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南恵子 お元気ですか南恵子です。 2006年10月29日発行
第909号


習熟度別学習で学ぶ意欲は育つのか
決算委員会で質問

品川区が提案した2005年度の決算報告について審議する決算委員会が開かれました。

南は、大きな関心になり、学力をつけてほしいという願いの中で始まった習熟度別学習について本当に続けていっていい教育方法なのか質問しました。

世界一勉強熱心だった日本の子ども勉強しなくなったのはなぜか

ほとんどすべての子どもが高校に進学し、短大や大学進学も49%と広がっていますが、一方、勉強しない実態も増えています。東京都の調査(チョット古い)によると、中学2年生で家庭学習時間0時間は92年当時27%いましたが、98年には43%にも増えています。

なぜ、勉強しなくなったのでしょうか。授業の進み方が早い、低学年から難しい内容になっているなど、いろいろな問題があります。勝ち組負け組など学びにも格差が出ています。学ぶ喜びを体験できていないこともあるのではないでしょうか。

いろいろな学力の子ども同士で学びあってこそ育つ

世界各国の教育制度や学びの実態を研究している佐藤学さん(東大大学院教授)は、習熟度別学習について「『時間をかけてていねいに指導できる』というが、それは教育内容のレベルと進度を下げているからできること。」「『基礎から積み上げていけばわかる』というのは誤り。その結果、低学力の子どもはますます低学力層へと組み込まれることになる。」と述べています。

子どもは誰でもわかるようになりたいと思っています。チョットしたつまずきで理解できなくなるのです。その時に、気兼ねせずに聞いておけばわかるのに出来ないものです。

習熟度別学習とは・・・

算数・数学・英語などの教科を習熟度に応じたグループ編成で指導すること。

これまでの実践では学力格差を縮めたという実践報告は極めて少なく、むしろ世界の国々では廃止される傾向にある。

わからなければレベルを下げて教え、基礎から積み上げていけばわかるというのは誤り。

佐藤学さんいわく、いろいろな学力の子ども4人のグループで教えあう授業を進めることが大事だと。

グループ内でいろいろな意見を出し合うことでわからなかったことがハッと気づいてわかる、関係性をつかめるというのです。振り返って考えてみると、友達同士でいろいろおしゃべりをしていて「アッ、そうだったんだ」と関係ないと思われる話の中でもわからなかったことがわかったという経験誰でもあるのではないでしょうか。

世界各地で習熟度別授業ではなく少人数のグループで、お互いに意見を出し合って作り上げる教育が実施され、子ども同士の学びあいの授業に変ってきているそうです。外国の映画やTVドラマを見ていると、学校の場面ではグループワークが出てきますが思い出しました。

品川区がすすめる教育改革『プラン21』はその流れに逆行しています。

すべての子どもにわかる授業とわかることの楽しさを体験させたいとつくづく思います。習熟度別授業の誤りを知らせたいと思います。