前のページへ戻る           日本共産党品川区議団TOPへ

区立小中学校の学校給食民間委託問題
予定企業が食中毒で契約解除…安全面で問題鮮明に

2005.4.14.

品川区は今年4月から台場小、荏原5中、戸越台中の学校給食を民間に委託します。「今後7年間で全小中学校に導入する」としています。

党議員団は、「民間委託は給食を安上がりに作ることだけが目的であり、安全、おいしい給食を子供たちに提供する点で問題がある」と追及しました。

その最中に、荏原5中、戸越台中を請けることになっていたシダックスフードサービスが葛飾区の高齢者介護施設でノロウイルスによる食中毒を発生、契約解除となりました。

区側は、食中毒、営業停止を何回も繰り返す同社を事前に調査することもなく「区直営よりも民間の方が安全でおいしい給食を提供できる」と繰り返してきましたが、あまりに無責任といわなければなりません。

党区議団は今後とも、区民の皆さんと協力して給食の民間委託を中止するよう強く求めます。

2005年の第一回定例会を中心に、学校給食の民間委託問題の論戦を「沢田英次区議会報告1098」にまとめました。ぜひご覧ください。 


学校給食用の大きな回転釜。今日の献立は子ども達も大好きな「おでん」です。
安全でおいしい学校給食は区直営でこそ。


予算委員会教育費:沢田英次区議質問(2005年3月16日)

沢田委員

学校給食費の問題について質問をさせていただきます。

先ほど、学務課長は民間に業務委託するのに二つの大きな問題を挙げました。一つは財政効率、もう一つは保育園で既に実戦して、安全でおいしい給食を民間に任せたほうができると、この二つの点を言いました。それぞれについてお尋ねしたいと思います。

まず、財政効率の問題なんですが、今度の予算に小学校で2,027万円、中学校2校で4,006万円の委託経費を計上しておりますけれども、先日の文教委員会では、委託することによって24.5%の経費削減になるという数字を示されました。この根拠について、述べていただきたいと思います。

谷田部学務課長

現在、各小中学校にそれぞれ配置基準に基づきまして調理師が配置されているという中で、全体の平均的な給与ですね。平均的年収をそれぞれ掛けまして給与費が全体で幾ら、それに伴いまして私どもこの予算でご覧いただければ大体1校当たり2,000万円程度の委託経費でできるというふうに踏んでございますので、58校を全校委託した場合の経費と、それから現在の配置している職員の人件費を比較すれば、当然その部分の経費の軽減につながるというようなことでお話しを申し上げました。

沢田委員

私は具体的な中身を聞いたので、例えば中学校1校で現行幾らで、この2,000万円の予算でやると24・5%こうなるんだという中身を説明してほしいんですが。

谷田部学務課長

16年度のベースでお話しさせていただきます。現在、配置基準に基づきまして正規の調理職員が179名、実際にはもうちょっと多いですけれども、これは配置基準上の話でございまして、多少少なめに申し上げます。再任用職員等を入れまして、16年度ベースで人件費が14億9,000万円プラスアルファでございますので、それに対しまして委託をすべて2,000万円として計算すれば約11億円になるという関係から、大体22%から25%ぐらいの経費削減になるというような私どもの算出でございます。

沢田委員

保育園の業務委託の問題で、南委員が所管質問をやったときに、小沼事業部長が「時間給850円、900円でつくっていける。極端なことを言えば、つくるのに4,000円と850円、900円、これは区民のほうから見れば大きな成果だ」という発言をしているんですね。4,000円対850円、950円でできるということを、公式の場で事業部長が言っているけれども、そんなはずはないんですね。正規職員を民間委託してもいるわけですから、何で850円出てくるんだ。全くずさんな答弁だし、そういうことを前提にして安上がりだなんていうのは、あってはならないというふうに言いたいと思います。その問題はその問題として、私なりに計算してみました。既に、荏原第五中学校、戸越台中学校、民間業者の調理業務を募集していて、例えばチーフになる人は月給は17万円以上、直近のやつで言うと950円の補助員の給料で、2名とあとは補助員、何名になるかわからないけれども、2名の正規と3名の補助員がこのとおりで働いた場合、チーフのボーナスは夏・冬1カ月ということで計算して、社会保険の事業者負担分と福利厚生費を賃金の3割と見ますと、大体1,085万円なんです。1,100万円としてもいいかもしれない。2,000万円の契約をしているときに、約1,000万円ちょっとで人件費は済んでしまう。そのほかにいろいろ諸経費がかかると思っても、少なくとも4割は委託会社に回っていくという計算なんです。私の大ざっばな計算です。間違えている部分はあるかもしれないけれども、大ざっばに。ほかで聞いたら、大体4割は税比率でいくでしょうという話も聞いていますから。

結局、効率がいいというけれども、安く使って、民間の委託会社が増えてしまう。

一つだけ資料を示したいと思うんですが、財務省が2002年に調査をやったんですけれども、社会生産本部に委託をしてやった調査で、学校給食に関するコストをやった結果、調理業務のみの民間委託では、直営と比べてはっきりとしたコスト低減は認められなかった。杉並区でもこの問題が裁判になりました。企業に委託すれば、その利益を企業が取る。その上に労賃として払うということがありますから、単純に民間委託すれば安くなるというのが言えるかどうかというのは、私は言えないと思う。

その点では、今日は出ないでしょうけれども、長期にわたって民間委託した場合と直営でやった場合にどうなるのかということを、別途文教委員会なりしかるべきところに出していただきたいということを、まず述べておきたいと思います。

それから、もう一つの問題で、保育園での実戦で検証されて何も問題なしと。問題は、つくり手が変わるだけなんだ。だから安心してくださいということを繰り返し言いました。

先日の厚生所管のところの論議で課長が言ったのは、調理専用のトイレができたと。刻みが園長からダイレクトに指示できる。これが民間委託の成果だと言って、何という答弁なのかなと私は思いました。だって、トイレが必要ならつくればいいじゃないですか。民間委託するときに、その中にトイレがなければだめだからトイレをつくっただけなはずなのに、それをあたかも成果の中に盛り込んで言うというのは、全く検証が正しくされていないのではないかというふうに思います。 この後、いろいろ言いたいことがあるんですが、本当に検証したというのなら、親御さんたちに実際に食べてもらったり、アンケートをつくったり、全保育園に働く職員のアンケート調査をするなりして、その結果こうだったという具体的、科学的な根拠を持ったデータを出すべきです。それを出さないで、刻みでどうだとか、トイレができただとか、おいしいという、何の裏づけもないことだけを並べても、それは検証に値しないと私は思います。時間がありませんので、次に進みたいと思います。

安全面で民間委託のほうが優れていると、繰り返してきました。安全面で民間が優れている根拠を示していただきたいと思います。

谷田部学務課長

まず、企業の利益率云々という話でございますが、私ども企業の財布の中身まで興味はございませんので、入札という公正な手段を使いまして業者が決まったということが、まず1点。それから、財務省の調査でございますけれども、平成15年度の財務省の予算執行の調査というのがございまして、民間委託を推進すべきだというようなことを財務省から文部科学省に伝わりまして、それが平成15年7月18日、文部科学省スポーツ青少年局学校健康教育課長から各都道府県あてに通知がされております。昭和60年当時の文部省体育局長名の学校給食業務の運営の合理化について、改めて再度確認して学校給食の効率化に努めろというような指示がありましたので、私どもこのような国の動き、それから  体質の学校給食を民間に調理委託するというものでございます。

それから、先ほど民間のほうが安全面でどうのという話でございます。給食は学校給食だけではなくて、さまざまな場面でいろんな給食業務というのは行われてございます。少なくとも、給食産業は既に成熟した産業だと私ども思ってございまして、要は学校給食だけが最後まで取り残された、いわゆる公務員が直営で行う業務として残っていると、私どもはそういうふうに思ってございます。

民間企業の場合、給食業務について、例えばアメリカのN A S Aで開発したハサップというような、工程ごとに安全衛生を管理するような手法も取り入れて、残念ながら衛生管理面は民間企業のほうが徹底してやっているというふうに思ってございます。その辺は、私ども学ぶべき点が多くございますが、来年度は3校からとりあえず民間の優れた衛生管理面を先行導入したところを参考にしながら、他の学校給食も運営していきたいというふうに思ってございます。

沢田委員

先ほどの財務省の調査は、とにかく臨時職員やパートをもっと使っていけ、センター方式のように安くしろという方針を出しながら、その裏で財政効率上の問題は簡単に言えないということを言っていわけ。 杉並区の裁判でも、その問題が争われて、裁判所はそのことを認めました。このことについては、このあとのもっと大きな問題があるので、ここまでにしたいと思います。 そこで、安全面では民間のほうが優位だと言いましたけれども、それならばシダックスフードサービスは中学校の委託予定会社ですけれども、最近S R S V(ノロウイルス)の感染事故を起こしたことはご承知でしょうか。ちょっと、そのことを示してほしいと思います。

谷田部学務課長

私ども、当初戸越台中学校、存原第五中学校で予定していたシダックスフードサービスは、社会福祉施設関係での食中毒の件があったということで聞いてございます。その食中毒事件があってすぐ、私どものほうに参りまして、事情の説明と4月からの契約は辞退したいというふうに自主的に申されました。民間企業というのは、やはり一つの事故を出すと、それなりに社会に対する責任というのを私ども感じまして、現在シダックス以外の業者に再度入札ということで決定をしているところでございます。

沢田委員

民間には問題がないし、それは事実を蓄積していると、安全衛生面でも。ずっと優れていると言ってきたけれども、あっという間に10日ぐらい経ったら、この事故ですよね。 私はシダックスに決めるときに、シダックスがこれまで出してきた営業停止や食中毒をどれだけ調べたか、ちょっと述べていただきたいと思います。

谷田部学務課長

私が申し上げたいのは、同じシダックスの企業といえども分野が違う。学校給食事業本部ではなくて、社会福祉施設関係のところでそのような事故があったということで、会社としては非常に申し訳ないということで、私どものほうにたまたま4月からの給食調理の業務を請け負うにあたっては、自主的に辞退したいということでございます。 それに前後しまして、今年はノロウイルスの関係で幾つか食中毒事件がございますが、それは民間企業だけではなくて、やはりある公立の施設でもあったと、これは直営でございますけれども、それは東京都のホームページで確認してございます。それは民間だから出ないとか、直営だから出ないとか、出るとか出ないとか、そういう問題ではなくて、やはり細心の注意が必要だというふうに思ってございます。

沢田委員

先ほどの答弁で、あらゆる民間のところでやって問題なくやってきたから優れていると言いながら、今の答弁では民間であってもいろいろ違うんだというぶれがありますよ。私、ここで示したいと思うんですが、シダックスフードサービス会社は、これまでインターネットで調べたら、たびたびの営業停止を受けているんですね。例えば、今年の2月13日に彦根の民間企業の研修所で、やはりノロウイルスの集団中毒を断定したと毎日新聞に報じられました。3日間の営業停止です。それから、ちょっとランダムになりますけれども、2000年7月には0157の集団感染で7日間の営業停止、それから平成16年4月2日にシダックスフードサービス自身が食中毒の事故発生に対するお知らせというのを出しているから間違いないと思うんですけれども、これも23名に食中毒症状が出て、2日間の営業停止です。 安全だと言いながら、実態的にはこんなにさまざまな事件を起こして営業停止をしている人に、ついこの間まで委託をしようというふうに進めていた。もし、この企業に渡って、この企業が意図的にやったとは思っておりませんけれども、何度もこういうふうに言いながら改善されていないんですよ。そこに委託しようとするのは、安全の点検をどのようにしたんでしょうか。例えば、業者選定をするときに、今までのこうした状況を調べたんでしょうか、どうでしょうか。

谷田部学務課長

シダックスは自主的に辞退されましたので、これ以上シダックスのことは私も控えさせていただきますけれども、シダックスそのものは全国で2,177店、営業展開しているという、それだけの規模を持っているところでございます。

私どもは今回自主的にこのように辞退されたということで、それはその企業としての責任は果たしたものというふうに思ってございます。

私どもは実際に4月以降、調理代行をするにあたっては、そういう事故を起こしては困るというわけでございますので、沢田委員がおっしゃるのは、民間企業はこういう事故を起こすものだという前提でお話しされています。私はそうであるかもしれないし、そうでない場合もあると、いろいろな場面があると。先ほど申し上げたのは、公立だから絶対出ないとか、民間だったら出る可能性もあるし危ないと、そういうことは一概に言えない。食の問題ですから、口に入るものですから、それは最善の努力を払いながら、そういう事故が起こらないような努力をしていく。これは直営だろうが、委託だろうが関係ないということでございます。

沢田委員

子どもの命に直結をするのに、民間委託を実際にしようとしたときに、こういう事故があって、事前に調査もせずにですよ。私に言わせれば、反省がない答弁だというふうに思うんです。その点については、至らなかったというべきですよ。

私自身が民間出身ですよ。だから、民間が悪いなんて言っていませんよ。なぜ、民間でこういう事態が出てくるのかということに問題があるんです。

シダックスは調理補助員の募集は時給750円ですよ。今、品川区内で750円でパート募集しているところがありますか。最低賃金制の文字通り最低賃金で募集をしている。もし入ったにしても、仕事に就いたにしても、いい条件があればどんどんかわっていくんですよ。だから、衛生安全面、それから調理の技術を身につける前にくるくるかわっていってしまう。 これは文教委員会で私が紹介しましたけれども、足立区のある小学校では1年間に20人かわったというんです。そういう状況だから、安全面で不安だと言っているんです。民間企業だからというのではないんです。もし、そういうふうに言うのであるならば、民間企業並みの保障をしたらどうですか。賃金でも福利厚生面でも休暇の問題でも。そこは全然知らないと、750円で立派で安全だというふうに言って、そんな先の見通しもないままに委託して、安全だということを信ずるわけにいきません。 私は改めて、こういう事態が出た以上、徹底して今後こうしたことが起こらないための検討委員会を庁内で設けて検討すべきだ。そうしなければ、子どもたちは安心できないというふうに思います。 最後に、今後こうした事件が出た以上、検討委員会とともに、学校にもちゃんと話すべきだと、説明を。その上で、親御さんの意見も聞いて、今後どうするかということを決めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

古川教育次長

今回のシダックスフードサービスの事故につきましては、私ども大変残念なことだと思っております。

しかしながら、私ども以上に企業にとっては、企業生命をかけた一つの今後の大きな教訓をまたシダックスは持ったのではないかと、このように思っています。私どもは先ほどから申し上げておりますとおり、公立学校における調理業務代行を今後とも推進していく立場でございますけれども、このようなことからまた新たな課題なり、新たな教訓を学びながら進めていきたいと、このように考えてございます。

上へ


予算総括質疑:中塚亮区議(2005年3月22日)

中塚委員

日本共産党品川区議団を代表して、総括質問を行います。後半は南恵子委員に交代いたします。

私からは、学校給食の民間委託について質問いたします。品川区の学校給食は子どもたちにも大変おいしいと大評判です。そうした品川の安全でおいしい学校給食、直営でこそだと思っております。学校給食の民間委託の問題について、今回は特に安全衛生管理を中心に質問をしたいと思いますので、よろしくお願いします。

品川区は、この問題で2月23日の本会議において、民間企業は調理でも衛生管理においても行政と遜色ない、民間が十分に担っていける事業と説明しました。

そこで質問ですが、品川区の学校給食が民間委託でこそ担っていけると判断したその理由、根拠は何でしょうか、ご説明ください。質問の2つ目は、一度に大量の学校給食をつくるわけですから、何よりも安全であることが最優先です。なぜ学校給食がとりわけ安全衛生管理に注意をしなければならないのか、特にここは大事な問題となりますので、詳しく説明していただければと思います。

古川教育次長

それでは、学校給食の業務代行に関してのご質問でございますけれども、まず調理業務を代行することについての根拠ということでございますけれども、これも何回も何度となく本会議あるいは委員会でも私どもの考え方を述べさせていただきました。そもそも品川区における給食業務というのは、保育園と学校でそれぞれ実施しております。現在も実施しているわけですが、5年前に保育園において業務代行を導入いたしました。当時、品川区内給食調理職員は300人を超えていたわけでございますけれども、その中でまずは保育園から給食調理の業務代行に入ったということでございます。

5年経過する中で、保育園がすべて37園で完了いたしました。当然のこととして私は受けとめておりますけれども、学校における給食業務代行が次の事業として当然出てくる、こう考えています。給食そのものがかわるわけではございません。あくまでも給食調理を行う中で、一部分を業務代行する、こういう考え方でございますので、学校給食を業務代行することの根拠ということについては、何らかわりはない。学校給食法に基づく給食の目的も目標もそれで達成できる、このように考えてございます。安全な給食というのは、これは直接私どもの職員がつくった場合もあるいは業務代行で行う場合も基本的には同じと考えております。

中塚委員

ただいま保育園給食で5年の前例があるというお話でしたけれども、その学校給食というのは一度にたくさんの量をつくるわけですよね。戸越台中にしても300食つくるわけですけれども直接その子どもたちが口に入れるものですから、特に抵抗力の弱い児童に対しての安全面のことが大事であると同時に給食を通じて正しい食生活をつけていく、こうした教育の一環であることも忘れてはなりません。品川区は繰り返し保育園の事例などをとって学校給食を委託することこそ安全衛生面が向上するんだと、今よりもよくなるんだと繰り返しますが、そこで質問しますけれども、それでは先日のシダックスの事態はどうとらえているのでしょうか。戸越台中学と荏原第5中学の今年4月からの給食の委託を受けていたシダックスフードサービスが今年の2月12日に葛飾区で食中毒を発生し、4月からの品川区との契約を辞退したと報道されております。品川区がこの食中毒を出している、頻繁に出しているシダックスのことを承知の上で仮契約を結んだのか、それともシダックスが頻繁に食中毒を起こしていることは何ら調査もせず仮契約を結んだのか、どちらなのか説明してください。このことは予算委員会でも伺いましたが、明確な答弁がありませんでしたので改めて伺いたいと思います。

本間総務部長

契約問題でございますので、私のほうからお答えをさせていただきます。

ご指摘のとおり具体的な企業の名前が出てございますが、私ども入札を行いまして、戸越台中学校の給食調理業務代行の契約を落札した業者が事業部制をとっている業者でございまして、老人保健施設の施設で食中毒が発生したということで、自発的にその会社のほうから区のほうに連絡がございまして、それで、翌日、その管轄の保健所から営業停止の処分を受けたので、学校給食以外の他の事業部での事故ではございますが、企業としてきちんと責任をとって、今回の品川区としての契約は辞退したいという申し出がございまして、私どもとしてこれを受理したわけでございます。

それから、事故をいろいろ起こしているというご指摘がございましたが、全国展開している給食の業務でございまして、それで、いろいろとこういう事故が起きた場合に、当然、会社として保健行政、その他でペナルティーを課せられ、このペナルティーを受け、きちんとした業務改善を行って、一定の期限が経過すれば、また再度営業活動に臨めるというのは、これは法が認めた趣旨でございますので、何ら問題はないと、かように考えてございます。

中塚委員

この問題は、辞退をすれば済まされるという問題では決してないと思います。そもそも私が先ほど伺いたかったのは、このシダックスが頻繁に食中毒を起こしていることを知っていて仮契約を結んだのか、それとも何ら調査もせずに仮契約を結んだのか、こちらのどちらなのかを伺いたかったんです。このことを改めて答えてください。なぜかというと、今年の4月で3校、今後7年間かけて区内の58校すべての小中学校でこの委託を進めると伺っています。今後の方向にもかかわる大問題なので明確に答えてください。また、このシダックスのことを、今回の食中毒のことを品川区が知ったのはいつですか。答えてください。

本間総務部長

まずこの調査をしたのかということでございますが、これはこの契約実務を日常的に行っていく上で、この給食の業務代行だけではなくて、すべての契約を進める上で、この業者の事故情報といいますものは、新聞、テレビ、インターネット等から把握をしているわけですが、東京都内の事故の情報に比べまして、東京都外の全国的な各地の事故情熟は把握漏れのおそれがあるということで、業者間の公平性という意味からもこの情報の把握につきましては、東京都内の事故情報を中心に調査しているというのが実態でございます。それから、先般のご質問の中で、ホームページで乗っていた云々というご指摘がございましたが、その点につきましても、この企業は今までの事故の問題をホームページに乗せて、それでそれのどう対処したかというのをきちんと乗せているわけでございますが、こういうホームページの問題につきましても乗せている企業、それからホームページを持っていない企業、いろいろございます。こういう意味では、公平性という意味から従前従来やっている、こういう都内の事故情報の把握ということをやっているということでございます。

それから、この事実を知ったのはいつかということでございますが、本年の3月3日、区のほうに連絡がございました。

中塚委員

結局、品川区は、今回の件に関しても一般的なことしかやっていないんですよね。結局、この学校給食というのは、子どもたちが食べることを通じて生きることを学ぶと同時に何よりも安全でなければならない。それに対する注意が私は足りな過ぎるんじゃないかと思います。

先ほど3月3日に知ったと話しましたけれども、この事件は2月12日から16日にかけて発生しているわけですよね。実際に10日後の23日の本会議であっても、品川区は行政と遜色ないということを話しています。実際にシダックスという業者が食中毒を起こしている中、仮契約を結んだ中でもあるという中で、品川区はこの学校給食と何でレベルが遜色ないのか、私はとんでもないと思っているんですね。あまりにもこの食中毒に対する認識、判断、甘過ぎるんじゃないかと思っています。 また3月3日後も、先日の予算委員会の中でも担当課長がこの給食産業は既に成熟した産業だと、こう話しました。私は、食中毒を繰り返し起こしているこの社を、どうして営業停止まで、1週間の営業停止を食らっているわけですよ。これがなぜそう成熟した企業と言えるのかどうか。私はやはりもし子どもたちのことに何かがあったらどうするのか。その認識が甘いんではないかと思います。 そこで伺いたいのは、保護者に対して業者の選定をどのように進めていると説明したのかどうか、伺います。具体的には2月8日、戸越台中学校の学校だよりで業者選定の説明箇所がありますけれども、それをぜひ一度読み上げていただいて、説明をしてください。

古川教育次長

学校のほうからそれぞれ3校でありますけれども、保護者等々の方々にこの調理の業務代行についてはお知らせをいたしました。戸越台中学校においては2月8日付の学校だよりで調理の業務代行についてお知らせをしたところです。それで、すべてをというと時間がかかりますので、業者の選定にかかわる部分でありますけれども、調理代行の業務内容は、調理業務、食器具の洗浄、保管、清掃等ですということで、全体の調理の中で占める部分についてのお知らせをするとともに、代行業者については給食業者の資力、信用、技術、経験、集団給食や学校給食等を総合的に勘案して選定をされます。なお、給食調理の衛生基準の確保、安定した業務が円滑に行われるよう学校と教育委員会および、受注業者や給食関係者との連携を図る仕組みを検討してまいりますということでありまして、私どもはこの考え方は基本的に区の契約の中でそのような観点から今回もー定の民間業者の契約に至っていく、このように考えてございます。

中塚委員

この戸越台中学校の学校だよりには、先ほど次長も説明したように選定基準として信用、技術、経験、これは総合的に勘案して選定する。さらにその後、学校と教育委員会と受注業者と連携を図ってやっていくんだ、こう記されているんですね。でも実態は、今回のシタスックスの件はどうですか。事前に調査もしない、一般的に入札、しかも2月12日から16日にかけて食中毒も結局保健所が判断を下すまで相手からも連絡がない。これでほんとうに連携がとれているのかと私は疑し、たくなります。

先ほども保育園給食の成果のことを学校給食の拡大の理由にされましたけれども、保育園給食でほんとうに安全、衛生面が向上してきたかということを伺いたいと思います。

実際に保育園の給食では委託後、中延保育園は2000年11月、委託をした半年後にS R S Vを原因とした感染性胃腸炎、下痢や吐き気が発生しています。これは一体どういう事故だったのか。感染者数は何人だったのか、事故の経緯や概要を説明してください。また、これが教育委員会自身が保育園給食のこの何をもって安全だと、民間のほうがより向上するんだと判断したのか、教えてください。

青山品川区保健所長

中延保育園で平成12年11月2日から8日まで起こりましたS R S V、これは今はノロウイルスというふうに呼称が変わっておりますが、イコールとお考えください。S R S Vによる感染性胃腸炎の集団発生についてご報告申し上げます。

患者総数は49名ですが、これは園児106名のうち32名が発症、職員22名のうち2名が発症、そのほか、園児の家族15名、合わせまして49名が発症いたしております。このとき、患者のふん便、46検体中39検体からS R S Vが検出されまして、非発症者ふん便の中からも1検体からS R S Vが検出されております。しかしながら、検食、保育園で後からの調査に備えまして給食に出されたものを保存しております。その保存食の検査をいたしましたところ、84検体いずれからもウイルス、食中毒、起因菌ともに検出されておりません。また調理場のふき取りからも検出されず、さらに調理員6名のふん便からも検出されていないという状況がございました。それで、当時品川区保健所におきまして、これは食中毒とは断定できず、感染性、S R S Vによる感染性胃腸炎の集団発生というふうに判断したものでございます。

なお、先ほどのシダックスの食中毒調査に関連してなんですが、実はこれは2月14日に葛飾区内の介護老人保健施設の介護責任者から葛飾区の保健所に情報が入っているんですが、葛飾区の保健所が調査を始めたのが2月の22日以降で、それで最終的にこれは食中毒であるのか感染性胃腸炎であるのか、そういった判断が必要ですので、調査を終えて、これを食中毒というふうに判断したのが3月3日に東京都の福祉保健局に報告しております。それを東京都の福祉保健局が全区に流したものでございます。

したがって、品川区といたしましては、各区における調査を待たなければ、軽々に食中毒であるか、感染性胃腸炎であるかの判断を下すことは避けねばならないと考えております。

中塚委員

中延保育園の説明会に出ましたけれども、私が先ほど説明した教育委員会の答弁がないので、それついてきちんと答えていただきたいと思います。教育委員会は、何をもって保育園給食を安全だと判断されたのかきちんと答弁してください。

古川教育次長

ご質問でございますけれども、そっくりそのままお返しいたしますと、何をもって保育園の給食が安全ではないというふうに、その根拠を私はよくわからない。中延保育園における先ほど来の質疑の内容をとらえましても、保健所の判断といたしましても、これは給食からの感染がない、こういうことでありますから、保育園における問題があるとすれば、私はそういったことについて、この5年間大きな問題点はないという中で、学校における業務代行は自然のなりゆきだろう、このように考えてございます。

中塚委員

品川区が食中毒を先ほどシダックスの詰もそうですけれども、繰り返し起こしているシダックスと契約を結ぶときも、きちんとした調査、戸越台中学の学校だよりにはきちんと選定する基準まで設けているのに、まともにされているとは私にはとても思えません。また中延保育園の件も結局は発生源がどこだったのか特定できなかったことが問題なんですね。それで、園児32名、家族15名、職員2名、計49名に拡大した、結局初期の対応が遅くなること、特に食中毒は初期の対応は一番大事なんですね。そこがおくれてしまった。しかも結局迷宮入り。今に至っても報告書も出さない。広報による経過報告もない。これはあまりにも保護者に対して不安を与えていると思います。今回のシダックスの件にしても、子どもたちに万が一のことがあったら一体どうするのか。安全でなければならない食べることを通じて生きることを学ぶ学校給食に、万が一は絶対許されないわけですね。

三上委員長

ご静粛にお願いします。

中塚委員

安全管理が他人ごと任せ、子どもの安全が二の次に回されているんじゃないかと思い、4月からの委託は中止すべきではないかと思っております。今回シダックスは辞退となりましたが、それでは、次はどこと契約を今結ぼうとしているんですか。また、それも選定理由はどういう基準とどういう調査をして、よしここならいけるぞと判断されたのか、あわせて教えてください。

小沼児童保健事業部長

今、中塚委員のほうから報告云々というお話がございましたけれども、これは私どものほうは平成12年11月27日、厚生委員会のほうへきちっと報告させていただいてございます。これは、事実にかかわることでございますので、この際明確に述べさせていただきたいと思います。

本間総務部長

先ほど来、辞退された企業について食中毒を繰り返しているというご発言がございましたが、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、この企業につきましては事業部制をとっておりまして、学校給食事業本部につきましては今まで何ら食中毒の事故は起こしてございません。それと、今回事態を受けまして、入札をやり直してございます。入札を再度実施をいたしまして、別の業者に内定しているところでございます。

中塚委員

まず中延保育園のことですけれども、国に報告したのはわかりました。じゃあ、区民には報告したんですか。具体的には区報には載せたんですか。そこの1点だけ答えてください。 次のことですけれども、先日富士産業の広告、求人広告が出ておりました。戸越台中学と荏原五中の給食代行は富士産業ではないかと思うんですけれども、私はこの富士産業がどういう会社なのか、改めて調べてみました。社長がこうコメントを載せているんですね。これはちょっと古いですけれども、2000年7月31日の「日本食糧新聞」という記事です。この会社は、学校給食はリスクは高く利潤が少ない、こう言っています。さらに、学校給食も食材の納入など新たな展開が期待できることを見通していると言うんですね。今、品川区は食材は品川区でやるんだと言っていますけれども、そこの社長は食材も自分たちでやりたいんだ、こう言っているわけですね。どうしてこういうところと契約を結ぶのか。さらに、当日の調理のシステムは忙し過ぎてうっかりミスを招くので、前日の仕込みの導入は必要であると。今現在品川区は、その日の給食はその日のうちにつくっていますよね。ですけれども、ここの社長は、前日のうちにつくること、これが必要だと言っているわけですね。これでどうして保護者が今までの給食よりもよりおいしく、より安全にできるのかどうか理解できません。

私は、しっかりと検討会を設けてさまざまな意見をやるべきだと思いますけれども、品川区ではいつだれがどのように契約の方法、中身の方法、さまざまなメニューの方法を倹討してきたのか説明ください。

小沼児童保健事業部長

よくお聞きいただければと思うんですが、私は平成12年11月27日に厚生委員会へ報告してございますというふうに申し上げたわけです。国への報告云々というのはちょっと私は理解できませんので、その点につきましては差し控えさせていただければと思います。

本間総務部長

契約面でのご質問の部分にお答えを申し上げます。辞退いたしました企業の後に再度入札をして内定している企業でございますが、23区だけを見ましても15区の小中学校でこの給食調理代行をやっている実績がございまして、全国的に見ましても非常に多くの学校現場での実績を十二分に持っている企業でございます。

中塚委員

中延保育園は厚生委員会に報告したのはわかりました。私がさっき聞いたのは、区民に報告したのか。具体的に広報に載せたのかどうか。載せないのであれば、なぜ載せなかったのか、教えてください。それで、学校給食のことですけれども、全国でも展開されているとおっしゃいますけれども、実際学校数で数えたときに、1割程度しか今まで民間委託されていません。伺いたいのは、23区の中で学校給食を委託する前、その決定を下す前ですね、23区の中で一体幾つの区が検討委員会を設置したのか教えてください。さらに23区の中で学校給食が委託された学校、栄養士の配置基準を説明してください。

青山品川区保健所長

通常なんですけれども、食中毒と判断した場合には、東京都の衛生局のほうに報告いたします。国への直接の報告というのはございません。

それから、区民に対してなんですが、食中毒と判断した場合には、東京都に行って、東京都からこれがプレスに発表されます。従って、区から直接ということは、これもございません。また、今回の場合、中延保育園の場合には、感染性胃腸炎というふうに判断いたしましたので、感染性胃腸炎ということになりますと、その保育園の食事そのものが直接の原因ではなかったということになりますので、そうだとすると、その責任の問題については、これは場合によっては突き詰めていきますと、1人の子どもあるいは職員等々が原因である場合も出てきます。そういうようなことから、通常、感染性胃腸炎と判断した場合には、これを広報に、要するに都に報告したとしましても、東京都はそこの場で広報することはありません。区の段階でも区で公にするということはございません。しかしながら、それぞれのところで次の起こさないための注意を喚起する意味で、業者あるいは保育園等々に対して厳しく指導に保健所のほうで入ります。

古川教育次長

検討委員会の設置ということだと思うんですけれども、何のための検討委員会なのかよく理解ができないんです。23区のことを取り上げるつもりはあまりないわけなんですが、ほとんどの区では、多分検討委員会を設置したというふうに伺っています。それは、品川区における5年前の保育園における業務代行の導入というのは極めて全国的にも初めてという状況だったと思うんです。それで、他の区においては、多分保育園の給食の業務代行に先んじて、多分学校のほうから導入したのではないのか。したがいまして、各区それぞれ実情が違いますので、他区で検討委員会を設置したとか設置しないというのは、私にとってはあまり理由にはならないし、そういうこともあまり参考になることではない。

1つ言えますのは、他区での実例よりも、品川区の保育園における5年間の実績をよく見ていただきたい。品川区の保育園で何か起きたんですか。何も起きていないですよ。安心安全の観点から申し上げますと、保育園における給食と学校における給食は基本的には変わらないと思いますけれども、保育園のほうはゼロ歳児の離乳食から5歳児まで、しかも1日に何回も食事を提供するという極めて困難な業務を私は保育園が先んじてやっている。こう思っていますので、それが学校でできない理由は1つもありません。

中塚委員

先ほど答弁がなかったんですけれども、私のほうで調べたところ、民間委託を決定するまでに検討会を設置した区の数は全部で19区あります。さらに、民間委託を決定する前に、区民に対して情報提供を行ったところは18区ありました。そもそも保育園給食と学校給食、そのつくり方、献立、共通とする部分もありますが、使う器具など違うのはたくさんあるわけですね。例えば1つの小学校でつくる量も違うわけですよ。例えば第二延山小学校では1日500食一気につくります。しかも、子どもたちが給食を食べる20分前に一気に3品から4品のものを温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいものに20分前にどんぴしゃりとつくるわけですね。これには相当な技術が要る。だから、学校給食には細心の注意、さらにはプロの力が必要だと思っています。そもそも教育次長は学校給食の状況をきちんとご存じなんでしょうか。例えば小学校で大体幾つぐらいの献立があると思いますか。

三上委員長

お静かにお願いします。

中塚委員

熟練するには何カ月ぐらい必要だと思っていますか、教えてください。

古川教育次長

学校と保育園の献立が違うのは当たり前でありまして、離乳食のある保育園と学校には離乳食はないというのはもうだれが見ても明らかであると思います。

もう一つ、学校の特徴を申し上げますと、基本的には1日1回、しかも大量につくるというのが学校の特徴であると思います。保育園は、1日8時間を超える、場合によっては延長夜間保育も含めて十数時間にわたる中で食事を提供する。どちらが民間の力を借りた業務代行にふさわしいか。考えるまでもないわけでして、学校における短時間に労働力を投入するこの業務こそ民間への業務代行にふさわしい、私はそう思っております。

中塚委員

学校では、例えばある小学校では、1年間で320種類の料理をつくるそうです。そのうち半分は年に1回しかつくらないそうです。子どもたちの大人気のカレーやサバのゴマみそ焼き、こういうメニューでも年に4回ほどなんですね。1度教えれば2度目はだれもができるかと、そういうものでは決してないと話していました。やはり学級給食のチームワーク、力量が何よりも大事だと思います。また、それを支えているのが栄養士です。23区でも学校給食を民間委託を進めたところが、すべての小学校、中学校に栄養士を配置しています。なぜ品川区は栄養士を配置しないんですか。隣の目黒区に話を伺ったところ、委託が決定した1年前には栄養士を張りつけて、それで行っていると言いました。私は改めて学校給食の検討委員会の設置、そして栄養士の配置がどうしても必要ではないかと思いますけれども、ご答弁をお願いします。

古川教育次長

まず検討委員会については、先ほど来申し上げておりますとおり品川区には実績がございます。保育園における実績、それを踏まえての学校への導入でありますので、改めて検討委員会等を設ける必要は私はないと思っていますし、この間、2月8日の戸越台中学校における学校だよりのお知らせ以降、3つの学校でそれぞれ保護者会、P T A、さまざまな形でお話ししておりますけれども、どちらからもそういうご意見はいただいておりません。検討委員会を設けるということば少なくとも保護者の立場の方からは1回も伺っていません。 栄養士の配置ですけれども、学校は栄養職員ということであります。東京都の配置基準の中で2校に1人ということでありまして、2校に1人は堅持していきたい、こう思っています。あえて全校に配置する必要はないということでありまして、これも品川区の実例を見ていただきますと、保育園においては、今どうでしょうか。37園栄養士は1人もおりません。本課に数名の栄養士がいて全園の管理ができているわけでありますから、学校においては東京都の基準でありますので、あえてその状況を私は云々するつもりはありませんけれども、栄養職員については2校に1人の体制で何ら変わることなく今までと同じ安心安全な給食は提供できる、このように考えております。

中塚委員

最後に私は、子どものこの体をつくる学校給食、他の区は19区が検討委員会を設置し、そしてすべての小学校、中学校で栄養士を配置している。事前の検討会も行わない、事前の説明会も行わない。戸越台中学に至っては、2月に発表して4月に実施。これはあまりにもおかしいんじゃないかと思います。なぜ子どもたちがおいしいと評判の学校の給食を変えなければならないのか、私は今までどおり直営を存続すべきだと思います。

三上委員長

以上で、中塚委員の質疑を終わります。

上へ


品川区職員定数条例の一部を改正する条例反対討論:鈴木ひろ子区議(2005年3月29日)

食中毒事故を調査もせずに委託契約
学校給食の安全管理が極めて無責任

日本共産党区議団を代表して、第10号議案「品川区職員定数条例の一部を改正する条例」に反対の立場から討論を行います。

本条例は、品川区の職員定数を2,832人から2,759人に73人減じるものです。減の主な内容は、学校給食調理を3校民間委託することにより調理員を12名、学童保育クラブを10館閉鎖し指導員を20名、区立図書館6館の窓口業務委託により21名などの削減です。

以下反対の理由を述べます。

第1は学校給食調理の民間委託の問題です。

区は、今年4月1日より荏原第五中、戸越台中、台場小の3校において、初めて学校給食の調理業務を民間委託します。一般質問や委員会での審議を通じて改めて民間委託の問題点が浮き彫りになりました。最大の問題は民間委託で安全が守れるのかということです。

折しも議会の最中の2月13日に、区が戸越台中と荏原第5中に委託契約をしたシダックス株式会社が、葛飾区の老人保健施設で46名のノロウイルスによる食中毒事故を発生させ、6日間の営業停止処分が行なわれました。シダックスは私が調べただけでも、去年から今年にかけて何度も食中毒による営業停止処分を受けています。去年4月2日に大阪府堺市で、7月22日に鹿児島県で、今年に入っては1月31日に横浜市で、さらに2月12日に滋賀県彦根市で食中毒事故を発生させました。今回の葛飾区を含めると実にわずか2年の間に5件の営業停止処分を受けていることがわかりました。これは、私がインターネットでわずかな時間でわかったものです。「企業の実態を調査したのか」とのわが党議員の質問に対して、区は「都内の情報を調査した」と答弁しましたが、全国展開している企業だと説明しておきながら、このように全国でいくつも起こしている食中毒事故の実態をろくに調査もせずに委託契約していたことが明らかになりました。安全管理について極めて無責任と言わざるを得ません。まったく背筋が寒くなる思いです。

さらにシダックスは、調理員募集の広告に時給750円という条件を出しました。「区の委託料から考えると人件費は多く見積もっても6割程度、4割は企業利益となる。企業に儲けさせるための委託ではないか」とのわが党議員の質問に、課長は「企業の利益率には興味がありません」と答弁しました。時給750円で働かせるこの労働条件にこそ、調理員がくるくる替わり定着しない問題の根本があるのに、これに「興味がない」というのでは、学校給食の安全性の確保や衛生管理、味などの調理技術の継承を保障することはできません。

区は「保育園で調理業務を民間委託して、なんら問題がないから学校給食に広げることは当然」と答弁しました。しかし、2000年11月、中延保育園で民間委託して半年後、ノロウイルスの集団感染が発生し、その事実を隠そうとしたため、食中毒調査マニュアルに沿った対応をせずに、2次感染、3次感染を広げ、その結果49名もの感染患者を出すという最悪の事態を引き起こしたことへの反省がまったくないものといわなければなりません。

さらに品川区は民間委託にあたり栄養士の配置をしないとしています。品川区以外の22区は委託校のすべてに配置しています。新宿区は、「学校給食が安全に提供され、かつ衛生管理を徹底するため、受託業者の請け負う役割が適正に履行されるようチェックを行うとともに調理員への指示や指導を行う上で、学校栄養士の役割は非常に重要である」と位置づけています。

2つ目は品川区のすすめ方の異常さです。品川を除く22区中19区が検討委員会をつくつて検討、多くの区が決定前に区民に情報提供し、区民から意見を聴取しています。決定後の区民への周知もほとんどの区が広報で区民に知らせ、説明会を開いています。他の区も品川区と同じ調理業務の民間委託です。しかし、「なんら問題はない」と検討委員会もつくらず、決定前に区民に−切の情報提供もしなければ意見を聞くこともない、さらに決定後も区報へも掲載せず、説明会も開かないという区民無視のすすめ方をしているのは23区の中でも品川をおいて他にありません。

学校給食調理業務の民間委託は中止し、改めて、父母や区民参加で検討委員会をつくり、検討しなおすべきです。

次に学童保育クラブの10館の閉鎖に伴う20名の削減の問題について述べます。学童保育クラブがすまいるスクールに移行して2年半が経過しますが、学童保育に通うべき子どもがすまいるスクールに通えていないことが最大の問題です。「小学1年生の息子が『すまいるがつまらない』と家でゲームばかりやっていて困る」と言う声が何人かの父母から寄せられています。すまいるスクールが学童保育の代わりにはなりえないことを示しています。あらためてすまいるスクールの検証を求めます。学童保育クラブの廃止は中止し、廃止した学童保育クラブも復活させるべきと考えます。

最後に図書館の窓口業務委託を4館から全10館に拡大し、21名の職員を削減する問題です。公共図書館のサービス目標は、いつでも・どこでも・だれでもが知る権利学ぶ権利を保障し、本を始めとする資料や情報を提供していく機関です。図書館は図書館法に基づき専門職員・司書を置くように求めていますが、品川区はこの間、長期経験者、司書資格を有する職員を次々に異動させ、更に窓口業務委託で職員の専門性を低下させています。経験ある職員は、利用者がより豊かな資料に出会うきっかけを作ります。レファレンスサービス等窓口業務低下を招く窓口委託はやめるべきです。

上へ

前のページへ戻る           日本共産党品川区議団TOPへ