます。逆に700万円を越える方は減税になります。

  今回の区条例の改正は、その負担をなくすために「個人住民税において、所得税と個人住民税の人的控除額の差に基づく負担増を調整する減額措置」を講じるので、負担はかからないといいますが、200万円以下の所得層は下の表のように51%にもなっています。

課税所得
標準税率
改正後
分布
200万以下
5%
10%
51%
700万以下
10%
10%
41%
700万超
13%
10%
8%

住宅ローン減税、地震保険控除などで調整

負担増にならないための具体策は、住宅ローン減税や地震保険料の控除などです。家族構成や人によって生活が違うので考慮されて所得税と住民税として一律に課税されるのでは不公平ですから控除があって当然です。住宅ローン減税は06入居した方が対象です。地震保険料控除は上限2万5千円の範囲。

  しかし、調整されるので新たな負担はかからないとしても、住民税は各種の料金に大きな影響を与えます。

例えば、国民健康保険料や介護保険料などは、住民税額によって料金が違いますので、一律10%になるのは大きな問題です。

定率減税廃止も含まれた改正

この改正には、大きな問題になっている定率減税も含まれています。ご承知のように定率減税は、住民税と所得税の両方にかかっている減税策ですが一度に廃止するのではなくそれぞれを半分づつ06年と07年の2年間で全廃します。

  そもそも、7年前に恒久減税として導入されたにもかかわらず、政府は景気が回復してきたと無理にも廃止を打ち出しました。同時に導入した法人税率の引き下げと所コツ税の最高税率の引き下げはそのまま温存です。これでは弱いものいじめです。

  1999年 2004年
大企業の利益 16兆円 25.5兆円
雇用者報酬 270兆円 255兆円
民間給与総額 218兆円 200兆円

直接税・累進課税など民主的な税制制度を

南は、6月からこの問題を審査する区民委員会に所属しているので、質問をした中で調整はされるものの、

@住民税率が10%になることで区民負担が大きく広がること

A定率減税廃止で負担増になることなどの問題点を明らかにし、条例改正には反対しました。

  本来あるべき税制制度は直接税中心にして、総合的で累進性を確保し、さらに生計費非課税にするべきです。 よく、「共産党はなんでも反対する」といわれますが、それは間違いです。『区民の権利や利益を守る』基準で一つ一つ吟味して反対か賛成かを決めています。